クラウドシステムとは?種類・メリット・選び方をわかりやすく解説

クラウドシステムという言葉を、よく耳にするようになりました。

ただ、「結局それは何なのか」「自社にどう関係するのか」が、わかりにくいと感じる方も多いはずです。

この記事では、クラウドシステムとは何かを、基礎から順にわかりやすく整理します。種類やオンプレミスとの違い、メリットと注意点、そして代表例である「クラウドERP」まで、一通り押さえられる内容です。専門知識がなくても読み進められるよう、用語にはそのつど短い説明を添えています。

この記事で分かること

  • クラウドシステムとは何か、SaaS/PaaS/IaaSの種類
  • オンプレミスとの違い(コスト・導入期間・運用)
  • 導入する4つのメリットと、知っておきたい注意点
  • 代表例「クラウドERP」と、自社に合う選び方

読了時間:約6分

目次

クラウドシステムとは?まず押さえたい基本

クラウドシステムとは、インターネットを通じて利用する情報システムのことです。自社でサーバーやソフトを持たなくても、ネット環境さえあれば使えます。

従来は、自社内にサーバーを置き、そこにソフトをインストールして使うのが一般的でした。これを「オンプレミス」と呼びます(自社設置型のこと)。

クラウドシステムは、この仕組みを大きく変えました。サーバーやソフトは、提供事業者がインターネット上で管理します。利用者は、必要なときに必要なだけ使えばよくなったのです。

身近な例では、Webメールやオンラインのファイル保管サービスもクラウドシステムの一種です。会社の基幹業務を支える大きなシステムも、いまはクラウドで提供されるようになっています。

クラウドシステムの主な種類(SaaS/PaaS/IaaS)

クラウドシステムは、提供される範囲によって大きく3種類に分けられます。まずはこの違いを押さえておくと、各サービスの位置づけがわかりやすくなります。

  • SaaS(サース):完成したソフトをそのまま使う形。メールや会計ソフトなど
  • PaaS(パース):アプリを開発するための土台を借りる形。開発者向け
  • IaaS(イアース):サーバーやネットワークなどの基盤だけを借りる形

3つの違いは、「どこまでを事業者に任せるか」にあります。SaaSは最も手軽で、専門知識が少なくても使えます。PaaSやIaaSは自由度が高い分、扱うには技術的な知識が必要です。

多くの企業がまず触れるのは、SaaSです。次の章で紹介するクラウドERPも、このSaaSに含まれます。

クラウドシステムとオンプレミスの違い【比較表】

クラウドシステムとオンプレミスは、コストのかかり方や運用の手間が大きく異なります。ここでは主な違いを表で整理します。

比較軸クラウドシステムオンプレミス(自社設置型)
初期費用抑えやすい設備投資が必要になりやすい
導入期間短期間で始めやすい設計・構築に時間がかかりやすい
拡張性利用量に応じて増減しやすい増設に手間とコストがかかる
保守・運用事業者が担う部分が多い自社で担う必要がある
災害・BCP対策遠隔のデータ保全がしやすい自社設備の被災リスクがある

どちらが優れているかは、一概には言えません。高度なカスタマイズが必要な場合は、オンプレミスが向くこともあります。

一方で、初期費用を抑え、短期間で始めたい企業には、クラウドシステムが選ばれやすくなっています。

クラウドシステムの代表例「クラウドERP」

クラウドシステムの中でも、企業経営に直結するのが「クラウドERP」です。ここではその位置づけだけを押さえ、詳しい選び方は専門記事に譲ります。

ERPとは、Enterprise Resource Planning(企業資源計画)の略です。財務会計・販売管理・在庫管理など、会社の主要な業務を一つのシステムで統合管理する仕組みを指します。

このERPをクラウドで利用できるようにしたものが、クラウドERPです。従来はオンプレミス型が主流でしたが、いまはクラウド型が急速に広がっています。

クラウドERPの選び方や、オンプレミスからの乗り換えについては、次の記事で詳しく解説しています。

クラウドシステムを導入するメリット

クラウドシステム、特にクラウドERPを導入するメリットは多岐にわたります。ここでは代表的な4つを整理します。

コスト削減

自社でシステム資産を持つ必要がないため、初期投資を抑えられます。ハードウェアの購入や、その維持にかかる費用も軽くなります。

最新の機能を、必要な範囲で使える点も利点です。

短期間での稼働

クラウドシステムは、オンプレミスに比べて短い期間で使い始めやすいのが特徴です。

ビジネスの変化に素早く対応でき、立ち上げのスピードを上げられます。

リモートワークとBCP対策

インターネット経由でデータにアクセスできるため、場所を問わず業務を進められます。

データは遠隔で保全されるため、災害時にも事業を続けやすくなります。これは「BCP対策」(事業継続のための備え)として重要です。

拡張性と柔軟性

事業の成長に合わせて、利用する範囲を増やしていけます。

最初は小さく始め、必要になった機能をあとから加える。こうした柔軟な進め方ができます。

導入前に知っておきたい注意点

クラウドシステムには、注意すべき点もあります。メリットだけでなく、ここも理解しておくと選定がスムーズになります。

一つは、カスタマイズの自由度です。オンプレミスに比べると、独自の作り込みには制約があります。

もう一つは、セキュリティの考え方です。データの管理を事業者に任せる部分が増えるため、「事業者任せで不安」と感じる方もいます。

ただし、これらは「弱点」と決めつけるより、「考え方の違い」と捉えるほうが実態に近いものです。世界で使われているクラウドサービスの多くは、堅牢なセキュリティ体制を備えています。自由度の制約も、標準機能に業務を合わせることで、かえって運用が安定する場合があります。

大切なのは、自社の事情に照らして、何を重視するかを整理することです。

クラウドERPの代表「NetSuite」とは

クラウドERPの代表例が、Oracle社が提供する「NetSuite」です。ここでは入門記事として、その概要を簡潔に紹介します。

NetSuiteは、財務管理・販売管理・在庫管理・eコマースなど、会社の業務をクラウド上で一元管理できる統合型のシステムです。

世界での利用実績も豊富です。世界220地域・43,000社以上で導入され、190通貨・27言語に対応しています(出典:Oracle NetSuite公式、2026年4月時点)。クラウドERPの先駆けとして知られ、「#1 AI Cloud ERP」をうたう製品でもあります。

費用については、ライセンスがミニマム構成で月額20万円〜が目安です。金額は、利用するモジュール(機能範囲)・ユーザー数・必要なオプションによって変動します。構成によっては、月額・年額ともに数百万円規模になることもあります。

最終的な金額提示は、Oracle NetSuite担当営業のみが対応可能です。概算を知りたい段階でも、まずはお問い合わせください。NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットが、Oracle担当営業と共に対応いたします。

自社に合うクラウドシステムの選び方

クラウドシステムを選ぶときは、機能の多さだけで決めないことが大切です。ここでは、押さえておきたい3つの観点を紹介します。

  • 自社の課題に合っているか:何を解決したいかを先に決める
  • 既存システムと連携できるか:いま使う仕組みとつながるか
  • サポート体制が整っているか:導入後も相談できる相手がいるか

特に見落とされがちなのが、3つ目のサポート体制です。システムは導入して終わりではありません。運用しながら、自社に合わせていくものです。

だからこそ、ベンチャーネットは「導入して終わり」ではなく、その後も一緒に走る伴走型の支援を大切にしています。製品を売り込むのではなく、お客様の経営に役立つ形を、対等な立場で一緒に考える。そうした関係づくりを重視しています。

ERPの比較や選定の進め方は、次の記事で詳しく解説しています。

よくある質問(FAQ)

クラウドシステムについて、よく寄せられる質問をまとめました。

Q1. クラウドシステムとオンプレミスは、どちらがよいですか?

一概には言えません。自社の事情によって、適した選択は変わります。

初期費用を抑え、短期間で始めたい場合は、クラウドが向きやすいです。一方、高度な独自カスタマイズが欠かせない場合は、オンプレミスが選ばれることもあります。まずは「何を重視するか」を整理することから始めるのがおすすめです。

Q2. クラウドシステムの導入には、どれくらい期間がかかりますか?

オンプレミスに比べると、短い期間で始めやすいのが一般的です。

ただし、利用する範囲や業務の複雑さによって、必要な期間は変わります。小さく始めて段階的に広げる進め方なら、立ち上げの負担を抑えられます。具体的な期間は、自社の業務範囲を整理したうえで見極めるのが確実です。

Q3. NetSuiteの費用は、どれくらいですか?

NetSuiteのライセンスは、ミニマム構成で月額20万円〜が目安です。

ただし「月額20万円〜」は、最小構成・小規模ユーザーで始める場合の出発点です。実際の金額は、利用するモジュール(機能範囲)・ユーザー数・必要なオプションによって変わります。中堅企業で複数モジュールを利用する場合、月額・年額ともに数百万円規模になることもあります。「自社の場合はいくらか」を知りたいときは、お気軽にご相談ください。Oracle NetSuite担当営業と、NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットが、共に概算をお伝えします。

Q4. クラウドシステムはセキュリティが心配ですが、大丈夫ですか?

データ管理を事業者に任せる部分が増えるため、不安に感じる方は少なくありません。

ただ、世界で広く使われるクラウドサービスの多くは、堅牢なセキュリティ体制を備えています。自社でサーバーを管理するより、かえって安全性が高まるケースもあります。大切なのは、提供事業者の体制を確認し、自社の要件と照らして判断することです。

まとめ:まず「何のために導入するか」から

ここまで、クラウドシステムの基本から、種類・違い・メリット・選び方までを見てきました。

最後にお伝えしたいのは、ツールを決める前に「何のために導入するのか」を考えることの大切さです。

クラウドシステムは、あくまでも手段です。経営や業務をどう良くしたいのか。そこが定まると、選ぶべきシステムも自ずと見えてきます。

ベンチャーネットは、製品を売り込む前に、まずお客様の課題を一緒に整理することを大切にしています。「自社にはどれが合うのか」と迷ったときは、お気軽にご相談ください。対等な立場で、最適な進め方を一緒に考えさせてください。

もう少し詳しく知りたい方へ

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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