Odooのマーケティングオートメーション|できること・メリットと注意点、「反応した人」を取りこぼさない仕組み

展示会や資料請求で集めた連絡先に、一斉メールを送った。開封率とクリック率は分かる。しかし、実際にクリックしたのが誰だったかは、誰も追いかけていない。

送ることはできている。拾うことができていない。

マーケティングオートメーション(MA)は、相手の反応に応じて次の連絡を自動で変える仕組みです。Odoo(オドゥー:オープンソース由来の統合業務アプリ群)にもMAのアプリがあり、メール・SMS・社内の処理を、きっかけと待ち時間でつないで動かせます。

このアプリはEnterprise版限定です。Odooのマーケティングオートメーションは、有償のEnterprise版が対象と案内されています。無料のCommunity版では利用できません。この記事はEnterprise版を前提に書いています。

Odooの持ち味は、反応のその先にあります。受注や請求まで同じ場所にあるので、「メールに反応した人が、実際にいくら買ったか」まで1つのデータでたどれます(専用のMAツールとの違い)。

Odooで自動化すると、たとえば次のことが変わります。

  • クリックした人には詳しい案内を送り、営業に知らせる
  • 開かなかった人には、日を置いて件名を変えて再送する
  • 条件を満たした相手を、CRMの案件として自動で作る
  • 配信停止が、一斉配信やイベントの案内にも反映される

ただし、見込み客が月に数件しか来ないなら、手で連絡したほうが早い。分岐の設計画面やスコアリングでは、専用のMAツールのほうが優れている部分もあります。

では、自社はOdooのMAを入れるべきか。分かれ目は、機能の多さとは別のところにあります。良い点と注意点はマーケティングオートメーションのメリットとデメリットに、判断の目安は入れないほうがよい場合にまとめました。

目次

マーケティングオートメーションと一斉配信の違いは「枝分かれ」

違いは構造にあります。

一斉配信と、反応で枝分かれする自動化の違い 一斉配信は全員に同じメールを一度送り、開封率とクリック率が出たところで終わる。誰が反応したかを追えず、関心が高い時期を逃す。自動化では最初のメールのあと、クリックした人には詳しい案内を送って営業に知らせ、開かなかった人には日を置いて件名を変えて再送する。関心が高いうちに次の手が届く。 一斉配信と、反応で枝分かれする自動化 一斉配信 全員に同じメールを送る 開封率とクリック率が出る そこで終わる 誰が反応したかを追えない 関心が高い時期を逃す 反応で枝分かれする 最初のメールを送る クリックした 関心が高い 開かなかった 届いていない場合も 詳しい案内を送る 営業に知らせる 日を置いて 件名を変えて再送 関心が高いうちに次の手が届く
一斉配信と、反応で枝分かれする自動化の違い

反応した人と、しなかった人に、違うことが起きる。違いはこの1点です。

一斉配信では、この分岐を人が手作業でやることになります。そして、たいてい追いつきません。

メール・営業・イベントをばらばらに動かさず、1本の流れにつなぐ考え方は、バラバラの施策をやめるで扱っています。

Odooのマーケティングオートメーションでできること

Odoo公式ドキュメントでは、次のような構成と案内されています(出典:Odoo公式ドキュメント「Marketing Automation」、2026年10月確認)。

キャンペーンとワークフロー

  • キャンペーンを作り、対象となる相手を条件で絞り込む
  • キャンペーンの中に、ワークフロー(一連の流れ)を定義する
  • ワークフローは、複数のアクティビティ(実行される動作)でできている

アクティビティの種類

実行できる動作は、公式ドキュメントによれば次の3種類です。

種類内容
メール対象者へメールを送る
SMS対象者へショートメッセージを送る
サーバーアクションデータベース内部の処理を実行する

3つ目のサーバーアクションがあるので、メールを送るだけでなく、社内側の処理も自動化できます。たとえば、条件を満たした相手をCRMの案件として作る、といった動作です。

トリガーと待ち時間

  • 各アクティビティに、実行のきっかけ(トリガー)を設定する
  • きっかけからの待ち時間は、時間・日・週・月の単位で決められる
  • 「メールが開かれなかったら」といった条件で、続きの動作をつなげられる

テストと計測

  • 本番の前に、特定の相手を指定してテスト実行できる
  • 実行中のキャンペーンは、途中で止められる
  • アクティビティごとに、送信数やクリック率などの実績が表示される

導入時の注意(公式の記載)

Odoo公式ドキュメントは、このアプリを入れると「Eメールマーケティングも同時にインストールされる」と案内しています。さらに、すべての機能を使うにはCRMとSMSマーケティングも必要と書いています。

このアプリだけを単独で使う想定にはなっていない、ということです。

シナリオ設計は「1本の短いシナリオ」から始める

最初の設計を小さくすることが、実務ではいちばん大事です。

作り込んだシナリオと、短いシナリオの運用の違い 分岐が12個あるシナリオは、どこで何が起きたか分からず誤りに気づけないため、直せずに止めることになる。資料請求のお礼、3日後の事例、クリックした人を営業へ渡す、の3段階のシナリオは、結果を1つずつ確かめて効いた部分だけ伸ばせるので、運用が続く。 作り込むか、短く始めて伸ばすか 最初から作り込む 分岐が12個あるシナリオ どこで何が起きたか分からない 誤りに気づけない 直せないので止めることになる 短く始めて伸ばす 3段階のシナリオ 1. 資料請求のお礼を送る 2. 3日後に事例を送る 3. クリックした人を営業へ渡す 結果を1つずつ確認できる 効いた部分だけ伸ばせる 運用が続く
作り込んだシナリオと、短いシナリオの運用の違い

なぜ作り込みすぎるとうまくいかないのか

分岐が増えるほど、どの経路を何人が通ったかが分からなくなります。

うまくいかなかったときに、原因を特定できません。原因が分からないと直せず、直せないと止めることになります。

まずは3段階程度の短いシナリオを1本作り、結果を見てから伸ばしてください。

最初の1本に向いているもの

用途内容
資料請求への対応お礼 → 関連情報 → 反応した人を営業へ
問い合わせ後のフォロー受付の連絡 → 数日後に補足情報
失注案件の掘り起こし一定期間が過ぎた案件に、再度の案内

失注した見込み客への再アプローチは、Odoo公式ドキュメントにも項目があります(Eメールマーケティングの項)。すでにある名簿を使うので、新しく集める手間がかかりません。

MAは設定してからが本番|止め忘れを防ぐ運用

自動化の機能でいちばん多い失敗は、設定した時点で終わりだと思うことです。そう思って放っておくと、逆効果になります。

起きること

  • 条件の設定が広すぎて、対象外の相手にも届く
  • 待ち時間が短すぎて、しつこく感じられる
  • 停止し忘れたキャンペーンが、季節外れの案内を送り続ける
  • 担当者が代わり、誰も中身を把握していない状態になる

実際にいちばん多いのは、4つ目です。

決めておくこと

  1. 停止条件:いつまで走らせるのか。終わりを決めていないキャンペーンは作らない
  2. 点検の頻度:月に1回は、動いているキャンペーンの一覧を確認する
  3. 管理する人:担当が代わるときに、何を引き継ぐのかを決める

テスト実行を必ず使う

Odoo公式は、本番の前に特定の相手を指定してテスト実行できると案内しています。

自動送信の失敗は、取り返せません。送ってしまったメールは戻せず、宛先違いの案内は信頼に直接ひびきます。テストを経てから開始してください。

自動配信と日本の法令について

自動化した場合も、送るのは広告や宣伝を目的とするメールです。同意の取得、送信者の表示、配信停止の受付といった要件は、一斉配信と同じように関わります。

そして、自動化しているぶん、間違えたときに止めにくくなります。法令の解釈には立ち入らず、この点だけを先にお伝えしておきます。

考え方は OdooのEメールマーケティング にまとめています。判断に迷う場合は、必ず専門家に確認してください。

MAはEnterprise版限定|Community版との違い

Odooには、無料のCommunity版と有償のEnterprise版があります。

Community版はオープンソースとして無料で使えます。ただし、サーバの用意・アップデート・障害対応は自社の責任になり、公式サポートの対象外です。

マーケティングオートメーションは、Enterprise版が対象です。Community版では利用できないと案内されています。

一方、Eメールマーケティングの基本機能は、Community版でも利用できるとされています。

一斉配信までならCommunity版。反応に応じた自動化まで求めるならEnterprise版。2つの版は、ここで分かれます。

どの機能がどちらの版で使えるかは、バージョンによって変わります。検討するときは、必ず対象のバージョンで確認してください。

詳しくは Odoo Community版とEnterprise版の違い をご覧ください。

Odooのマーケティングオートメーションのメリットとデメリット

マーケティングと営業の担当者から見ると、良い点と注意点は次のとおりです。アプリ自体はEnterprise版限定です。

メリット

  • 反応で次の連絡を変えられる:クリックした人と開かなかった人に、違う連絡を自動で送れる。メール・SMS・サーバーアクションを、きっかけと待ち時間でつなぐ
  • 社内の処理まで自動にできる:サーバーアクションで、条件を満たした相手をCRMの案件として作れる
  • 反応から請求までを1つのデータでたどれる:「メールに反応した人が、実際にいくら買ったか」まで追える。MAとCRMとERPの間の連携設定がいらない
  • 配信停止が全体に反映される:一斉配信・CRM・イベント・アンケートと同じ顧客レコードで動く
  • 小さく試して止められる:本番の前にテスト実行でき、実行中のキャンペーンも止められる。アクティビティごとに実績が見える

デメリット・注意点

  • Enterprise版限定:Community版では利用できない。Community版で使えるとされるのは、Eメールマーケティングの基本機能(一斉配信)まで
  • 単独では使わない:Eメールマーケティングが同時にインストールされる。すべての機能を使うには、CRMとSMSマーケティングも必要
  • 分岐設計やスコアリングは専用MAが厚い:匿名訪問者の追跡、細かなスコアリング、外部連携、日本語の伴走支援は専用ツールのほうが深い
  • 設定してからの運用が要る:停止条件・点検の頻度・管理する人を決めずに動かすと、止め忘れや引き継ぎ漏れが起きる

両方を並べると、次の図のとおりです。

Odooのマーケティングオートメーションのメリットとデメリット 良い点は、反応で次の連絡を変えられる、条件を満たした相手をCRMの案件にできる、反応から請求までを1つのデータでたどれる、配信停止が全体に反映される、テスト実行と途中停止で小さく試せること。注意点は、Enterprise版限定でCommunity版では使えない、Eメールマーケティング・CRM・SMSマーケティングと組み合わせて使う、分岐設計やスコアリングは専用MAが厚い、停止条件・点検・管理する人を決める運用が要ること。 OdooのMAのメリットとデメリット 良い点 反応で次の連絡を変えられる クリックした人・開かなかった人 社内の処理まで自動にできる 条件を満たした相手をCRMの案件に 反応から請求までたどれる 反応した人が実際にいくら買ったか 配信停止が全体に反映される 一斉配信・CRM・イベントと同じ記録 小さく試して止められる テスト実行・途中停止・実績の表示 注意点 Enterprise版限定 C版は一斉配信の基本機能まで 単独では使わない メール配信・CRM・SMSと組み合わせ 分岐設計・スコアは専用MAが厚い 匿名訪問者の追跡・外部連携など 設定してからの運用が要る 停止条件・点検・管理する人を決める C版=Community版(無料)/E版=Enterprise版(有償)
Odooのマーケティングオートメーションのメリットとデメリット

注意点の避け方は、設定してからの運用と反応を商談につなぐまでの進め方で説明しています。

他のアプリとのつながり

アプリつながり方
Eメールマーケティング送信の基本。同時にインストールされると案内されている
CRM反応した相手を案件として渡す。商談の状況を条件に使う
イベント管理申込者へのフォローを自動化する
アンケート回答内容を次の連絡の条件にする

それぞれの詳しい使い方は、次の記事にあります。

OdooのMAを入れないほうがよい場合と、専用ツールとの選び分け

自社がどの行に近いかを、まず見てください。

自社の状況判断
見込み客が月に数件しか来ない入れる必要はない。手で連絡したほうが早い
送る記事や事例がまだ用意できていない先にコンテンツ。仕組みは後
反応した人に、誰が連絡するか決まっていない渡す先がないと意味がない
問い合わせが続いていて、追いかけきれていない効果が出やすい領域

2行目は見落とされがちです。シナリオを動かすには、送る中身が要ります。

自動化すれば成果が出る、というものではありません。送る価値のある情報があって初めて、自動化は成果につながります。中身がないまま回数だけ増やすと、配信停止が増えます。

専用のMAツールという選択肢

MA専業の製品は、この領域で長く作り込まれています。分岐の設計画面、スコアリング、外部サービスとの連携では、専用ツールのほうが優れている部分があります。

Odooに意味があるのは、受注や請求まで同じ場所にある場合です。「メールに反応した人が、実際にいくら買ったか」まで、1つのデータでたどれます。

Odooを選ぶかどうかは、この点に価値を感じるかどうかで判断してください。

拠点が多い、会計が複雑といった規模の大きい会社なら、NetSuiteの上でMAと個別メールを組み合わせる進め方もあります。考え方はNetSuiteで集客を自動化するには?にまとめています。

反応を商談につなぐまでの進め方

ERP導入支援を手がけるベンチャーネットは、MAの相談を受けると、設定の前に次の順で確かめます。機能より先に、反応を受け取る側を見ます。

  1. 反応した人に、誰がいつ連絡するか:営業側の受け皿が決まっていなければ、シナリオを組んでも止まります。ここが空いていれば、まず受け皿を決めます
  2. 最初の1本に使える中身があるか:お礼の文面、関連する事例、補足情報の3つがそろうかを確かめます。そろわない場合は、配信より先にコンテンツを整えます
  3. 反応から請求までを同じデータで見たいか:3〜5年後に、受注や請求もOdooで回している姿を描けるか。描けないなら、専用MAや他の製品を正直にお勧めします
  4. 短い1本をテストしてから動かす:3段階ほどのシナリオを、社内の宛先でテスト実行します。停止条件と担当者を記録してから本番に移ります
  5. 見える化→わかる化→儲かる化の順に広げる:まず反応した人が見えること。次に、どの案内が商談につながったかが分かること。広げるのはその後です

ベンチャーネットは特定の製品に偏らない立場です。MAだけをOdooに寄せる必要がないと判断すれば、そうお伝えします。

このアプリに対応する有名なMAツール(SaaS)

すでにMAのSaaSを使っているなら、Odooのマーケティングオートメーションはその置き換え候補になります。主なツールとの対応は次のとおりです。

Odooのマーケティングオートメーションは、Enterprise版限定です。Community版では利用できません。

使っているSaaSOdooでの対応一言で言うと
SATORIマーケティングオートメーション(Enterprise版)一部重なる。シナリオ配信は重なるが、匿名の訪問者を追う仕組みと日本語の伴走支援はSATORIが厚い
HubSpot Marketing Hubマーケティングオートメーション(Enterprise版)一部重なる。分岐設計・スコアリング・外部連携はHubSpotが広く、受注・請求までの一体化はOdooが強い

機能の違い

  • Odooにあって専用MAにないもの:メールに反応した人が受注・請求までつながること。「反応した人が実際にいくら買ったか」を1つのデータで追え、条件を満たした相手をCRMの案件として自動で作れる
  • 専用MAにあってOdooにないもの:Webサイトの匿名訪問者の行動を追いかける仕組みと、細かなリードスコアリング。加えて、広告やSNSなど多チャネルの一元管理と、分岐設計の画面の作り込み

課金構造の違い

2社は、月額固定(プラン単位)にコンタクト数連動が加わる型です。SATORIの料金は、初期費用と年間契約の月額で構成されます。基本料金には、オンラインサポートと導入支援が含まれます。

HubSpot Marketing Hubは、プランごとのシート(利用者)と、マーケティングコンタクトの数で月額が決まります。上位プランでは、初回に有償の導入支援が必須です。コンタクト数が増えると、月額も上がります。

(※課金の型は、2026年9月時点の各社公式サイトの情報にもとづきます。金額や条件は改定されることがあるため、検討時に各社の公式ページでご確認ください。HubSpotは2024年以降、シート制へ料金体系を刷新しています)

Odoo Enterprise版は、全アプリ一律のユーザー課金です。マーケティングオートメーションだけ使っても、他のアプリまで使っても、1ユーザーの単価は変わりません。コンタクト数による課金もありません。金額の詳細は Odooの料金体系を解説 を参照してください。

月額固定+コンタクト数連動の相手と比べると、配信先が多く、操作する人が少ないほど、Odooのユーザー課金が有利になりやすい構造です。逆に、MA専任の担当者が複数いて配信先が数千件なら、専用SaaSの月額固定のほうが読みやすくなります。どちらの場合も、Odooの送信数には利用形態による上限があります。

置き換えのメリット

  • 反応から受注・請求までが同じデータベースにあり、MAとCRMとERPの間の連携設定がいらない
  • 一斉配信・CRM・イベント・アンケートと同じ顧客レコードで動くため、配信停止が全体に反映される

置き換えのデメリット・向かないケース

  • 匿名訪問者の追跡や細かなスコアリングを運用の中心にしているなら、専用MAのほうが深い。併用が現実的
  • MA専業のような日本語の伴走支援や運用コンサルティングは、Odoo単体には含まれない
  • Odooのマーケティングオートメーションは、受注や請求までOdooで回していることが前提。マーケティング部門だけで完結させたいなら、専用SaaSのほうが合いやすい

判断の分かれ目は、反応から売上までを1つのデータでたどりたいかどうかです。

他のアプリの対応表は Odooで置き換えられるSaaS対応表 にまとめています。

バージョンと機能の更新について

Odoo 19.0は2025年9月にリリースされました。標準サポートの終了は2028年9月(予定)と、公式に記載があります。

その後、19.1(2026年1月)・19.2(2026年3月)・19.3(2026年5月)・19.4(2026年7月)が順に提供されています。

19.1〜19.4は、Odooオンラインで先に提供されました。Odoo.shとオンプレミスは対象外でした(公式のサポート表にN/Aと明記)。

2026年9月には、次のメジャー版のOdoo 20が公開されました。Odoo.shやオンプレミスの会社も、Odoo 20に上げれば、19.1〜19.4の新機能をまとめて受け取れます。

違うのは、新機能を受け取る時期です。早く使いたいならOdooオンライン。自社で管理したいなら、Odoo.shかオンプレミスで年1回のメジャー版に合わせます。Odoo 20の変更点はOdoo 20の新機能まとめで整理しています。

この節はEnterprise版の話です。Community版は、この更新の流れに乗りません。

マーケティングオートメーションに直接かかわる変更は、19.1〜19.4の公式リリースノートに記載が見つかりませんでした。

※出典:Odoo公式のリリースノートおよびドキュメント(2026年9月確認)

Odooのマーケティングオートメーションでよくある質問

Q1. 見込み客の点数付け(スコアリング)はできますか?

CRM側に、案件ごとの受注の確率を自動で計算する仕組み(予測リードスコアリング)があります(出典:Odoo公式ドキュメント「Lead scoring」、2026年10月確認)。ただし、細かなスコア設計を求めるなら、専用ツールのほうが向いています。

対象のバージョンで確かめることをおすすめします。

Q2. どのくらいの期間で効果が出ますか?

期間の目安は、一律には示せません。送る中身、対象者の数、商材の検討期間によって大きく変わるためです。

ただし、最初の1本なら、数週間で結果が見えます。短いシナリオから始める理由の1つです。

Q3. SMSも自動で送れますか?

送れます。公式ドキュメントによれば、アクティビティの種類にSMSが含まれています。

ただし、日本国内での利用可否と費用は、提供事業者との連携によって変わります。実機での確認をおすすめします。

Q4. 誤ったキャンペーンを止められますか?

止められます。実行中のキャンペーンは停止できるとされています。

ただし、すでに送信されたメールは戻せません。テスト実行を必ず経てから開始してください。

Q5. 担当者が辞めた後、誰も分からなくなりませんか?

これは実際に起きます。対策は仕組みではなく運用です。

キャンペーンごとに、目的・停止条件・担当者を記録してください。あわせて、月1回の一覧確認を運用に組み込むことをおすすめします。

Q6. Odooのマーケティングオートメーションのメリットとデメリットは何ですか?

反応から請求までを1つのデータでたどれる利点と版や運用の条件があります。

反応に応じて次の連絡を自動で変え、条件を満たした相手をCRMの案件にできます。受注や請求まで同じ場所にあるのが、専用MAとの違いです。
一方、Enterprise版限定で、分岐設計やスコアリングは専用ツールのほうが厚い部分があります。停止条件や管理する人を決める運用も要ります(メリットとデメリット)。

まとめ

Odooのマーケティングオートメーションと一斉配信の違いは、1点です。反応した人と、しなかった人に、違うことが起きること。

ただし、この機能は設定してからが本番です。停止条件・点検の頻度・管理する人を決めずに動かすと、止め忘れや引き継ぎ漏れが起きます。

設計の勧めも1つです。3段階程度の短いシナリオを1本作り、テストしてから動かし、結果を見て伸ばしてください。

順序も大切です。送る中身と、反応を受け取る営業がそろって初めて、自動化は成果を生みます。

分岐の設計や外部連携では、MA専業の製品が優れている部分があります。Odooに意味が出るのは、受注や請求まで同じ場所にあり、反応から売上までを1つのデータでたどれる場合です。

メリットは、反応に応じた連絡と、反応から請求までの追跡を1つのデータで回せること。注意点は、版・組み合わせるアプリ・運用の決めごとです。

1年後、資料請求のお礼メールを開いた人が翌日には営業の案件一覧に並び、担当者が「今週はこの5社に電話する」と自分で決めている。月末の点検では、どのシナリオから受注が生まれたかを請求まで追って確かめている。

もう少し詳しく知りたい方へ

ベンチャーネットは、ERP導入支援を手がける会社です。NetSuite・Odoo・AIスクラッチ開発を扱い、SAPからのリプレイスにも対応しているため、特定の製品に偏らない立場でご提案できます。

「まず1本、短いシナリオから試す」という進め方からご相談を承っています。反応した人に誰が連絡するかが決まっていない段階でも構いません。

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この記事を書いた人

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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