「うちはまだ小さいから、Reforma PSA。大きくなったらNetSuite」
案件型の会社から、よく聞く考え方です。
規模で分けるのは分かりやすい。
ただ、両者を本当に分けている線は、そこにはありません。
Reforma PSAとは、株式会社オロが提供する、案件ごとの利益を管理するクラウドの業務システムです。
NetSuiteは、会計から販売・在庫・案件までを一つにまとめるクラウドERPです。
- 国内の案件型の事業で、会計は会計ソフトのままでよい → Reforma PSAが出発点
- 会計・在庫・海外拠点まで一つのデータで見たい → NetSuiteが出発点
分かれ目は、会社の規模より財務会計をどこで持つかです。
では、自社はどちらの側にいるのか。それを決める問いは2つあります。
比べるのは、NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットです。
NetSuite・Odoo・AIスクラッチ開発を扱い、SAPからのリプレイスにも対応しています。
Reforma PSAのほうが合う会社のことも、そのまま書きます。
製品そのものの機能と料金は、Reforma PSAとはをご覧ください。
この記事で分かること
- 両者の違いを決める「会計の持ち方」という軸
- 費用の決まり方の違いと、総額で比べるときの足し算
- どちらが合うかを決める2つの問い(両者以外が合う場合も)
- Reforma PSAから乗り換える目安と、乗り換えないほうがよい場合
- よくある失敗3つと、今日できること
言葉の整理:ERPは、会計・販売・在庫などの基幹業務を一つのシステムで管理する仕組みです。
PSAは、案件・要員・収益を管理する、サービス業向けの仕組みです。
2つの製品を1分で
| 項目 | Reforma PSA | NetSuite |
|---|---|---|
| 提供元 | 株式会社オロ | Oracle |
| 中心の考え方 | 案件ごとの利益を見える形にする | 全社の業務を一つのデータにまとめる |
| 主な対象 | IT・広告・イベント・コンサル・制作・設計業 | 業種を問わない。海外拠点のある会社も |
| 財務会計 | 会計ソフトへ連携ファイルで渡す | NetSuiteの中で持つ |
| 費用の決まり方 | 機能ごとのユーザー単価の積み上げ | 構成(モジュール・ユーザー数・オプション)で決まる |
Reforma PSAの対象業種・料金は、オロ公式サイトの記載です(出典:オロ公式、2026年9月確認)。
NetSuiteは世界220地域・44,000社以上で使われています(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月時点)。
同じオロ社には、中堅・大企業向けのZACもあります。
比べ方は、ZACとNetSuiteの比較をご覧ください。
いちばん大きな違いは「財務会計をどこで持つか」
案件の利益を見る機能は、どちらにもあります。
両者を分けるのは、その先の財務会計の持ち方です。
2つの持ち方を図にすると、次のとおりです。
Reforma PSA|会計ソフトと組み合わせる
Reforma PSAは、見積・請求・債権債務から、工数・経費・原価・案件の利益までを扱います。
財務会計は、会計ソフトへ連携用のファイルを出力して渡す形です。
公式ニュースでは、次の会計ソフト向けの連携ファイルが案内されています(出典:オロ公式ニュース、2026年9月確認)。
- 勘定奉行クラウド、奉行V ERPクラウド(オービックビジネスコンサルタント)
- 弥生会計(デスクトップ版)
- マネーフォワード クラウド会計、会計Plus
いまの会計ソフトと経理の手順を変えずに、案件管理を足せる。
これが、Reforma PSAのいちばんの強みです。
NetSuite|会計と案件が同じデータにある
NetSuiteでは、受注・請求・原価と、会計の仕訳が同じデータの中にあります。
案件の管理には、SuiteProjectsとSuiteProjects Pro(旧OpenAir)の2つのPSAがあります。
どちらもアドオンのモジュールとして提供されています(出典:Oracle NetSuite公式、2026年9月確認)。
使い分けは、NetSuiteのプロジェクト管理機能とSuiteProjects Proとはで紹介しています。
会計ソフトとの連携の手順がいらず、海外の子会社も同じ仕組みで見られます。
その代わり、経理の手順はNetSuiteに合わせて見直すことになります。
財務会計を持つときの注意点は、NetSuiteで財務会計を行う前に確認すべきことで扱っています。
比較表|判断に効く6つの軸
| 軸 | Reforma PSA | NetSuite |
|---|---|---|
| 案件の損益・原価 | 製品の中心。外注費・労務費を案件ごとに管理できる | PSAのモジュールで対応 |
| 工数・要員の見通し | 受注前の案件から予定の作業時間を管理できる | PSAのモジュールで対応 |
| 在庫・製造 | 案件管理が中心 | 標準の範囲に含む |
| 海外拠点・多通貨 | 国内の案件管理が中心 | OneWorldで190通貨・27言語 |
| 始めやすさ | 初期費用0円・月額3万円(税抜)から | 構成を決めてから見積もる |
| AIとの親和性 | 公式トップにAIの機能の記載は見当たらない。データを会計ソフトと分けて持つ | 外部のAIをつなぐ仕組みがある。会計と案件が1か所にあり、AIに見せやすい |
Reforma PSAの案件の損益・工数の欄は、提供元の公式サイトの記載にもとづきます(出典:Reforma PSA公式、2026年9月確認)。
OneWorldは、複数の会社・通貨・言語をまとめて管理するNetSuiteの機能です(グローバル機能の解説)。
NetSuiteのAI Connector Serviceは、ClaudeやChatGPTなどのAIをNetSuiteにつなぐ仕組みです。
AIが見られるのは、ロールで設定した範囲だけと案内されています(出典:Oracle NetSuite公式、2026年9月確認)。
ロールは、利用者ごとに見られる範囲を決める権限の設定です。
「今月、赤字になりそうな案件は」とAIに聞くなら、案件と会計の数字が1か所にあるほうが扱いやすい。
ただ、AIの使い道が案件の一覧の点検までなら、Reforma PSAのデータでも足ります。
費用の決まり方と、総額の比べ方
Reforma PSA|ユーザー単価の積み上げ
公式サイトのライセンス単価(1ユーザー・月、税抜)は次のとおりです(出典:オロ公式、2026年9月確認)。
| 機能 | 単価 |
|---|---|
| 販売 | 6,000円 |
| 購買 | 2,000円 |
| 勤怠 | 300円 |
| 経費 | 300円 |
初期費用は0円、月額は3万円(税抜)からです。
最低利用期間は6ヶ月と、利用規約で定められています。
試算の例(人数は架空):20人全員が販売を使う場合、6,000円×20人で月12万円(税抜)です。
勤怠と経費を足すと、1人あたり600円が加わります。
オプションや導入支援の費用は、別に見積もりが要ります。
NetSuite|構成で決まる
NetSuiteは、ミニマム構成で月額20万円〜が出発点です。
モジュール・ユーザー数・オプションで変わり、数百万円規模になることもあります。
PSAのモジュールも、この構成の一部として見積もります。
最終の金額は、パートナー経由でOracleの営業が提示します。
詳しくはNetSuiteの料金・費用をご覧ください。
総額は「利用料」だけでは比べられない
Reforma PSAを選べば、会計ソフトの費用と連携の手間が別にかかります。
NetSuiteは会計を含む一方で、月額の出発点が高くなります。
同じ範囲の業務で、次の3つを足して比べます。
- 月額の利用料(両方)
- 会計ソフトの費用と、連携ファイルを取り込む作業の時間(Reforma PSAの場合)
- 導入支援と、社内の担当者の時間(両方)
3つ目の導入の費用は、どちらの製品でも、次の4つの要因で大きく動きます。
| 要因 | この比較で効く点 |
|---|---|
| 機能範囲 | 案件管理だけか、会計・在庫まで一つにするか |
| 開発(特に外部連携) | 会計ソフトや既存の仕組みと、何本つなぐか |
| 社内の体制 | 経理と案件の担当に、設定や確認の時間があるか |
| ユーザー数 | 工数を入力する人の数と、教育の手間 |
利用料の差だけで決めると、この4つを見落とします。
見積もりは、両者で範囲をそろえてから並べてください。
判断の物差し|どちらが合うか
冒頭で残した2つの問いは、次のとおりです。
- 3年以内に海外・在庫・グループ会社が加わるか
- 会計ソフトを変えてよいか
1で「加わる」なら、NetSuiteを候補に入れて比べます。
加わらず、2で「変えたくない」なら、Reforma PSAが近い選択肢です。
2つの問いに答えたら、ほかの選択肢も含めて並べます。
| 自社の状況 | 合いやすい選択肢 |
|---|---|
| 国内の案件型。会計ソフトは使い慣れていて変えたくない | Reforma PSA |
| 案件の管理に加え、会計・在庫・海外拠点まで一つにしたい | NetSuite |
| 案件型で規模が大きく、国内の商習慣に合わせた作りを重んじる | ZAC |
| 案件の数が少なく、Excelと会計ソフトで月末に数字が出ている | いまは入れない |
| 費用を抑えて会計と案件を一つにしたい。社内に設定できる人がいる | Odoo |
| 業務が特殊で、パッケージの考え方が合わない | AIスクラッチ開発 |
Odooは、オープンソースのERPです(OdooとNetSuiteの比較)。
AIスクラッチ開発は、AIを使って自社専用のシステムを作る進め方です(AIスクラッチ開発とERPの比較)。
ほかの製品も含めて比べるなら、ERPを徹底比較をご覧ください。
Reforma PSAが合う会社:原価の中心が人の工数。まず案件の赤字を月内に見つけたい。小さく始めて、効果を見てから広げたい。
NetSuiteが合う会社:案件のほかに物販や在庫の業務がある。海外の子会社や外貨の取引がある。上場の準備などで、会計と業務のデータを一つにそろえたい。
Reforma PSAを使っていて、見直しを考える会社
これから選ぶ会社は、第5章の2つの問いから始めてください。
ここでは、すでにReforma PSAを使っている会社の目安を挙げます。
いま困っていないなら、無理に乗り換える必要はありません。
次のサインが2つ以上出たら、見直しの時期です。
- 海外の拠点や外貨の取引が増えた
- 案件のほかに、在庫や物販の業務が大きくなった
- 会計ソフトとの連携の作業が、月末の負担になっている
- グループ会社が増え、数字をまとめる作業が重い
見直しのサインを図にすると、次のとおりです。
乗り換えるなら、案件・工数・原価の過去のデータを、どこまで移すかを先に決めます。
進行中の案件と直近の期だけを移す考え方もあります。
移し方は、基幹システムのデータ移行ガイドで扱っています。
よくある失敗3つ
失敗1:「Excelをやめたい」が目的になる
起きること:導入した後、何が良くなったかを説明できない。
原因:どの数字を、いつまでに見たいかを決めずに選んだ。
避け方:「案件の赤字を月内に止める」など、見たい状態を先に言葉にします。
失敗2:いまの規模だけで選ぶ
起きること:2年後に海外拠点ができ、仕組みを入れ直す。逆に、使わない機能に費用を払い続ける。
原因:いまの課題と、3年後の姿の片方だけで選んだ。
避け方:第5章の2つの問いに、経営者と経理の両方で答えます。
失敗3:いまの業務をそのまま移す
起きること:乗り換えた後、カスタマイズが膨らみ、使いにくくなる。
原因:業務の見直しをせず、いまの画面や帳票の再現を優先した。
避け方:標準の機能で回す部分を先に決め、カスタマイズは最小限に絞ります。
選定と移行の失敗の全体像は、ERP導入はなぜ失敗するのかで扱っています。
ベンチャーネットならこう見る
Reforma PSAとNetSuite、どちらが優れているかという問いには答えません。
それぞれに長所があり、合う会社が違うからです。
ベンチャーネットが決めるのは、比べる順番です。
型1:製品を決める前に、見える化→整理整頓→Fit&Gap
乗り換え先がNetSuiteに傾いていても、いまの業務の見える化から始めます。
- 見える化:見積から請求、工数の入力、会計ソフトへの受け渡しまでを描く
- 整理整頓:二重に入力している作業や、使っていない帳票をやめる
- Fit&Gap:残った業務を、移る先の製品の標準機能と照らし合わせる
Fit&Gapは、業務と機能の合う・合わないを一つずつ見る作業です。
いまの画面の再現から始めると、失敗3にそのまま進みます。
型2:標準に合わせる/開発する/残す
Fit&Gapで合わなかった業務は、3つのどれかに決めます。
- 標準に合わせる:案件の損益の見方や請求の流れを、移る先の標準に寄せる
- 開発する:既存の仕組みとの受け渡しなど、どうしても要る部分だけを作る
- 残す:移る先に載せず、いまの仕組みや運用で続ける
開発を選ぶほど、第4章の「開発」の要因が重くなります。
最初の打ち合わせで伺うのは、次の3つです。
- 3年以内に、海外・在庫・グループ会社が加わるか
- いまの数字は、月末のいつ出ているか
- 運用する社内の担当者は、誰か
比べた結果、Reforma PSAのままがよい、という答えになることもあります。
そのときは、そうお伝えします。
今日できること|1時間で「見たい数字」を書き出す
直近の3案件を選び、次の表を埋めてみてください。
| 案件 | 見込みの粗利 | 実際の粗利 | 実際の数字が分かった日 |
|---|---|---|---|
| (例)A社サイト制作 | 翌月15日 |
「分かった日」が月末を大きく過ぎているなら、案件管理の仕組みを入れる価値があります。
あわせて、海外・在庫・グループ会社の予定を1行ずつ書き添えます。
予定があれば、NetSuiteも比べる候補に入ります。
よくある質問
Q1. Reforma PSAとNetSuiteは何が違いますか
財務会計を自社の中で持つかどうかが大きな違いです。
Reforma PSAは案件管理が中心で、会計ソフトに連携ファイルを渡します。
NetSuiteは会計と案件が同じデータの中にあります。
Q2. 中小企業にNetSuiteは早すぎませんか
案件の採算だけが目的なら早いこともあります。
海外展開や在庫の統合が見えているなら、早すぎるとは限りません。
3年後の姿から判断します。
Q3. Reforma PSAの費用はどのくらいですか
初期費用0円・月額3万円(税抜)からです。
販売は1ユーザー月6,000円(税抜)など、機能ごとの単価を積み上げます(オロ公式、2026年9月確認)。
最低利用期間は6ヶ月です。
Q4. NetSuiteの費用はどのくらいですか
ミニマム構成で月額20万円〜が出発点です。
モジュール・ユーザー数・オプションで変わり、数百万円規模になることもあります。
会計ソフトの費用が要らない点も含めて比べます。
Q5. Reforma PSAからNetSuiteへ乗り換えるべきタイミングは
案件管理の枠を超える変化が2つ以上出たときが目安です。
海外拠点、在庫の業務、連携作業の負担、グループ会社の増加などです。
いま困っていなければ、乗り換える必要はありません。
Q6. AIの活用ではどちらが有利ですか
会計まで含めてAIに見せたいならNetSuiteが扱いやすいです。
NetSuiteには、外部のAIをロールの範囲でつなぐ仕組みがあります。
日本で使える機能の範囲は、アカウントの担当に確かめてください。
Q7. Reforma PSAとZACはどう違いますか
同じオロ社の製品でZACは中堅・大企業向けです。
Reforma PSAは中小企業向けの位置づけです。
ZACとNetSuiteの比べ方は、ZACとNetSuiteの比較をご覧ください。
まとめ
- 両者を分けるのは、規模より財務会計をどこで持つか
- Reforma PSAは会計ソフトと組み合わせて、案件の利益を見る
- NetSuiteは会計・在庫・海外まで一つのデータで見る
- 総額は、利用料に会計ソフトと連携の手間、導入の4つの要因を足して比べる
- 乗り換えは、案件管理の枠を超えるサインが2つ以上出たら
「小さいうちはReforma PSA」で決める前に、2つの問いに答えてみてください。
3年以内に何が加わるか。会計ソフトを変えてよいか。
その答えが、進む側を決めます。
もう少し詳しく知りたい方へ
どちらが合うか迷っている段階でも、ご相談をお受けしています。
見たい数字の整理から、一緒に考えます。
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