ERP(基幹システム)の導入を検討し始めると、必ず候補に挙がる製品のひとつが「GRANDIT(グランディット)」です。
純国産のERPパッケージとして、多くの日本企業に導入されています。
この記事では、GRANDITとはどんな製品なのか、機能・特徴・向いている企業・費用の観点から、できるだけ中立的にわかりやすく整理します。
ERP選びの第一歩として、製品の素性をつかむためにお役立てください。
※本記事は「ERP(Enterprise Resource Planning)」を、会計・販売・在庫・人事などの基幹業務を一元管理するシステムの意味で使います。
この記事で分かること
- GRANDITとは何か(コンソーシアム方式・完全Web-ERPの特徴)
- 主なモジュールと、クラウド版「GRANDIT miraimil」の位置づけ
- 向いている企業・費用の考え方と、選定で失敗しないためのポイント
(読了時間の目安:約9分)
GRANDITとは?
GRANDITは、複数の企業が共同で開発した純国産のERPパッケージです。
ブラウザだけで利用できる「完全Web-ERP」であり、端末へのインストールは不要です。
最大の特徴は「コンソーシアム方式」で開発されている点にあります。
コンソーシアム方式とは、複数の企業がそれぞれの業務ノウハウを持ち寄り、共同で製品を作り上げる開発のスタイルです。
各業種を代表するシステム企業が知見を出し合うことで、幅広い業種・業務に対応できる設計になっています。
GRANDITには、大きく2つの提供形態があります。
- オンプレミス型のGRANDIT:自社環境に構築する従来型
- GRANDIT miraimil(ミライミル):クラウドで利用できるSaaS型
それぞれの違いは、後ほど詳しく解説します。
GRANDITの3つの特徴
GRANDITの特徴を、3つの軸で整理します。
コンソーシアム方式による業種対応力
GRANDITは、複数のパートナー企業が業務ノウハウを統合して開発しています。
そのため、製造・流通・サービスなど、さまざまな業種の業務に対応しやすいのが強みです。
特定の一社だけでなく、多くの企業の知見が反映されている点が、純国産ERPとしての個性になっています。
完全Web・オールインワンの統合設計
GRANDITは、ブラウザだけで使える完全Web型のシステムです。
会計や販売などの基幹業務に加えて、EC・EDI・BI・電子承認ワークフローといった機能を標準で統合しています。
EDIとは企業間で取引データをやり取りする仕組み、BIとは蓄積データを経営判断に活かす分析機能のことです。
これらが最初から1つにまとまっているため、別々のシステムをつなぎ合わせる手間を減らせます。
マルチカンパニー・海外対応
GRANDITは、複数のグループ会社を1つのシステムで扱う「マルチカンパニー」に対応しています。
データは会社ごとに区別されるため、グループ全体の管理と個社単位の運用を両立できます。
また、海外取引(輸出入)専用の機能や、多言語・多通貨にも対応しています。
グループ経営や海外拠点を持つ企業にとって、検討しやすい設計といえます。
GRANDITの機能
GRANDITは、業務領域ごとに分かれた複数のモジュールで構成されています。
主なモジュールは次のとおりです。
- 共通
- 販売
- 調達在庫
- 製造
- 経理
- 資産
- 経費
- 債権
- 債務
- 人事
- 給与
これらはモジュール単位で導入できます。
そのため、必要な業務範囲から段階的に始めることが可能です。
加えて、次の機能が標準で統合されています。
- 電子承認ワークフロー:伝票やマスタの承認を電子化し、内部統制を支援
- EC・EDI:BtoBの受発注や企業間データ連携に対応
- BI・データマート:基幹データと連動した分析環境を標準装備
オプションとして多言語やモバイル対応なども用意されています。
GRANDIT miraimil(クラウド版)とは
GRANDIT miraimilは、クラウドで利用できるSaaS型のERPです。
2021年10月に提供が開始されました。
オンプレミス型のGRANDITで培ったノウハウをベースに、「標準導入」をコンセプトとしている点が特徴です。
両者の位置づけの違いを整理すると、次のようになります。
| 項目 | オンプレ型 GRANDIT | クラウド版 GRANDIT miraimil |
|---|---|---|
| 提供形態 | 自社環境に構築 | クラウド(SaaS) |
| 導入の考え方 | 要件に合わせて柔軟に構築 | 標準導入をコンセプトに短納期・低コストを志向 |
| バージョンアップ | 個別に対応 | サービスに含まれる |
| 想定する規模感 | 中堅〜大企業まで幅広く | 中堅企業を中心に |
miraimilでは、蓄積データを生成AIで活用するためのAI連携サービスも提供されています。
自社の業務に合うかどうかは、無料体験版で操作イメージを確認できます。
GRANDITに向いている企業/慎重に検討すべき企業
ERPは、製品の優劣だけでなく「自社の課題に合うか」で選ぶことが大切です。
GRANDITの特性をふまえて、向き・不向きを整理します。
向いている企業
- 複数業種のノウハウを活かしたい企業:コンソーシアム方式の強みが活きる
- グループ経営・海外展開を進める企業:マルチカンパニー・海外対応が役立つ
- 国産で日本の商習慣を重視したい企業:純国産ならではの適合性
慎重に検討すべき企業
- 要件が極めて特殊な企業:標準機能で対応できる範囲を、事前に見極める必要がある
- 自社専用の作り込みを強く望む企業:カスタマイズ前提だと、コストや拡張性に影響しうる
向き・不向きは、最終的には自社の業務内容と照らして判断することになります。
GRANDITの費用の考え方
GRANDITの費用は、公開された定価がありません。
ライセンス費用は「基準従業員数」と「導入するモジュール構成」をもとに算出される仕組みです。
費用は大きく、次の2つに分けて考えると整理しやすくなります。
- 初期費用:ライセンス取得、要件定義、教育、データ移行などの導入作業
- 運用費用:保守・サポート、ライセンス更新など継続利用に必要な費用
カスタマイズや追加開発が発生する場合は、別途その費用も加わります。
なお、クラウド版のGRANDIT miraimilには、初期導入コストを抑えるセルフ導入プランがあります。
提供元の発表では、初期費用150万円〜とされています(GRANDIT社 2024年5月発表)。
ただし、実際の費用は利用するモジュール・規模・要件によって変わります。
正確な金額を知るには、提供各社への個別の見積もり相談が必要です。
GRANDIT導入で失敗しないための選定ポイント
ERP選びは、製品名だけで決めると後悔につながりやすいものです。
GRANDITに限らず、ERP導入を成功させるための一般的な観点を4つ挙げます。
導入目的を具体化する
「業務効率化のため」といった漠然とした目的だけでは、必要な機能を見極められません。
「月次決算を何日短縮したいのか」など、測定できる目標を最初に決めましょう。
現行業務をそのまま持ち込まない
今のやり方をそっくり再現しようとすると、過剰なカスタマイズにつながります。
この機会に「本当に必要な業務」と「惰性で続けている業務」を仕分けることが大切です。
標準機能との適合を確認する
近年は「Fit to Standard」という考え方が重視されています。
Fit to Standardとは、業務をパッケージの標準機能に合わせていく発想です。
標準機能でカバーできる範囲を先に確定させると、コストとリスクを抑えやすくなります。
導入後の「定着」まで計画する
ERPは、本番稼働がゴールではありません。
操作研修やマニュアル整備など、現場に定着するまでの計画を最初から組み込みましょう。
これら4つに共通するのは、「製品単体ではなく、自社の課題との適合で選ぶ」という視点です。
自社にどの製品が合うかの見極めは、専門家に相談しながら進めると判断の精度が上がります。NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットも、製品ありきではなく自社課題からの整理をお手伝いしています。
よくある質問(FAQ)
Q1. GRANDITはクラウドで使えますか?
使えます。クラウド版の「GRANDIT miraimil」が提供されています。
オンプレミス型を自社環境に構築する方法と、クラウドで利用する方法のどちらかを選べます。クラウド版は標準導入をコンセプトにしており、バージョンアップも継続的に行われます。
Q2. GRANDITの費用はどのくらいですか?
公開された定価はなく、基準従業員数とモジュール構成によって変わります。
費用は初期費用と運用費用に分かれ、カスタマイズの有無でも変動します。クラウド版miraimilのセルフ導入プランは初期費用150万円〜とされています(GRANDIT社 2024年5月発表)。正確な金額は個別の見積もり相談が必要です。
Q3. GRANDITは中小企業でも導入できますか?
導入できます。GRANDITはモジュール単位での導入が可能です。
必要な業務範囲から段階的に始められるため、規模に応じた構成を組めます。中堅企業を中心としたクラウド版miraimilという選択肢もあります。
Q4. GRANDITとNetSuiteの違いは何ですか?
GRANDITは純国産ERP、NetSuiteはグローバル展開に強いクラウドERPという違いがあります。
どちらが自社に合うかは、業務内容や海外展開の有無などによって変わります。両者の機能や移行のポイントを詳しく比較した記事としてNetsuiteとGRANDITを比較!特徴・機能・移行のポイントを用意しているので、検討の際はそちらもご覧ください。
まとめ
GRANDITは、コンソーシアム方式で開発された純国産の完全Web-ERPです。
要点を整理すると、次のとおりです。
- 複数企業のノウハウを統合し、幅広い業種に対応
- EC・EDI・BI・ワークフローを標準統合したオールインワン設計
- クラウド版「GRANDIT miraimil」も選べる
- 費用は基準従業員数とモジュール構成で決まり、個別見積もりが基本
ERPは製品単体ではなく、自社の課題との適合で選ぶことが成功の鍵になります。
NetSuiteとの違いを詳しく知りたい方は、機能・移行のポイントをまとめたNetsuiteとGRANDITを比較!特徴・機能・移行のポイントをご覧ください。
自社にどのERPが合うかを相談しながら見極めたい方は、NetSuiteの無料デモもご活用いただけます。
もう少し詳しく知りたい方へ
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