NetSuite vs GLOVIA|ERP選定で迷う経営者のための徹底比較ガイド

「国産のGLOVIA Oneなら、今までどおり作り込める」

旧GLOVIAを長く使ってきた会社ほど、そう考えがちです。

GLOVIA Oneとは、富士通が2026年4月に発表した、GLOVIAの製品群を統合したクラウドのERPです。

NetSuiteは、Oracleが提供するクラウドのERPです。

ERP(統合基幹業務システム)は、会計・販売・在庫・人事などの業務データを一つにまとめる仕組みを指します。

実は、どちらもERPの中心部分に手を入れない考え方をとっています。

国産を選べば作り込める、とは限りません。

2つの違いは、何を「標準」とするかにあります。

  • 日本の商習慣を標準のまま生かし、国内の事業を深めたいなら、GLOVIA Oneが合いやすい
  • 海外の拠点やグループ会社の数字を一つの仕組みで見たいなら、NetSuiteが合いやすい
  • どちらも合わない会社には、Odoo・AIスクラッチ開発・「いまは変えない」もある

では、旧GLOVIAで積み上げてきた作り込みは、どちらに移るにしても、どう扱えばよいのか。

NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットは、NetSuiteを扱う立場です。

それでも、GLOVIA Oneのほうが合う会社の条件も、そのまま書きます。

目次

この記事で分かること

  • 2026年4月のGLOVIA Oneへの統合で、比較の前提がどう変わったか
  • NetSuiteとGLOVIA Oneの共通点と違い、AIとの親和性の違い
  • どんな条件ならどちらが合うか。どちらも選ばない場合の選択肢
  • いま旧GLOVIAを使っている会社の3つの道と、移行の段取り
  • 作り込みを仕分ける2つの型(見える化→整理整頓→Fit&Gap/標準に合わせる・開発する・残す)

GLOVIAとGLOVIA Oneの製品そのものは、GLOVIAとは?で詳しく解説しています。

NetSuiteの全体像は、NetSuiteとは?をご覧ください。

なぜ今、ERPを見直す会社が増えているのか

背景には、3つの変化があります。

  • コストの上昇:原材料費や人件費が上がり、製品別・拠点別の利益を早くつかむ必要が高まった
  • 古いシステムの限界:作り込みを重ねたシステムは、担当者の退職で触れる人が減り、改修の費用が年々上がる
  • AIの広がり:AIに業務の数字を分析させるには、データが一か所にそろっている必要がある

そこに、GLOVIAのGLOVIA Oneへの統合が重なりました。

旧GLOVIAを使う会社にとっては、「次の一手」を考える自然な節目です。

2026年4月、GLOVIAは「GLOVIA One」へ|比較の前提が変わった

富士通の発表の要点

富士通は2026年4月20日、GLOVIA Oneの提供開始を発表しました。

発表の要点は次のとおりです(出典:富士通公式、2026年9月確認)。

  • 2026年4月22日より、順次提供を開始
  • 「GLOVIA SUMMIT」「GLOVIA iZ」「GLOVIA きらら」のラインナップを統合
  • クラウドを介して、マルチテナント構成で提供
  • 主な対象は、年間売上約30億円から1,000億円規模の日本企業
  • 「Clean Core」の考え方を採用
  • 富士通の「Uvance Platform」の上で動く

マルチテナント構成は、複数の会社が同じシステムの基盤を共有する方式です。

全社が同じ版を使うため、更新がまとめて届きます。

Clean Core(クリーンコア)は、富士通の発表では「ERPのCore部分を改修せずに維持する思想」と説明されています。

中心の部分には手を入れず、必要な機能は外側でつなぐ考え方です。

発表では、APIで他社のソリューションと連携し、アドオン開発を最低限に抑える方針も示されています。

アドオンは、標準の機能に足す、会社ごとの追加の開発のことです。

GLOVIA Oneの製品の構成

富士通の製品ページでは、次の製品が案内されています(出典:富士通公式、2026年9月確認)。

製品公式ページでの説明の要旨
GLOVIA One 会計データの統合とAIの活用で、会計を経営に生かす
GLOVIA One 人事給与人事・給与の処理とデータの活用。法改正にも対応
GLOVIA One 販売多様な業態と業務の流れに対応
GLOVIA One 生産 PRONES標準の機能と業種別のテンプレートで生産管理をカバー
GLOVIA One SUMMIT 会計経理業務の高度化と、グループ企業の経営管理を支援

発表では、GLOVIA Oneの3つのコンセプトも示されています。

  • INSIGHT:会計・人事・販売・生産のデータを集め、AIで集計・見える化する
  • FIT TO JAPAN:日本の商習慣や業務の工夫を標準の機能として持ち、業務の変更を強いない
  • PARTNERSHIP:仕組みを開き、パートナーと業界の知見を広げる

比較の前提は、どう変わったか

以前は「NetSuiteはクラウド、GLOVIAはパッケージ中心」と比べるのが定番でした。

GLOVIA Oneでは、この対比は当てはまりにくくなりました。

比べる点以前のGLOVIA(統合前)GLOVIA One
製品の分かれ方規模ごとに製品が分かれていた一つの製品群に統合
提供の形パッケージが中心マルチテナント型のクラウド
作り込みの考え方自社に合わせた作り込みが多かったClean Coreで、中心には手を入れない
他のシステムとのつなぎ方個別につなぐAPIでつなぐ方針

NetSuiteとGLOVIA Oneは、「クラウドで、標準を大事にする」という点で近づきました。

では、残る違いはどこにあるのか。

NetSuiteとGLOVIA Oneの違い

基本の比較表

比較の軸NetSuiteGLOVIA One
提供元Oracle(米国)富士通(日本)
提供の形マルチテナント型のクラウドマルチテナント型のクラウド
標準の考え方世界共通の標準の業務に合わせる。日本向けの版もある日本の商習慣を標準に取り込む(FIT TO JAPAN)
主な対象規模・国を問わず、中堅・中小企業に広く使われる年間売上約30億〜1,000億円規模の日本企業
海外・グループ220地域・190通貨・27言語。複数の子会社を一つの仕組みで管理公式の発表の対象は日本企業
利用の実績世界44,000社以上2026年4月から順次提供
更新全社共通で年2回の自動アップデートマルチテナント構成で提供
費用の目安ミニマム構成で月額20万円〜公式の発表・製品ページに価格の記載なし

(出典:Oracle NetSuite公式サイト、富士通公式、2026年9月確認)

NetSuiteの費用は、使うモジュール・ユーザー数・オプションで変わります。

構成によっては、月額が数百万円規模になることもあります。

共通点|どちらも「作り込みを減らす」方向

NetSuiteも、GLOVIA Oneも、中心の部分を作り込まない考え方をとっています。

NetSuiteでは、この進め方をFit to Standard(システムの標準の機能に業務を合わせる進め方)と呼ぶことが多くあります。

そのため、どちらを選んでも、次のことは同じように求められます。

  • 今の業務の流れを棚卸しし、標準で回せる所を増やす
  • 自社だけの機能は、中心ではなく外側でつなぐ
  • 更新が自動で届くことを前提に、運用を組み立てる

冒頭の「国産なら作り込める」という前提は、ここで崩れます。

共通点と、このあと見る違いを図にすると、次のとおりです。

NetSuiteとGLOVIA Oneの共通点と、残る違い どちらも中心を作り込まない考え方をとる。違いは何を標準とするかで、GLOVIA Oneは日本の商習慣を標準に取り込み、NetSuiteは世界共通の標準に日本向けの版で合わせる。海外とグループでは、NetSuiteはOneWorldで複数の子会社を一つで管理し、GLOVIA Oneの公式の発表の対象は日本企業。 共通点と、残る違い 共通:中心を作り込まない 違い① 何を「標準」とするか GLOVIA One 日本の商習慣を 標準に取り込む NetSuite 世界共通の標準に 日本向けの版で合わせる 違い② 海外とグループ GLOVIA One 公式の発表の 対象は日本企業 NetSuite OneWorldで 複数の子会社を管理 国産なら作り込める、とは限らない
NetSuiteとGLOVIA Oneの共通点と、残る違い

違い①|「日本の標準」か「世界の標準」か

一番大きな違いは、何を標準とするかです。

GLOVIA Oneは、日本の商習慣や業務の工夫を、標準の機能として持つ方針です。

日本の会社にとっては、業務を大きく変えずに標準に乗れる範囲が広い可能性があります。

NetSuiteは、世界共通の標準の業務の流れが土台です。

そのうえで、日本語の画面と日本の勘定科目を備えた「NetSuite Japan edition」があります。

勘定科目は、JIS規格にもとづいています(出典:Oracle NetSuiteのヘルプ、2026年9月確認)。

日本の実務に独特の部分が多い会社ほど、この差は大きく効きます。

会計の面の違いは、第4章で取り上げます。

違い②|海外とグループの管理

NetSuiteは、複数の子会社の数字を一つの仕組みで見る前提で作られています。

この機能はOneWorldと呼ばれ、多通貨・多言語・各国の税制に対応します。

GLOVIA Oneの公式の発表は、日本企業を対象としています。

海外の子会社の管理が要る場合は、その範囲を富士通に具体的に聞いてください。

グループ企業の経営管理には、「GLOVIA One SUMMIT 会計」が案内されています。

海外展開の予定がなければ、NetSuiteの多国籍の機能は「あるけど使わない」ものです。

違い③|製品の成熟と、情報の多さ

NetSuiteは、世界で44,000社以上に使われてきた製品です(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月時点)。

導入の方法や、他のサービスとつなぐ部品の情報が多くあります。

GLOVIA Oneは、2026年4月から順次提供が始まった製品です。

長いGLOVIAの蓄積の上にある一方、統合後の製品としての情報はこれから増えていく段階です。

使いたい機能が今の時点で提供されているか、時期も含めて聞いておきましょう。

違い④|支援の体制

NetSuiteは、Oracleが認定したパートナーが導入と運用を支援します。

パートナーを選べる一方で、パートナーの力量が成否を左右します。

GLOVIA Oneは、富士通とパートナーの体制で提供されます。

発表のPARTNERSHIPのコンセプトでは、パートナーと一緒に業界の知見を広げる方針が示されています。

今GLOVIAを支援している会社が、GLOVIA Oneをどう支援するのかも、比べる材料の一つです。

費用は5年の総額で比べる

見積を並べるときは、次の表の行をそろえると比べやすくなります。

費用の項目NetSuiteで見ることGLOVIA Oneで見ること
利用料モジュールとユーザー数ごとの月額自社の構成での利用料
導入の費用支援する会社の作業の範囲と人数富士通・販売パートナーの作業の範囲
作り込み・つなぎ標準で足りない所を、どう補うかClean Coreの外側で補う量と費用
更新への対応年2回の更新のときの確認作業更新のときの確認作業
データ移行何年分を、どの形で移すか旧GLOVIAからの移し方と費用
並べて使う期間新旧を並べる期間の費用同左
社内の手間設定を変える担当者を社内に置くか同左

同じ行で比べると、「利用料は安いが、つなぎの費用が高い」といった差が見えてきます。

利用料より大きく動くのは、導入の費用です。

ベンチャーネットがNetSuiteの導入を支援してきた中で、費用と期間を左右する要因は4つありました。

機能範囲、開発(特に外部システムとの連携)、社内の体制、ユーザー数です。

旧GLOVIAで作った機能と、外部システムとのつなぎの数は、このうち「開発」の重さに直結します。

情報システムの担当が少ない会社では、支援を厚くする分、期間も延びやすくなります。

費用の比べ方は、クラウドERPの費用・料金相場で扱っています。

社内に要る体制

どちらもクラウドで、標準を大事にする製品です。

そのため、どちらを選んでも、社内に次の役割を置くことが前提になります。

社内の役割中身
業務の見直しの責任者標準に合わせるか、外側で補うかを、部門をまたいで決める
システムの担当設定の変更、更新の前の確認、利用者からの質問の窓口
データの管理取引先・品目などのマスタを、決めたルールで保つ
経営の関与プロジェクトの目的を示し、部門の利害を調整する

専任を置けない会社は、支援する会社にどこまで任せられるかを先に聞いておきます。

進め方は伴走型のNetSuite導入支援とはで解説しています。

製造業の場合に見ておくこと

GLOVIA Oneには「生産 PRONES」があり、NetSuiteにも製造の機能があります。

製造業は、次の点を両方の製品で見比べてください。

  • 部品表(BOM:製品を作る部品と数量の一覧)を、自社の構成のまま持てるか
  • 見込生産・受注生産など、自社の作り方に合うか
  • 製品別・製番別など、見たい単位で原価を出せるか
  • 現場の実績を、どの端末でどう集めるか

NetSuiteの製造の機能は、NetSuite製造業向け導入ガイドで解説しています。

製造業のERPを広く比べたい場合は、製造業向けERP15選をご覧ください。

AIとの親和性で比べる

AIとの親和性の比較表

AIとの親和性は、ERPのデータをAIの分析や点検に生かしやすいかどうかです。

ここでは「組み込みのAI」と「外部のAIとの接続」に分けて比べます。

AIとの親和性の軸NetSuiteGLOVIA One旧GLOVIA(統合前)
打ち出し方Oracleは「#1 AI Cloud ERP」と掲げるコンセプトの一つ(INSIGHT)でAIによる集計・見える化を掲げる公式の発表では触れられていない
組み込みのAI文章の要約・支払日の予測などの機能がある対話で分析・示唆を出す「Chat BI」を2026年度中に提供開始の予定確認できなかった
外部のAIとの接続AI Connector Serviceで、ClaudeやChatGPTから接続できるAPIで他社のソリューションと連携する方針個別につなぐ
データのまとまり会計・販売・在庫・CRMが一つのデータベース会計・人事・販売・生産のデータを集める方針製品ごとに分かれていることが多い

(出典:Oracle NetSuiteのヘルプ、富士通公式、2026年9月確認)

NetSuiteのAI

NetSuiteの中には、AIを使う機能がいくつも組み込まれています。

たとえば、レポートの内容を文章で要約する機能や、請求の支払日を予測する機能です。

ただし、日本で使えるかどうかは機能ごとに違います。

Oracleのヘルプでは、次のように案内されています(2026年9月確認)。

  • Narrative Insights(レポートの要約):提供地域は「すべての地域」
  • Text Enhance(文章を整える機能):提供地域に日本が含まれる
  • Bill Capture(請求書の読み取り):提供地域は米国のみ

外部のAIとの接続には、AI Connector Serviceがあります。

MCP(Model Context Protocol)という、AIと外部のシステムをつなぐ共通の規格にもとづく仕組みです。

  • MCPに対応したAIから使える。例としてClaude(Pro以上)やChatGPTが挙げられている
  • AI Connector Service自体は、有料の機能ではない。AI側の有料プランが要ることはある
  • ユーザーのロール(権限)の範囲のデータだけを扱う

(出典:Oracle NetSuiteのヘルプ、2026年9月確認)

仕組みはAI Connector Service(MCP)とはで解説しています。

GLOVIA OneのAI

富士通の発表では、2026年度中にChat BIの提供を始める予定とされています。

Chat BIは、AIを使い、対話の形で業務と経営のデータの分析・示唆を出す機能と説明されています(出典:富士通公式、2026年9月確認)。

製品ページでは、GLOVIA One 会計について「データ統合とAI活用」が掲げられています。

提供の時期と、自社の契約で使える範囲は、富士通に聞いておきましょう。

どちらを選んでも、先に決めること

AIの機能より先に見たいのが、データが一か所にそろっているかです。

販売と在庫が別のシステム、購買は表計算。

この状態では、AIは正しく答えられません。

AIをERPにつなぐ前に、次の3つを決めておきます。

  1. AIに見せてよいデータの範囲:給与や個人の情報など、見せない範囲を決める
  2. AIが使う権限:誰の権限で動かすか
  3. 人が確かめる所:AIの答えを、誰がどの時点で確かめるか

自社のデータの状態は、AI導入の成否は「データの整い方」で決まるで点検できます。

組み込みのAIと外部のAIの使い分けは、「純正AI」と「外部AI連携」の違いをご覧ください。

日本の会計との接点|ここは慎重に

売上原価対立法と三分法

NetSuiteは「売上原価対立法」を採用しており、変更できません。

売上原価対立法は、売上を計上するときに、その原価も同時に計上する方法です。

一方、日本の会社では「三分法」を使ってきた会社が多くあります。

三分法は、仕入・売上・在庫を分けて記録し、決算で原価をまとめて出す方法です。

GLOVIAは、日本の会社の会計の処理に細かく対応してきた経緯があります。

NetSuiteを選ぶなら、今の会計の考え方との差を最初に洗い出してください。

どちらが良い・悪いではなく、前提の違いです。

顧問税理士との接点

NetSuiteから出る帳票やデータの形が、顧問税理士の業務の流れと合うか。

ここも早めに見ておく点です。

特定の会計ソフト以外に対応しない税理士事務所もあります。

選定の早い段階で、顧問税理士と経理の担当に同席してもらうと、後の手戻りを減らせます。

会計でつまずく所は、ERP導入で会計が”つまずく”3層構造の正体で解説しています。

「財務会計は後に回す」という選び方

NetSuiteに移る場合、財務会計を後に回す進め方もあります。

  1. 第1段階:販売・在庫・購買など「モノの管理」をNetSuiteに移す
  2. 並べて使う期間:会計は、今のGLOVIAや国内の会計ソフトで続ける
  3. 第2段階:会計の処理の標準化が見えた段階で、NetSuiteへの統合を判断する

この3つの段階を図にすると、次のとおりです。

財務会計を後に回す進め方 第1段階で販売・在庫・購買などのモノの管理をNetSuiteに移し、並べて使う期間は会計を今のGLOVIAや国内の会計ソフトで続ける。第2段階で、会計の処理の標準化が見えたらNetSuiteへの統合を判断する。 財務会計を後に回す進め方 第1段階 販売・在庫・購買など 「モノの管理」をNetSuiteへ 並べて使う期間 会計は、今のGLOVIAや 国内の会計ソフトで続ける 第2段階 会計の処理の標準化が見えたら NetSuiteへの統合を判断する GLOVIAの会計の強みを残しながら、 経営の数字を早く見られる
財務会計を後に回す進め方

この進め方なら、GLOVIAの会計の強みを残しながら、NetSuiteで経営の数字を早く見られます。

考え方は、NetSuiteで財務会計を行う前に確認すべき3つのことで解説しています。

国内の会計ソフトとの組み合わせ方は、NetSuiteとfreee・マネーフォワード・勘定奉行を組み合わせるをご覧ください。

判断の物差し|どんな条件ならどちらが合うか

比べる軸は、製品の優劣ではありません。

どちらにも長所があり、合う条件が違うだけです。

NetSuiteが合う会社の条件

  • 海外に拠点がある、または3年以内に海外に出る予定がある
  • グループ会社が複数あり、連結の数字を早く見たい
  • 販売・在庫・購買など「モノの管理」が一番の課題
  • プロジェクトや案件ごとの採算など「ヒトの管理」が一番の課題
  • 外部のAIから、ERPのデータを使いたい
  • 業務の流れを、世界共通の標準に合わせて見直す覚悟がある

反対に、次のような会社にはNetSuiteは合いにくくなります。

  • 日本独特の会計の処理を、ERPの中でそのまま続けたい
  • 社内にシステムの担当者を1人も置けず、支援する会社も決まっていない
  • 業務を変えずに、今の画面と手順をそのまま再現したい

GLOVIA Oneが合う会社の条件

  • 国内中心で、年間売上がGLOVIA Oneの主な対象(約30億〜1,000億円)に近い
  • 日本の商習慣を、標準の機能のまま生かしたい
  • 今GLOVIAを使っていて、業務の知見や支援の関係を生かしたい
  • 人事・給与も含めて、国産の一つの製品群でそろえたい

反対に、次のような会社にはGLOVIA Oneは合いにくい可能性があります。

  • 海外の子会社の数字を、同じ仕組みで日々見たい
  • 今使いたいAIの機能が、提供の予定の段階にある
  • 年間売上が主な対象の範囲から大きく外れる

どちらも合わない場合の選択肢

選択肢合う条件注意点
Odoo小さく始めて、アプリを足しながら広げたい日本向けの設定と、支援する会社の選び方が要る
AIスクラッチ開発業務が他社と大きく違い、それ自体が強み作った後の保守と改修の体制が要る
他の国産ERP業種に特化した機能が要る自社の業種の経験が提供元にあるか
いまは変えない旧GLOVIAで不満が少なく、保守の期限も迫っていない見直しの時期だけは決めておく

AIスクラッチ開発は、生成AIを使って自社専用のシステムを作る方法です。

ERPと比べる軸は、AIでスクラッチ開発とERP、どちらを選ぶべきかにまとめています。

Odooの特徴はOdooとは?、他の製品も含めた比較はERPを徹底比較をご覧ください。

ベンチャーネットは、NetSuite・Odoo・AIスクラッチ開発を扱い、SAPからのリプレイスにも対応しています。

NetSuite以外が合うときは、その理由と一緒にお伝えします。

それぞれを選んだときに得られること

NetSuiteを選んだ場合

  • 数字をすぐ見られる:製品別・地域別・案件別の採算を、月次の集計を待たずに役割ごとの画面で見られる
  • 海外とグループをまとめられる:OneWorldで、複数の子会社を一つの仕組みで管理できる
  • 手作業を減らせる:受注から出荷、承認の流れ、定期の請求などを自動化しやすい
  • 広げやすい:SuiteScript(JavaScriptで機能を足す仕組み)やSuiteApps(追加の機能)、APIで外部とつなげる

GLOVIA Oneを選んだ場合

  • 日本の商習慣に合わせやすい:FIT TO JAPANの方針で、日本の業務の工夫を標準の機能として持つ
  • 今の知見を生かしやすい:旧GLOVIAでの運用の経験や、支援する会社との関係を引き継ぎやすい
  • 人事給与までそろえやすい:会計・人事給与・販売・生産を、国産の一つの製品群でそろえられる
  • AIの活用を待てる:Chat BIの提供が2026年度中に予定されている

どちらも、強みが生きるのは条件が合ったときだけです。

見直しを考えるのに向く時期

次のような変化が起きたときは、一度立ち止まって比べる価値があります。

起きた変化NetSuiteが合いやすくなる理由GLOVIA Oneが合いやすくなる理由
海外に子会社を作る多通貨・多言語・連結を一つの仕組みで扱える海外が小さく、本社で数字を集めれば足りる場合
M&Aでグループ会社が増える子会社を足しても、同じ仕組みで数字をそろえやすいグループの管理にSUMMIT 会計が案内されている
旧GLOVIAの保守の期限が近いこの機会に、世界共通の標準に移れる同じ富士通の製品群の中で移れる
担当者が退職し、作り込みが分からなくなった標準に寄せて、属人化を減らせるClean Coreで、中心の作り込みを減らせる
AIの活用を本格化する外部のAIとつなぐ仕組みが公開されているChat BIの提供を待てる

一方で、社内にERPの担当を置けない会社や、「DXのため」「他社が入れたから」が理由の会社もあります。

その場合は製品を選ぶ前に、ERPで何を解決したいかを言葉にするところから始めてください。

これから選ぶ会社と、いまGLOVIAを使っている会社

これから選ぶ会社|デモで同じ場面を見る

まだERPを使っていない、または会計ソフトや表計算で回している会社の進め方です。

  1. 解決したい課題を3つに絞る(例:在庫が合わない、原価が見えない、子会社の数字が遅い)
  2. ERPに任せる業務の範囲を決める(会計だけか、販売・在庫・生産までか)
  3. 候補を2〜3に絞る(第5章の条件を当てはめる)
  4. 自社の業務でデモを見る(自社の伝票や帳票を持ち込む)
  5. 顧問税理士と支援する会社を早めに巻き込む

デモでは、両方の製品で同じ場面を見せてもらいます。

  • 受注から出荷・請求までを、1件通して見る
  • 月末の締めで、今いちばん時間がかかっている作業を再現してもらう
  • 例外の処理(返品・値引き・分納など)の扱いを見る
  • 経営会議で見たい数字が、どの画面でどう出るかを見る

同じ場面で比べれば、印象ではなく事実で判断できます。

いま旧GLOVIAを使っている会社|3つの道を並べる

GLOVIA SUMMIT・iZ・きららなどを使ってきた会社は、進め方が変わります。

GLOVIA Oneに移る前提で進めず、まず3つの道を並べて比べてください。

道合う条件注意点
A. 今の旧GLOVIAを続ける不満が少なく、保守の期限に余裕がある保守の期限と、次に見直す時期を聞いておく
B. GLOVIA Oneに移る国内中心で、日本の商習慣を標準で生かしたいClean Coreの考え方に合わせ、作り込みを見直す
C. NetSuiteなど別の製品に移る海外・グループ・外部のAIの活用が経営の中心になる会計の考え方の違いと、業務の見直しが要る
旧GLOVIAを使う会社の3つの道 旧GLOVIAを続ける、GLOVIA Oneに移る、NetSuiteなど別の製品に移るの3つを並べる。BとCはどちらも移行のプロジェクトとして同じ物差しで比べる。 旧GLOVIAを使う会社の3つの道 移る前提で進めず、並べて比べる A. 旧GLOVIAを続ける 不満が少なく、保守の期限に余裕がある B. GLOVIA Oneに移る 国内中心で、日本の商習慣を標準で生かす C. NetSuiteなど別の製品に移る 海外・グループ・外部AIが経営の中心 BもCも、同じ物差しで比べる移行
旧GLOVIAを使う会社の3つの道

Bも、同じ製品の「版の更新」とは限りません。

GLOVIA OneはClean Coreの考え方をとるため、旧GLOVIAの作り込みがそのまま載るとは限らないからです。

これは公式の記述ではなく、発表の考え方から導いた論点です。

BとCはどちらも移行のプロジェクトとして、同じ物差しで比べてください。

判断の前に押さえる4つのこと

  1. 保守の期限:今の旧GLOVIAの保守がいつまで続くか。公式の発表には記載がないため、富士通か販売パートナーに聞く
  2. 作り込みの量:自社向けに作った機能・帳票・外部とのつなぎを一覧にし、本当に使っているものに印をつける
  3. 不満の原因:製品の限界か、使い方や支援の問題かを分ける
  4. データの量と質:何年分の取引を移すか。取引先・品目などのマスタが整っているか

富士通や販売パートナーには、次のように聞くと答えを引き出しやすくなります。

  • 今使っている製品と版の保守は、いつまで続く予定か
  • GLOVIA Oneに移る場合、今の作り込みやデータはどう扱われるか
  • 移行の費用と期間の目安は、どう見積もられるか
  • 必要な機能が、GLOVIA Oneでいつから使えるか

答えを文書でもらっておくと、B・Cの見積の前提がそろいます。

不満の原因が使い方や支援にあるなら、製品を変えても同じ問題が起きます。

移る場合の段取り

段階やることポイント
1. 見える化今の業務・帳票・作り込みを一覧にする現場に聞いて、今の流れを描く
2. 整理整頓やめる・まとめる・そろえる業務を決める使っていない機能はここで捨てる
3. Fit&Gap移る先の標準と、残った業務の差を洗い出す標準に合わせる・開発する・残すに分ける
4. データ移行の計画移すデータの範囲と、切り替えの日を決める残高だけ移すか、明細も移すか
5. テストと並行新旧で同じ数字が出るかを突き合わせる月次の締めで1回は突き合わせる
6. 切り替え本番で使い始める期首や月初に合わせる会社が多い
7. 定着研修・ルールの文書化・使われ方の点検稼働後の3〜6か月を計画に入れる

Fit&Gap(標準の機能と自社の業務の差を洗い出す作業)は、フィット&ギャップ分析とはで解説しています。

データ移行の進め方は、基幹システムのデータ移行ガイドをご覧ください。

リプレイスの全体の流れは、基幹システムのリプレイスとはにまとめています。

GLOVIA Oneに移る場合とNetSuiteに移る場合で違う所

段取りの順番は同じでも、重く見る所が変わります。

重く見る所B. GLOVIA Oneに移るC. NetSuiteに移る
業務の見直し日本の商習慣は標準で残せる範囲が広い可能性がある世界共通の標準に合わせる所が増える
会計今の会計の考え方を続けやすいかを聞く売上原価対立法との差を、税理士と詰める
作り込みClean Coreの外側で補う方法を聞くSuiteScriptやつなぎの部品で補う方法を見る
支援する会社今の支援する会社が続けられるかNetSuiteの認定パートナーを新しく選ぶ
社員の慣れ同じ富士通の製品で、なじみやすい面がある画面も操作も変わるため、研修を厚くする

並べて使う期間の3つの形

形中身向く場合
業務で分ける販売・在庫はNetSuite、会計はGLOVIAを続ける会計の移行を後に回したい
会社・拠点で分ける新しい拠点や成長中の事業から先に移すグループの一部から試したい
時期で重ねる切り替えの前後に両方で数字を出し、突き合わせる全面的に一度に移る

両方のシステムの間でデータを受け渡す場合は、どのデータをいつ渡すかを先に設計します。

二重の入力は現場の負担になります。

並べて使う期間の終わりの日も、最初に決めておきましょう。

使い始めてから5年のあいだに起きること

選ぶときは、導入の日ではなく、その後の5年を想像して比べます。

5年のあいだに起きることNetSuiteの場合GLOVIA Oneの場合
新しい機能年2回の更新で、全社に同じ機能が届くマルチテナント構成で提供。更新の進め方は富士通に聞く
法律や制度の変更更新や追加の機能で対応する人事給与では法改正への対応が案内されている
拠点や会社の追加同じ仕組みの中に足していく追加の方法を富士通・パートナーと相談する
担当者の入れ替わり標準に近いほど、引き継ぎやすい同左
AIの機能機能ごとに日本での提供が広がるかを見るChat BIの提供の開始を見る

どちらもクラウドで、更新が届く製品です。

差は、世界の標準と日本の標準のどちらに寄り添うかと、支援の体制に出ます。

よくある3つの失敗

失敗1:旧GLOVIAの作り込みを、そのまま移そうとする

起きること:移る先で作り込みが増え、費用と期間がふくらむ。自動の更新のたびに調整が要り、クラウドの良さが消える。

原因:「今までできていたことは全部できないと困る」という要望を、そのまま要件にしている。

移る先がNetSuiteでもGLOVIA Oneでも、中心を作り込まない考え方とぶつかります。

避け方:見える化と整理整頓を先に済ませ、残った機能だけを標準に合わせる・開発する・残すに分けます(第8章)。

失敗2:財務会計まで、一度に全部移そうとする

起きること:会計の前提の違いで、決算の手順が組み直しになる。税理士の業務とも合わず、手戻りが出る。

原因:NetSuiteの売上原価対立法と、今の三分法の違いを、早い段階で共有していない。

経営の全体を一つのシステムで見たい、という自然な思いが先に立っている。

避け方:まず「モノの管理」や「ヒトの管理」から移し、会計は後に回す進め方を検討します(第4章4-3)。

選定の段階で、顧問税理士と経理の担当に同席してもらいます。

失敗3:本番の稼働の日をゴールにする

起きること:使い始めた後、「前のやり方のほうが早い」と現場が元に戻る。新しいシステムが浮いた存在になる。

原因:長く使った旧GLOVIAに、社員の操作が慣れている。稼働後の定着に、予算も人も割いていない。

避け方:稼働後の3〜6か月を「定着の期間」として、最初から計画に入れます。

操作の研修、手順書とよくある質問の整備、運用のルールの文書化が中身です。

失敗の例は、NetSuite導入の失敗事例でも詳しく解説しています。

ベンチャーネットならこう見る|作り込みは2つの型で仕分ける

「移る先を決めてから、作り込みの一覧を渡せばいい」

そう考える会社は少なくありません。

ベンチャーネットは、移る先の製品が決まっていても、業務の見える化からやり直します。

長く使った旧GLOVIAの機能の一覧には、使っていない帳票や、表計算で補っている業務が混ざっているからです。

一覧をそのまま要件にすると、要らない作り込みまで新しいERPに運ぶことになります。

型1:見える化→整理整頓→Fit&Gap

作り込みの扱いは、次の順番で決めます。

  1. 業務の見える化:いまの業務の流れを、現場に聞いて描く
  2. 整理整頓:やめる・まとめる・そろえる業務を決める
  3. Fit&Gap:残った業務を、移る先の標準機能と照らし合わせる

やめる業務は、2段目で決めてしまいます。

照らし合わせる数が減るので、3段目の手間が軽くなります。

型2:標準に合わせる/開発する/残す

Fit&Gapで合わなかった業務は、3つのどれかに決めます。

  • 標準に合わせる:業務のほうを、ERPの標準機能に寄せる
  • 開発する:APIでつなぐ外部の仕組みや、追加の開発で補う
  • 残す:新しいERPには載せず、いまの仕組みや運用で続ける

1つ目を選べる業務が多いほど、移ったあとの更新が軽くなります。

2つ目は、第2章で見たとおり費用を押し上げやすい選択です。

「開発する」が多すぎるなら、移る判断そのものを見直します。

ベンチャーネットの進め方:見える化→整理整頓→Fit&Gap→3つの選択 業務の見える化、整理整頓、NetSuite標準機能とのFit&Gap、そして標準に合わせる・開発する・残すの3択で決める。 ベンチャーネットの進め方業務の見える化いまの業務フローを現場に聞いて描く整理整頓やめる・まとめる・そろえる業務を決めるFit&GapNetSuiteの標準機能と照らし合わせる3つの選択標準に合わせる/開発する/残す製品が決まっていても、見える化から始める
ベンチャーネットの進め方:見える化→整理整頓→Fit&Gap→3つの選択

図の3段目はNetSuiteを例にしています。

照らし合わせる相手がGLOVIA Oneでも、順番は変わりません。

2つの型で仕分けておけば、B(GLOVIA One)とC(NetSuite)を同じ土俵で並べられます。

最初の打ち合わせで伺う3つのこと

  1. 見直しの起点は、保守の期限か、事業の変化(海外・グループ・AI)か
  2. 今のシステムへの不満は、製品・使い方・支援のどれが原因か
  3. 自社にしかない業務は何か。それは競争の強みか

期限だけが理由で事業の形が変わらないなら、GLOVIA Oneが自然な候補です。

海外展開や事業の組み替えが理由なら、NetSuiteも並べる意味があります。

支援する会社も、製品と同じ重さで見る

ベンチャーネットの仕事は、ゼロからの導入より、他社のあとの引き継ぎや立て直し、他システムとの連携が多くを占めます。

そこで見てきたのは、製品より支援の進め方でつまずく会社が多いことでした。

支援する会社は、次の3つで見てください。

  • 認定と経験:その製品の認定を持ち、自社に近い業種の経験があるか
  • 業務の理解:要件を聞くのが営業ではなく、導入を担う人か
  • 率直さ:失敗の例や、その製品が合わない場合を正直に話すか

製品を変えずに、支援する会社だけを見直す道もあります。

考え方はERP導入失敗の原因はパートナーにあり?で解説しています。

GLOVIA Oneのほうが合う会社には、そうお伝えしています。

乗り換えありきで話を進めないことが、会社の負担を減らすからです。

今日できること|1時間で「作り込みの一覧」を作る

いまGLOVIAを使っている会社は、次の表を1時間で埋めてみてください。

業務GLOVIAで自社向けに作った所表計算で補っている所本当に要るか(◎○×)
(例)受注独自の受注伝票納期の管理表○

販売・購買・在庫・生産・会計・人事の順に書き出します。

×がついた作り込みの多さが、移行で身軽になれる余地です。

◎の多さが、移る先で「開発する」必要がある量の目安になります。

これから選ぶ会社は、次の表を埋めてください。

経営会議で見たい数字今どこにあるか出てくるまでの日数
(例)品目別の粗利販売管理と表計算月末から10日

5つほど書き出すと、ERPで一つにまとめたい範囲が見えてきます。

よくある質問

Q1. GLOVIAはなくなったのですか

2026年4月に「GLOVIA One」として統合されました。

富士通は、GLOVIA SUMMIT・GLOVIA iZ・GLOVIA きららのラインナップの統合を発表しました。

2026年4月22日より、順次提供を始めるとしています(第1章)。

今の製品の保守がいつまで続くかは、富士通か販売パートナーに聞いてください。

Q2. GLOVIA OneとNetSuiteは、どちらもクラウドですか

どちらもマルチテナント型のクラウドです。

違いは、何を標準とするかです。

GLOVIA Oneは日本の商習慣を標準に取り込む方針、NetSuiteは世界共通の標準に日本向けの版で合わせる形です(第2章)。

Q3. 旧GLOVIAを使っていますが、GLOVIA Oneに移るのが自然ですか

自然な候補です。ただ、比べずに決める必要はありません。

GLOVIA OneもClean Coreの考え方をとるため、作り込みの見直しが要る可能性があります。

GLOVIA OneとNetSuiteを同じ移行のプロジェクトとして並べ、自社に合うほうを選んでください(第6章)。

Q4. 旧GLOVIAの作り込みは、移る先でどう扱えばよいですか

見える化と整理整頓のあとに3つに分けます。

いまの業務を描き、やめる業務を決めてから、移る先の標準機能と照らし合わせます。

合わなかった業務は、標準に合わせる・開発する・残すのどれかに決めます(第8章)。

Q5. NetSuiteの導入にはどのくらいの期間がかかりますか

範囲と作り込みの量で大きく変わります。

範囲を絞った導入なら数か月、多くの拠点をまとめる導入なら1年以上になることもあります。

SuiteSuccessは、業種ごとの設定を事前に組み込んだ導入の方法です。

使うと、期間を見通しやすくなります(出典:Oracle NetSuite公式、2026年9月確認)。

期間の考え方はNetSuiteの導入期間で解説しています。

Q6. NetSuiteは日本の会計に対応していますか

日本語の画面と日本の勘定科目を備えた版があります。

ただし、売上原価対立法は変えられません。

今の会計の処理との差と、税理士の業務との合い方を、導入の前に詰めてください(第4章)。

消費税・インボイスへの対応は、NetSuite SuiteTaxとはで解説しています。

Q7. NetSuiteとGLOVIA Oneは、どちらが安いですか

今の時点では同じ条件で比べにくい状態です。

NetSuiteはミニマム構成で月額20万円〜が出発点で、構成によって数百万円規模になることもあります。

GLOVIA Oneは、富士通の発表と製品ページに価格の記載が見当たりませんでした。

どちらも自社の構成で見積をとり、作り込み・移行・並べて使う期間も含めた5年の総額で比べてください。

NetSuiteについてよく受ける質問は、NetSuite導入でよく受ける質問30問と回答にまとめています。

まとめ|比べる前に、自社の方向と「標準」を決める

  • 2026年4月、GLOVIAはGLOVIA Oneに統合され、マルチテナント型のクラウドになった
  • NetSuiteとGLOVIA Oneは、どちらも作り込みを減らす方向。違いは何を標準とするか
  • 日本の商習慣を標準で生かしたいならGLOVIA One、海外・グループを一つで見たいならNetSuiteが合いやすい
  • AIは、NetSuiteは今ある機能と外部のAIとの接続、GLOVIA Oneは2026年度中のChat BIが柱
  • いま旧GLOVIAを使う会社は、続ける・GLOVIA One・別の製品の3つを同じ物差しで比べる
  • 作り込みは「見える化→整理整頓→Fit&Gap」で洗い、「標準に合わせる/開発する/残す」に分ける

「国産なら作り込める」から始めると、どちらを選んでも見積もりで驚きます。

まずは作り込みの一覧を、見える化から作り直してください。

その一覧が、GLOVIA OneとNetSuiteを比べる一番の材料になります。

もう少し詳しく知りたい方へ

旧GLOVIAを続けるか、GLOVIA Oneか、NetSuiteかの整理から、ご相談をお受けしています。

NetSuiteありき、乗り換えありきでは進めません。

GLOVIA・GLOVIA Oneの機能・価格・保守の相談は、富士通または販売パートナーにお問い合わせください。

ベンチャーネットは、GLOVIAの導入・運用の支援を行っていません。

両方の情報を並べて比べることが、精度の高い判断につながります。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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