会計はfreee、営業はSalesforce、チャットはSlack、勤怠はKING OF TIME。
どれも、選んだ時点では正しい判断でした。ただ5年たつと、月初にSaaSの請求書がいくつも届きます。同じ取引先の情報を、3つの画面に入力している。そんな会社は少なくありません。
契約更新の案内が来るたびに「これは本当に必要か」と迷う。けれど、やめたら何で代わりをするのかが分からない。
その迷いは、業務領域ごとの対応表でほどけます。Odooは、会計・販売・在庫・CRM・人事などのアプリが1つのデータベースを共有するERPです。請求書発行・経費精算・プロジェクト・ヘルプデスクのように、Odooのアプリとほぼ重なる領域は置き換えの候補になります(業務領域別の対応表)。
寄せる先を決めて置き換えると、たとえば次のことが変わります。
- 取引先を1回登録すれば、見積・請求・仕訳で同じレコードが使われる
- SaaSごとの契約更新や退職時のアカウント削除が、1か所にまとまる
- 新しいアプリを、新しい契約なしで使い始められる
- 部門別や商品別の損益を、売上・在庫・人件費を組み合わせて見られる
ただし、SaaSを全部やめる必要はありません。会計は一部が重なるだけで、日本の税務申告は会計SaaSの側に残ります。給与は、置き換えの対象から外れます(置き換えが向かないケース)。
では、寄せれば費用は下がるのか。その答えは、課金の「型」を見ると分かります(課金構造の違い)。
Community版とEnterprise版について
この記事でOdooの機能と価格に触れる箇所は、有償のEnterprise版を前提としています。無償のCommunity版は一部アプリが含まれず、自社でホスティングと保守を行う形になります。違いは Odoo Community版とEnterprise版の違い を参照してください。
なぜ「対応表」が必要になるのか
SaaSは1つずつ選ぶと最適でも、全体で見ると二重入力と分断を生みます。対応表は、その分断がどこで起きているかを見つける地図です。
ツールごとに正しく、全体では重複する
会計SaaSにも、販売SaaSにも、CRMにも、それぞれ「取引先マスタ」があります。取引先の基本情報を登録する台帳のことです。3つのツールを使えば、同じ取引先を3回登録し、住所が変われば3回直します。
各ツールの欠陥ではありません。単独で完結するように作られているからこそ起こる、構造上の重複です。
Odooが「統合」で解こうとしていること
Odooは、会計・販売・在庫・CRM・人事といった業務アプリが、1つのデータベースを共有する設計です。取引先を1回登録すれば、見積・請求・仕訳のすべてで同じレコードが使われます。
アプリの全体像は Odooのアプリ一覧と全体像 にまとめています。
対応表の読み方:3つの関係
SaaSとOdooアプリの関係は、「同等」「一部重なる」「連携先」の3つに分かれます。業務領域別の対応表は、この区別で読んでください。
| 関係 | 意味 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 同等 | 主な業務範囲がほぼ重なる | 置き換えの候補になる |
| 一部重なる | 基本機能は重なるが、専用SaaSに深い機能がある | 使っている機能次第で判断する |
| 連携先 | 役割が違い、置き換えではなくつなぐ相手 | 残して連携する |
「同等」でも、日本固有の機能(電子申告や年末調整など)の有無で結論が変わります。表の右端には、各アプリの詳細記事へのリンクを置きました。気になる行は、そちらで細部を見てください。
OdooとSaaSの対応表:業務領域別
日本でよく使われているSaaSを中心に、グローバルで有名なものを1つ添えています。
会計・請求・経費
| 業務 | Odooアプリ | 日本で使われているSaaS | グローバル | 関係 | 詳細 |
|---|---|---|---|---|---|
| 会計 | Accounting | freee会計/マネーフォワード クラウド会計 | QuickBooks Online | 一部重なる | 会計機能 |
| 請求書発行 | Invoicing | Misoca/楽楽明細 | Zoho Invoice | 同等 | 請求書発行 |
| 経費精算 | Expenses | 楽楽精算/マネーフォワード クラウド経費 | SAP Concur | 同等 | 経費精算 |
| サブスク請求 | Subscriptions | — | Stripe Billing | 一部重なる | サブスクリプション管理 |
| 電子署名 | Sign | クラウドサイン/GMOサイン | DocuSign | 一部重なる | 電子署名 |
会計が「一部重なる」なのは、日本の税務申告や電子申告が会計SaaSの側にしかないからです。freeeとの違いは Odooとfreeeの違い に、マネーフォワードとの違いは Odooとマネーフォワード クラウドの違い にまとめました。
営業・販売・店舗
| 業務 | Odooアプリ | 日本で使われているSaaS | グローバル | 関係 | 詳細 |
|---|---|---|---|---|---|
| CRM | CRM | Mazrica | Salesforce Sales Cloud/HubSpot CRM | 同等 | CRM |
| 見積・受注 | Sales | board/楽楽販売 | Zoho CRM | 同等 | 販売管理 |
| POSレジ | Point of Sale | スマレジ/Airレジ | Square | 一部重なる | POSレジ |
| EC | eCommerce | BASE/STORES | Shopify | 一部重なる | EC機能 |
| Webサイト | Website | STUDIO | WordPress/Wix | 一部重なる | Webサイトビルダー |
ECは「一部重なる」です。Shopifyのようなプラットフォームは、決済・配送・アプリ市場の広さで先行しています。大規模なECを業務の中心に置く会社なら、残すのが現実的です。
在庫・購買・製造
| 業務 | Odooアプリ | 日本で使われているSaaS | グローバル | 関係 | 詳細 |
|---|---|---|---|---|---|
| 在庫 | Inventory | zaico/ロジザード ZERO | Zoho Inventory | 同等 | 在庫管理 |
| 購買 | Purchase | 楽楽販売/BtoBプラットフォーム 受発注 | — | 一部重なる | 購買管理 |
| 製造 | Manufacturing | TECHS | Katana MRP | 一部重なる | 製造管理 |
| 設備保全 | Maintenance | MENTENA | UpKeep | 同等 | 設備保全 |
人事・労務
| 業務 | Odooアプリ | 日本で使われているSaaS | グローバル | 関係 | 詳細 |
|---|---|---|---|---|---|
| 従業員管理 | Employees | SmartHR/freee人事労務 | BambooHR | 一部重なる | 人事管理 |
| 採用 | Recruitment | HRMOS採用/ジョブカン採用管理 | Greenhouse | 同等 | 採用管理 |
| 勤怠・休暇 | Attendances / Time Off | KING OF TIME/ジョブカン勤怠管理 | — | 一部重なる | 勤怠・休暇管理 |
| 給与 | Payroll | freee人事労務/マネーフォワード クラウド給与 | — | 置き換え対象外 | 給与計算と日本対応 |
| 人事評価 | Appraisals | カオナビ/HRBrain | Lattice | 同等 | 人事評価 |
給与は置き換え対象外です。 Odooの給与計算は、日本の法制度に対応していません。給与SaaSは残して併用するのが現実的です。
勤怠を「一部重なる」としたのも、同じ理由です。36協定や有給管理の法対応は、専用SaaSのほうが深く作られています。
マーケティング・イベント
| 業務 | Odooアプリ | 日本で使われているSaaS | グローバル | 関係 | 詳細 |
|---|---|---|---|---|---|
| メール配信 | Email Marketing | 楽楽メールマーケティング(旧:配配メール) | Mailchimp | 同等 | Eメールマーケティング |
| MA | Marketing Automation | SATORI | HubSpot Marketing Hub | 一部重なる | マーケティングオートメーション |
| イベント | Events | Peatix/EventHub | Eventbrite | 一部重なる | イベント管理 |
| アンケート | Surveys | Questant | SurveyMonkey/Googleフォーム | 同等 | アンケート機能 |
プロジェクト・サポート・社内コミュニケーション
| 業務 | Odooアプリ | 日本で使われているSaaS | グローバル | 関係 | 詳細 |
|---|---|---|---|---|---|
| プロジェクト | Project | Backlog | Asana/Jira | 同等 | プロジェクト管理 |
| 工数 | Timesheets | TimeCrowd/freee工数管理 | Toggl Track | 同等 | 工数管理 |
| ヘルプデスク | Helpdesk | Re:lation/楽楽自動応対(旧:メールディーラー) | Zendesk | 同等 | ヘルプデスク |
| 日程調整 | Appointments | TimeRex/Spir | Calendly | 同等 | 予約管理 |
| シフト | Planning | Airシフト/シフオプ | Deputy | 同等 | シフト・リソース計画 |
| 承認 | Approvals | ジョブカンワークフロー/コラボフロー | — | 同等 | 承認ワークフロー |
| チャット | Discuss | Chatwork | Slack/Microsoft Teams | 一部重なる | 社内チャット |
| 文書管理 | Documents | — | Box/Dropbox | 一部重なる | 文書管理 |
チャットは「一部重なる」です。Odooの社内チャットは、業務レコードに紐づく会話に強みがあります。社外とのやりとりや外部連携の広さでは、専用ツールが先行しています。
6つの表を見て、「同等」の行が思ったより多いと感じたかもしれません。ただ、同等だから寄せる、とはすぐに決まりません。次に効いてくるのが、お金の払い方です。
専用SaaSとOdooの課金構造の違い:何が変わるのか
置き換えで最初に変わるのは、金額そのものより「何に対して払うか」です。金額の優劣ではなく、この構造を先に押さえておくと、試算を誤りにくくなります。
専用SaaSの課金は5類型に分かれる
| # | 類型 | 何で金額が決まるか | 該当する例 |
|---|---|---|---|
| ① | ユーザー単位 | システムを操作する人数 | Salesforce、Asana、Jira |
| ② | 店舗単位 | 店舗の数 | スマレジ |
| ③ | 売上連動 | 売れた金額と件数 | BASE などEC SaaS |
| ④ | 従業員数 | 在籍する従業員の数 | SmartHR など人事SaaS |
| ⑤ | プラン単位 | 選んだプラン(人数に上限) | board、Backlog |
Odooと比べたとき、有利・不利が入れ替わる条件は類型ごとに違います。だから、まず相手の類型を見分けます。
公式サイトで金額が公開されている料金体系の例は、次のとおりです。
- freee会計(法人):プランごとの月額制。プランに付帯するメンバー数が決まっている
- Salesforce:エディションごとの、ユーザー1人あたりの月額制
- スマレジ:店舗単位の月額制。1店舗なら無料で使えるプランもある
- BASE:初期費用・月額費用がかからないプランがあり、売れた額に応じて決済手数料とサービス利用料がかかる
- Backlog:プラン単位の月額制。プランごとに人数とプロジェクト数の上限がある
(※課金の型は、2026年9月時点の各社公式サイトの情報にもとづきます。金額や条件は改定されることがあるため、検討時に各社の公式ページでご確認ください)
一方、SmartHRのように公式ページで金額を公開せず、見積もりを前提とするサービスもあります。見積もりを取らないと総額が見えない体系か、単価が先に分かる体系か。 これも構造の違いのひとつです。
Odooの課金は「全アプリ一律のユーザー課金」
Odoo Enterprise版は、使うアプリの数にかかわらず、ユーザー数で料金が決まります。会計だけ使っても、会計・販売・在庫・CRMを使っても、1ユーザーの単価は同じです。
課金の対象は、システムを操作するユーザーです。従業員全員でも、店舗数でも、売上でもありません。ここを取り違えると、試算が大きくずれます。
金額の詳細と考え方は、Odooの料金体系を解説 にまとめました。
類型ごとに、判断の分かれ目が変わる
| 相手の類型 | Odooが有利になりやすい | 相手が有利になりやすい |
|---|---|---|
| ① ユーザー単位 | 複数の製品を契約している | 1製品だけで足りる |
| ② 店舗単位 | 店舗が多く、操作する人が少ない | 店舗が少なく、スタッフが多い |
| ③ 売上連動 | 売上が大きく、手数料が積み上がる | 売上が小さく、固定費を抑えたい |
| ④ 従業員数 | 従業員は多いが、触るのは一部 | 全員がシステムを使う |
| ⑤ プラン単位 | 人数が少ない | 人数が多い(上限内なら定額) |
自社がどの行に当てはまるかを、先に決めてください。 そのうえで実際の人数・店舗数・月商を当てはめれば、比較の答えは出ます。
構造の違いが意味すること
専用SaaSを3つ契約している会社が、その3つをOdooに寄せたとします。すると、「製品×プラン」の掛け算が「ユーザー数」の一本に変わります。管理する契約の本数が減り、新しいアプリを使い始める判断も軽くなります。
ただし、金額が下がるとは限りません。どちらに転ぶかは、類型ごとに変わる分かれ目の表で、自社がどこに当てはまるかで決まります。
置き換えには、移行・設定・導入支援の費用も別途かかります。ライセンス費用だけで比べると、判断を誤ります。ライセンス費用の見直しから考えるなら、ERPのライセンス費用を見直したい企業の選択肢 も参考になります。
課金の型そのものがAIでどう変わりうるかは、AIの料金が「席」から「成果」へ(バーチャルブログ)にまとめました。
SaaSをOdooに置き換えるメリットとデメリット
どの領域にも共通する得失は、次の4つずつです。この記事の対応表と得失は、Enterprise版を前提にしています。領域ごとの細かな違いは、各アプリの記事に書いています。
メリット
転記がなくなる
見積が受注になり、納品が請求になり、請求が仕訳になる。この流れが1つのデータベースで動くため、ツール間のコピーが要らなくなります。
契約とアカウントの管理が一本化される
SaaSごとの契約更新、権限設定、退職時のアカウント削除が1か所にまとまります。
追加の業務を始めやすい
新しいアプリを使うときに、新しい契約もマスタの登録し直しも要りません。
経営の数字がつながる
売上・在庫・人件費が同じ基盤にあります。部門別や商品別の損益を、組み合わせて見られます。
デメリット
日本固有の機能は専用SaaSのほうが深い
税務申告、年末調整、36協定の管理など、日本の制度に密着した機能はOdooにありません。
専用SaaSの「深さ」を失う
CRMならSalesforceの拡張性、ECならShopifyのアプリ市場。専用ツールが業務の中心なら、統合で失うものが大きくなります。
移行の手間と期間がかかる
データ移行、設定、再教育が要ります。使っているSaaSが多いほど、どの順番で移すかの設計に手間がかかります。
慣れた画面が変わる
現場が使い慣れたツールを手放すことになります。移行後の定着が課題になる点は、どのERPでも同じです。
両方を並べると、次の図のとおりです。
デメリットの多くは、領域ごとに「置き換える・併用する・残す」を分けると抑えられます。分け方は置き換えが向かないケースにあります。
Odooへの置き換えが向かないケース
統合は手段であって、目的ではありません。次の3つに当てはまる領域は、専用SaaSを残して連携するほうが現実的です。
日本の法制度に密着した機能
給与計算、年末調整、電子申告、36協定の管理。これらは専用SaaSの側で日本向けに作り込まれており、Odooに同じものはありません。残して連携するが基本です。
専用SaaSが業務の中心になっている
ECの売上が事業の大半を占め、Shopifyのアプリ市場を使い込んでいる。CRMの自動化を、営業プロセスの中核に据えている。こうした会社では、統合で失う深さのほうが大きくなります。
既存の連携が深く、置き換えると壊れる
会計SaaSと銀行、CRMと名刺管理、チャットと外部ツール。連携が業務に組み込まれているほど、置き換えの影響は広がります。
API連携(システム同士をつなぐ窓口)で残す選択肢は、OdooのAPI連携 で扱っています。どのシステムが残りやすいかという大きな流れは、AI時代に「消えるシステム」と「残るシステム」(NetSuiteの教科書)で論じました。
会議で使える「寄せる・残す」の仕分けチェック
SaaSを1つずつ、次の5項目に当てはめてみてください。□に多く当てはまるほど、Odooに寄せる候補です。
- □ 同じ取引先や商品を、ほかのSaaSにも入力している
- □ 対応表で「同等」の行に当たる
- □ 日本の法制度(給与・申告・36協定)に密着した機能を使っていない
- □ そのSaaSにしかない機能を、日々の業務で使い込んでいない
- □ 1年以内に契約更新が来る
逆に、3つ目と4つ目に当てはまらないSaaSは「残して連携する」側です。残す理由を1行で書いておけば、次の更新時に迷いません。
ベンチャーネットが「寄せるSaaS・残すSaaS」を仕分ける順番
対応表で「同等」の行が多くても、一度に移行するのはおすすめしません。ERP導入支援を手がけるベンチャーネットがご相談を受けたときは、次の5段階で進めます。
使っているSaaSと更新月を1枚に書き出す
契約中のSaaS、使っている部署、触っている人数、契約更新月を一覧にします。課金の類型(専用SaaSの課金の5類型の①〜⑤)も、この段階で書き添えます。何にいくら払っているかより先に、何が何本あるかを見える化します。
同じ情報を何回入力しているかを数える
取引先・商品・従業員の情報が、どのSaaSに何回入力されているかを数えます。多くの会社で転記が集中するのは、販売(見積・受注・請求)と会計のつなぎ目です。ここが1つにつながると、月次の締め作業が変わります。
標準機能に業務を合わせられるかを見る
「同等」の行は、Fit to Standard(標準機能に業務を合わせる考え方)で検討します。いまのSaaSの使い方をそのまま再現しようとすると、移行の手間が膨らむからです。請求書発行、経費精算、プロジェクト、ヘルプデスクなどは、契約更新に合わせて1つずつ寄せていきます。
残すSaaSは、つなぎ方まで決める
「一部重なる」と「連携先」の行は、基本業務がOdooで回り始めてから判断します。そのほうが、判断の精度が上がるからです。給与や申告のように残すと決めた領域は、どのデータをどちら向きに渡すかまで設計します。
3〜5年後の姿から、器が合っているかを見直す
最後に、3〜5年後の人数・拠点・事業の広がりを、課金の類型に当てはめます。ベンチャーネットは、NetSuite・Odoo・AIスクラッチ開発を扱い、SAPからのリプレイスにも対応しています。Odooが合わないときは、そのままお伝えします。
規模や拠点が大きくなる見込みなら、NetSuiteのほうが合うこともあります。パッケージに乗らない固有業務には、AIスクラッチ開発という道もあります。ライセンスがない代わりに、開発費と保守費が別途かかります。
NetSuiteに進む場合の日系SaaSとのつなぎ方は、NetSuiteの教科書のNetSuite×日系SaaS連携マップにまとめています。
自社がOdooに向いているかどうかの判断軸は、Odooが向いている企業・向いていない企業 にまとめています。
SaaSの置き換えについてよくある質問
会計はfreeeのまま、販売と在庫だけOdooにできますか?
できます。実際、この組み合わせは多くあります。
Odooで販売・在庫・請求を回し、仕訳データを会計SaaSに連携する形です。税務申告や電子申告は、会計SaaSの側で行います。連携の設計は要りますが、統合の効果の多くはこの形でも得られます。
SaaSを減らせば、費用は必ず下がりますか?
下がるとは限りません。
専用SaaSの合計と、Odooのユーザー課金の合計。どちらが大きいかは、使うアプリの数とユーザー数で変わります。移行と導入支援の費用も別にかかります。ライセンス費用だけでなく、総額と、転記がなくなることによる工数の変化をあわせて見てください。
Community版でも同じ対応表が使えますか?
一部のアプリは使えません。
StudioやSign、HelpdeskなどはEnterprise版のみのアプリで、Community版にはありません。この記事の対応表は、Enterprise版を前提にしています。Community版で使える範囲は、Odoo Community版とEnterprise版の違い を参照してください。
給与はなぜ置き換え対象外なのですか?
Odooの給与計算が、日本の法制度に対応していないためです。
社会保険料の計算、源泉徴収、年末調整といった日本固有の処理は、Odooの標準機能にありません。公式の給与ローカライズ対応国の一覧にも、日本は入っていません(出典:Odoo公式ドキュメント、2026年10月確認)。給与SaaSを残し、人事マスタや勤怠データをOdooと連携させるのが現実的です。詳しくは Odooの給与計算と日本対応の現実 にまとめています。
対応表に載っていないSaaSを使っていますが、どう読めばよいですか?
業務の種類で、対応表を読み替えてください。
たとえば「請求書を作るツール」ならInvoicing、「案件を管理するツール」ならCRMかProjectです。業務の機能から、対応するアプリを探せます。判断に迷う場合は、使っている機能を書き出したうえでご相談ください。
SaaSをOdooに置き換えるメリットとデメリットは何ですか?
利点は転記が消えることで注意点は日本固有の機能です。
見積から仕訳までが1つのデータベースで動き、契約とアカウントの管理も一本化されます。一方、税務申告や年末調整など日本の制度に密着した機能は、専用SaaSのほうが深く作られています。移行の手間と期間もかかります(置き換えのメリットとデメリット)。
まとめ:対応表は「やめる順番」を決めるための地図
- SaaSは1つずつ選ぶと正しくても、全体では取引先や商品の二重入力を生む
- 対応関係は「同等」「一部重なる」「連携先」の3つで読む
- 専用SaaSの課金は5類型(ユーザー・店舗・売上・従業員数・プラン単位)。どの類型と比べるかで有利不利が入れ替わる
- 給与など日本の法制度に密着した領域は、置き換えず併用する
- 一度に移行せず、転記の多い販売と会計から1領域ずつ進める
SaaSをいくつ使っているかは、問題ではありません。問題は、同じ情報を何回入力しているかです。対応表は、その回数を減らすために、どこから手をつけるかを決める地図として使ってください。
1年後の契約更新の月、経理に届くSaaSの請求書は、残すと決めたものだけになっている。給与や会計のSaaSの横には、残す理由が1行ずつ書き添えてある。
もう少し詳しく知りたい方へ
「いま使っているSaaSを書き出したら、どれを残すか迷った」という段階からご相談いただけます。業務の棚卸しからご一緒します。
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