2027年末。
広く使われてきたSAP ERP 6.0の、標準の保守が終わる時期です。
延長保守を選んでも、2030年末までです。
SAPとは、ドイツに本社を置くソフトウェア企業SAP SEと、同社が提供するERP製品の総称です。
「大企業が使うシステム」という印象は強いものの、製品は会社の規模で分かれています。
大企業向けのS/4HANAと、小規模〜中堅の下位層向けのBusiness Oneです。
SAPが自社に合うかどうかは、知名度では決まりません。
決めるのは「規模」と「業務の複雑さ」です。
いまSAPを使う会社なら、保守の期限までに、残す・上げる・替えるのどれかを選ぶことになります。
では、自社はその3つのどこにいるのか。
答えの材料は、保守の年表と、いまのシステムに足した独自の機能の一覧にあります。
この記事で分かること
- SAPとは何か(会社と製品の2つの意味)と、主な機能
- S/4HANA・RISE・GROW・Business One・ByDesignの違い
- SAP ERP 6.0の保守の期限(2027年・2030年)の全体像
- SAPが向いている会社、別の選択肢が合う会社
- いまSAPを使っている会社の3つの道と、替えるときに変わること
SAPとは|まず押さえたい基礎知識
SAPという言葉には、2つの意味があります。
- 会社としてのSAP:ドイツのソフトウェア大手「SAP SE」
- 製品としてのSAP:同社が提供するERP製品の総称
「SAPを導入する」と言うときは、後者の製品を指すことがほとんどです。
そもそもERPとは
ERP(Enterprise Resource Planning)とは、会社の基幹業務を一つのシステムでまとめて管理する仕組みです。
日本語では「統合基幹業務システム」と訳されます。
財務会計・販売・在庫・生産・人事といった業務を、別々のシステムではなく一つで扱います。
部門ごとの情報がつながり、業務の手間が減り、経営の判断が速くなります。
SAPはERP市場の代表的な存在
SAPは、世界のERP市場を長く引っ張ってきた製品です。
特に大企業やグローバル企業での導入の実績が豊富です。
ERPを調べ始めると、まず名前が挙がる製品の一つでしょう。
SAPの主な機能
SAPは、会社の基幹業務を幅広くカバーします。
| 業務の領域 | 主な中身 |
|---|---|
| 財務会計 | 仕訳・決算・経営数値の見える化 |
| 管理会計 | 原価の管理・収益性の分析 |
| 販売管理 | 受注から出荷、請求までの流れ |
| 在庫・購買管理 | 仕入れと在庫の最適化 |
| 生産管理 | 製造の計画と進み具合の管理 |
| 人事 | 人材・勤怠・給与の管理 |
これらが一つのシステムでつながっている点が、ERPの大きな特徴です。
たとえば、受注の情報が在庫や会計に自動で反映されます。
別々のシステムでは、入力や転記を何度も繰り返すことになります。
データがその都度集まるため、経営層が状況を早くつかめます。
用途に応じた製品もある
SAPには、基幹のERPのほかに用途別の製品もそろっています。
人事に特化した「SAP SuccessFactors」、経費精算の「SAP Concur」などです。
経費精算の製品の使い分けは、NetSuiteの経費精算でも触れています。
AIの取り入れ方
SAPは、AIアシスタント「Joule」を製品に組み込む方向を取っています。
SAPの説明では、Jouleは自社のビジネスデータにもとづくAIコパイロットです(出典:SAP公式、2026年9月確認)。
AIコパイロットは、人の横で提案したり、作業を手伝ったりするAIを指します。
SAPの製品の種類と、提供の形
SAPの製品は1種類ではありません。
会社の規模や、新しく使うか、いま使っているかで分かれます。
| 製品・提供の形 | 主な対象 | 提供の形 | AIとの親和性 |
|---|---|---|---|
| S/4HANA(RISE with SAP) | 既存のSAP ERP(ECC 6.0)やオンプレミスのS/4HANAを使う会社 | クラウド(SAP Cloud ERP Private)へ移す | 高。RISEにJouleなどのAIの仕組みが含まれる |
| S/4HANA(GROW with SAP) | 新しくSAPを使う会社。中堅中小企業を含む | クラウド(S/4HANA Cloud Public Edition) | 高。財務・サプライチェーン・人事向けのAI対応の基盤と説明されている |
| SAP Business One | 小規模企業と中堅の下位層 | オンプレミス/クラウド | 中。SAPの分析・自動化のツールとつないで広げる |
| SAP Business ByDesign | 中堅企業、大企業の子会社 | クラウド(SaaS) | 今後の提供方針の確認が先 |
出典は、SAP公式のRISE with SAP・GROW with SAPの説明です(2026年9月確認)。
オンプレミスは、自社にサーバーを置いてシステムを動かす形です。
クラウドは、インターネットを通じて提供されるサービスを使う形です。
S/4HANA:大企業向けの主力
SAP S/4HANAは、SAPの第4世代にあたる主力の製品です。
「SAP HANA」という速いデータベースの上で動き、大量のデータをその場で処理できます。
機能が多く拡張性も高いため、複雑な業務や多拠点のグローバル企業に向いています。
いまは、2つの提供の形で案内されています。
- RISE with SAP:既存のSAPユーザーが、クラウドへ移るための提供の形
- GROW with SAP:新しくSAPを使う会社のための提供の形
GROWは、必要な機能から始めて、あとから広げられる形だと説明されています。
Business One:小規模〜中堅の下位層向け
SAP Business Oneは、小さな会社向けに機能を絞った製品です。
会計・販売・購買・在庫・顧客管理などを一つにまとめます。
SAPの発表では、83,000社以上・170か国以上で使われ、28言語に対応しています。
対象は小規模企業と中堅の下位層です(出典:SAP News Center、2025年12月、2026年9月確認)。
Business ByDesign:今後の提供方針はSAPに確認
SAP Business ByDesignは、中堅企業向けのクラウド型ERPです。
SaaSとして提供され、自社でサーバーを用意する必要がありません。
今後の提供方針と保守の期限は、SAPまたは販売パートナーに確認してください。
これから新しく導入する場合は、S/4HANA(GROW)やBusiness One、NetSuiteなど他社のクラウドERPも並べて比べます。
中堅向けの製品とNetSuiteの詳しい比較は、SAP Business One・ByDesignとNetSuiteを徹底比較で扱っています。
SAP ERP 6.0の保守の期限|2027年問題の全体像
2027年問題とは、広く使われてきた「SAP ERP 6.0(ECC 6.0)」の標準の保守が、2027年末に終わることを指します。
ECC(ERP Central Component)は、この世代のSAP ERPの中核を指す呼び名です。
SAPの保守方針をもとに、期限を年表にします。
| 時期 | 中身 | 条件など |
|---|---|---|
| 2027年末まで | 標準の保守(メインストリーム保守) | ― |
| 2028年初〜2030年末 | 延長保守 | 追加の料金(2%)がかかる |
| 2031年以降 | 個別の保守(customer specific maintenance) | 延長保守を選ばない会社、延長保守が終わった会社 |
| 2031〜2033年 | 移行を支える期間限定の提供(SAP ERP, private edition, transition option) | 規模の大きい、複雑な会社向け。2030年末までに移す条件などがある |
| 2040年末まで | S/4HANAの新しい機能の提供の約束 | 移行先のS/4HANAの話 |
出典は、SAP公式の保守方針と、SAP News Center(2025年8月)です(2026年9月確認)。
個別の保守は、SAPの保守方針にある呼び名です。
標準の保守と同じ中身が続くわけではありません。
標準の保守が終わると、新しい法改正への対応や不具合の修正が受けにくくなっていきます。
セキュリティの面の不安も高まります。
基幹システムの移行は、検討から稼働まで数年かかることも珍しくありません。
2030年末は遠く見えても、逆算すると検討の時間は長くない。
期限ごとの具体的な選択肢は、SAP 2027年問題の解決策で詳しく扱っています。
期限と逆算の関係を図にすると、次のとおりです。
判断の物差し|SAPが向いている会社、別の選択肢が合う会社
SAPは優れたERPですが、すべての会社に合うわけではありません。
SAPが向いている会社
| 条件 | SAPの強みが活きる理由 |
|---|---|
| 海外に多くの拠点があり、各国の法制度への対応が要る | グローバル企業での実績が厚い |
| 生産・物流などの業務が複雑 | 機能が多く、細かい管理ができる |
| 大量のデータをその場で扱いたい | HANAの上で速く処理できる |
| 業界の標準の進め方を取り入れたい | 業界ごとの型を持っている |
| SAPを扱える社内の人材と、パートナーがいる | 運用の体制を組みやすい |
慎重に見極めたい会社
- 社員が数十〜数百名で、業務が標準的
- 社内にシステムの担当者が少ない
- 「世界的に有名だから」が主な理由になっている
こうした会社では、SAPの多機能さが負担になることがあります。
機能が多すぎて使いこなせない。導入や運用の費用が重い。
そうした事態が起きやすくなります。
別の選択肢が合う場合
SAP以外が合う会社も、少なくありません。
- NetSuite:中堅・中小企業で、会計から販売・在庫までクラウドで一気通貫にしたい(NetSuiteとは)
- 国産ERP:日本の商習慣に合わせた帳票や、業界に特化した機能を最優先したい
- Odoo:費用を抑え、必要なアプリから小さく始めたい(Odooとは)
- AIスクラッチ開発:業務が独特で、パッケージに合わせる利点が小さい(AIでスクラッチ開発とERP、どちらを選ぶべきか)
- いまは入れない:会計ソフトと表計算で回っていて、困りごとがはっきりしない
SAPとOracleの製品体系の違いは、SAPとOracleの違いにまとめています。
SAPを選ぶなら、体制も一緒に考える
SAPは機能が多い分、使いこなすための体制が要ります。
製品だけでなく、次の3つがそろうかも見ておきます。
| 体制 | 見ておくこと |
|---|---|
| 導入のパートナー | 自社の業種とSAPの製品に詳しいパートナーがいるか |
| 社内の担当者 | 業務とシステムの両方を分かる人を、専任に近い形で置けるか |
| 稼働後の運用 | 設定の変更や、SAPの更新への対応を誰が担うか |
3つのうち欠けるものが多いほど、導入の後の負担が大きくなります。
その場合は、より小さなクラスの製品や、運用を任せやすいクラウドの製品も比べてみてください。
これから選ぶ会社と、いまSAPを使っている会社
これから選ぶ会社は「3年後の規模」から
SAPを候補に入れるかどうかは、3年後の規模(売上・拠点・ERPを使う人数)と、業務の複雑さで決まります。
規模が大きく、業務も複雑ならS/4HANAが候補です。
規模が小さめなら、Business Oneと他社の中堅向け製品を並べて比べます。
3年後も拠点が1〜2か所で、運用を社内の1〜2名で回したい。
そんな会社は、中堅・中小向けの製品から比べ始める方が近道です。
ERP全般の選び方は、ERP・クラウドERPを徹底比較をご覧ください。
いまSAPを使う会社は「残す・上げる・替える」から
いまSAP ERP(ECC 6.0)を使う会社には、大きく3つの道があります。
| 道 | 中身 | 判断の材料 | 詳しく扱う記事 |
|---|---|---|---|
| 残す | 延長保守などで、当面いまのシステムを使う | 2030年末までに移行を終えられるか | SAP 2027年問題の解決策 |
| 上げる | S/4HANAへ移る(RISE with SAPなど) | 規模・SAPの資産・社内の人材 | SAPとOracleの違い |
| 替える | NetSuiteなど、規模に合う別の製品へ移る | いまの規模に対してSAPが重いか | SAPとNetSuiteを徹底比較 |
どの道を選ぶにも、最初に見るものは同じです。
- いまのシステムに足した独自の機能(アドオン)の数と、本当に要るもの
- 保守の契約の期限と、延長したときの費用
- 移行に使える社内の人と時間
本社はSAPのまま、子会社や海外拠点だけ別のERPにする形もあります。
この考え方は、2層ERPとはで解説しています。
SAPの中で上げる道を選ぶ場合は、SAPジャパンやSAPの導入パートナーに相談してください。
SAPの費用の考え方
SAPの費用は、会社の規模や要件で大きく変わります。
ERPの費用は、主に次の3つでできています。
| 費用 | 中身 |
|---|---|
| ライセンス・利用料 | 製品を使う権利にかかる費用 |
| 保守費用 | サポートや更新にかかる費用 |
| 導入費用 | 設計・構築・データ移行などにかかる費用 |
総額を動かすのは、製品の種類、ユーザー数、要る機能の範囲です。
だから「SAPはいくら」という一つの答えはありません。
複数の製品を、同じ項目で並べて比べることになります。
総保有コスト(TCO)で考える
TCO(Total Cost of Ownership:総保有コスト)とは、導入から運用・保守・改修までを含めた全体の費用です。
オンプレミスの形は、サーバーの維持の費用がかかります。
クラウドの形は月額などで使えますが、長い期間の総額を見ておく必要があります。
いまSAPを使う会社は、延長保守の追加の料金もTCOに入れて比べます。
安く導入できても、自社に合わなければ投資は回収できません。
費用は、数年単位の全体像でとらえることをおすすめします。
比べるときに並べる項目
製品ごとに見積もりの形が違うため、項目をそろえて比べます。
| 項目 | 見落としやすい点 |
|---|---|
| 利用料・ライセンス | 買い切りか、毎年の利用料か。ユーザーの数え方 |
| 保守 | 何年目から上がるか。延長保守の追加の料金 |
| 導入・データ移行 | 独自の機能を移す作業の量 |
| 稼働後の運用 | パートナーへの委託の費用と、社内の人件費 |
| 次の更新 | 数年後のバージョンアップや移行にかかる費用 |
特に「次の更新」は、いまSAPを使う会社が一度経験している費用です。
前回の移行や更新にかかった費用と期間を、比べる材料に使ってください。
替える道を選ぶ場合、導入の費用と期間を左右するのは主に4つです。
機能範囲、開発(特に外部システムとの連携)、社内の体制、ユーザー数。
SAPに足した独自の機能と、周りのシステムとの連携の数は、「開発」の重さに直結します。
よくある失敗3つ
SAPに限らず、どのERPにも共通する失敗です。
3つの失敗と避け方を先に図で並べます。
失敗1:目的があいまいなまま進める
起きること:ベンダーの提案をそのまま受け入れ、使わない機能に大きな投資をしてしまう。
原因:「DXのため」「業務効率化のため」で止まり、経営への効果を言葉にしていない。
避け方:測れる目標を最初に決めます。
たとえば「在庫の回転を1.5倍にする」「月次決算を5営業日早める」といった形です。
失敗2:今のやり方をそのまま移し、独自の機能を作りすぎる
起きること:新しいシステムが前より複雑になる。年月とともに不具合が増え、改修も難しくなる。
原因:「今と同じに」「うちは特殊だから」と、標準の機能を避けて作り込んだ。
避け方:Fit to Standardの考え方を取ります。
自社の業務を、システムの標準の機能に合わせていく発想です。
「本当に特殊な部分」と「変えられる部分」を分け、作り込みは最小限にします。
標準に合わせる部分と作る部分の分け方は、Fit&Gap分析で解説しています。
失敗3:稼働の日をゴールにする
起きること:「前のやり方が早い」と、表計算などに逆戻りする。
原因:稼働した後の教育や運用の整備に、予算も人も割かなかった。
避け方:稼働後3〜6か月の計画を、最初から組んでおきます。
操作の研修、マニュアル、運用のルールを「定着の段階」として位置づけます。
つまずきの全体像は、ERP導入はなぜ失敗するのかでも扱っています。
ベンチャーネットならこう見る|替えるなら「変わること」と「役割」を先に並べる
NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットは、SAPの導入は行っていません。
NetSuite・Odoo・AIスクラッチ開発を扱い、SAPからのリプレイスに対応しています。
SAPと他の製品は、どれが優れているかではなく、それぞれに長所があります。
規模が大きく、SAPの資産と人材が厚い会社なら、SAPの中で上げる方が合うこともあります。
型1:変わることを、見積もりの前に伝える
SAPから別の製品へ替えると、良くなることばかりではありません。
先に伝えている「変わること」は、主に次のとおりです。
- ライセンスの費用:いまより上がることがある
- 帳票:形や出し方が変わる
- 締め処理:月次や年次の締めの考え方が違う
- 画面の操作感:慣れるまで、現場の手が止まる
- 給与・人事:NetSuiteへ替える場合は対象外で、別の仕組みが要る
これを聞いたうえで「残す」や「上げる」を選ぶ会社もあります。
それで構いません。
型2:誰が何を担うかを、契約の前に分ける
NetSuiteへ替える場合、役割は次のように分かれます。
| 担い手 | 担うこと |
|---|---|
| 日本オラクル | ライセンス、トレーニング、製品のサポート |
| ベンチャーネット | 要件定義、設定、カスタマイズ、アドオン開発、保守、プロジェクトの管理(発注元のPM業務やOracleとの調整を含む) |
契約は、請負契約に対応しています(準委任も相談可)。
常駐はせず、国内のチームがリモートで進めます。
仕事の多くは、ゼロからの導入より、他社のあとの引き継ぎや、他システムとの連携です。
独自の機能を仕分けるときは、業務の見える化から始め、標準に合わせる・開発する・残すの3つに分けます。
最初の打ち合わせで伺うのは、主に次の3つです。
- SAPを選ぶ(使い続ける)理由を、経営者が自分の言葉で言えるか
- 3年後の規模と業務の複雑さは、S/4HANAのクラスに合うか
- いまの独自の機能のうち、なくすと業務が止まるものはどれか
ERPの導入は、ITの仕事ではなく経営のプロジェクトです。
100点を狙うより、80点で始めて運用しながら磨く方が、結果として前に進みます。
今日できること|1時間で「いまの位置」を書き出す
次の表を、経営者と経理・情シスの担当者で埋めてみてください。
| 項目 | 書き込む内容 |
|---|---|
| いま使っている製品と版 | (例)SAP ERP 6.0、Business Oneなど |
| 保守の契約の期限 | |
| 足した独自の機能の数 | 分かる範囲で |
| 3年後の売上・拠点・人数 | |
| ERPで解決したい課題(1つ) | (例)月次決算を早めたい |
これからERPを選ぶ会社は、上の2行を飛ばし、下の2行から始めます。
埋まらない欄が、次に調べることです。
いまSAPを使う会社は、保守の契約書で次の3点も見ておきます。
- 契約の更新の時期と、解約の申し出の期限
- 延長保守を選ぶときの申し込みの期限と、料金の計算の仕方
- 保守を任せているパートナーとの契約の期限
製品の保守の期限と、契約の期限は、ずれていることがあります。
早い方の期限が、実際の判断の締め切りです。
よくある質問
Q1. SAPとNetSuiteの違いは何ですか
想定する会社の規模とシステムの考え方が違います。
SAPのS/4HANAは大企業向けで、機能が多く細かい作り込みができます。
NetSuiteは中堅・中小企業向けのクラウドERPです。
詳しくはSAPとNetSuiteを徹底比較で解説しています。
Q2. 中小企業でもSAPは使えますか
使えます。小規模〜中堅の下位層向けの「SAP Business One」があります。
GROW with SAPも、中堅中小企業を含む新規の顧客向けと説明されています。
ただし、知名度だけで選ぶと、機能が過剰になることもあります(第5章)。
Q3. SAPの費用はどのくらいかかりますか
製品・ユーザー数・要る機能で大きく変わります。
ライセンス・保守・導入の3つでできています。
複数の製品を、同じ項目で並べて見積もりを比べてください(第7章)。
Q4. 2027年問題で、今すぐ動くべきですか
検討は早めに始めるのが安心です。
標準の保守は2027年末まで、延長保守は2030年末までです。
移行には数年かかることもあるため、期限から逆算して計画します(第4章)。
Q5. 延長保守の後はどうなりますか
SAPの保守方針では個別の保守(customer specific maintenance)になります。
規模の大きい会社向けには、2033年までの期間限定の提供も示されています。
対象や条件があるため、SAPに問い合わせてください(第4章)。
Q6. Business ByDesignを使っています。すぐに替える必要はありますか
まず今後の提供方針と保守の期限をSAPに確認してください。
そのうえで、残すか替えるかを比べます。
次の選択肢の比べ方は、SAP Business One・ByDesignとNetSuiteを徹底比較で扱っています。
Q7. S/4HANAへ上げれば、次の移行は当分要りませんか
SAPはS/4HANAの新しい機能の提供を2040年末まで約束しています。
ただし、これは製品の側の約束です。
自社の規模や事業が変わり、製品が合わなくなることもあります。
移行のたびに独自の機能を減らしておくと、次の更新が軽くなります(第4章・第8章)。
まとめ
- SAPとは、ドイツのSAP SEと同社のERP製品の総称
- 製品は規模で分かれる。大企業向けはS/4HANA(RISE・GROW)、小さめの会社向けはBusiness One
- ByDesignは、今後の提供方針と保守の期限をSAPまたは販売パートナーに確認する
- SAP ERP 6.0の標準の保守は2027年末まで、延長保守は2030年末まで
- 合うかどうかは、規模と業務の複雑さで決まる
- いまSAPを使う会社は、残す・上げる・替えるを期限と費用で比べる。替えるなら、変わることと役割を先に並べる
2027年末という期限は、動かせません。
まず「いまの位置」の表を埋め、保守の契約の期限を確かめてください。
早い方の期限から逆算すれば、残す・上げる・替えるのどれを選ぶ時間があるかが見えます。
もう少し詳しく知りたい方へ
いまのSAPをどうするか。これからSAPを候補に入れるべきか。
ベンチャーネットは、特定の製品に誘導しない立場で、整理のお手伝いをしています。
- SAPなどの基幹システムからの移行を考えている方:基幹システムリプレイス
- 自社に合うERPや進め方を相談したい方:お問い合わせ
