プロジェクトごとの収支が、月末にならないと見えてこない。
案件管理はExcel、勤怠は別システム、経費はまた別の仕組み。情報がバラバラで、全体像がつかめない。
案件・プロジェクト単位で動く企業では、こうした悩みがよく聞かれます。
その解決策のひとつとして名前が挙がるのが、クラウドERP「ZAC(ザック)」です。
この記事では、ZACとは何かをはじめ、主な機能・特徴・向いている企業・費用の考え方を、できるだけ中立的に整理します。ERP選びの基礎知識として役立てていただければ幸いです。
ZAC(ザック)とは?
ZAC(ザック)とは、プロジェクト型ビジネスに特化したクラウドERPです。提供元は株式会社オロです。
ERP(Enterprise Resource Planning:基幹業務を統合管理するシステム)の一種です。案件・契約・プロジェクト単位で業務を進める企業向けに設計されています。
クラウド型のため、自社でサーバーを持つ必要がありません。インターネット経由で利用でき、IT・システム開発、広告・クリエイティブ、士業・コンサルティングなど、幅広い業種で導入されています。
オロ社の公式情報によると、ZACの累計導入社数は1,100社以上です。
ZACの位置づけ
一般的なERPは、会計・販売・在庫・人事など、企業全体の業務を統合します。
ZACはその中でも、プロジェクトごとの収支管理を中心に据えている点が特徴です。「どの案件が、いくら使い、いくら利益を生んでいるか」を一元的に把握することを得意とします。
ZACが注目される背景
案件・プロジェクト単位で動く企業では、収支管理に独特の難しさがあります。
ひとつの案件に、人件費・外注費・経費が分散して発生します。複数の案件が同時に進むため、全体像をつかむのも簡単ではありません。
その結果、次のような状態に陥りがちです。
- プロジェクトの採算が、締め処理が終わるまで見えない
- 営業・現場・経理がそれぞれExcelや別システムで管理している
- 「黒字のはずが、終わってみたら赤字だった」が起きる
こうした「収支が見えない」「Excelが限界」という課題に対し、プロジェクト管理を軸に情報を統合するERPへの関心が高まっています。ZACは、その選択肢のひとつとして検討されることが多い製品です。
ZACの主要機能
ZACは、プロジェクト管理を軸に、関連する業務機能を統合的に備えています。
オロ社の公式情報をもとに、主な機能を整理します。
基幹業務(プロジェクト管理)
- プロジェクト管理:案件ごとの収支・進捗を一元管理
- 販売管理:見積・受注・売上の管理
- 購買管理:発注・仕入の管理
- 勤怠管理/工数管理:誰がどの案件に何時間使ったかを記録
- 経費管理:プロジェクト別の経費・原価を管理
- 工程管理:進捗や作業状況の可視化
- 在庫管理:物販を行う場合の在庫管理
情報共有(グループウェア)
- 予定表、コンタクト管理、文書管理
管理会計(BIツール)
- 経営モニタリング、QuickSight連携オプション
このほか、ワークフロー、外部システム連携、シングルサインオン(SSO)、Salesforce連携やHubSpot連携などのオプションも用意されています。
機能はモジュール(機能単位)で選べます。必要な範囲から導入し、後から追加することも可能です。
ZACの特徴・強み
ZACの特徴を、公式情報をもとに4つに整理します。
① タイムリーなプロジェクト収支管理
工数や経費が登録されるたびに、原価や利益に反映されます。月末を待たずに、案件ごとの収支を把握しやすくなります。
② 個別原価計算の自動化
案件ごとの原価計算を、手作業ではなくシステム上で行えます。Excel集計にかかっていた手間を減らせます。
③ 月次決算・経理業務の早期化
業務データが一元化されるため、決算や経理業務のスピードアップにつながります。
④ 内部統制と脱Excel
承認フローや記録がシステム上に残ります。電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応しています。属人的なExcel管理からの脱却を後押しします。
ZACが向いている企業/慎重に検討したいケース
ZACは万能なシステムではありません。どんな企業にも合うわけではなく、向き・不向きがあります。
公式情報をもとに、中立的に整理します。
| 観点 | 向いている | 慎重に検討したい |
|---|---|---|
| 業種 | IT・広告・コンサル・士業など案件型 | 大量の物販・製造が中心の業種 |
| 管理の中心 | プロジェクト別の収支・原価・工数 | 在庫・生産の大量処理が主軸 |
| 規模・展開 | 国内中心の中小〜中堅企業 | 多通貨・多言語のグローバル展開を重視 |
プロジェクト単位で収支を管理したい企業には、フィットしやすい製品です。
一方で、海外拠点を含めた多通貨・多言語の統合管理を重視する場合は、対応範囲をよく確認する必要があります。
ここで大切なのは、製品のスペックだけで選ばないことです。同じ「プロジェクト管理ERP」でも、自社の業務の進め方に合うかどうかで、使い勝手は大きく変わります。
ZACの費用の考え方
ZACの料金は、公式サイトでは具体的な金額が公開されていません。個別見積もり型と考えるのがよいでしょう。
費用は、次のような要素で変わります。
- 利用するモジュール(機能)の範囲
- 利用するライセンス数(ユーザー数)
- 必要なオプション
モジュール単位で選べるため、必要な機能から小さく始めることもできます。
正確な費用を知りたい場合は、提供元のオロ社へ問い合わせて見積もりを取るのが確実です。
ERP選定で気をつけたい点
最後に、ZACに限らず、プロジェクト管理ERPを選ぶときに気をつけたい点を3つ挙げます。
- 目的を具体的にする:「収支を可視化したい」「月次決算を早めたい」など、何を解決したいかを先に決める
- 自社業務との相性を見る:機能の多さより、自社の案件の進め方に合うかを確認する
- 導入後の運用を考える:システムは入れて終わりではなく、現場に定着して初めて効果が出る
ベンチャーネットは、多くのERP導入の現場に関わってきました。
そこで感じるのは、ERPがうまくいくかどうかは、製品そのものよりも「自社業務に合っているか」「導入後にきちんと運用できるか」で決まることが多い、ということです。
製品選びは、ゴールではなく入口です。
よくある質問(FAQ)
Q1. ZACはどんな企業に向いていますか?
IT・広告・コンサル・士業など、案件やプロジェクト単位で業務を進める企業に向いています。
特に「プロジェクトごとの収支を正確に把握したい」「Excel管理から脱却したい」という課題を持つ企業に適しています。
Q2. ZACの費用はどのくらいですか?
公式サイトでは具体的な金額が公開されておらず、個別見積もり型です。
利用するモジュール・ライセンス数・オプションによって変わります。正確な費用は、提供元のオロ社への問い合わせが確実です。
Q3. ZACとNetSuiteは何が違いますか?
ZACはプロジェクト型ビジネスに特化したクラウドERPです。一方のNetSuiteは、多通貨・多言語に対応した統合型のクラウドERPです。
それぞれ得意分野が異なります。両者の機能や向き不向きを詳しく比較したい方は、別記事「NetSuiteと『ZAC』を比較!」をご覧ください。
Q4. ZAC導入で失敗しないためのポイントは?
製品のスペックだけで選ばないことです。
自社の業務の進め方に合うか、導入後にきちんと運用できるかが、成否を分けます。導入前の業務整理と、導入後の運用体制づくりが大切です。
まとめ
ZAC(ザック)は、プロジェクト型ビジネスに特化したクラウドERPです。案件ごとの収支管理を軸に、販売・購買・勤怠・経費などを統合できます。
ただし、どのERPを選ぶにせよ、製品比較だけで導入が成功するわけではありません。
大切なのは、自社の業務に本当に合うERPはどれかを見極めること。そして、導入後の運用まで見据えることです。
ベンチャーネットは、特定の製品を押し売りするのではなく、御社の業務に合うERPを一緒に見極める立場で、ERP選定のご相談をお受けしています。
「ZACも含めて、いくつかの選択肢を整理したい」という段階でも構いません。お気軽にご相談ください。
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