勤怠・労務管理システムとは?残業に月の途中で気づく仕組みと、Odooに任せる範囲

「先月、あの人は何時間残業していましたか」。そう聞かれて、すぐに答えられるでしょうか。

タイムカードの束を月末にまとめて見るまで、誰がどれだけ働いたのか分からない。総務の手際の問題ではなく、働いた時間がその日のうちに残る仕組みがないだけです。

その仕組みがあれば、今月ここまでの残業が今日の時点で見えます。翌月を待たずに、月の途中で手を打てます。

勤怠・労務管理システムとは、出退勤・休憩・休暇・残業を日次で記録し、月末を待たずに集計できるようにする仕組みです。

もっとも、入れただけで定着するわけではありません。運用が続かない例は、導入が失敗する4つの原因のどれかに当てはまります。4つとも、決めるべきことを決める前に導入したことが原因です。

仕組みが回り始めると、たとえば次のことが変わります。

  • 月の半ばに、残業が寄っている人に気づいて応援を入れられる
  • 有給の残日数を、本人も会社も同じ場所で確かめられる
  • 締め日にまとめて直す代わりに、週次の確認と承認で小さく直せる
  • Odooなら、入社した人の情報がそのまま勤怠の対象になる

ただし、勤務形態が複雑で、勤怠の処理だけが突出して重い会社もあります。その場合は、単機能ツールが合うこともあります(単機能ツールと統合型の選び方)。

では、統合型ERPのOdoo(オドゥー)で、勤怠はどこまで任せられるのか。給与計算まで含めてよいのか。答えは統合型ERP(Odoo)での実現にあります。

CommunityとEnterpriseの区別について

この記事で扱う従業員台帳の基本情報管理と勤怠の記録は、無料のCommunity版でも使える基本機能の範囲です。人事評価・目標管理や、複数アプリを横断したダッシュボードは、有償のEnterprise版が前提になります。

目次

「勤怠・労務管理システム」とは何か

勤怠・労務管理システムとは、従業員の出退勤・休憩・休暇・残業を日次で記録し、集計できる状態にしておくための仕組みです。

打刻を集める機械ではありません。会社が従業員の労働時間を把握している状態を、毎日つくり続けるための仕組みです。

扱うのは、出勤・退勤の時刻、休憩の取得、有給休暇の申請と残日数、時間外労働の累計などです。これらが1か所に集まっていれば、月末を待たずに状況が見えます。

ありがちな誤解:「タイムカードを電子化しただけのもの」

打刻をデジタルにするのは、はじめの一歩にすぎません。価値があるのは、記録が入るとすぐに集計が更新されることです。

紙のタイムカードは、月末に人が数えるまで何も分かりません。システムは「今月ここまでで何時間」という数字を、今日の時点で示します。働きすぎに気づくのが遅いという問題を根本から変えるのは、この差です。

「月末に数える」と「その日に分かる」の差 紙やExcelの集計は月末にまとめて行うため超過に気づくのが締めたあとになり、手を打てるのは翌月から。勤怠管理システムは打刻と同時に累計が更新され、月の途中で調整できる。変わるのは記録の有無ではなく把握のタイミング。 「月末に数える」と「その日に分かる」 紙・Excelでの集計 記録は残るが、集計は月末 超過に気づくのは締めたあと → 手を打てるのは翌月から 勤怠管理システム 打刻と同時に累計が更新 今月ここまでの時間が見える → 月の途中で調整できる 記録の有無ではなく、把握のタイミングが変わる
「月末に数える」と「その日に分かる」の差

法令対応という側面

労働時間の把握は、使用者が客観的な方法で行うことが求められています。時間外労働にも、上限が定められています。

ただし、どの規定が自社にどう当てはまるかは、業種・勤務形態・就業規則しだいです。具体的な時間数や取り扱いは、自社の就業規則と、所轄の労働基準監督署・公的機関の情報でご確認ください。

勤怠管理は「あると便利な機能」ではありません。会社が果たすべき「把握の義務」への対応だと捉えてください。

中小企業に「勤怠・労務管理システム」が必要になる理由

人数が少ないうちは、顔を見れば分かると考えがちです。それでも仕組みが要る理由は3つあります。

理由1:働きすぎに気づくのが、いつも遅い

月末に集計して初めて、特定の人に負荷が寄っていたと分かる。この順番では、手を打てるのは翌月からです。

日次で累計が見えていれば、月の半ばで応援を入れる判断ができます。勤怠管理の目的は、記録を残すことではなく、月の途中で手を打つことです。

理由2:休暇の残日数が、本人にも会社にも分からない

有給休暇の残りが台帳とメールに散らばっていると、申請のたびに総務が確認します。本人も、残日数が分からないままです。

その結果、取得が偏ったり、取りそびれたりします。申請と残日数が同じ場所で見えるだけで、この往復はなくなります。

理由3:総務の時間が、転記と確認だけで埋まる

タイムカードを読み、Excelに打ち直し、例外を1件ずつ確認する。この作業は毎月必ず発生し、人数が増えるほど重くなります。

しかも転記は、間違えても気づきにくい作業です。事務作業が重くなりすぎると、本来必要な確認のほうが後回しになります。

人の情報を1か所に集めて組織を回す考え方は、「組織化」の考え方を整理した記事も参考になります。

勤怠管理システムの導入が失敗する4つの原因

勤怠システムは入れやすい反面、運用が続かない例も多い領域です。原因は、次の4つのどれかに当てはまります。

原因1:自社の就業規則を整理しないまま設定した

起きる理由:勤務時間帯・休憩の取り方・各種手当の支給条件は、会社ごとに違います。明文化しないまま「とりあえず初期設定で」と動かすと、集計結果が実態と合いません。

合わない分は手で直すことになります。システムを入れたのに、手作業が減らない状態です。

避け方:導入の前に、就業規則と実際の運用のズレを洗い出してください。規則では休憩60分なのに、実際は交代で取っている。こうした差は珍しくありません。設定の前に、決め直すべき事柄を確定させます。

原因2:打刻の方法が現場の働き方に合っていない

起きる理由:全員が事務所に出社する前提で設計すると、直行直帰の営業や在宅勤務の人が打刻できません。現場作業で手がふさがる職種も同じです。

打てない人は、別の方法で申告することになります。例外が増えれば、集計の数字は信用できません。

避け方:働き方の種類を先に数え上げます。事務所勤務・現場常駐・直行直帰・在宅・シフト制。それぞれに合う打刻手段があるかを、選定の段階で確認してください。

原因3:集計結果を確認・修正する運用を決めていない

起きる理由:打刻の押し忘れや、深夜をまたぐ勤務の扱いなど、修正が必要な記録は必ず出ます。誰がいつ確認し、誰が承認するかを決めていないと、修正が滞ります。

結局は、締め日の直前に総務が全件を見直す力技に逆戻りです。

避け方:週次で本人が確認し、上長が承認する流れを先に決めます。月末にまとめて直すのをやめ、小さく直し続ける運用にしてください。

原因4:給与計算の側とデータがつながらず、手入力が残った

起きる理由:勤怠の集計結果は、給与計算の元になる数字です。ここが自動で渡らないと、総務は集計表を見ながら別のソフトに打ち直します。

転記が残る限り、月末の負荷はほとんど変わりません。効果が感じられず、「入れた意味がなかった」という評価になります。

避け方:選定時に、勤怠の集計結果をどの形式で出力できるかを必ず確認します。給与計算そのものの選び方は、給与はどこで計算するかにまとめました。ただし、つなぎ目の仕様は、勤怠側を決める時点で押さえるべき論点です。

勤怠システムが定着しない4つの原因 就業規則の未整理、打刻方法の不一致、確認運用の欠如、給与計算との未連携の4つ。どれも製品の性能ではなく、決める前に導入したことが原因。 勤怠システムが定着しない4つの原因 原因1:就業規則が未整理 勤務時間帯・休憩・手当の条件が 決まる前に設定してしまう 原因2:打刻方法が合わない 直行直帰・在宅・現場作業が 想定から抜け落ちている 原因3:確認運用が未定 誰がいつ修正・承認するかを決めず、 締め日に力技で処理する 原因4:給与側とつながらない 集計結果を打ち直す作業が残り、 月末の負荷が減らない 4つとも、製品の性能ではなく 「決める前に導入した」ことが原因
勤怠システムが定着しない4つの原因

勤怠管理システムの選び方と4つの判断軸

機能一覧を比べる前に、自社の条件を先に決めます。判断軸は次の4つです。

軸1:自社の働き方をすべて表現できるか

シフト制・変形労働時間・フレックスなど、自社にある勤務形態を挙げてください。そのうえで、それぞれを標準機能で表現できるかを確認します。

例外を運用でカバーする前提で選ぶと、後から必ず重くなります。

軸2:打刻手段が現場に合っているか

事務所のパソコン、スマートフォン、共有端末。誰がどの手段で打刻するかを、職種ごとに割り当てられるかを見ます。

軸3:確認と承認の流れを組めるか

本人が自分の記録を見られるか。上長が修正を承認できるか。この2つがないと、確認の負荷は総務に集中し続けます。

軸4:他の業務データとつながるか

給与計算への受け渡し、プロジェクトごとの工数、経費の申請。勤怠の記録は、他の業務の起点になります。つながり方しだいで、月末に残る手作業の量が決まります。

判断軸確認すること見落とすとどうなるか
働き方の表現シフト・変形労働・フレックスを標準機能で扱えるか例外処理が手作業で残る
打刻手段職種ごとに手段を割り当てられるか打てない人が別ルートで申告する
確認と承認本人確認と上長承認の流れを組めるか締め日に総務へ負荷が集中する
データ連携給与計算・工数・経費へ渡せるか転記が残り、導入効果が出ない

中小企業でいちばん差が出るのは、軸4です。勤怠だけを最適化しても、前後がつながらなければ総務の仕事は減りません。

統合型ERP(Odoo)で勤怠管理をどう実現するか

Odooは、勤怠を単体の機能として扱いません。従業員情報や他の業務と、同じデータベースの中で扱います。一方で、日本の制度対応には、はっきり線を引いておく必要があります。

従業員情報と出退勤の記録を、同じ場所に置く

Odooでは、従業員台帳の基本情報管理と勤怠(出退勤の記録)が、どちらも基本機能の範囲です。採用の基本的な管理も同じです。

入社した人の情報が、そのまま勤怠の対象になります。名簿を別ファイルで持ち、システムにも同じ人を登録する二重管理は起きません。

各アプリに標準でついているのが、一覧・ピボット・グラフによる集計です。部署別や期間別の勤怠状況は、この標準機能で見られます。詳しくはOdooの勤怠アプリを解説した記事で扱っています。

日本の給与計算は、役割を分ける前提で考える

Odooの給与計算(Payroll)には、日本のローカライズ(国ごとの法令・税制に合わせた設定)が公式に提供されていません。検討の前に確認しておきたい、重要な事項です。

Odoo 19.0の公式ドキュメントにある給与計算の対応国一覧に、日本は載っていません。

(出典:Odoo公式ドキュメント「Payroll localizations」、2026年10月確認)

そのため日本では、次の役割分担が現実的です。

  • 給与計算そのものは、国内の専用ソフトに任せる
  • Odooは、勤怠の記録と従業員情報、そして会計への連携を受け持つ

この分け方なら、勤怠の集計という前工程をOdooに集められます。日本の制度に沿った計算は、専用ソフトで行えます。

インボイス制度や電子帳簿保存法といった日本固有の要件も、対応状況を確認したうえで検討が必要です。この論点はOdooの日本対応について整理した記事にまとめています。

Odooが日本の労務・給与の制度要件にどこまで対応するかは、導入時点の版と構成で変わります。断定はできないため、必ず個別に確認してください。

人事評価まで広げる場合

人事評価・目標管理を扱いたい場合は、Enterprise版が前提になります。承認(Approvals)アプリや、複数アプリを横断したダッシュボードも同じです。

勤怠から人事全体へ広げる考え方は、Odooの人事アプリを解説した記事で整理しています。評価の基準づくりそのものは、人事評価制度がない会社の作り方(バーチャルブログ)も参考になります。

対応範囲(C/E別)

機能Community版(無料・オープンソース)Enterprise版(有償)
従業員台帳の基本情報管理利用できる利用できる
勤怠(出退勤の記録)利用できる利用できる
採用の基本的な管理利用できる利用できる
標準の一覧・ピボット・グラフでの集計利用できる利用できる
人事評価・目標管理対象外前提となる
承認(Approvals)アプリ対象外前提となる
複数アプリ横断のダッシュボード対象外前提となる
ノーコードでの画面・項目のカスタマイズ(Odoo Studio)対象外前提となる
日本の給与計算版を問わず、日本のローカライズは公式に提供されていない版を問わず、日本のローカライズは公式に提供されていない
公式サポート・ホスティング対象外(自社責任)含まれる

Odoo Studioを使うには、Enterprise版の中でも「カスタムプラン」が必要です。スタンダードプランには含まれません。

版ごとの対応範囲は改定されることがあります。検討の段階で、Odoo公式のエディション比較ページで最新の内容をご確認ください。

Odooで勤怠を扱う良い点と、気をつけること

勤怠を従業員情報と同じ場所で扱うと、得られることがあります。一方で、先に決めておきたいこともあります。版の区分を添えて並べます。

良い点は、次の4つです。

  • 名簿と勤怠の二重管理がない:入社した人の情報が、そのまま勤怠の対象になる(Community版・Enterprise版とも)
  • 月末を待たずに状況が見える:部署別や期間別の勤怠状況を、標準の一覧・ピボット・グラフで見られる(両方の版)
  • 勤怠の集計をOdooに集められる:勤怠の記録と従業員情報、会計への連携をOdooが受け持ち、日本の制度に沿った計算は専用ソフトで行える
  • 人事全体へ広げられる:人事評価・目標管理、承認(Approvals)アプリ、複数アプリを横断したダッシュボードまで扱える(Enterprise版が前提)

気をつけることは、次の4つです。

  • 日本の給与計算は分担が前提:版を問わず、日本のローカライズは公式に提供されていない。計算は国内の専用ソフトに任せる
  • 無料版は運用を自社で担う:Community版は、ホスティングと保守が自社の責任になり、公式サポートは受けられない
  • 画面の作り替えにはプランの確認が要る:Odoo StudioはEnterprise版のカスタムプランが必要で、スタンダードプランには含まれない
  • 制度要件は個別に確かめる:日本の労務・給与の制度要件への対応は、導入時点の版と構成で変わる

両方を1枚の図に並べました。

Odooで勤怠を扱う良い点と、気をつけること 良い点は、名簿と勤怠の二重管理がない、月末を待たずに状況が見える、勤怠の集計をOdooに集められる、人事全体へ広げられること。気をつけることは、日本の給与計算は分担が前提、無料版は運用を自社で担う、画面の作り替えにはプランの確認が要る、制度要件は個別に確かめること。 Odooで勤怠を扱う良い点と注意点 良い点 名簿と勤怠の二重管理がない 入社した人がそのまま勤怠の対象に 月末を待たずに状況が見える 部署別・期間別を標準の集計で 勤怠の集計をOdooに集められる 制度に沿った計算は専用ソフトで 人事全体へ広げられる 人事評価・承認など(Enterprise版) 気をつけること 日本の給与計算は分担が前提 日本のローカライズは公式提供なし 無料版は運用を自社で担う ホスティングと保守は自社の責任 画面の作り替えはプランを確認 Odoo Studioはカスタムプランが必要 制度要件は個別に確かめる 対応は導入時点の版と構成で変わる
Odooで勤怠を扱う良い点と注意点

給与ソフトへの渡し方は、勤怠を月末に数える仕事から外すまでの進め方の最後の手順で決めます。勤怠の専用ツールのほうが合う会社の条件は、単機能ツールと統合型の選び方に並べました。

勤怠を「月末に数える仕事」から外すまでの進め方

ベンチャーネットが勤怠の相談を受けたとき、最初にシステムの画面は見ません。見るのは、いまの勤怠が会社の中をどう流れているかです。順番は次の4ステップです。

  1. 勤務形態を数え上げる。事務所勤務・直行直帰・在宅・シフト制など、社内にある働き方をすべて書き出します。打刻手段の選定は、この一覧がそろってからです。
  2. 就業規則と実際の運用のズレを確かめる。規則どおりに動いていない箇所は、設定する前に会社として決め直します。標準機能に業務を合わせる「Fit to Standard」の考え方で、例外を減らす方向を探ります。
  3. 転記が起きている境目に印をつける。名簿から勤怠へ、勤怠から給与・工数・経費へ。手で運んでいる場所を洗い出し、どこをつなぐと月末の負荷が下がるかを見ます。
  4. 見える化から始め、給与との分担は最後に決める。まず日次の累計が見える状態をつくります。そのうえで、国内の給与ソフトへどう渡すかを決めます。

この順番で整理した結果、Odooより勤怠の専用ツールのほうが合うと判断することもあります。その場合は、そうお伝えします。勤怠はITの話に見えて、実際は「誰が労働時間に責任を持つか」を決める経営の話だからです。

勤怠の単機能ツールと統合型、どちらを選ぶか

勤怠だけの専用ツールか、統合型ERPの一部として使うか。向き不向きは、会社の状況で分かれます。

こういう会社は向いている形
勤務形態が複雑で、勤怠の処理だけが突出して重い単機能ツール
すでに専用ツールが定着し、業務が問題なく回っている単機能ツール(無理に統合しない)
従業員数が少なく、扱う量が小さい単機能ツール
勤怠の集計結果を、給与計算や工数管理へ手で転記している統合型を検討する価値がある
従業員の情報を、名簿・勤怠・経費の3か所に入力している統合型を検討する価値がある
全社の労働時間や人件費の概況を出すたびに、人手がかかっている統合型を検討する価値がある

経営会議で確かめたいチェックリスト

ツールを比べる前に、「転記が発生している境目」がどこかを洗い出してください。手で運んでいる場所が、統合で手間が減る場所です。

  • □ 名簿の変更(入社・退社・異動)を、勤怠のシステムにも別途入力している
  • □ 勤怠の集計結果を見ながら、給与ソフトに数字を打ち直している
  • □ 案件ごとの工数を、勤怠とは別に集め直す手間がある
  • □ 月の途中で「今月の残業が多い人」を答えられない
  • □ 有給の残日数を、本人が自分で確かめられない

2つ以上当てはまるなら、勤怠単体ではなく、前後のつながりから見直す余地があります。

中小企業でERPを検討する全体像は、中小企業のERP導入を整理した記事にまとめています。

規模と要件による4段の振り分け

規模と要件で選択肢を分けると、次のとおりです。

  • 規模が大きくなり、海外展開や連結決算が視野に入るなら、NetSuiteなど上位のERP
  • グローバルで複雑な要件なら、SAPも視野に入る
  • 中小〜中堅で、標準的な業務を統合するならOdoo
  • パッケージに乗らない固有の業務が中心なら、AIスクラッチ開発という選択肢もある

AIスクラッチ開発を選ぶ場合、開発費と保守費が別途かかります。サブスクリプションで使うか、自社の資産として持つか。課金の構造が違うため、負担の形も変わります。

ERP比較で人事・勤怠・給与をどう扱うかは、NetSuiteの教科書のNetSuiteとOdooの人事・勤怠・給与|比較から外してよい業務が参考になります。

どの段が合うかを決めるのは、業務範囲・規模・内製体制です。ERP導入支援を手がけるベンチャーネットは、NetSuite・Odoo・AIスクラッチ開発を扱い、SAPからのリプレイスにも対応しています。特定の製品に偏らない立場で整理できます。

よくある質問

勤怠管理システムは、何人くらいの会社から必要になりますか?

決め手は、人数より勤務形態の種類と例外の多さです。シフト制や直行直帰がある、在宅勤務が混在している。どちらかに当てはまるなら、人数が少なくても集計は複雑になります。

タイムカードやExcelでの集計を、続けてはいけないのですか?

続けてはいけないわけではありません。ただし、労働時間を客観的に把握し、月の途中で状況を確認できるかで差が出ます。締めるまで分からない運用では、気づいたときに手遅れになりがちです。

勤怠システムを入れれば、給与計算まで自動になりますか?

自動になる範囲は、製品によって異なります。勤怠の集計結果が給与計算の元になるため、そのつなぎ目の仕様を確認してください。Odooの場合、日本では給与計算を国内の専用ソフトに任せる前提で考えるのが現実的です。

Community版だけで勤怠管理はまかなえますか?

出退勤の記録と従業員台帳の基本情報管理までなら、まかなえます。どちらも基本機能の範囲です。ただし、ホスティングと保守を自社で担う前提になり、公式サポートは受けられません。社内に運用できる人がいるかが分かれ目です。

Odooで勤怠を扱うメリットとデメリットは何ですか?

名簿と勤怠を一緒に扱える一方で給与計算は分担が前提です。入社した人の情報がそのまま勤怠の対象になり、部署別の状況も標準の集計で見られます。一方、日本の給与計算には公式のローカライズがありません。計算は国内の専用ソフトに任せます(Odooで勤怠を扱う良い点と、気をつけること)。

まとめ

勤怠・労務管理システムは、打刻を集める道具ではありません。労働時間を把握している状態をつくる仕組みです。

  • 価値は、記録の有無より、把握のタイミングが月末から日次に変わること
  • 必要になる理由は、気づくのが遅い・休暇が見えない・総務が転記に埋もれるの3つ
  • 失敗の原因は4つ。就業規則が未整理、打刻手段が合わない、確認運用がない、給与側とつながらない
  • 選定では、他の業務データとつながるかを最優先の軸にする
  • Odooでは勤怠と従業員台帳が基本機能の範囲。日本の給与計算には公式ローカライズがない

まず自社の勤務形態を数え上げ、転記が起きている境目を書き出してください。

1年後、月の半ばに「今月は製造の2人に残業が寄っている」と分かり、翌週には応援が入っている。総務の月末は、打ち直しではなく打刻漏れの確認だけで終わっている。そんな職場の姿を目指せます。

もう少し詳しく知りたい方へ

ベンチャーネットは、ERP導入支援を手がける会社です。NetSuite・Odoo・AIスクラッチ開発を扱い、SAPからのリプレイスにも対応しているため、特定の製品に偏らない立場でご提案できます。

「自社の勤怠管理を、どこまで仕組みにすべきか」「給与ソフトとどう分担するか」という整理から、ご相談を承っています。

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この記事を書いた人

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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