OdooのアプリはNetSuiteで何に当たるか|45アプリ対応表で見る「標準で足りる・拡張で補う・連携する」【2026年版】

「Odooの承認アプリに当たる機能は、NetSuiteにもありますか」

NetSuiteを検討している方から、よく受ける質問です。

Odooのアプリ一覧には、会計から承認、予約、アンケートまで、業務ごとのアプリが並んでいます。

同じものがNetSuiteにあるのかどうか。気になるのは当然です。

OdooとNetSuiteのアプリ対応表とは、Odooの主要45アプリを業務領域ごとに並べ、NetSuiteでの実現方法を示した一覧です。

実現方法は3つに分かれます。

NetSuiteの標準で足りる。拡張で補う。専用のSaaSと連携する。

冒頭の承認アプリは、少しややこしい例です。

発注や経費の承認は、NetSuiteの標準にあります。

紙の稟議に当たる汎用の申請は、標準にはなく、作る領域です。

では、自社にどちらの製品が合うかは、表のどこを見れば分かるのか。

アプリの数を数えても、答えは出ません。

NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットは、Odooの導入支援も行っています。

どちらか一方に誘導する立場ではありません。

この対応表も、優劣を決めるためではなく、自社の業務がどちらの設計思想に合うかを見極める地図として作りました。

目次

この記事で分かること

  • Odooの45アプリが、NetSuiteのどの機能・どの実現方法に当たるか
  • NetSuiteの「標準が厚い領域」と「拡張や連携で補う領域」の境目
  • 費用の構造と、日本固有の要件の担い方の違い
  • 対応表を、自社の判断にどう使うか

対応表の読み方|3つの関係

OdooのアプリとNetSuiteの機能は、次の3つの関係に分かれます。

表を読む前に、この区別を押さえてください。

判定意味NetSuiteでの実現方法
① 標準で足りるNetSuiteの標準機能に同じ業務範囲がある追加開発なし。モジュールのライセンスが要る場合あり
② 拡張で補う標準にはないが、単機能で小さいSuiteAppやカスタマイズ(項目・レコード・ワークフロー)で作る
③ 連携する相手側の商流・法対応・エコシステムに価値がある専用SaaSを残し、NetSuiteとつなぐ

SuiteAppは、NetSuiteに追加して使う拡張アプリのことです。

Odooの教科書の対応表では、「同等」「一部重なる」「連携先」の3分類を使っています。

ここでの①②③は、それをNetSuite側から見た区分です。

NetSuiteでの実現方法:3つの判定 標準で足りる、拡張で補う、連携するの3つの判定と、それぞれの条件と例。判定は業務単位で行い、1社の中で3つが混ざる。 NetSuiteでの実現方法:3つの判定 ① 標準で足りる 同じ業務範囲がNetSuite標準にある 例:会計・販売・在庫・製造・CRM ② 拡張で補う 標準にはないが、単機能で小さい 例:汎用の承認・休暇・予約・アンケート ③ 連携する 相手側の商流・法対応に価値がある 例:給与・EC・決済・メール配信 判定は業務単位。1社に①②③が混ざるのが普通
NetSuiteでの実現方法:3つの判定

判定は、業務単位で行います。

1社の中で①②③が混ざるのが普通です。

業務領域別の対応表

判定は、中堅の製造・卸売・商社を想定した一般的な見立てです。

モジュールの提供状況は、契約内容と地域で変わります。

🌏印の付いた領域は、導入時に最新の公式情報で確かめてください。

会計・請求・経費・契約

OdooアプリNetSuiteでの実現判定主な連携先(日本/海外)
Accounting(会計)財務会計の標準機能。多通貨・多子会社・連結は標準の強み①税務申告は税理士・税務ソフト側(両製品共通)
Invoicing(請求書発行)請求書の標準機能+日本向け機能(締め請求・適格請求書)①WEB配信・郵送代行は楽楽明細など
Expenses(経費精算)経費レポートの標準機能(承認・仕訳連動)①/③楽楽精算・マネーフォワード クラウド経費/SAP Concur
Subscriptions(継続課金)継続請求と収益認識の機能(追加ライセンス)①Stripe(公式連携あり)
Sign(電子署名)標準にはない。対外契約は電子契約サービスと連携。社内向けの簡易な署名・承認の証跡は拡張で作れる②/③クラウドサイン・GMOサイン/DocuSign(公式SuiteAppあり)
Documents(文書管理)ファイル添付の標準機能で簡易には足りる。本格的な文書管理は連携①/③Box/Dropbox

会計・請求は、NetSuiteの中核です。

Odoo側の対応表で会計が「一部重なる」なのは、日本の税務申告が会計SaaS側にしかないためでした。

これはNetSuiteでも同じです。

申告書の作成は、どちらの製品でも外側で行います。

販売・CRM・店舗

OdooアプリNetSuiteでの実現判定主な連携先(日本/海外)
CRM顧客・商談・活動を扱うCRMが標準。受注・請求と同じデータベース①Mazrica/Salesforce(連携アプリあり)
Sales(見積・受注)見積・受注・出荷・請求の標準機能+日本の商習慣①board・楽楽販売は置き換えの対象
Point of Sale(店舗POS)店舗向けの提供の有無は🌏要確認。日本の店舗運用は外部POSとの連携が現実的③スマレジ・Airレジ/Square
Rental(レンタル)標準にはない。貸出・返却・延滞を管理する仕組みは拡張で作れる②—

CRMは、顧客や商談の情報を管理する仕組みのことです。

在庫・購買・製造

OdooアプリNetSuiteでの実現判定主な連携先(日本/海外)
Inventory(在庫)複数拠点・ロット・引当・棚卸の標準機能。NetSuiteの強み①日系WMSを併用する場合はロジザードなど
Purchase(購買)発注・承認・入荷・照合の標準機能①取引先ネットワーク型はBtoBプラットフォーム
Manufacturing(製造)製造指図・BOMの標準機能+工程・実績管理(追加ライセンス)①日本の生産管理パッケージを併用するときは連携
PLM独立したPLMは標準にない。BOMの改訂は標準。本格的なPLMは連携①/③Arena PLMなど
Quality(品質)品質管理の機能(追加ライセンス)。AIの強化が予定されている領域①—
Maintenance(設備保全)保全アプリは標準にない。設備台帳と定期点検は拡張で作れる②/③MENTENA/UpKeep
Barcode純正のモバイル・WMS機能(追加ライセンス)①外部のハンディ端末

BOMは部品表、PLMは製品の設計情報を一生涯にわたって管理する仕組みです。

在庫・購買・製造は、NetSuiteが「はじめから統合されている」強みを出しやすい領域です。

Odooがアプリを積み上げて届く範囲を、NetSuiteは標準の設計として持っています。

人事・労務

OdooアプリNetSuiteでの実現判定主な連携先(日本/海外)
Employees(従業員)人事機能の🌏日本での提供範囲は要確認。従業員マスタは標準①/③SmartHR・freee人事労務/BambooHR
Recruitment(採用)標準にはない。採用は専用SaaSに任せ、入社後のデータをつなぐ③HRMOS採用・ジョブカン採用管理/Greenhouse
Attendances/Time Off(勤怠・休暇)休暇管理は人事機能の範囲(🌏要確認)。労基法に沿った勤怠計算は専用SaaS②/③KING OF TIME・ジョブカン勤怠
Payroll(給与)日本の給与計算には対応していない。給与SaaSと仕訳を連携する③freee人事労務・マネーフォワード クラウド給与
Appraisals(評価)評価の機能は人事機能の範囲(🌏要確認)。簡易な評価シートは拡張で作れる②/③カオナビ・HRBrain/Lattice

給与は、OdooもNetSuiteも同じ結論です。

Odoo側の対応表でも、給与は「置き換え対象外」とされていました。

日本の社会保険・源泉徴収・年末調整は、専用SaaSに残します。

人事マスタと仕訳を連携する形が、現実的です。

マーケティング・Web・EC

OdooアプリNetSuiteでの実現判定主な連携先(日本/海外)
Email MarketingCRMのキャンペーン機能で簡易な配信は可能。規模と到達性は専用SaaS①/③楽楽メールマーケティング/Mailchimp
Marketing Automation本格的なMAは標準にない③SATORI/HubSpot
Social Marketing標準にはない③SNS管理ツール
WebsiteEC・サイト機能はあるが、コーポレートサイトの用途には向かない③STUDIO/WordPress
eCommerceEC機能(追加ライセンス)。既存のECとの連携が一般的①/③BASE・STORES/Shopify(公式連携あり)
Events簡易なイベント管理は拡張で作れる。申込・決済は連携②/③Peatix/Eventbrite
Surveys標準にはない。回答を顧客に紐づける簡易な仕組みは拡張で作れる②Questant/SurveyMonkey

MA(マーケティングオートメーション)は、見込み客への配信や追客を自動で行う仕組みです。

プロジェクト・サポート・現場

OdooアプリNetSuiteでの実現判定主な連携先(日本/海外)
Projectプロジェクト管理の標準機能。工数・請求・採算まで扱う機能は追加ライセンス①Backlog/Asana・Jira
Timesheets(工数)工数入力の標準機能。請求・原価につながる①TimeCrowd/Toggl
Helpdesk問い合わせ(ケース)の管理が標準。SLAやマルチチャネルの本格運用は連携①/③Re:lation/Zendesk
Field Service(現場業務)フィールドサービス機能の🌏日本での提供状況は要確認①/③—
Appointments(予約)標準にはない。簡易な予約受付は拡張で作れる②/③TimeRex・Spir/Calendly
Planning(シフト)店舗のシフトの機能は標準にない③Airシフト・シフオプ/Deputy

承認・チャット・電話・IoT

OdooアプリNetSuiteでの実現判定主な連携先(日本/海外)
Approvals(承認)発注・経費・請求など業務の承認は標準のワークフロー。紙の稟議に当たる汎用の申請は、レコードとワークフローで作る①/②ジョブカンワークフロー・コラボフロー
Discuss(社内チャット)チャット機能は標準にない。レコード上のメモと、Slackなどへの通知で代える③Chatwork/Slack・Microsoft Teams
VoIP(電話)電話連携の機能あり(🌏要確認)①/③MiiTel/Zoom Phone
IoT標準にはない。APIで現場の数値を取り込む③IoT基盤の各社

Odoo側の記事でも、承認は「各アプリに組み込まれた承認と、汎用のApprovalsは別物」とされていました。

NetSuiteも同じつくりです。

業務の承認は標準にあり、汎用の稟議は作る領域になります。

拡張・API・AI

OdooアプリNetSuiteでの実現判定補足
Studio(ノーコード)項目・レコード・フォーム・ワークフローを画面から作る標準機能①—
API連携REST/SOAP/独自エンドポイントの標準機能。認証はOAuth 2.0へ移行中①iPaaSも利用可
App Store拡張アプリの公式マーケットプレイス(認証制度あり)①—
OCA(コミュニティ)相当するものはない。パートナー製の認証アプリが代わりになる—エコシステムの思想が違う
AI機能純正のAI(文章補助・請求書読み取り・分析)が標準。🌏提供状況は機能ごとに確認①—
AIエージェント外部のAIをつなぐ仕組み(MCP対応)が標準①ChatGPT・Claudeなど

APIはシステム同士がデータをやり取りする窓口、iPaaSは複数のサービスをつなぐ連携基盤です。

MCPは、外部のAIが業務システムのデータを扱うための接続の規格を指します。

設計思想の違いが、対応表に表れる箇所

45行を通して見ると、2つの製品の性格が浮かびます。

観点Odoo|積み上げるNetSuite|はじめから統合
つくり単機能のアプリを、必要な分だけ足す会計・在庫・製造・多子会社が最初から一体
厚い部分承認・予約・アンケートなど、軽いアプリの幅統制・監査・グローバルの深さ
置き場所自社サーバーでも動くクラウドのみ
向く会社中小〜中堅、小さく始めたい会社中堅以上、グループ・グローバル・統制が要る会社

対応表で①が並ぶ領域と、②が並ぶ領域。

その違いが、そのまま設計思想の違いです。

分かれ目になる問いを図にすると、次のとおりです。

どちらの設計思想が合うか:分かれ目の問い 3〜5年後に多子会社・多通貨・統制の要件があるなら、はじめから統合されたNetSuiteの厚みが生きる。当面は要らず小さく始めたいなら、アプリを必要な分だけ足すOdooが現実的。②③の多さだけでは決まらない。 どちらの設計思想が合うか 3〜5年後の会社の姿に 多子会社・多通貨・統制の要件はあるか 要件がある NetSuite はじめから統合 ①の厚みが生きる 当面は要らない Odoo 小さく始めたい 必要な分だけ足す ②③の多さだけでは決まらない
どちらの設計思想が合うか:分かれ目の問い

NetSuiteの標準が厚い領域

会計・販売・在庫・購買・製造・プロジェクト・CRM。

対応表で①が並ぶ領域です。

複数の拠点や子会社をまたぐ管理、統制や監査への対応は、最初から設計に組み込まれています。

Odooが軽い単機能を持つ領域

承認・予約・アンケート・休暇・設備台帳・レンタル。

対応表で②が並ぶ領域です。

Odooは、これらを独立したアプリとして持ちます。

NetSuiteでは標準にないものが多く、項目・レコード・ワークフローを組み合わせて作ります。

「NetSuiteには承認アプリがない」。

そう読まれやすいのですが、正しくありません。

業務の承認は標準にあり、汎用の申請フォームを作る余地が残っている、という関係です。

作る手間はかかります。

その代わり、作った仕組みは会計や在庫と同じデータベースの上で動きます。

どちらも外側に置く領域

給与・EC・決済・メール配信・社外チャット。

対応表で③が並ぶ領域です。

Odoo側の記事で「残して連携する」とされた領域と、ほぼ重なります。

判定を決めているのは、製品の違いではなく、業務の性質です。

費用の構造の違い

金額の優劣は比べません。

想定する規模が違う製品を金額だけで並べても、判断の材料にならないからです。

比べるのは、費用の構造です。

観点OdooNetSuite
課金の単位ユーザー数。アプリの数にかかわらず単価は一律ユーザー数とモジュール構成の組み合わせ
単価の公開公式サイトで公開個別見積が基本
無償版Community版あり(機能・保守は自社の責任)なし
目安公開単価×ユーザー数ミニマム構成で月額20万円〜が出発点

NetSuiteの金額は、使うモジュール・ユーザー数・オプションで変わります。

導入費用を含めると、数百万円規模の投資になることもあります。

自社の場合の概算は、Oracle NetSuiteの担当営業とベンチャーネットがそろってお伝えしています。

詳しくはNetSuiteの料金・費用・ライセンス体系をご覧ください。

どちらの製品も、ライセンスとは別に、導入支援・設定・データ移行・教育の費用がかかります。

導入の費用と期間を左右するのは、機能範囲・開発(特に外部との連携)・社内の体制・ユーザー数の4つです。

対応表の②と③が多いほど、このうち「開発」が重くなります。

日本固有の要件は、どちらがどう担うか

対応表の判定を左右するのが、日本固有の要件です。

要件OdooNetSuite
消費税・インボイス制度日本向けローカライズで対応(範囲は版で確認)日本向け機能(Japan Localization)で対応
電子帳簿保存法保存要件はSaaSの併用が現実的標準機能+日本向け機能でほぼ対応。受領した請求書は専用SaaSの併用も
締め請求書作り込みが前提日本向け機能に標準で搭載
手形対応なし日本向け機能で対応(でんさいは要設計)
銀行明細の取込銀行同期(対応銀行は要確認)明細取込の連携サービスあり
入金消込標準の消込標準の消込+消込特化SaaSとの連携。日本の複雑な消込は開発で対応
給与・社会保険非対応(給与SaaSを併用)日本は非対応(給与SaaSを併用)

日本向け機能の中身は、NetSuite Japan Localization SuiteAppとはで扱っています。

法制度への対応は、NetSuiteと電子帳簿保存法・インボイス制度の対応をご覧ください。

対応表の読み違い、3つのパターン

3つのパターンと避け方を図にすると、次のとおりです。

対応表の読み違い:3つのパターンと避け方 アプリの数で比べる、標準にないをできないと読む、連携の担い手を決めない、の3つの読み違いと避け方。いちばん大事なのは、数ではなく自社の業務単位で①②③を付けること。 対応表の読み違い:3つのパターン 1 アプリの「数」で比べる 避け方:自社の業務単位で①②③を付ける ①が多く並ぶなら、統合型が合う 2 「標準にない」を「できない」と読む 避け方:作る手間と、会計・在庫と 同じ基盤で動く利点を比べる 3 連携の担い手を決めない 避け方:設計・開発・保守を誰が担うか 決めてから契約する
対応表の読み違い:3つのパターンと避け方

アプリの「数」で比べる

起きること:Odooは45アプリ、NetSuiteは何モジュールか、と数を並べて多いほうを選ぶ。

原因:Odooの1アプリとNetSuiteの1モジュールは、粒度が違います。

Odooが4つのアプリで届く範囲が、NetSuiteでは1つの標準機能に入っていることもあります。

避け方:数ではなく、自社の業務を単位に①②③を付けます。

①が多く並ぶなら統合型が合います。

②③が多く並ぶなら、積み上げ型か、外部SaaSを中心にした形が合います。

「標準にない」を「できない」と読む

起きること:対応表で②を見て、NetSuiteでは承認や予約ができないと判断する。

原因:②は「作る領域」であって、「できない」ではありません。

ノーコードで作れる範囲と、開発が要る範囲の区別がついていないと、こう読み違えます。

避け方:②の項目は、作る手間と、作った後に会計・在庫と同じ基盤で動く利点を比べます。

作る手間を誰が担うかも、先に決めておきます。

連携の設計と運用の担い手を決めない

起きること:③の項目を「つなげばよい」と軽く見て、連携の設計と保守を誰も担わないまま導入する。

原因:連携は、入れたら終わりではありません。

相手SaaSの仕様変更に、追いつき続ける仕組みです。

担い手がいないと、最初の設計のまま古くなっていきます。

避け方:③の項目ごとに、設計・開発・保守を社内で担うか、伴走を頼むかを決めてから契約します。

ベンチャーネットならこう見る|①②③は、見える化の後に決める

「Odooのこのアプリに当たる機能が、NetSuiteにあるか」

この問いから比べ始めると、比べる相手がいつの間にかアプリの一覧になります。

ベンチャーネットは、一覧からではなく、自社の業務から始めます。

型:見える化→整理整頓→Fit&Gap→3つの選択

  1. 業務の見える化:いまの業務の流れを、現場に聞いて描く
  2. 整理整頓:やめる・まとめる・そろえる業務を決める
  3. Fit&Gap:残った業務を、候補の製品の標準機能と照らし合わせる
  4. 3つの選択:合わない業務を、標準に合わせる/開発する/残す、のどれかに決める

Fit&Gapは、業務と機能の合う・合わないを一つずつ見る作業のことです。

ベンチャーネットの進め方:見える化→整理整頓→Fit&Gap→3つの選択 業務の見える化、整理整頓、移る先の製品の標準機能とのFit&Gap、そして標準に合わせる・開発する・残すの3択で決める。 ベンチャーネットの進め方業務の見える化いまの業務フローを現場に聞いて描く整理整頓やめる・まとめる・そろえる業務を決めるFit&Gap移る先の製品の標準機能と照らし合わせる3つの選択標準に合わせる/開発する/残す製品が決まっていても、見える化から始める
ベンチャーネットの進め方:見える化→整理整頓→Fit&Gap→3つの選択

この記事の①②③は、4段目の3つの選択と重なります。

  • ①標準で足りる=標準に合わせる:業務のほうをNetSuiteの標準に寄せる(Fit to Standard)
  • ②拡張で補う=開発する:汎用の承認、休暇・予約などの単機能、入金消込や日本固有の帳票を作る
  • ③連携する=残す:楽楽精算・バクラク・SmartHR・クラウドサインなどの国内SaaSを残し、NetSuiteとつなぐ

違いは、順番です。

対応表を先に見ると、使っていない業務にまで①②③を付けることになります。

整理整頓でやめる業務を先に決めれば、②と③の数が減ります。

その分、開発と連携の費用も軽くなります。

最初の打ち合わせで伺うのは、主に次の3つです。

  • 3〜5年後の会社の姿(子会社・拠点・海外の数)
  • いま使っているSaaSと、残したいもの
  • 開発と連携を、社内の誰が担えるか

1つ目で多子会社・多通貨・統制の要件が出てくれば、NetSuiteの①の厚みが生きます。

当面は要らず、小さく始めたいなら、Odooが現実的です。

どちらが優れているかではなく、それぞれに長所がある。

対応表の結果が「Odooのほうが合う」なら、そのようにお伝えします。

ベンチャーネットは、NetSuite・Odoo・AIスクラッチ開発を扱い、SAPからのリプレイスにも対応しています。

②の開発と、③の国内SaaSとの連携も、既製のコネクタの活用から個別の開発まで引き受けます。

よくある質問

対応表で②③が多い会社は、Odooのほうが合いますか?

②③の多さだけでは決まりません。

②③は業務の性質で決まり、Odooでも同じ領域が「作る」「連携する」になります。

判断の分かれ目は、①の領域でNetSuiteの統合の深さが要るかどうかです。

多子会社・多通貨・統制の要件があるならNetSuite、当面は要らず小さく始めたいならOdooが現実的です。

NetSuiteにない機能は、すべて開発が要りますか?

いいえ。②の多くはノーコードで作れます。

項目・レコード・ワークフローを組み合わせれば、画面から作れる範囲は広くあります。

開発が要るのは、外部システムとのデータ連携や、複雑な計算を伴う仕組みです。

どこまでノーコードで足りるかは、要件を伺ってお答えしています。

NetSuiteとOdooを両方使う構成はありますか?

グループ内で規模の差が大きい場合に考えられます。

本社はNetSuite、小規模な子会社はOdoo、という構成です。

ただし、連結や統制の設計が複雑になります。

目的がはっきりしている場合に限ります。

Odooで始めて、あとからNetSuiteに移れますか?

移れます。ただし、負担は小さくありません。

データ移行・業務の再設計・再教育が要ります。

3〜5年後の会社の姿から逆算して、最初の選択をすることをおすすめしています。

判断の軸は、OdooとNetSuiteの違いで扱っています。

まとめと、今日できること

  • OdooのアプリとNetSuiteの関係は、「①標準で足りる」「②拡張で補う」「③連携する」の3つで読む
  • ①が並ぶ領域(会計・在庫・製造・統制)は、NetSuiteの設計思想そのもの
  • ②が並ぶ領域(承認・予約・アンケートなど)は作れる。「できない」ではない
  • ③(給与・EC・決済など)は、どちらの製品でも外側に置く。決めているのは業務の性質
  • 費用は金額ではなく構造で比べる。日本固有の要件は、日本向け機能と連携・開発で埋める

今日できること:いま使っているSaaSと欲しい機能を、業務単位で書き出してください。

その横に、この対応表で①②③を付けてみます。

①が多ければ、統合型の恩恵が大きい会社です。

②③の項目は、「誰が作り、誰がつなぐか」を決めれば、導入の姿が見えてきます。

「承認アプリはNetSuiteにあるか」という最初の問いも、この書き出しで答えが変わります。

発注の承認なら①、紙の稟議なら②。

自社の業務で見れば、どちらの製品が合うかの答えも、同じ一覧から出てきます。

もう少し詳しく知りたい方へ

対応表を自社に当てはめた結果を、そのままご相談ください。

NetSuiteが合うのか、Odooが合うのか。その見立てからご一緒します。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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