GLOVIAとは?富士通の国産ERPの機能・特徴・向いている企業をわかりやすく解説

「GLOVIA(グロービア)」という名前を聞いて、こんな疑問を持っていませんか。

  • 富士通のERPらしいけれど、どんなシステムなのか
  • 自社の規模や業種に向いているのか
  • 費用はどれくらいかかるのか

この記事では、GLOVIAの基本から、機能・特徴・製品ラインナップ・費用の考え方・向いている企業まで、ERPにくわしくない方にもわかりやすく解説します。記事の後半では、世界的なクラウドERP「NetSuite」との選び方にも触れます。

目次

GLOVIAとは

GLOVIA(グロービア)は、富士通が提供する国産のERPです。ERPとは、会計・人事・販売・生産といった会社の主要な業務を、一つのシステムでまとめて管理する仕組みを指します。

GLOVIAは1996年から開発・販売が続く、歴史のある統合業務ソリューションです(出典:Wikipedia「GLOVIA」)。長年にわたり、大企業から中堅・中小企業まで幅広い規模の会社に導入されてきました。

国産ERPとしての存在感も大きく、国内の中小企業向けERP市場では上位のシェアを持ちます。2020年の調査では、25%弱のシェアで2位という位置づけでした(出典:Wikipedia「GLOVIA」)。

日本企業の経営管理を、長く支えてきたERPの一つと言えます。

GLOVIAの特徴

GLOVIAの最大の特徴は、「国産ERP」であることです。日本特有の事情に合わせて作られている点が、海外製ERPとの大きな違いになります。

主な特徴は次の3つです。

  • 日本の税制・商習慣に対応:日本独自の会計ルールや業務の進め方に、はじめから合わせやすい
  • 幅広い企業規模に対応:中小企業から大企業まで、規模に応じた製品が用意されてきた
  • 提供形態を選べる:自社で構築するパッケージ版と、クラウドで利用するSaaS版の両方がある

SaaSとは、インターネット経由でソフトを利用する提供形態のことです。自社にサーバーを持たず、必要な機能をサービスとして使えます。

国産であるため、導入時のサポートやトレーニングを日本語で受けやすい点も、多くの日本企業に選ばれてきた理由の一つです。

GLOVIAの製品ラインナップ

GLOVIAの製品体系は、2026年に大きく変わりました。ここでは最新の体系と、それ以前の体系の両方を整理します。

最新:GLOVIA One(2026年4月提供開始)

富士通は2026年4月22日より、新しいERP「GLOVIA One(グロービアワン)」の提供を始めました(出典:富士通プレスリリース)。

GLOVIA Oneは、これまで複数に分かれていたGLOVIA製品を統合したものです。会計・人事給与・販売・生産の4つの領域を一つにまとめています。

主な対象は、年間売上が約30億円から1,000億円規模の日本企業です(出典:富士通プレスリリース)。

GLOVIA Oneの新しさは、次の点にあります。

  • クラウドのマルチテナント構成:複数の利用企業が同じ基盤を共有する仕組みで、運用負担を抑えやすい
  • API連携:他社のソリューションと容易につなげる設計
  • AIエージェント機能:データを統合・可視化し、業務分析を支援する「Chat BI」などを提供(出典:富士通プレスリリース/VOIX)

次の3つを軸にしたソリューションとされています(出典:VOIX)。

  • INSIGHT(洞察)
  • FIT TO JAPAN(日本への適合)
  • PARTNERSHIP(協業)

統合前の製品体系

GLOVIA Oneに統合される前は、企業規模や用途ごとに製品が分かれていました(出典:Wikipedia「GLOVIA」)。

  • GLOVIA SUMMIT / G2:大企業向け
  • GLOVIA iZ:中堅企業向け
  • GLOVIA きらら:中小企業向け
  • GLOVIA smart / OM:製造業などの業種特化型

これから情報を調べる場合は、旧製品名で書かれた古い記事も多く残っています。最新の体系はGLOVIA Oneである点を押さえておくと、混乱を避けられます。

GLOVIAの主な機能

GLOVIAは、会社の基幹業務を一つのシステムで管理します。中心となるのは、会計・人事給与・販売・生産の4つの領域です。

主な機能を整理すると、次のとおりです。

業務領域主な機能
会計財務会計、管理会計、予算管理、経営の可視化
人事給与従業員情報の管理、給与計算、勤怠管理
販売受注・出荷・請求、在庫管理、購買管理
生産生産計画、製造の実行管理、原価管理

これらの業務データを一か所に集めることで、部門ごとにバラバラだった情報がつながります。経営層は、会社全体の状況をまとめて把握しやすくなります。

GLOVIA Oneでは、こうしたデータの統合・可視化をAIが支援する機能も加わりました。集めたデータを分析し、意思決定の材料を示してくれます。

GLOVIAの費用

GLOVIAの費用は、富士通の公式サイトでも標準価格が公開されていません。導入を検討する場合は、見積もりを依頼するのが基本です(出典:富士通価格ページ)。

費用が一律でないのは、製品・利用人数・カスタマイズの範囲によって、必要な構成が大きく変わるためです。

ERPの導入で考慮すべきコストには、次のような項目があります。

  • ライセンス費用:システムを利用する権利にかかる費用
  • 導入支援費用:設定や初期構築を支援してもらう費用
  • カスタマイズ費用:自社の業務に合わせて機能を調整する費用
  • データ移行費用:既存システムのデータを移す費用
  • 運用保守費用:導入後に継続してかかる費用

費用を比べるときは、初期費用だけでなく、導入後に毎年かかる運用保守費用まで含めて考えることが大切です。正確な金額は、自社の要件を整理したうえで、ベンダーに見積もりを依頼して確認しましょう。

GLOVIAが向いている企業・慎重に検討すべき企業

GLOVIAは、すべての企業に最適というわけではありません。どんな企業に向いていて、どんな企業は慎重に検討すべきかを整理します。

なお、これはどちらが優れているという話ではありません。自社の状況に合うかどうかで判断するための目安です。

観点GLOVIAが向いている企業慎重に検討すべき企業
事業エリア国内中心で事業を展開海外拠点が多く多言語・多通貨が必須
商習慣・制度日本特有の税制・商習慣への対応を重視グローバル標準の業務プロセスを志向
企業規模中堅〜中小(売上約30億〜1,000億円規模)超小規模・スタートアップ、または超大企業
サポート国産ベンダーの手厚いサポートを重視クラウドネイティブ・内製を志向
導入の進め方既存システムとの連携を重視ゼロベースで業務標準化を進めたい

国内中心で事業を行い、日本の商習慣にしっかり対応したい企業には、GLOVIAは有力な選択肢になります。一方で、海外展開が多い企業や、グローバル標準で業務をそろえたい企業は、別の選択肢も含めて比べてみる価値があります。

GLOVIAとNetSuiteで迷ったら

ERPを調べていくと、GLOVIAと並んで「NetSuite」という名前を目にすることがあります。NetSuiteは、世界中で使われているクラウド型のERPです。

この2つは、得意とする方向性が異なります。

  • GLOVIA:国産ERPとして、日本の税制・商習慣への対応に強い
  • NetSuite:クラウドERPとして、海外展開や多通貨・多言語への対応に強い

つまり、「国内中心で日本の商習慣を重視するか」「海外も見据えてグローバルに対応するか」という違いが、選び方の大きな分かれ目になります。

ベンチャーネットは、Oracle NetSuiteの認定パートナー(Solution Provider)として、NetSuiteの導入を支援しています。ただ、私たちが大切にしているのは、どちらが優れているかを決めることではありません。

ERP選びで本当に大切なのは、自社の課題や業務に合っているかどうかです。そのためには、自社の業務とシステムの機能がどれだけ合うか・合わないかを見極める「FIT&GAP(フィット&ギャップ)」の確認が欠かせません。

ここを飛ばして導入を決めてしまうと、「思っていたものと違った」という後悔につながりやすくなります。

GLOVIAとNetSuiteの違いをもっとくわしく知りたい方は、次の記事で機能・特徴・移行のポイントを比較しています。あわせてご覧ください。

NetSuiteとGLOVIAを比較!特徴・機能・移行のポイント

よくある質問(FAQ)

Q1. GLOVIAとはどんなERPですか?

富士通が1996年から提供している、国産の統合業務ソリューションです。会計・人事給与・販売・生産を中心に、日本の税制・商習慣に対応している点が特徴です。

国内の中小企業向けERP市場では上位のシェアを持ち、長年にわたり多くの日本企業に導入されてきました。大企業から中堅・中小企業まで、幅広い規模に対応してきた実績があります。

Q2. GLOVIA OneとこれまでのGLOVIAは何が違いますか?

2026年4月から、これまで複数に分かれていたGLOVIA製品が「GLOVIA One」として一つに統合されました。

従来は、大企業向けのSUMMIT、中堅向けのiZ、中小向けのきららなど、規模ごとに製品が分かれていました。GLOVIA Oneでは、これらを統合したうえで、クラウドのマルチテナント構成・API連携・AIエージェント機能が加わっています。これから検討する場合は、GLOVIA Oneが最新の体系になります。

Q3. GLOVIAの費用はどれくらいですか?

富士通は標準価格を公開しておらず、費用は見積もりで確認するのが基本です。製品・利用人数・カスタマイズの範囲によって、必要な構成が変わるためです。

検討の際は、ライセンス費用だけでなく、導入支援・カスタマイズ・データ移行・運用保守といった項目を含めて、総額で考えることをおすすめします。正確な金額は、自社の要件を整理したうえでベンダーに相談して確認しましょう。

Q4. GLOVIAとNetSuiteはどちらを選べばよいですか?

国内中心で日本の商習慣を重視するならGLOVIA、海外展開や多通貨・多言語への対応を重視するならNetSuite、というのが大きな判断軸です。

どちらが優れているかではなく、自社の課題に合うかどうかが大切です。判断に迷う場合は、自社の業務とシステムの機能がどれだけ合うかを確認する「FIT&GAP」から始めると、選びやすくなります。

くわしい比較は、別記事「NetSuiteとGLOVIAを比較」をご覧ください。

まとめ

GLOVIAは、富士通が長年提供してきた国産ERPです。日本の税制・商習慣への対応に強く、国内中心で事業を行う中堅・中小企業にとって有力な選択肢になります。2026年にはGLOVIA Oneとして製品が統合され、クラウドやAIへの対応も進みました。

ERP選びで大切なのは、どの製品が優れているかではなく、自社の課題や業務に合っているかどうかです。

もし「GLOVIAとNetSuiteで迷っている」「自社にどのERPが合うのか整理したい」と感じたら、一緒に考えるところから始められます。ベンチャーネットでは、ERP選びの出発点となるFIT&GAPの確認を支援しています。

NetSuiteを実際に見てみたい方は、無料デモもご利用いただけます。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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