NetSuiteとDynamics 365を徹底比較|選定/乗り換えを決める前に経営者が確認すべき3つの視点【2026年版】

「社内はMicrosoft 365で回っている。ならERPも、Dynamics 365が自然だろう」

そう考えて比較を始める会社は、少なくありません。

半分は正しい見方です。

ただ、それだけで決めると、3年後に海外の拠点や日本向けの対応で追加の仕組みが要ることがあります。

NetSuiteとは、Oracleが提供する全業種向けのクラウドERPです。

Dynamics 365とは、Microsoftが提供するERPとCRMの製品群です。

中堅・中小企業の現実の比較は、NetSuiteとBusiness Central(Dynamics 365の中堅・中小向けERP)になることが多くなります。

決め手は、3つに絞れます。

いまのMicrosoftの環境、海外とグループの管理、AIの使い方の方針です。

ユーザーごとの価格は、決め手になりません。

製品ごとに、料金の見せ方が違うからです。

では、いまのERPに不満がある会社は、製品を替えれば解決するのか。

目次

この記事で分かること

  • NetSuiteとDynamics 365の、製品の構成と設計の違い
  • AI・海外・費用の比べ方と、Business Centralの公開価格の読み方
  • どちらが合う会社か、どちらでもない方が合う場合
  • 不満の原因を「製品・パートナー・自社の準備」に分ける方法
  • よくある失敗3つと、今日1時間でできること

言葉の整理:ERPは、会計・販売・在庫などの基幹の業務を一つのデータでつなぐ仕組みです。

CRMは、顧客や商談の情報を管理する仕組みです。

各製品の詳しい説明は、次の記事で扱っています。

まず押さえる違い|「一つのスイート」か「製品の組み合わせ」か

NetSuite

NetSuiteは、世界220地域・44,000社以上で使われているクラウドERPです(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月時点)。

会計・販売・在庫・購買・CRM・EC・プロジェクト管理を、一つのスイート(ひとまとまりの製品)で扱います。

マルチテナント型で、すべての利用企業が同じ版を共有します。

大きなリリースは年2回で、数か月かけて段階的に更新されます(出典:Oracle NetSuiteヘルプ、2026年9月確認)。

Dynamics 365

Dynamics 365は、目的ごとの製品を組み合わせて使う製品群です。

Microsoftは、次の製品を挙げています(出典:Microsoft公式、2026年9月確認)。

分野製品
ERPFinance/Supply Chain Management/Commerce/Project Operations/Human Resources/Business Central
CRMSales/Customer Insights/Customer Service/Contact Center/Field Service

中堅・中小企業の入口は、Business Centralです。

FinanceやSupply Chain Managementは、より大きな会社や複雑な業務に向く製品です。

製品の選び分けは、Dynamics 365とは?で扱っています。

いちばんの強みは、Outlook・Teams・ExcelなどMicrosoft 365との親和性です。

Microsoftの製品で業務を組み立てている会社ほど、導入の利点は大きくなります。

NetSuiteとDynamics 365:一つのスイートか、製品の組み合わせか NetSuiteは会計・販売・在庫・購買・CRM・EC・プロジェクト管理を一つのスイートで扱い、全社を一つのデータにしたいときに扱いやすい。Dynamics 365はBusiness CentralなどのERPとSalesなどのCRMを組み合わせ、部門から段階的に広げたいときに扱いやすい。強みはMicrosoft 365との親和性。 スイートか、組み合わせか NetSuite Dynamics 365 一つのスイート 会計 販売 在庫 購買 CRM EC プロジェクト管理 製品の組み合わせ ERP Business Central Finance など CRM Sales Customer Service など + 扱いやすい場面 全社を一つの データにしたい 部門から段階的に 広げたい Dynamics 365の強みは、Microsoft 365との親和性
NetSuiteとDynamics 365:一つのスイートか、製品の組み合わせか

共通点を押さえると、差が見える

  • どちらも、クラウドで使う利用料の形が中心
  • どちらも、導入はパートナーと進めるのが一般的
  • どちらも、AIを製品に組み込む方向に力を入れている
  • どちらも、標準の機能に業務を合わせるほど、長く使いやすい

「クラウドかどうか」「AIがあるかどうか」では、差がつきません。

差がつくのは、製品の構成・海外・AIの方針、そして日本向けの対応を誰が持つかです。

5つの軸での比較

比較の軸NetSuiteDynamics 365(主にBusiness Central)
① 製品の構成ERP・CRM・EC・プロジェクトを一つのスイートでERPとCRMを製品ごとに選んで組み合わせる
② クラウドの設計マルチテナント型。全社が同じ版Microsoftのクラウドで提供。Microsoft 365と一体で使う前提
③ AI組み込みのAI+外部のAIとの接続(MCP)Copilotとエージェントを製品全体に組み込む
④ 海外190通貨・27言語。OneWorldでグループを一元管理国ごとのローカライズを使う。日本はパートナーが提供
⑤ 費用ミニマム構成で月額20万円〜ユーザーごとの料金を公開

ローカライズは、国の制度や商習慣に合わせた対応のことです。

Business Centralの日本向けのローカライズは、パートナーが提供します(出典:Microsoft Learn、2026年9月確認)。

日本で使うなら、どのパートナーのローカライズを使うかも、製品選びの一部になります。

製品の構成の違いが効く場面

場面一つのスイート(NetSuite)製品の組み合わせ(Dynamics 365)
受注から請求・会計まで一つのデータの中で流れる同じ製品の中か、製品の間の連携かを確認
まずCRMだけ入れたいERPと同じ基盤で始めるSalesなどから始め、後でERPを足せる
部門ごとに違う製品が要るスイートの中で機能を足す部門に合う製品を選べる
更新の管理全体が年2回、同じ時期に更新製品ごとの更新の計画を確認

全社を一つのデータにしたいならスイート。

部門から段階的に広げたいなら組み合わせ。

それぞれ、扱いやすい形が違います。

運用の手間を誰が持つか

NetSuiteは、提供元が年2回、段階的に更新します。

版を上げる作業を自社で計画する必要はありません。

その代わり、作り込みや連携がある会社は、更新の前に動きを試す手間が残ります。

Dynamics 365は、どの製品を組み合わせるかで、更新の計画や管理の範囲が変わります。

運用の担当が少ない会社ほど、更新と管理の手間を誰がどこまで持つかを、契約の前に聞いておきます。

海外の拠点を一つの基盤で扱うNetSuiteの機能は、NetSuiteのグローバル展開機能で扱っています。

AIとの親和性|「自分で選んだAI」か「Microsoftで一貫したAI」か

AIの観点NetSuiteDynamics 365
製品に組み込まれたAI決算・銀行の照合・レポートの説明文・顧客の要約などCopilot、財務・運用のエージェント
エージェントの作り方SuiteCloudでの開発、EPMのエージェントなどCopilot Studioで独自のエージェントを作る
外部のAIとの接続AI Connector Service(MCPに対応)MCPのサーバーの改善を2026年の計画に含む
日本語での提供機能ごとに確認(英語から始まるものがある)機能ごとに確認(英語のみ検証のものがある)

NetSuiteは、2026年2月11日のSuiteConnectで8つのAI機能を発表しました(出典:NetSuite公式発表、2026年9月確認)。

Intelligent Close Manager(決算の進み具合を見る機能)や、AIによる銀行取引の照合などです。

レポートの説明文は、まず英語で提供されるとされています(同)。

MCPは、AIが外部のシステムにあるデータを使うための、共通の接続方式です。

AI Connector Serviceは、MCPに対応したAIから使えます(出典:Oracle NetSuiteヘルプ、2026年9月確認)。

例として、Claude Pro以上やChatGPTが挙げられています(同)。

この機能自体は有料ではなく、管理者のロールでは使えません(同)。

Dynamics 365は、調達・Payables Agent・会計調整などのエージェントを紹介しています(出典:Microsoft公式、2026年9月確認)。

Business CentralのPayables Agentは、仕入先の請求書をメールで受けて読み取り、下書きを作って担当者に確認を求めます。

ただし、英語でのみ検証・サポートされ、パブリックプレビューの段階です(出典:Microsoft Learn、2026年9月確認)。

2026年のリリースの計画には、MCPのサーバーの改善も含まれています(同)。

使い慣れたAIから全社のデータに問うのか。

Microsoft 365とCopilotで統一するのか。

評価は、自社のAIの方針で変わります。

発表から日本で使えるまでに、時間差がある機能もあります。

デモや見積りの場では、次の4つを聞いてください。

  • その機能は、日本語で使えるか
  • その機能は、一般提供か(プレビューではないか)
  • 使うのに、追加の費用(クレジット・別の契約)が要るか
  • AIが見られるデータは、利用者の権限の範囲に限られるか

いま日本で使える機能と、これから来る機能。

この2つを分けて並べないと、実際の差を見誤ります。

AIの機能:デモ・見積りで聞く4つ 日本語で使えるか、一般提供か(プレビューではないか)、追加の費用が要るか、AIが見られるデータは利用者の権限の範囲に限られるかを聞く。いま日本で使える機能と、これから来る機能を分けて並べる。 AIの機能:デモ・見積りで聞く4つ 日本語で使えるか 一般提供か プレビューではないか 追加の費用が要るか クレジット・別の契約 AIが見られるデータは 利用者の権限の範囲に限られるか いま使える機能と、これから来る機能 この2つを分けて並べる
AIの機能:デモ・見積りで聞く4つ

費用|料金の見せ方が違う

Business Centralの価格は、ユーザーごとに公開されています(出典:Microsoft公式、2026年9月確認)。

プラン価格(ユーザー/月相当、年払い、消費税別)
Business Central Essentials¥11,994
Business Central Premium¥16,491
Business Central Team Members¥1,199
Finance¥31,484
Finance Premium¥44,977

Business Centralには、30日間の無料の試用があります(同)。

Finance Premiumには、ユーザー/月1,000のCopilotのクレジットが含まれます。

エージェントを動かすには、Azureのサブスクリプションが要るとされています(いずれも同)。

NetSuiteは、ミニマム構成で月額20万円〜が出発点です。

モジュール・ユーザー数・オプションで変わり、数百万円規模になることもあります。

料金の考え方は、NetSuiteの料金・費用・ライセンス体系を徹底解説【2026年最新版】で扱っています。

利用料の試算は、総額の一部にすぎない

架空の会社で、ERPの利用料の部分だけを試算してみます。

ユーザー30人がBusiness Central Essentialsを使う場合です。

  • ¥11,994 × 30人 × 12か月 = 年に約432万円(税抜)
  • 5年で約2,159万円(税抜。価格が変わらない前提)

この数字には、CRM・日本向けのローカライズ・導入の支援・AIの費用は入っていません。

試算は公式の単価からの計算で、実際の価格は契約の条件で変わります。

5年の合計は、次の項目をそろえてから並べます。

費用の項目NetSuiteDynamics 365
ERPの利用料構成ごとの見積りユーザー数×プランの価格
CRM・ECスイートに含む範囲を確認別の製品の利用料を足す
日本向けの対応日本向けの機能の範囲を確認パートナーのローカライズの費用を確認
AIAI側の有料プランが要ることがあるCopilotのクレジット・Azureの費用を確認
導入・保守パートナーの支援の費用パートナーの支援の費用

導入費用は、製品より「中身」で動く

利用料より大きく開きやすいのが、導入の費用です。

どちらの製品でも、金額と期間は次の4つで動きます。

導入費用を決める4つの要因 業務の範囲、開発の量、社内の体制、ユーザー数の4つで導入費用が決まる。 導入費用を決める4つの要因1業務の範囲購買・販売だけか、在庫・会計・PJ管理まで入れるか2開発の量とくに外部システムとの連携開発3社内の体制情報システム担当が少ないと、支援を厚くし期間も延びやすい4ユーザー数受入テスト・教育の工数と、社内調整の時間
導入費用を決める4つの要因
  • 業務の範囲:販売・購買だけか、在庫・会計・プロジェクト管理まで入れるか
  • 開発の量:とくに外部システムとの連携開発
  • 社内の体制:情報システムの担当が少ないと、支援を厚くする分だけ期間も延びやすい
  • ユーザー数:受入テストと教育の工数、社内の調整の時間

ユーザー単価を比べる前に、この4つを両社の見積りで同じ前提にそろえてください。

とくにCRMを同じ基盤に入れるかと、日本向けの対応を誰が持つかで、合計は大きく変わります。

判断の物差し|どちらが合う会社か

NetSuiteが合う会社

  • 事業の成長や、海外の拠点・グループ会社の管理を考えている
  • ERP・CRM・ECを一つのスイートで扱いたい
  • 版を上げる作業の負担を、提供元に任せたい
  • 自社で選んだ外部のAIを、業務のデータとつなぎたい

選ぶ場合に、先に聞いておくことがあります。

  • 更新の時期:年2回の更新の時期は自社で選べない。作り込みがあれば、更新の前に試す手順を決める
  • 日本の商習慣:締め日の請求や手形などが、標準の機能で足りるかをデモで試す
  • AIの機能の提供の状況:英語や米国から始まる機能があるため、日本での提供を聞く
  • 作り込みの量:スイートに合わせるほど、長く使いやすい

日本の会社が知っておきたい制約は、NetSuiteでできないことは?で扱っています。

Dynamics 365が合う会社

  • Microsoft 365などを、すでに業務の基盤として使っている
  • 必要な製品を、段階的に組み合わせて入れたい(例:まずCRM、後からERP)
  • Copilotを中心にAIの活用を進めたい
  • 既存のMicrosoftのライセンスやセキュリティの基盤を生かしたい

選ぶ場合に、先に聞いておくことです。

  • 製品の組み合わせ:Business CentralかFinanceか。CRMにどの製品を足すか
  • 日本向けのローカライズ:提供するパートナーはどこか。何に対応しているか
  • AIの費用と言語:Copilotのクレジット・Azureの費用、日本語での提供の状況
  • 実装のパートナー:Dynamics 365の導入の経験があるか

最新の機能・ライセンスは、Microsoftの公式サイトがいちばん確かな情報源です。

両方に当てはまるときの3つの問い

  1. 会社は、今後どのくらいの速さで大きくなるか
  2. 海外や複数の拠点の管理は、視野に入っているか
  3. AIは「自分で選んだものを使いたい」か「Microsoftで統一したい」か
会社(架空)状況合いやすい選択
A社(専門商社・従業員80人)国内のみ。Microsoft 365を全社で使い、Excelでの集計が多いDynamics 365(Business Central)
B社(製造・従業員250人)海外の子会社3社。連結を表計算で作成NetSuite
C社(サービス業・従業員150人)CRMを先に入れ、2年後にERPを入れたいどちらも候補。3つの問いで決める

同じ規模でも、いまの環境と3年後の形で答えが変わります。

どちらでもない方が合う場合

状況合いやすい選択肢
国内中心で、日本の商習慣への標準の対応を重く見る国産ERP(ERP・クラウドERPの比較で確認)
費用を抑え、機能を選んで組み立てたいOdoo(Odooとは?)
独自の業務が強みで、パッケージに合わせられないAIスクラッチ開発で必要な部分だけ作る
いまのERPに、原因のはっきりしない違和感があるだけいまは替えない。原因の切り分けから

いま使っている会社は、替える前に原因の場所を分ける

冒頭の問いに戻ります。

不満があっても、製品を替えれば解決するとは限りません。

原因は、製品・パートナー・自社の準備の3つのどこかにあるからです。

ERPへの不満の原因を3つの場所に分ける 不満の原因が製品・パートナー・自社の準備のどこにあるかを先に分ける。自社の課題は自社で直せ、パートナーの問題は相手を見直し、製品の問題なら製品を見直す。 不満の原因を3つの場所に分けるいまのERPへの不満製品を替える前に、原因の場所を分ける製品設計の考え方が事業に合わない→ 製品の見直しへパートナー回答が遅い・代わりの案がない→ 伴走する相手の見直しへ自社の準備業務が未整理・ルールが曖昧→ 替える前に自社で直す3つが絡むときは、自社で直せるものから
ERPへの不満の原因を3つの場所に分ける
視点こんな兆候はないか見直す先
① 製品同じ業種・規模の会社で成果が出ているか分からない。設計の考え方が事業に合わない製品
② パートナー回答が遅い・要点を外す。「仕様です」が多く代わりの案がない。担当がよく変わる伴走する相手
③ 自社の準備業務が整理されていない。要件を言葉にできない。運用のルールを誰が決めるか曖昧自社の運用

「自社に合わない」と感じても、設定・設計・使い方で解ける範囲のことは少なくありません。

パートナーに原因があれば、製品は生かしたまま、伴走する相手だけを見直す道があります。

自社に原因があると、どの製品・どのパートナーでも同じ問題が起きます。

現実には、3つが絡み合っています。

自社の課題は自社で直せます。

パートナーに原因がある問題は、自社だけでは変えにくい。

だから、パートナーの見直しを製品の見直しより先に置きます。

替えると決めたら、作り込み・連携・帳票の棚卸しから始めます。

パートナーだけを見直す場合も、この棚卸しがあれば、新しい相手にいまの作りを短い時間で伝えられます。

進め方は、基幹システムのリプレイスとは?費用・期間・流れ・成功のポイントとNetSuiteのサポート・保守はどう選ぶ?失敗しない3つの見極めポイントで扱っています。

これから選ぶ会社も、製品とパートナーを並行して選びます。

とくにBusiness Centralは、日本向けのローカライズをパートナーが提供します。

製品とパートナーを、切り離して選べないということです。

合わない業務の扱いは、NetSuite導入のFit&Gap分析で扱っています。

よくある失敗3つ

失敗1:「Microsoftを使っているから」「世界で使われているから」だけで決める

起きること:導入後に、海外の拠点や日本向けの対応で追加の仕組みが要る。想定していなかった費用が出る。

原因:いまの環境との相性だけで決め、3〜5年後の会社の形とAIの方針を考えていなかった。

避け方:5-3の3つの問いに、経営として答えてから比べます。

答えを1枚にまとめ、デモの前に候補のパートナーへ渡すと、提案の質が上がります。

失敗2:ユーザーごとの価格だけで比べる

起きること:CRM・日本向けの対応・AIの利用料・つなぐ費用が後から積み上がる。

原因:製品ごとに料金の見せ方が違うことを、比べる表に入れていなかった。

避け方:4-1の表と4-2の4つの要因で、同じ範囲・5年の合計にそろえます。

見積りに「含まれていない項目」を、各社に書き出してもらうのも有効です。

失敗3:不満の原因を切り分けずに、製品を替える

起きること:新しい製品でも、同じ不満が繰り返される。

原因:原因が、パートナーや自社の準備にあった。

避け方:第6章の3つの視点で、原因の場所を先に特定します。

見直しの判断は、早いほど傷が浅く済みます。

ベンチャーネットならこう見る|費用の担い手を3つに分ける

NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットは、NetSuite・Odoo・AIスクラッチ開発を扱います。

SAPからのリプレイスにも対応しています。

Dynamics 365の導入の支援は行っていません。

そのうえで、比較の相談では次の2つの型で整理します。

型1:日本オラクル・ベンチャーネット・自社で、担うことと費用を分ける

NetSuiteを選ぶ場合、費用は担い手ごとに分けると中身がはっきりします。

担い手担うこと費用
日本オラクルライセンス・トレーニング・製品サポートライセンス費用
ベンチャーネット要件定義・設定・カスタマイズ・アドオン開発・保守・PM導入費用・保守費用
自社業務の整理・データの準備・受入テスト社内の工数

PMには、発注する会社側のPM業務や、Oracleとの調整も含みます。

契約は請負契約に対応しています(準委任も相談可)。

常駐はせず、国内のチームがリモートで進めます。

要件を伺うのは営業ではなく、導入コンサルタントです。

Dynamics 365でも、ライセンス・ローカライズ・導入・保守を誰が担うかを同じ表に書いてみてください。

空欄が残る行が、後から費用が出てくる場所です。

型2:製品・パートナー・自社の、原因の切り分け

ベンチャーネットの仕事は、ゼロからの導入より、他社のあとの引き継ぎ・立て直しと、他システムとの連携が多くを占めます。

その経験から、不満の相談では第6章の3つの場所を先に分けます。

替えずに済む道も、同じ表に載せます。

最初の打ち合わせで伺うのは、次の3つです。

  • Microsoft 365は、メール・会議・表計算だけか、承認や文書の管理まで業務の中心か
  • 3年後に、海外・グループの管理が要るか
  • 日本向けの対応を、製品の標準で持つか、パートナーのローカライズで持つか

Dynamics 365が合うという結論になれば、そうお伝えします。

その場合、最新の機能・価格・導入の支援は、Microsoftの公式情報とDynamics 365の実装のパートナーに確かめるのが確実です。

今日できること|Microsoftの使い方と、不満の棚卸し

1時間あれば、次の2つの表を埋められます。

Microsoftの製品使っている部門使い方ERPとつながると助かるか
(例)Excel経理月次の集計・予算の管理助かる
(例)Teams全社会議・連絡どちらでもよい

右端に「助かる」が多いほど、Dynamics 365の強みが生きます。

少ないなら、海外・AI・範囲で比べるのが近道です。

いまの不満製品・パートナー・自社のどれかそう考える理由
(例)月次の締めに10日かかる自社入力のルールが部門ごとに違う
(例)要望への回答が1か月来ないパートナー担当が3回変わった

「製品」に集まるなら製品、「パートナー」に集まるならパートナーの見直しが先です。

「自社」に集まるなら、替える前に運用のルールを整えます。

よくある質問

Q1. NetSuiteとDynamics 365は、どちらが優れていますか

優劣ではなく自社の課題と成長の段階に合うかで決まります。

Microsoftの製品を業務の基盤にしている会社には、Dynamics 365が合いやすい傾向があります。

ERP・CRM・ECを一つで扱いたい、海外を見据える、外部のAIを選びたい会社には、NetSuiteが合いやすくなります。

Q2. 費用の違いは大きいですか

同じ範囲・5年の合計で比べてください。

Business Central Essentialsは、ユーザー/月相当で¥11,994です(出典:Microsoft公式、2026年9月確認。年払い・消費税別)。

NetSuiteはミニマム構成で月額20万円〜が出発点で、構成で変わります。

導入費用は、どちらも業務の範囲・開発の量・社内の体制・ユーザー数で大きく動きます(4-2)。

Q3. Business Centralは日本で使えますか

使えます。ただし、日本向けのローカライズはパートナーが提供します。

Microsoft Learnでは、日本のローカライズの提供者が「Partner」とされています(2026年9月確認)。

どのパートナーのローカライズを使うかを、製品と一緒に聞いてください。

Q4. NetSuiteのAIと、Dynamics 365のCopilotはどう違いますか

NetSuiteは自分で選んだAIをつなげる形です。Dynamics 365はMicrosoftの中で一貫したAIです。

NetSuiteはAI Connector Serviceで、MCPに対応した外部のAIとつなげます。

Dynamics 365は、Copilotとエージェントを製品全体に組み込んでいます。

日本語での提供は、両方とも機能ごとに聞いてください。

Q5. ERPの選定や乗り換えを判断する時期はいつですか

事業の拡大や海外展開にいまの仕組みが追いつかなくなったときです。

表計算や会計ソフトで業務に限界が見えた、部門の間のデータ連携が判断を遅らせている、が目安です。

「なんとなく違和感がある」程度なら、原因の切り分けから始めます。

Q6. いまのパートナーに不満があります。製品を替えるべきですか

製品を替える前にパートナーの見直しを検討してください。

製品は生かしたまま、伴走する相手だけを替える道もあります。

原因が製品にあると分かってから、製品の見直しに進みます(第6章)。

Q7. まだ検討の段階です。最初に何をすればよいですか

自社の課題を業務・システム・体制に分けて書き出すことです。

そのうえで、両製品のデモで自社の帳票と取引を試します。

製品選びと並行して、パートナー選びも進めてください。

まとめ

  • 中堅・中小の現実の比較は、NetSuiteとBusiness Central
  • NetSuiteは一つのスイート・海外・自分で選ぶAI、Dynamics 365はMicrosoft 365との一体・Copilot
  • 費用は、ユーザー単価ではなく同じ範囲・5年の合計で。導入費用は4つの要因で動く
  • Business Centralの日本向けの対応はパートナーが提供する
  • いま使っている会社は、製品・パートナー・自社の準備のどこが原因かを先に分ける

「Microsoftだから」の一言は、比較の入口としては正しい。

そこに3年後の会社の形と、不満の原因の場所を書き足してから、結論を出してください。

もう少し詳しく知りたい方へ

NetSuiteとDynamics 365のどちらが合うか。いまのERPを替えるべきか。

ベンチャーネットは、特定の製品に誘導しない立場で、整理のお手伝いをしています。

Dynamics 365の導入・運用の支援は、Microsoftの公式情報と、Dynamics 365の実装のパートナーにご相談ください。

あわせて読みたい

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

目次