NetSuiteとMA-EYESを比較|プロジェクト型ERPの選び方と乗り換え判断【2026年版】

ERP(会社全体の業務を一つのシステムでまとめて管理する仕組み)の入れ替えは、多くの中堅企業にとって大きな決断です。なかでも「NetSuiteとMA-EYES、どちらがいいのか」という相談をよくいただきます。

ただ、最初にお伝えしたいことがあります。

この比較は、どちらが優れているかを決めるためのものではありません。大切なのは、自社の経営課題にどちらが合うか、です。

NetSuiteとMA-EYESは、得意とする領域が違います。違いを正しく理解すれば、迷いはかなり減ります。

この記事では、NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットが、両者の違いと選び方を中立の立場で整理します。

この記事で分かること

  • MA-EYESとNetSuiteそれぞれの得意分野
  • 6つの軸で見た両者の違い(AIとの親和性を含む)
  • 自社に向いているのはどちらかの判断材料
  • 製品選びでよくある失敗とその避け方
  • 読了の目安:約7分
目次

MA-EYESとは?特徴と得意分野

MA-EYESは、プロジェクト管理を中心に据えた国産のクラウドERPです。提供元はビーブレイクシステムズで、2005年の販売開始以来、提供されています。

最大の強みは、プロジェクト単位の原価管理と管理会計です。

案件ごとに、労務費・経費・外注費を積み上げ、収支をリアルタイムに近い形で把握できます。複雑な配賦(費用を一定のルールで部門や案件に振り分ける処理)にも対応します。

そのため、次のような事業と相性がよいとされています。

  • IT・受託開発業
  • 広告・制作業
  • コンサルティング業
  • 建設業

いずれも、仕事が「案件」や「プロジェクト」の単位で進む業種です。案件別の採算が経営の生命線になる事業に向いています。

なお、MA-EYESの詳しい機能や価格は、提供元のビーブレイクシステムズにご確認ください。

NetSuiteとは?特徴と得意分野

NetSuiteは、経営全体を一つの基盤に統合するクラウドERPです。提供元はOracleで、世界220地域・43,000社以上で利用されています。

会計・販売・在庫・購買・顧客管理までを一元化し、経営の数字をリアルタイムで見える化します。

強みは、統合とグローバル対応です。190通貨・27言語に対応し、海外拠点も同じシステムで管理できます。

プロジェクト原価の管理も可能です。本体のプロジェクト管理機能に加え、PSA製品の「SuiteProjects Pro(旧OpenAir)」を組み合わせます。PSA(Professional Services Automation)とは、案件の計画から請求までを一貫して支える仕組みです。詳しくはNetSuiteのプロジェクト原価管理の解説をご覧ください。

NetSuiteは、AIの活用にも力を入れています。「#1 AI Cloud ERP」を掲げ、組込型のAI機能や、外部AIと連携する仕組みを備えます。

ただし、NetSuiteのAI機能は北米で先行して提供されるものが多くあります。日本での提供状況や日本語対応は、順次拡大している段階です。導入を検討する際は、その時点での最新の対応状況をご確認ください。

NetSuiteそのものの概要は、NetSuiteとは?クラウドERP入門でも解説しています。

NetSuiteとMA-EYESを比較表で整理

ここまでの違いを、6つの軸で整理します。どちらが上か、ではなく、どこが違うか、という視点でご覧ください。

比較軸NetSuiteMA-EYES
製品の性格経営全体を統合するグローバルERPプロジェクト管理に特化した国産ERP
プロジェクト原価・管理会計SuiteProjects Pro+本体機能で対応中核機能。多段階の配賦・管理会計に強い
グローバル(多通貨・多言語・拠点)220地域・190通貨・27言語に対応国内中心
組込型AI「#1 AI Cloud ERP」を掲げ、組込型AI機能やNetSuite Nextを提供(日本提供は順次拡大)2026年2月に生成AIとの連携機能を追加
外部AI連携AI Connector Service(MCP対応・Bring Your Own AI)で外部AIと直接連携AIツールとの連携ソリューションを提供
価格月20万円〜(最小構成からの出発点。使うモジュール・ユーザー数・オプションで変動し、規模により数百万円規模になることもあります)ビーブレイクシステムズへ要確認

表のとおり、重なる部分もありますが、軸足が違います。NetSuiteは経営全体の統合とグローバル、MA-EYESは案件別の原価管理です。

どちらが自社に向いている?

適合シーンを整理します。

クラウドやAIの活用が当たり前になり、海外との取引も増えています。Excelや個別システムのままでは、経営の数字が見えにくくなっている会社も少なくありません。だからこそ、いま自社に合う基盤を選ぶ意味があります。

NetSuiteが向いているのは、次のような会社です。

  • 会計・販売・在庫まで含めて、経営全体を一つの基盤に統合したい
  • 海外拠点があり、多通貨・多言語で管理したい
  • AIを活用しながら成長していきたい

MA-EYESが向いているのは、次のような会社です。

  • 事業の中心が案件・プロジェクトで、案件別の採算管理が最優先
  • 国内中心で、プロジェクト原価や管理会計を細かく作り込みたい

迷ったときの考え方はシンプルです。「経営全体をまとめたい」のか、「案件の採算をとことん見たい」のか。この軸で、かなり絞り込めます。

製品選びでよくある3つの失敗

ここからは、製品選びでつまずきやすい点をお伝えします。

これは、どこかの会社を責めるためではありません。同じ失敗を、できれば避けてほしいからです。

失敗1:「機能の多さ」で優劣を決めてしまう

よくある現象は、次のようなものです。

  • 機能の数や対応範囲の広さで点数をつける
  • 自社では使わない機能まで比較してしまう
  • 「全部入り」が良いものだと感じてしまう

なぜ失敗するのか。機能の多さは、自社の課題と無関係なことが多いからです。使わない機能は、コストと運用負担になります。逆に、自社に必要な一点が抜けていれば、いくら多機能でも意味がありません。

どう回避するか。出発点は、製品ではなく自社の課題です。「何を解決したいか」を先に決めます。そのうえで、どちらが課題に合うかを見ます。ベンチャーネットでは、この課題の整理から一緒に考えます。

失敗2:いまの業務をそのまま乗せ替えようとする

よくある現象は、次のようなものです。

  • Excelや既存の運用を、そのまま新システムに移そうとする
  • 「今のやり方を変えたくない」が前提になっている
  • 属人化した業務を、そのまま温存してしまう

なぜ失敗するのか。いまの業務には、過去の事情でできた無駄や属人化が含まれているからです。それをそのまま移すと、新システムでも同じ問題が続きます。現場が「結局Excelに戻る」状態になりがちです。

どう回避するか。先に、あるべき業務の形を描きます。そのうえで、最初から完璧を目指さず、小さく始めて育てる進め方が現実的です。ベンチャーネットは、業務整理から運用の定着までを伴走します。

失敗3:パートナーと運用を後回しにする

よくある現象は、次のようなものです。

  • 製品の選定だけに力を注ぐ
  • 導入後の運用体制を決めないまま進める
  • 「入れれば何とかなる」と考えてしまう

なぜ失敗するのか。ERPは、入れて終わりではないからです。動かしながら磨いていくものです。運用を支える体制がないと、システムは動いていても成果につながりません。

どう回避するか。製品と同じくらい、誰と進めるかが大事です。選定の段階で、パートナーの伴走体制まで含めて検討します。なお、MA-EYESを選ぶ場合は、ビーブレイクシステムズに相談するのが確実です。

製品選びは、機能の比較表だけでは決まりません。最後は、自社の経営にとっての意味で選ぶことになります。ERPの導入は、ITプロジェクトであると同時に、経営プロジェクトだからです。

よくある質問

MA-EYESからNetSuiteへ乗り換えるべきですか?

一概には言えません。判断軸は、経営課題がどこにあるか、です。案件別の原価管理が中心ならMA-EYESの継続も選択肢です。経営全体の統合やグローバル対応を重視するなら、NetSuiteが候補になります。

プロジェクト原価管理はNetSuiteでもできますか?

できます。本体のプロジェクト管理機能に加え、PSA製品のSuiteProjects Proを組み合わせます。案件の計画から採算管理、請求までを一貫して扱えます。詳しくはSuiteProjects Proの解説記事をご覧ください。

NetSuiteの費用はどのくらいですか?

月20万円〜が出発点です。最小構成からの目安で、使うモジュール・ユーザー数・オプションによって変わります。規模によっては、数百万円規模になることもあります。最終的な金額は、パートナーを通じてOracleの営業とご相談ください。

海外展開を考えています。どちらが有利ですか?

グローバル対応では、NetSuiteに分があります。190通貨・27言語・220地域に対応し、海外子会社も同じ基盤で管理できます。将来の海外展開を見据えるなら、長期的な投資価値が高いといえます。

まとめ

NetSuiteとMA-EYESは、どちらも良いERPです。違うのは、得意とする領域です。

MA-EYESは、案件別の原価管理に強い国産ERP。NetSuiteは、経営全体を統合するグローバルERPです。

選ぶときの主語は、製品ではなく、あなたの会社です。「自社の経営を、これからどうしたいか」。そこから考えると、答えは見えてきます。

そして、製品選びと同じくらい、誰と進めるかが大事です。完璧な計画を待つより、小さく始めて、動かしながら育てる。その伴走者として、ベンチャーネットはお役に立てます。

もう少し詳しく知りたい方へ

NetSuiteについて、もう少し具体的に知りたい方は、こちらをご利用ください。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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