NetSuiteとは?中堅・中小企業の経営者が知っておきたいクラウドERP入門【2026年版】

「ERPの導入を検討しはじめたが、何から手をつければよいか分からない」

そんな経営者・一人情シスの方に向けて、本記事ではクラウドERP「NetSuite」の基礎知識を整理してお届けします。

この記事で分かること

  • NetSuiteとは何か(基本定義と特徴)
  • NetSuiteで何ができるか(主要機能とメリット)
  • 自社に向いているかどうかの見極め方
  • 導入で失敗しないための注意点

NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットは、中堅・中小企業のERP導入を支援しています。本記事は、私たちが現場で見てきた実例と、Oracle・NetSuiteの公式情報をもとに構成しました。

ベンチャーネットはOracle NetSuite認定パートナーです
動画でも解説しております
目次

NetSuiteとは(基本定義)

NetSuiteは、Oracle社が提供するクラウド型ERPです。会計・販売・在庫・人事など、企業のあらゆる業務を1つのシステムに統合できます。なお、NetSuiteは「ネットスイート」と読みます。

世界初の本格的なクラウドERPとして、1998年にサービスを開始しました。現在は世界220地域・43,000社以上で利用されています(出典:Oracle NetSuite公式、SuiteConnect 2026)。

ERP(基幹業務システム)とは

ERPとは「Enterprise Resource Planning(企業資源計画)」の略です。

会計・販売・在庫・人事といった、企業の基幹業務を1つのシステムにまとめて管理する仕組みのことを指します。

部門ごとにバラバラのシステムを使っている場合、データの突合に時間がかかります。月次決算が遅れる、在庫情報がリアルタイムに見えない、といった問題が起きやすくなります。

ERPはこれらを統合し、全社のデータを一元管理することで、経営判断のスピードを上げます。

NetSuiteの3つの特徴

NetSuiteには、他のERPにはない3つの特徴があります。

特徴①:真のクラウドERP

NetSuiteは設計思想からクラウドネイティブで作られています。サーバーの構築や保守は不要で、ブラウザがあればどこからでも利用できます。

NetSuiteは真のクラウド

特徴②:統合型のオールインワン

会計・ERP・CRM・EC・人事など、企業活動に必要な機能を1つのプラットフォームで提供します。複数のシステムを連携させる手間がかかりません。

特徴③:グローバル対応

190通貨・27言語・220地域に対応しており、海外展開を視野に入れる企業にも適しています。Oracle社が2016年にNetSuiteを買収して以降、機能拡張も継続的に行われており、近年は生成AIを活用した経営革新への取り組みも進んでいます。

なぜいま中堅・中小企業にNetSuiteが選ばれるのか

近年、中堅・中小企業の経営者からNetSuiteへの問い合わせが急増しています。背景には、レガシーシステムの限界とDX推進の必要性があります。

「2025年の崖」とレガシーシステムの限界

経済産業省は数年前から「2025年の崖」という言葉で、レガシーシステムの問題を警告してきました。

老朽化したシステムを使い続けることで、データ活用の機会を失い、競争力を落としてしまうという問題です。

実際、ベンチャーネットへのご相談でも、20年以上前のシステムを使い続けて、保守ベンダーが撤退した、後任のエンジニアが採用できない、という悩みをよく耳にします。

中堅・中小企業がDXに取り組むべき理由

DXは、大企業だけの課題ではありません。

中堅・中小企業こそ、限られた人員でいかに業務を回すかが経営課題に直結します。データの一元化と業務の自動化は、今後の人材不足時代に備える必須の取り組みです。

NetSuiteは、初期投資を抑えながらERPを導入できるため、中堅・中小企業の選択肢として現実的です。具体的な業務改善の進め方は、「NetSuiteで実現する効果的な業務改善|プロセス最適化のポイント」でも詳しく解説しています。

「真のクラウドERP」と「名ばかりクラウド」の違い

「クラウドERP」と一口に言っても、その中身は大きく2種類に分かれます。

観点真のクラウドERP(NetSuite等)名ばかりクラウド(オンプレ製品のホスティング)
設計思想クラウドネイティブオンプレ前提を後からクラウドに載せ替え
アップデート自動・無償・年2回個別対応・有償・任意
マルチテナント対応(共通基盤を多くの企業で利用)専用環境を構築
拡張性標準機能の継続的な追加カスタマイズに依存

NetSuiteは前者の「真のクラウドERP」に該当します。導入後もアップデートが自動で行われ、常に最新機能が使える点が大きなメリットです。

AI時代の経営基盤としてのNetSuite

AIの活用が経営判断に直結する時代になりました。ChatGPTやClaudeに「自社の在庫状況は?」「先月の粗利を分析して」と聞ける環境を、多くの経営者が望んでいます。

ただし、AIに正しく答えてもらうには、データが整っていることが前提です。会計・販売・在庫がバラバラのシステムに散らばっていては、AIも本領を発揮できません。

ここで、NetSuiteは「#1 AI Cloud ERP」という立ち位置を打ち出しています。AI時代の経営基盤として、他のERPとは異なる2つの強みがあります。AI時代のERPの全体像は、AIクラウドERPとは何かで詳しく解説しています。

強み①:組込型AI機能(標準搭載)

NetSuiteには、追加費用なしで使えるAI機能が組み込まれています。代表的なものは以下です。

  • Text Enhance:商品説明やメモを自動で整える生成AI
  • Narrative Insights:財務・運用レポートをAIが文章で要約
  • 支払予測:過去の取引から、得意先がいつ支払うかを予測
  • 異常検知エージェント:取引データの異常を自動検出

これらは「ERPの中で完結するAI」です。導入直後から、追加設定なしで使えます。

強み②:外部AI連携(Bring Your Own AI)

NetSuiteは「AI Connector Service」という仕組みで、外部のAI(ChatGPT・Claudeなど)と直接つながります。

技術的には「MCP(Model Context Protocol)」というオープン規格に対応しており、特定のAIベンダーに縛られません。経営者が「うちはClaudeを使いたい」「うちはChatGPT」と選んでも、同じNetSuiteのデータを安全に参照できます。

この「自社のAIを持ち込める」という設計は、多くのERPがまだ追いついていない部分です。AI戦略は今後も変わっていきます。特定のAIに縛られない柔軟性は、経営の長期的な選択肢を守ります。

経営者にとっての意味

AI時代のERP選びでは、「AIが組み込まれているか」だけでなく、「自社が使いたいAIとつながるか」を見極めることが重要です。NetSuiteは両方を満たす、数少ない選択肢の1つです。

ベンチャーネットでも、お客様から「ChatGPTで在庫を見たい」「Claudeで月次を分析したい」というご相談が増えています。NetSuiteなら、これが標準機能の延長で実現できます。

NetSuiteの主要機能

NetSuiteは、企業活動に必要な機能を1つのプラットフォームで提供する統合型ERPです。

主要機能は次の通りです。

機能領域主な内容
会計・財務管理仕訳・元帳・債権債務・財務レポート
ERP調達・在庫・生産・サプライチェーン
CRM顧客管理・営業支援・マーケティング
EC(SuiteCommerce)自社ECサイト構築・運営
プロジェクト管理プロジェクト原価管理・工数管理
人事(SuitePeople)人事情報・給与・タレント管理

会計・財務管理

NetSuiteの中核機能は、会計・財務管理です。

仕訳から月次・年次決算、財務レポートまで、財務に関するすべての業務をカバーします。

複数拠点・複数通貨にも対応しているため、グローバル展開している企業でも統一された会計基盤を構築できます。

ERP(調達・在庫・生産)

調達から在庫管理、生産計画まで、モノの流れを統合管理します。

リアルタイムの在庫状況を把握できるため、欠品や過剰在庫のリスクを抑えられます。

詳しくは「NetSuiteで販売管理・在庫管理・購買管理を行うためのポイント3選」でも解説しています。

CRM(顧客管理・営業支援)

顧客情報・案件情報・営業活動を一元管理します。

ERPとの連携により、見積もり〜受注〜納品〜請求の一連のフローをシームレスにつなぐことができます。

詳しくは「NetSuiteでシームレスな顧客関係管理(CRM)を実現するには」で解説しています。

EC・プロジェクト管理・人事

NetSuiteには、SuiteCommerce(EC)、プロジェクト管理、SuitePeople(人事)など、企業活動に必要な機能が幅広く揃っています。

業種や業態に応じて、必要な機能を組み合わせて利用できます。

「最初から全機能を使う必要はない」というメッセージ

これだけ多くの機能があると、「全部使いこなせるだろうか」と不安に思うかもしれません。

ご安心ください。NetSuiteは、必要な機能から段階的に導入できます。

ベンチャーネットでも、まずは会計または販売管理から始めて、半年〜1年単位で機能を追加していくスモールスタートをおすすめしています。

NetSuiteの機能

NetSuite導入のメリット

NetSuiteを導入することで、経営にどのようなメリットがあるのか。代表的なものを3つご紹介します。

リアルタイムでの経営状況把握

NetSuiteは、すべての業務データを1つのデータベースで管理します。

そのため、売上・在庫・キャッシュフロー・原価などの経営情報を、リアルタイムで把握できます。

月次決算を待たずに経営判断ができるため、変化の速い市場環境でも素早く意思決定できます。

業務プロセスの自動化と効率化

承認フロー・帳票発行・データ連携など、定型業務を自動化できます。

人手作業によるミスを削減し、現場の負担も軽くなります。

浮いた時間を、より付加価値の高い業務に振り向けることができます。

グローバル展開への対応力

NetSuiteは190通貨・27言語・220地域に対応しています。

海外子会社の会計・業務管理も同じシステムで統一できるため、グローバル経営の見える化が一気に進みます。

将来的に海外展開を検討している企業にとって、長期的な投資価値が高いと言えます。

NetSuite導入のデメリット・注意点

メリットだけでなく、デメリットも正直にお伝えします。

NetSuiteは強力なツールですが、すべての企業に最適とは限りません。事前に知っておくべき注意点を3つご紹介します。

日本特有の会計要件への対応

NetSuiteはグローバル製品のため、日本特有の会計要件(消費税の特殊計算、源泉徴収、IFRSと日本基準の違いなど)には、追加の設定や運用上の工夫が必要です。

ベンチャーネットでも、日本企業向けの導入では、こうした要件への対応をプロジェクト初期に必ず検討事項として組み込んでいます。詳細は「NetSuiteで財務会計を行う前に確認すべきこと3選」で解説しています。

「世界標準」を採用する覚悟が必要

NetSuiteは世界標準の業務プロセスを前提に設計されたSaaSです。

「現行の業務フローをそのまま再現したい」という発想で導入すると、過剰なカスタマイズが必要になり、コストもリスクも跳ね上がります。

「世界標準に自社を合わせる」という覚悟が、導入成功のカギになります。

ライセンスコストと運用体制

NetSuiteのライセンスは、ミニマム構成で月額20万円〜が出発点です。利用するモジュール・ユーザー数・必要なオプションによって変動し、数百万円規模になることもあります。

加えて、導入支援パートナーへの費用、社内の運用担当者の確保も必要です。

予算と体制が整わない段階で導入を決めると、運用フェーズで苦労する可能性があります。

ベンチャーネットでは、まずヒアリングを通じて「いま導入すべきか」「もう少し準備期間を置くべきか」を一緒に考えるようにしています。合わないと判断したら、その旨を正直にお伝えします。

NetSuiteが向いている企業・慎重に検討すべき企業

NetSuiteは万能ツールではありません。相性の良い企業とそうでない企業があります。

ここでは、ベンチャーネットの支援経験から見えてきた適合度をお伝えします。

NetSuiteが向いている企業の特徴

NetSuiteと特に相性が良いのは、次の2タイプの企業です。

①「モノの管理」が中心課題の企業

販売管理・在庫管理が経営課題の中心にある企業。

例えば、複数拠点で在庫を抱える商社、生産計画と在庫の連動が複雑な製造業など。NetSuiteの統合管理機能が真価を発揮します。

②「ヒトの管理」が中心課題の企業

プロジェクト型のビジネスモデルで、工数・原価管理が経営課題の中心にある企業。

ITサービス業、コンサルティング業、建設業などが該当します。プロジェクト原価管理の機能が強力です。

慎重に検討すべき企業の特徴

一方で、次のような企業は慎重な検討が必要です。

「まずは財務会計を完璧にしたい」企業

日本特有の会計要件への対応にハードルがあるため、財務会計の完璧さを最優先するなら、別のアプローチが現実的なこともあります。

ベンチャーネットでは、こうした企業には財務会計はフェーズ2以降に回すことをおすすめしています。最初は「モノ」または「ヒト」の管理から導入し、運用が安定してから財務に手を広げていくのが王道です。

現行業務を一切変えたくない企業

NetSuiteは標準機能を前提に設計されたSaaSです。「既存の業務フローを完全再現したい」というニーズが強い場合、過剰なカスタマイズが必要となり、SaaSの強みを失ってしまいます。

適合度マトリクス

企業タイプNetSuite適合度推奨アプローチ
商社・卸売業(在庫管理が課題)販売・在庫管理から導入
製造業(生産・在庫連動が課題)ERPモジュールを中心に導入
ITサービス・コンサル業プロジェクト管理から導入
EC事業者SuiteCommerce含めた統合運用
海外展開中の企業OneWorldで統一運用
財務会計の完璧さを最優先フェーズ2以降に財務を回す設計
現行業務を一切変えたくない業務見直しの覚悟が前提
NetSuiteの活用

導入の落とし穴 — ベンチャーネットが現場で見てきた失敗パターン

NetSuiteは強力なツールですが、導入アプローチを誤ると本来の価値を発揮できません。

ここでは、ベンチャーネットがこれまで多くの導入現場で見てきた失敗パターンを、4つの根本原因と1つの心構えに整理してお伝えします。

これは、NetSuiteを売り込みたいから書くのではなく、お客様に「失敗してほしくない」という思いから書くものです。私たちは、お客様との対等な関係を大切にしています。失敗のリスクを正直にお伝えし、一緒に乗り越える伴走者でありたい。そんな思いで、現場の知見を共有させていただきます。

原因①:目的が曖昧なまま進めてしまう

症状

「業務効率化のため」「DX推進のため」といった漠然とした目的だけで、ERP導入を進めてしまうケースです。

なぜ失敗するか

目的に具体性が欠けていると、本当に必要な機能を見極められません。

ベンダーの提案を丸ごと受け入れてしまい、使わない機能に多額の投資をしてしまう結果になります。

どう回避するか

「在庫回転率を1.5倍にする」「月次決算を5営業日短縮する」のような、具体的で測定可能な目標を最初に決めましょう。

ERP導入はあくまでも「手段」です。経営や事業にどんなインパクトを与えたいのかを、最初の段階で言語化することが何より大切です。

原因②:「現行踏襲」でブラックボックスをそのまま移植してしまう

症状

「今の業務を変えたくない」「現状の業務フローをNetSuiteで再現したい」という要望が強いケースです。

なぜ失敗するか

非効率なロジックや属人的な運用を、そのまま新システムに持ち込んでしまいます。

さらに深刻なのは、現行システムの仕様書やドキュメントが残っていないケースです。「なぜこの機能が必要なのか」を誰も説明できないまま、「とにかく今と同じ動きを」とカスタマイズを重ねていく。結果、新システムは前よりも複雑で使いにくいものになります。

これは「ブラックボックスの再生産」です。真の業務課題はそのまま残り、どこかで成長は止まってしまいます。

どう回避するか

このタイミングで「本当に必要な業務」と「惰性で続けている業務」を仕分けることが重要です。

実データと現場ヒアリングの突合によって、業務に必要なロジックを導き出します。「業務の廃棄」を進めるという発想が、リプレイスを成功に導きます。

原因③:アドオン開発で独自機能を作りすぎてしまう

症状

「うちは特殊だから」を理由に、標準機能を使わずカスタマイズを重ねてしまうケースです。

なぜ失敗するか

日本企業には伝統的に「業務にシステムを合わせる」考え方が根強くあります。

確かに業務への適合度は上がりますが、拡張性や柔軟性は失われます。年月を経るごとに、不具合が頻発し、改修も困難になります。

どう回避するか

近年は「Fit to Standard」「クリーンコア」という考え方が注目されています。

  • Fit to Standard:業務をパッケージの標準機能に合わせる発想
  • クリーンコア:ERP本体のカスタマイズや追加開発を最小限に抑える設計思想

業界標準の業務プロセスと自社業務を比較し、「本当に特殊な部分」と「変えられる部分」を切り分けてください。標準機能でカバーできる範囲を先に確定させ、カスタマイズは最小限に絞る。この順序を守ることで、最小のコストで使いやすいERPが構築できます。

この切り分け作業については、NetSuite導入時に必ず行うべき「Fit&Gap(フィット&ギャップ)分析」の重要性でも詳しく解説しています。

原因④:導入後の「定着」を軽視してしまう

症状

「本番稼働日」をゴールとして設定し、その後の定着フェーズに予算もリソースも割かないケースです。

なぜ失敗するか

ERPの真のゴールは「本番稼働日」ではなく、「システムが現場に定着し、正常に業務が回り始めた日」です。

社員教育や業務効率化、組織の見直しといった「定着化」を行わないまま強引にカットオーバーを迎えると、ERP自体が「浮いた存在」になります。

「新システムは使いにくい」「前のやり方のほうが早い」という声が上がり、Excel併用などのアナログな手法に逆戻りするケースが後を絶ちません。

どう回避するか

本番稼働後3〜6か月の計画を、プロジェクト開始時点から組み込んでおきましょう。

具体的には、操作研修の実施、マニュアル・FAQの整備、運用ルールの明文化、定着度のモニタリング。これらを「定着フェーズ」として明確に位置づけます。

定着フェーズの具体的な進め方については、「NetSuiteの運用支援・保守・サポートのポイント3選」で詳しく解説しています。

心構え:ERPは「ITプロジェクト」ではなく「経営プロジェクト」

ここまでお伝えした4つの原因に共通するのは、ある一つの認識のズレです。

それは、ERP導入を「ITプロジェクト」として扱ってしまうことです。

NetSuite導入は、単なるシステム入れ替えではありません。業務プロセスを見直し、部門間の壁を取り払い、会社の情報を一本につなぐ取り組みです。

だからこそ、経営層の関与は欠かせません。

  • プロジェクトマネージャーの設置
  • 経営層がプロジェクトオーナーとして関与
  • 社内リソースの確保

これらは「コスト」ではなく「投資」です。

経営者自身が「なぜ導入するのか」を語れる状態であること。それが、成功への近道です。

ベンチャーネットからの提案:「完璧より、まず回す」

最後に、私たちが大切にしている考え方をお伝えします。

それは、「完璧を目指すより、まず回す。動かしながら磨いていく」という姿勢です。

NetSuiteを導入する企業の中で、特に相性が良いのは次の2タイプの企業です。

  • 「モノの管理」が中心課題の企業(販売・在庫管理)
  • 「ヒトの管理」が中心課題の企業(プロジェクト管理)

一方で、「まずは財務会計を完璧にしたい」という場合は、慎重な検討が必要です。日本特有の会計要件にはハードルがあり、私たちは多くのプロジェクトで財務はフェーズ2以降に回すことをおすすめしています。

焦らなくていいのです。

まずは、自社の経営課題が「モノ」なのか「ヒト」なのか、それとも別のボトルネックなのか。そこを整理することから一緒に始めましょう。

導入を成功させるパートナー選びの3視点

NetSuite導入は、パートナー選びでほぼ決まると言っても過言ではありません。

ベンチャーネットも数多くの導入現場で、「パートナー選定を誤ったために再構築になった」という相談を受けてきました。

パートナーを選ぶ際の3つの視点をご紹介します。なお、業界内のパートナー企業を比較したい場合は、「【2026年最新】NetSuiteおすすめパートナー18社|後悔しない選び方と判断軸」も参考になります。

NetSuite認定資格を持っているか

Oracleが認定する資格を、コンサルタント本人が保有しているかは重要なチェックポイントです。

「会社として認定されている」だけでなく、「実際に担当するコンサルタントが資格保有者か」を確認してください。

同業界での実装経験があるか

業界によって、業務の特性は大きく異なります。

商社・製造業・ITサービス業など、自社と同業界での実装経験を持つパートナーを選ぶと、業界特有の論点を最初から踏まえた設計が可能です。

導入後も伴走してくれるか

ERPは導入して終わりではありません。法改正、業務変化、組織変更に応じて、継続的な調整が必要です。

「導入後のサポート体制があるか」「困ったときに相談できる関係を作れるか」を、パートナー選定の最終チェックポイントにしてください。

ベンチャーネットは、お客様との対等な関係を大切にしています。NetSuiteを売り込むのではなく、御社の経営課題に本当に役立つ形で導入できるよう、伴走者として支援することを大切にしています。詳細はOracle NetSuite伴走サービスのページをご覧ください。

よくある質問(FAQ)

NetSuiteと国産ERPの違いは何ですか?

NetSuiteは世界標準の業務プロセスを前提とした、グローバル対応のクラウドERPです。

国産ERPは日本の商習慣や会計要件への対応に強みがある一方、グローバル展開や継続的な機能拡張ではNetSuiteに分があります。

選択のポイントは、自社の事業展開と業務の特性です。国内中心で日本特有の業務が多いなら国産ERPを、グローバル展開を視野に入れているならNetSuiteを、というのが一つの目安です。

導入期間と費用の目安は?

導入期間は、企業規模・対象業務範囲によって3か月〜1年が目安です。

費用は、ライセンスがミニマム構成で月額20万円〜が出発点です。利用するモジュール・ユーザー数・必要なオプションによって変動し、数百万円規模になることもあります。加えて、導入支援パートナーへの費用が必要です。

NetSuiteには「SuiteSuccess」という業種別の導入パッケージがあり、これを利用すると導入期間を短縮できます。現在は、NetSuite導入の多くがSuiteSuccessで進められています。

既存システムからの移行は可能?

可能です。会計・販売・在庫など、現行システムからのデータ移行は、多くの導入現場で行われています。

ただし、現行システムのデータが整理されていない場合、移行作業に時間がかかります。

移行を機会に、不要なデータを整理する「業務の棚卸し」を一緒に進めることをおすすめします。

NetSuiteは「使いにくい」と聞きますが?

「使いにくい」と感じる方は確かにいらっしゃいます。ただし、原因の多くはNetSuite自体ではなく、導入のアプローチや業務との合わせ方にあります。

ベンチャーネットがご相談を受ける中で、「使いにくい」と感じる場面はおおむね3つのパターンに整理できます。

パターン①:日本独自の業務慣行に、無理に合わせようとしている

NetSuiteは世界標準の業務フローを前提に設計されています。そのため、日本固有の「印鑑」「複雑な承認ルート」「営業所ごとのカスタム伝票」などをそのまま再現しようとすると、画面が複雑になり、操作も増えます。

  • 真の原因:システムを業務に合わせることに固執している
  • 対応策:業務側を見直すことで、標準機能のままシンプルに使える

日本企業の多くが、この発想転換で「使いやすい」と感じるようになります。

パターン②:カスタマイズを重ねすぎて、本来の動きが見えなくなっている

「うちは特殊だから」とアドオン開発を繰り返した結果、画面項目が増え、操作手順が長くなるケースです。バージョンアップのたびに動作確認も必要になり、運用負担が膨らみます。

  • 真の原因:カスタマイズの累積で、標準設計の良さが埋もれている
  • 対応策:「Fit to Standard」「クリーンコア」の発想で、定期的にカスタマイズを棚卸しする

パターン③:導入時の教育・定着支援が不足している

ERPは「触れば直感で使える」ツールではありません。会計の知識・在庫管理の流れ・販売プロセスの理解があってこそ、機能が活きます。導入直後に十分な研修・トレーニングがないと、現場は「使い方が分からない」=「使いにくい」と感じます。

  • 真の原因:システムではなく、ユーザー側の習熟プロセスの問題
  • 対応策:本番稼働後3〜6か月の定着支援を計画に組み込む

実務での疑問を即解消する伴走者がいるかどうかで、定着のスピードは大きく変わります。

ベンチャーネットの考え方

私たちは、お客様によく次のようにお伝えしています。

「NetSuiteを自社に合わせるのではなく、自社をNetSuiteの世界標準に合わせていく。」

これは、お客様の独自性を否定する話ではありません。世界中の優良企業が試行錯誤して磨いた業務プロセスを、自社の競争力に取り込む発想です。

「使いにくい」と感じる場面の多くは、この発想転換で解消できます。それでも残る「本当に必要な独自業務」だけを、最小限のカスタマイズで対応する。これがERP導入を成功させる王道です。

ベンチャーネットでは、導入時の業務見直しから、本番稼働後の定着支援まで、一貫してお客様と伴走しています。「使いにくい」という不安があれば、まずはお気軽にご相談ください。

導入事例を見たいのですが?

ベンチャーネットでは「お客様の声」ページにて、NetSuite導入の実例をご紹介しています。

業種・規模・課題別にご覧いただけますので、自社に近い事例があるかぜひご確認ください。

目的別にもっと詳しく|NetSuiteの疑問から探す

NetSuiteについて、もう一歩踏み込んで知りたい方へ。
気になるテーマから、詳しい解説ページへ進めます。

その前に──「クラウドERP」そのものを知りたい

NetSuiteは、数あるクラウドERPのひとつです。
クラウドERPとは何か、オンプレミスとの違い、選び方の基準は、専用ページで詳しくまとめています。

クラウドERPとは?オンプレミスとの違いと選び方

NetSuiteの特徴・できることを知りたい

NetSuiteは、会計・販売・在庫・人事などを1つにまとめたクラウドERPです。
標準でどんな機能(モジュール)が使えるかを、業種別の推奨セットとあわせて整理しています。

NetSuiteの機能・モジュール一覧を見る

NetSuiteの特徴・できることを知りたい

NetSuiteは、会計・販売・在庫・人事などを1つにまとめたクラウドERPです。
標準でどんな機能(モジュール)が使えるかを、業種別の推奨セットとあわせて整理しています。

NetSuiteの機能・モジュール一覧を見る

他のERPと比較して選びたい

ERP選びは「自社の業務に合うかどうか」で決まります。
主要なERPとの違いや、失敗しない選び方の基準を比較ガイドにまとめました。

ERPの比較・選び方を見る / NetSuite導入の選定ガイド

料金・費用の目安を知りたい

NetSuiteは、毎月のライセンス費用に加えて、導入時の初期費用がかかります。
料金の考え方とライセンス体系を、わかりやすく解説しています。

NetSuiteの料金・費用を見る

導入の進め方・期間を知りたい

導入は、要件の整理から本番稼働まで、段階を踏んで進みます。
全体の流れと期間の目安、そしてFit&Gap(標準機能にどこまで業務を合わせるかの見極め)を解説しています。

導入の流れを見る / Fit&Gap分析とは

導入事例を知りたい

ベンチャーネットが支援した企業の事例を公開しています。

  • 株式会社キュリエ様:成長とIPOを見据え、NetSuiteを“攻めの経営”に活用
  • 株式会社アペックス様:27年使ったSAP R/3の保守終了を機に、NetSuiteへ全面刷新
  • 南海エクスプレス様:受発注業務を刷新し、大幅な業務改革を実現

ベンチャーネットがサポートしてきたお客様の事例はこちらから

評判・口コミが気になる

導入を決める前は、実際の評判が気になるものです。
良い口コミも、気になる口コミも、その背景まで含めて整理しています。

NetSuiteの評判・口コミを見る

「使いにくい」と感じている方へ

NetSuiteが使いにくいと感じる背景には、初期設定や運用体制の課題が隠れていることがあります。
改善の進め方や、パートナー変更という選択肢まで整理しました。

「使いにくい」の改善方法を見る / パートナー変更という選択肢

パートナー・代理店の選び方を知りたい

NetSuiteは、導入を支援するパートナー選びが成否を分けます。
パートナーの種類と、後悔しないための選び方を解説しています。

NetSuiteパートナーの選び方を見る

導入後の伴走・サポートを知りたい

導入後の活用には、継続的なサポート体制が欠かせません。
保守・運用の見極め方と、伴走支援の考え方を解説しています。

サポート・保守の選び方を見る


自社に合うかどうか相談したい方は、無料デモやお問い合わせもご利用いただけます。

無料デモを申し込む / 相談する

動画で見るNetSuiteの操作(マニュアル代わりに)

「実際の画面でどう動くのか見たい」という方へ。
ベンチャーネットが、NetSuiteの主要な業務プロセスを動画で解説しています。
マニュアルを読み込む前に、操作の流れをつかむのにお使いください。

NetSuiteの全体像は、このページ冒頭の「NetSuiteとは?導入メリットや特徴を3分で解説」をご覧ください。

経営の見える化:ダッシュボード

KPI(重要な経営指標)の可視化、リマインダー、BIレポート(分析資料)まで。
経営に必要な数字を、1つの画面でどう確認するかを解説しています。

販売管理:見積から請求まで一元管理

見積もりから受注・出荷・売上計上・請求まで、販売の流れをひと続きで解説しています。
複数のシステムをまたがず、1つの画面で完結する様子が分かります。

販売管理(詳細):受注登録から締め請求書発行まで

受注登録から、締め処理・請求書発行までの一連の流れを詳しく解説しています。

購買管理:発注〜入荷〜仕入計上まで

発注から入荷、仕入計上までの購買プロセスを解説しています。

製造管理(社内製造):製造指図から在庫計上まで

社内製造の製造指図から、完成品の在庫計上までを解説しています。

製造管理(外注加工):製造指図から買掛金計上まで

外注加工の製造指図から買掛金計上まで、無償支給・発注の自動生成を含めて解説しています。

製造管理(製造工程あり):原価計算・ワークオーダー・バックフラッシュ

製造工程を含む社内製造で、原価計算・ワークオーダー・バックフラッシュまでを一気通貫で解説しています。

生産・購買計画:需要計画からMRP・発注生成まで

需要計画からMRP(資材所要量計画)、発注生成までの計画プロセスを解説しています。

自社の業務に合わせた使い方を相談したい方は、導入後の伴走・サポートでご対応しています。

サポート・保守の選び方を見る

まとめ:NetSuiteは「経営プロジェクト」として進めましょう

本記事では、NetSuiteの基本定義から失敗パターン、向いている企業まで、入門知識を整理してお届けしました。

最後に、お伝えしたいことを3つにまとめます。

①NetSuiteは「真のクラウドERP」

世界標準の業務プロセスを前提とした、グローバル対応のクラウド型ERPです。中堅・中小企業の経営インフラとして、現実的な選択肢になります。

②導入は「経営プロジェクト」として

ERP導入は、ITプロジェクトではなく経営プロジェクトです。経営層の関与と「完璧より、まず回す」姿勢が、成功への近道です。

③パートナー選びが運命を分ける

NetSuite認定資格、同業界での実装経験、導入後の伴走姿勢。この3つの視点でパートナーを選んでください。

ベンチャーネットは、お客様との対等な関係を大切にする、NetSuite導入支援パートナーです。
「うちにNetSuiteは合っているのか」「導入を検討すべきタイミングなのか」。そんな段階のご相談こそ、ぜひお寄せください。一緒に、御社にとって最適な進め方を考えさせてください。

まとめ

もう少し詳しく知りたい方へ


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

目次