Shopify×NetSuite連携の方法は?3つの選択肢と失敗しない選び方【2026年版】

「ShopifyとNetSuiteは、どうつなげばいいのか。費用はどのくらいかかるのか」

ECの受注が増えてきた会社から、よく受ける問いです。

Shopify×NetSuite連携とは、ECで受けた注文や在庫・商品・顧客のデータを、基幹システムのNetSuiteと自動でそろえる仕組みです。

Shopifyはネットショップを作るサービス、NetSuiteはOracleが提供するクラウドERPです。

つなぐ手段は、公式コネクタ・iPaaS・アプリの3つです。

費用は、ツールの利用料より、連携の設計と開発の量で大きく開きます。

では、3つのうちどれを選べばよいのか。

決め手はツールの性能ではありません。

何を・どこまで・どちら向きにつなぐかです。

目次

この記事で分かること

  • ShopifyとNetSuiteをつなぐと何が変わるか
  • 連携の3つの手段(公式コネクタ・iPaaS・アプリ)の違いと、費用が開く理由
  • 自社に合う手段の見分け方と、つながない方がよい場合
  • これから連携する会社と、いま連携を見直したい会社の進め方
  • よくある3つの失敗と避け方

ERPは、会計・販売・在庫などの基幹業務のデータを一つにまとめるシステムです。

連携は、片方のシステムの変更を、もう片方に自動で反映させる仕組みを指します。

ShopifyとNetSuiteを連携すると何ができるのか

連携する4つのデータ

データ主な向き連携で変わること
受注Shopify → NetSuite注文が自動で取り込まれ、手入力がなくなる
在庫NetSuite → Shopify販売ページの在庫数が基幹の在庫とそろう
商品・価格NetSuite → Shopify新商品や価格の変更を二度入力しなくてよい
顧客双方向(設計次第)ECの購買と、請求・入金の情報をつなげる
ShopifyとNetSuiteの間で流れる4つのデータ 受注はShopifyからNetSuiteへ、在庫と商品・価格はNetSuiteからShopifyへ流れる。顧客は設計次第で双方向になる。 何を・どちら向きにつなぐか Shopify EC・POS NetSuite 基幹(ERP) 受注 在庫 商品・価格 顧客(設計次第) 各データの「正」をどちらに置くかを先に決める
ShopifyとNetSuiteの間で流れる4つのデータ

注文から発送、請求、会計までを、一つの流れで扱えるようになります。

それぞれのデータで、どちらのシステムを「正」にするかも、ここで決めておきます。

なくなる手作業

連携がないと、ECの受注データを出力して基幹システムに取り込む作業が毎日発生します。

CSVの形式が違えば手で直し、新商品が出るたびに両方のシステムに登録します。

連携すると、こうした作業が要らなくなり、入力ミスや反映の遅れも防げます。

BtoBでもEC連携が広がる理由

企業間の取引(BtoB)でも、ECの利用は広がっています。

経済産業省の令和6年度の調査では、BtoB-ECの市場規模は514.4兆円です。

BtoBのEC化率は43.1%で、前年から3.1ポイント上がりました。

(出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」、2025年8月発表、2026年9月確認)

ECで注文を受ければ、電話・FAX・メールでの受注をWebで完結でき、24時間注文を受けられます。

受注や出荷の状況も、すぐに把握できます。

BtoBでは「取引先ごとに違う商品や価格を見せたい」という要望がよくあります。

Shopifyのヘルプでは、B2Bの機能として、会社プロフィールとカスタムカタログで企業向けに販売できると説明しています。

お客様ごとに、価格・通貨・商品・支払や配送の方法を合わせられます。

B2Bの機能は、B2Bをサポートするプランに含まれます(出典:Shopify公式ヘルプ、2026年9月確認)。

ERPに登録した商品・価格・顧客のデータをECで使えば、出し分けの設定を一か所で管理できます。

Shopify×NetSuite連携の3つの手段

比較軸① NetSuite Connector(Oracle公式)② iPaaS型(Celigo・Boomiなど)③ サードパーティ製アプリ
連携データ商品・価格・在庫・受注・フルフィルメント(B2C/B2B/POS)設計次第で柔軟に対応注文・在庫・価格・商品など(アプリで差)
作り込みやすさ標準の範囲は手早い/超える部分はパートナー支援高い(複雑な要件向き)限定的
利用料の目安月額199.92ドル〜(B2C Standard)要見積(規模・要件による)アプリごとにプランが異なる
向くケース標準的な連携を早く始めたい業務が複雑・複数チャネルを統合小規模・シンプルな同期

※①の価格は、Shopify App Storeの「NetSuite ERP Connector」の掲載です。B2B・POSは別のプランです。

(出典:Shopify App Store、2026年9月確認)為替・プランで変わるため、契約前にご確認ください。

iPaaS(アイパース)は、複数のシステムをつなぐためのクラウドのサービスです。

フルフィルメントは、受注から出荷・配送までの一連の作業のことです。

NetSuite Connector(Oracle公式)

Oracle NetSuiteが公式に提供する連携ツールです。

商品・価格・在庫・受注・フルフィルメントのデータを、ShopifyのB2C・B2B・POSとの間で同期します。

標準的な連携を、比較的早く始められます(出典:Shopify App Store、2026年9月確認)。

iPaaS型(Celigo・Boomiなど)

設計の自由度が高く、複雑な業務や複数のシステムの統合に向きます。

一方で、設計と構築には専門の知識が要ります。

製品ごとの違いは、Celigo vs Boomi vs Workatoで扱っています。

サードパーティ製アプリ

Shopifyのアプリストアには、開発元ごとに料金プランが異なる連携アプリがあります。

無料の試用期間を設けたものもあります(出典:Shopify App Store、2026年9月確認)。

小規模でシンプルな同期から始めたい場合の選択肢です。

機能とサポートの範囲は、アプリごとに違います。

売上の分析や在庫の点検をAIに任せたいなら、どの手段でも、同じ定義のデータが一か所にそろうように項目をそろえておきます。

費用は、利用料より「連携の開発」で開く

表の利用料は、費用のごく一部です。

実際の金額を大きく動かすのは、連携の設計と開発の量です。

NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットが支援したNetSuite導入の費用で見てみます。

他社SaaSや顧客独自のシステムとの連携開発があった100名程度の事例は、2億円程度(うち開発約7割)でした。

連携開発もアドオン開発もない3名程度の事例は、150万円程度・1.5か月です。

4つの事例の全体は、NetSuiteの料金・費用・ライセンス体系で紹介しています。

導入費用を決める4つの要因 業務の範囲、開発の量、社内の体制、ユーザー数の4つで導入費用が決まる。 導入費用を決める4つの要因1業務の範囲購買・販売だけか、在庫・会計・PJ管理まで入れるか2開発の量とくに外部システムとの連携開発3社内の体制情報システム担当が少ないと、支援を厚くし期間も延びやすい4ユーザー数受入テスト・教育の工数と、社内調整の時間
導入費用を決める4つの要因

費用を左右する要因は、機能範囲、開発(特に外部システムとの連携)、社内の体制、ユーザー数の4つです。

Shopify連携は、このうち2つ目の「開発」にそのまま効いてきます。

公式コネクタの標準の範囲で収まれば軽く、独自の項目や複数の販路をつなぐほど重くなります。

判断の物差し|どの手段が合うか、つながない方がよいか

手段の選び方

冒頭の「どれを選べばよいか」は、次の3つで決まります。

  • 連携する業務の範囲と複雑さ(何を・どこまで・どちら向きに)
  • 社内で対応できる人がいるか
  • かけられる予算

標準的な連携を早く始めたいなら公式コネクタ。

複雑な統合ならiPaaS、小規模ならアプリが大まかな目安です。

目安を図にすると、次のとおりです。

Shopify×NetSuite連携の手段の選び方 標準的な連携を早く始めたいなら公式コネクタ、業務が複雑で複数の販路を統合するならiPaaS型、小規模でシンプルな同期ならアプリ。業務の流れやマスタの持ち方が決まっていないなら、いまはつながずに先に業務を整理する。 どの手段を選ぶか こうしたいなら これ 標準的な連携を 早く始めたい 公式コネクタ NetSuite Connector 業務が複雑で、 複数の販路を統合 iPaaS型 Celigo・Boomiなど 小規模で、 シンプルな同期 アプリ サードパーティ製 業務の流れや マスタが未整理 いまはつながない 先に業務を整理する 決め手は、何を・どこまで・どちら向きにつなぐか
Shopify×NetSuite連携の手段の選び方

Shopify×NetSuiteが向いている会社

  • ECの受注が増え、基幹システムへの入力が毎日の負担になっている
  • 実店舗・卸・ECなど、複数の販路の在庫を一つで見たい
  • 取引先ごとの価格や掛け売りを、ERP側で管理したい

別の選択肢が合う会社

状態合う選択肢
ECの受注が少なく、会計ソフトで足りているShopifyと会計ソフトのまま運用。NetSuiteはまだ早い
EC・在庫・会計を小さな予算で一つにまとめたいOdooなど、ほかのERPも比べる
つなぎたい部分がごく一部で、標準の手段が合わない連携部分だけを個別に開発する(AIを使ったスクラッチ開発を含む)
業務の流れやマスタの持ち方が決まっていないいまはつながない。先に業務を整理する

ERPの比べ方は、ERP・クラウドERPの比較やOdooとNetSuiteの比較で扱っています。

これから連携する会社と、いま連携を見直したい会社

これから連携する会社

次の順番で進めると、手戻りが少なくなります。

  1. つなぐデータと向きを決める(1-1の表を自社用に埋める)
  2. マスタの「正」をどちらに置くかを決める
  3. 効果の大きい範囲から始める(多くは受注と在庫)
  4. 手段を選ぶ(公式コネクタ・iPaaS・アプリ)
  5. 同期の頻度とエラー時の担当を決めて、本番に移る
Shopify×NetSuite連携を始める5つの順番 つなぐデータと向きを決め、マスタの正をどちらに置くかを決め、効果の大きい範囲から始める。手段を選ぶのはその後で、最後に同期の頻度とエラー時の担当を決めて本番に移る。 連携を始める5つの順番 1. つなぐデータと向きを決める 1-1の表を自社用に埋める 2. マスタの「正」を決める どちらのシステムに置くか 3. 効果の大きい範囲から始める 多くは受注と在庫 4. 手段を選ぶ 公式コネクタ・iPaaS・アプリ 5. 頻度とエラー時の担当を決める 決めてから本番に移る 手段を選ぶのは、つなぐ中身を決めた後
Shopify×NetSuite連携を始める5つの順番

稼働前には、次の運用ルールを文書にしておきます。

決めること例
同期の頻度在庫は15分ごと、商品は1日1回など、データごとに決める
エラーの知らせ方失敗した同期を、担当者にメールやチャットで知らせる
担当と代わりの人エラーを見る人と、休みの日に代わる人を決める
手で直すときの決まり直すのは正のデータの側だけにする

例の数字は考え方を示すためのもので、適切な頻度は件数と手段で変わります。

ほかのECモールもつなぐ場合は、NetSuite EC連携の全体設計も参考になります。

いま連携していて、見直したい会社

アプリの同期できる項目が足りず、手作業が残っている。

連携を作った担当者やパートナーが離れ、エラーの原因が分からない。

販路が増え、連携の数が増えすぎた。

見直しのきっかけは、多くの場合このどれかです。

このときは、ツールを替える前にいまのデータの流れを図に描き直すことから始めます。

iPaaSやアプリの契約の更新時期は、見直しの好機です。

作り方の考え方は、NetSuiteの連携を「内包・連携・再販」で切り分ける判断軸で扱っています。

よくある3つの失敗

失敗1:ツール選びから入ってしまう

起きること:どの連携ツールがよいかの比較から始め、入れたものの使いこなせない。

原因:連携すべき業務の範囲や、データの流れが整理されないまま進んだ。

避け方:先に「何を・どこまで・どちら向きにつなぐか」を業務の設計で決めます。

ツール選びは、その後です。

失敗2:最初から全部つなごうとする

起きること:商品・在庫・受注・顧客・会計を一度につなごうとして、設計が複雑になる。不具合の原因を切り分けられない。

原因:効果の大きさと難しさを比べずに、範囲を決めた。

避け方:効果の大きい範囲から段階的に始めます。

まずは在庫と受注の連携から、が現実的です。

失敗3:マスタの正と運用ルールを決めずに本番を迎える

起きること:連携後も両方でマスタを手で直し、在庫数や価格がずれる。エラーに誰も気づかず、受注漏れが後から見つかる。

原因:どちらのデータが正しいか、同期の頻度、エラー時の担当が決まっていない。

避け方:マスタの正と連携の向きを最初に決めます。

同期の頻度、エラーの知らせ方、運用の担当を、稼働前に文書にします。

ベンチャーネットならこう見る|連携の担い手を3つに分ける

ベンチャーネットは、NetSuite・Odoo・AIスクラッチ開発を扱い、SAPからのリプレイスにも対応しています。

ベンチャーネットの仕事は、ゼロからの導入より、他社のあとの引き継ぎ・立て直しと、他システムとの連携が多くを占めます。

Shopify連携の相談も、その一つです。

担い手の分担|日本オラクル・ベンチャーネット・自社

連携の費用と責任は、誰が何を担うかで分けると見通しがよくなります。

担い手担うこと
日本オラクルNetSuiteのライセンス・トレーニング・製品サポート
ベンチャーネット要件定義・設定・カスタマイズ・アドオン開発・既存システムとの連携・保守・PM
自社正のデータの決定、同期エラーの一次対応、受入テスト

要件を伺うのは、営業ではなく導入コンサルタントです。

「どの項目を、どちら向きに、何分おきに」を、伝言ゲームにせずに決めるためです。

契約は請負契約に対応しています(準委任も相談可)。

常駐はせず、国内のチームがリモートで進めます。

相談の最初に伺う3つ

  1. いま毎日している手作業は何か:誰が、何分かけて、どのデータを写しているか
  2. 正のデータはどちらか:商品・価格・在庫・顧客ごとに決まっているか
  3. 1日の受注件数と販路の数:件数と販路で、必要な手段が変わる

手作業が少なく、正のデータも決まっていない段階なら、つなぐ前に業務を整えることをおすすめします。

その場合は、そのままお伝えします。

今日できること|受注1件の流れを書き出す

昨日の受注を1件選び、次の表を埋めてみてください。1時間ほどでできます。

時点使ったシステム手で写した項目かかった時間
(例)受注Shopify注文番号・商品・数量3分

受注・在庫の引当・出荷・請求・入金の順に書き出します。

手で写した項目が多い場所が、連携で最初につなぐ候補です。

あわせて、商品・価格・在庫の「正」がどちらのシステムかも書き込みます。

よくある質問

Q1. ShopifyとNetSuiteは、どんな方法で連携できますか

公式コネクタ・iPaaS型・サードパーティ製アプリの3つです

連携の範囲、社内の体制、予算に応じて選びます。

標準的な連携なら公式コネクタ、複雑な統合ならiPaaS、小規模ならアプリが目安です。

Q2. NetSuite Connectorは日本でも使えますか

日本企業向けに提供が発表されています

Oracleは2024年7月、日本企業向けにNetSuite Connector for Shopifyを発表しました。

(出典:日本オラクル公式ニュースリリース、2026年9月確認)

ShopifyのB2C・B2B・POSとの間で、商品・在庫・受注などを同期できます。

自社の契約での条件は、アカウントの担当に確認してください。

Q3. 連携の設定や開発は、自社だけでできますか

標準の範囲なら始めやすいです

業務に合わせた設計や作り込みには、専門の知識が要ります。

正のデータの決定とエラーの一次対応は自社、設計と開発はパートナー、という分け方が一つの目安です。

Q4. 連携にかかる費用はどれくらいですか

ツールの利用料に加えて設計・構築の費用がかかり開発の量で大きく変わります

公式コネクタの利用料は月額199.92ドル〜(B2C Standard)です。

導入全体の費用は、機能範囲・開発(特に外部連携)・社内の体制・ユーザー数で決まります。

ベンチャーネットが支援したNetSuite導入では、150万円程度から2億円程度まで幅がありました(第3章3-4)。

Q5. ShopifyのB2B機能は、どのプランでも使えますか

B2B機能をサポートするプランに含まれます

Shopifyのヘルプでは、会社プロフィールやカスタムカタログで企業向けに販売できると説明しています。

自社のプランで使えるかは、契約前にShopifyにご確認ください。

Q6. すでにアプリで連携していますが、見直すべきですか

手作業が残っているなら見直す価値があります

同期できない項目のために手作業が残っている、エラーの原因が分からない、といった場合です。

まず、いまのデータの流れを図に描き直すことから始めます。

まとめ|連携は手段、目的は経営データの一元化

  • 連携の手段は、公式コネクタ・iPaaS型・アプリの3つ
  • 選ぶ前に「何を・どこまで・どちら向きにつなぐか」を決める
  • 費用は利用料より、連携の設計と開発の量で開く
  • マスタの正と、エラー時の担当を稼働前に決める
  • 受注が少ない段階では、つながない選択もある

「どうつなげばいいのか」の答えは、ツールの一覧の中にはありません。

昨日の受注1件を書き出し、手で写している項目を数えてみてください。

そこが、最初につなぐ場所です。

もう少し詳しく知りたい方へ

Shopify連携の進め方は、受注の件数や販路、いまのシステムによって変わります。

「どこまで自社で、どこからパートナーに」の整理から、ご相談をお受けしています。

関連記事

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

コメント

目次