「どちらもクラウドなら、違いは月額の差くらいだろう」
MA-EYESとNetSuiteを並べた会社から、よく聞く見立てです。
ところが、比べてみると差は月額よりも、使い続けた先の広がりに出ます。
MA-EYES(エムエーアイズ)とは、株式会社ビーブレイクシステムズが提供する、プロジェクト単位の収支管理に強いクラウドERPです。
導入の形は、クラウド(SaaS導入)とオンプレミス(一括導入)から選べます。
ここでは、クラウドで使う前提でNetSuiteと比べます。
答えの核は2行です。
- 人件費が中心の国内の案件型の事業で、小さく始めたい → MA-EYES(クラウド版)
- 海外拠点・物販・製造まで一つのデータで見たい → NetSuite
では、いまは前者でも、3年後に後者になる会社はどう選べばよいのか。
その見分け方が、この比較の本題です。
「macloud」「MA-EYES Cloud」で探していた方へ
公式サイトでの名称は「クラウドERPシステム【MA-EYES】」です。
「MA-EYES Cloud」という別の製品名は、公式サイトに見当たりませんでした。
同じMA-EYESを、クラウドとオンプレミスのどちらで使うかを選ぶ形です(出典:MA-EYES公式、2026年9月確認)。
「macloud」は、MA-EYESとは別の名称です。
導入の形を問わない比較はNetSuiteとMA-EYESの比較、製品の説明はMA-EYESとはをご覧ください。
この記事で分かること
- MA-EYESをクラウドで使う場合と、NetSuiteの違い
- クラウド同士で比べる4つの軸(更新・料金・試し方・データ)
- 「ヒトの管理か、モノの管理か」で分ける判断の物差し
- MA-EYESから乗り換える目安と、製品を替えずに済む場合
言葉の整理:ERPは、会計・販売・購買などの基幹業務を一つのシステムで管理する仕組みです。
SaaSは、提供元のサーバーにあるシステムを、インターネット経由で月額などで使う形を指します。
2つの製品を1分で
| 項目 | MA-EYES(クラウド版) | NetSuite |
|---|---|---|
| 提供元 | 株式会社ビーブレイクシステムズ | Oracle |
| 中心の考え方 | プロジェクト単位の収支を見える形にする | 全社の業務を一つのデータにまとめる |
| 主な対象 | システム開発・コンサル・派遣、広告業 | 業種を問わない。海外拠点のある会社も |
| 導入の形 | クラウド(SaaS導入)。オンプレミスも選べる | クラウドのみ |
| 画面や帳票の調整 | ノーコードで設定できる | 設定とスクリプトで広げる |
MA-EYESの記載は、公式サイトによります(出典:MA-EYES公式、2026年9月確認)。
NetSuiteは世界220地域・44,000社以上で使われています(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月時点)。
MA-EYESの機能の範囲
プロジェクト型企業向けのMA-EYES(V ver.)には、次のモジュールがあります(出典:MA-EYES公式、2026年9月確認)。
- プロジェクト管理、作業実績・勤怠、購買・経費
- SFA、入金、支払、経理、締め処理
- 在庫管理、人材派遣管理
広告業向けには、販売・仕入をつなぐ別の版(A ver.)があります。
在庫管理はあります。
一方、生産管理のモジュールは一覧にありません。
NetSuiteの案件管理
NetSuiteには、SuiteProjectsとSuiteProjects Pro(旧OpenAir)の2つのPSAがあります。
PSAは、案件・要員・収益を管理する、サービス業向けの仕組みのことです。
どちらもアドオンのモジュールとして提供されています(出典:Oracle NetSuite公式、2026年9月確認)。
使い分けは、NetSuiteのプロジェクト管理機能とSuiteProjects Proとはで扱っています。
クラウド同士で比べる4つの軸
どちらもクラウドなら、サーバーの有無は比べる軸になりません。
代わりに、次の4つを並べます。
| 軸 | MA-EYES(クラウド版) | NetSuite | 聞いておく点 |
|---|---|---|---|
| 更新の受け方 | 時期と内容は提供元に確認 | 大きなリリースが年2回。数か月かけて段階的に更新 | 更新前に自社のデータで試せるか |
| 料金の決まり方 | 料金表は資料のダウンロードで案内 | ミニマム構成で月額20万円〜が出発点 | 人数と機能が増えたときの金額 |
| 試し方 | 30日間の無料トライアル。事前のヒアリングあり | パートナーによるデモ | 自社の案件の例で画面を動かせるか |
| データの広がり | 案件・勤怠・経費・経理が中心 | 会計・販売・在庫・製造・案件を一つで持つ | 3年後の業務も同じデータに入るか |
更新の受け方
NetSuiteの大きなリリースは年2回で、数か月かけて段階的に進みます。
更新の前には、Release Previewを依頼できます(出典:Oracle NetSuiteヘルプ、2026年9月確認)。
新しい版を、自社のデータで試せる環境のことです。
クラウドのシステムは、更新を自社で止められないことが多いものです。
MA-EYESのクラウド版の更新時期と、事前に試せるかは、提供元に聞いてください。
料金の決まり方
MA-EYESの料金表は、公式サイトから資料のダウンロードで案内されています(出典:MA-EYES公式、2026年9月確認)。
元の記事では、SaaS版は初期費用を抑えて月額で始められる、と紹介していました。
金額は時期や要件で変わるため、見積もりで比べます。
NetSuiteは、ミニマム構成で月額20万円〜が出発点です。
モジュール・ユーザー数・オプションで変わり、数百万円規模になることもあります(NetSuiteの料金・費用)。
月額だけを並べても、乗り換えの総額は見えません。
導入の費用と期間を左右するのは、次の4つです。
- 機能範囲:案件・経理だけか、在庫や海外拠点まで入れるか
- 開発:とくに外部システムとの連携の数
- 社内の体制:情報システムの担当が少ないと、支援を厚くする分だけ期間も延びやすい
- ユーザー数:受入テストと教育の工数、社内の調整の時間
どちらの見積もりも、いまの人数ではなく、3年後の人数と使う機能で取ります。
試し方
MA-EYESには、30日間の無料トライアルがあります。
導入を検討する企業向けで、提供元のヒアリングを受けてからアカウントが発行されます。
内容によっては利用を断る場合がある、とも案内されています(出典:MA-EYES公式、2026年9月確認)。
NetSuiteは、パートナーのデモで画面を見るのが一般的です。
どちらでも、自社の案件の例を1件用意しましょう。
見積もりから請求・原価までを、その案件で動かしてもらいます。
AIにつなぐとき
NetSuiteには、ClaudeやChatGPTなどの外部のAIをつなぐAI Connector Serviceがあります。
AIが見られるのは、ロールで設定した範囲だけと案内されています(出典:Oracle NetSuite公式、2026年9月確認)。
ロールは、利用者ごとに見られる範囲を決める権限の設定です。
MA-EYESは、公式トップにAIの機能の記載が見当たりませんでした。外部連携は提供元に聞いてください。
「今月赤字になりそうな案件は」と聞くだけなら、案件のデータがそろえば足ります。
「その赤字が会社全体の利益にどう響くか」まで聞くなら、会計と一つのデータのほうが扱いやすくなります。
判断の物差し|ヒトの管理か、モノの管理か
出発点は一つです。
原価の中心が、人の稼働なのか、材料や在庫なのか。
人の稼働がそのまま原価になる国内の事業なら、MA-EYESの作りが合います。
材料や在庫、海外の拠点があるなら、NetSuiteの統合が活きます。
ただし、いまヒト中心でも、3年後に海外や物販が加わるなら両方を並べます。
| 自社の状況 | 合いやすい選択肢 |
|---|---|
| 原価の中心が人件費・外注費。国内で、まず案件の採算を見たい | MA-EYES(クラウド版) |
| 人材派遣の管理も同じ仕組みで持ちたい | MA-EYES(クラウド版) |
| 社内のサーバーで持ちたい。社内規程でクラウドが使いにくい | MA-EYES(一括導入) |
| 海外拠点を多通貨・多言語でまとめたい。物販や製造もある | NetSuite |
| 案件型で規模が大きく、国内の商習慣に合わせた作りを重んじる | ZAC |
| 中小の案件型で、会計ソフトはいまのまま使いたい | Reforma PSA |
| 費用を抑えて会計と案件を一つにしたい。社内に設定できる人がいる | Odoo |
| 業務が特殊で、パッケージの考え方が合わない | AIスクラッチ開発 |
| Excelで案件の数字が月内に出ている | いまは入れない |
どれが優れているかではなく、それぞれに長所があります。
他の比べ方は、ZACとNetSuite、Reforma PSAとNetSuite、OdooとNetSuite、AIスクラッチ開発とERPをご覧ください。
ERP全体の中での位置づけはERPを徹底比較、材料や在庫が中心なら製造業向けERPの選び方が参考になります。
いま選ぶ会社と、MA-EYESを使っている会社
これからクラウドで選ぶ会社
製品を比べる前に、次の3つを決めます。
- 見たい数字:案件ごとの粗利を、月のいつまでに見たいか
- 3年後の範囲:海外・物販・グループ会社が加わるか
- 社内の体制:画面や帳票を、自分たちで調整したいか
1だけが課題で、2が「加わらない」。それならMA-EYESのクラウド版が近い選択肢です。
2が「加わる」なら、NetSuiteも候補に入れて比べます。
迷いやすいのは「まず財務会計から隅々まで整えたい」という会社です。
自社の会計の要件を、標準の設定でどこまで満たせるか。段階を分けて進めるほうが現実的なこともあります(NetSuiteで財務会計を行う前に確認すべきこと)。
MA-EYESを使っていて、見直しを考える会社
不満があっても、原因が製品とは限りません。
進め方やパートナーとの相性で止まっているなら、製品を替えても同じことが起きます。
切り分け方は、ERP導入失敗の原因とパートナー変更で扱っています。
次のサインが2つ以上出たら、乗り換えを比べる時期です。
- 海外展開が始まり、多通貨・多言語が必要になった
- 案件のほかに、物販や製造の業務が大きくなった
- グループ会社が増え、数字をまとめる作業が重い
- 一括導入のサーバーの更新が近づき、クラウドに移したい
最後のサインだけなら、MA-EYESのクラウド版に移す道もあります。
製品は替えず、導入の形だけを変える選び方です。
サインと替えるものの対応を図にすると、次のとおりです。
乗り換える場合は、第2章の4つの要因で総額と期間の見当をつけます。
いまの仕組みとの連携が多いほど、開発が重くなります。
データの移し方は、基幹システムのデータ移行ガイドをご覧ください。
よくある失敗3つ
失敗1:目的が決まらないまま製品を比べる
起きること:使わない機能に費用を払い、肝心の課題が残る。
原因:「何を見える化したいか」を決めずに、機能の数や価格で比べた。
避け方:「案件の赤字を月内に見つける」など、見たい状態を先に言葉にします。
失敗2:月額の安さだけで決める
起きること:数年後に海外拠点や物販の要件が出て、作り込みや乗り換えの費用がかさむ。
原因:いま見えやすい条件だけで選び、3年後の広がりを入れていなかった。
避け方:4-1の3つの問いに答え、3年後の人数と機能で見積もりを取ります。
失敗3:いまの動きをそのまま再現しようとする
起きること:新しい仕組みが前より複雑になり、「使いにくい」という声が出る。
原因:なぜその運用なのか説明できない手順まで、画面や帳票ごと移そうとした。
避け方:「本当に要る業務」と「惰性で続けている業務」を先に仕分けます。
失敗の全体像は、ERP導入はなぜ失敗するのかで扱っています。
ベンチャーネットならこう見る
「乗り換えたい」という相談の多くは、実はまだ何を替えるかが決まっていません。
NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットは、まず替える対象を決めます。
NetSuite・Odoo・AIスクラッチ開発を扱い、SAPからのリプレイスにも対応しているため、答えを一つの製品に寄せる必要がありません。
使うのは、次の2つの型です。
型1:替えるのは「製品・パートナー・導入の形」のどれか
- 製品:3年後に海外・物販・製造が加わる。MA-EYESの範囲を超える
- パートナー:製品は合っているが、進め方や相談の相手で止まっている
- 導入の形:理由がサーバーの更新だけ。クラウド版に移せば足りる
替えるものが決まらないまま比べると、答えが出ません。
ベンチャーネットの仕事も、ゼロからの導入より、他社のあとの引き継ぎ・立て直しや、他システムとの連携が多くを占めます。
製品を替えずに進め方を立て直すほうが早い会社もある、ということです。
型2:見える化→整理整頓→Fit&Gap
製品を替えると決めたら、いまの画面の一覧から要件を作りません。
まず、いまの業務の流れを現場に聞いて描きます。
次に、やめる・まとめる・そろえる業務を決めます。
残った業務だけを、移る先の標準機能と照らし合わせます(Fit&Gap)。
合わない業務は「標準に合わせる/開発する/残す」のどれかに決めます。
失敗3の「惰性の業務」は、2段目で落とします。
最初の打ち合わせで伺うのは、次の3つです。
- 原価の中心はヒトかモノか
- 3年後に何が加わるか
- 不満の原因は、製品・パートナー・導入の形のどれか
MA-EYESのままがよいと判断すれば、そうお伝えします。
今日できること|1時間で「3年後の見積もりの条件」を作る
次の表を埋めてみてください。
両方の製品に、同じ条件で見積もりを頼む材料になります。
| 項目 | いま | 3年後の見込み |
|---|---|---|
| 案件を入力する人数 | ||
| 工数・経費を入力する人数 | ||
| 海外の拠点・子会社の数 | ||
| 物販・在庫の業務の有無 | ||
| 外部システムとの連携の数 | ||
| 使いたい機能(案件・勤怠・経費・経理・在庫など) |
「3年後」の列がいまと大きく違えば、両方を比べる意味があります。
ほぼ同じなら、始めやすさを重く見てよい段階です。
よくある質問
Q1. 「MA-EYES Cloud」という製品はありますか
公式の名称は「クラウドERPシステム【MA-EYES】」です。
同じMA-EYESを、クラウドとオンプレミスのどちらで使うかを選ぶ形です(MA-EYES公式、2026年9月確認)。
この記事は、クラウドで使う場合について書いています。
Q2. MA-EYESのクラウド版とNetSuiteの一番の違いは何ですか
広がる範囲の違いです。
MA-EYESは、案件・勤怠・経費・経理を中心に、国内の案件型の事業に合う作りです。
NetSuiteは、会計・販売・在庫・製造・海外拠点までを一つのデータで持ちます。
Q3. 費用はどちらが安いですか
始めやすさではMA-EYESのクラウド版に利点があります。
NetSuiteはミニマム構成で月額20万円〜が出発点で、構成で変わります。
乗り換えの総額は、機能範囲・開発・社内の体制・ユーザー数で動きます。3年後の条件で見積もって比べてください。
Q4. MA-EYESは試せますか
30日間の無料トライアルがあります。
事前に提供元のヒアリングがあり、その後にアカウントが発行されます(MA-EYES公式、2026年9月確認)。
自社の案件の例を用意して試すと、合うかどうかが分かりやすくなります。
Q5. MA-EYESで在庫は管理できますか
在庫管理のモジュールがあります。
生産管理のモジュールは、公式の機能一覧にはありません。
材料や製造が中心の会社は、NetSuiteや製造業向けのERPも比べます。
Q6. MA-EYESからNetSuiteに乗り換えられますか
乗り換えは可能ですが乗り換えありきで考える必要はありません。
替えるのが製品か、パートナーか、導入の形かを先に分けます。
サーバーの更新だけが理由なら、MA-EYESのクラウド版に移す道もあります。
Q7. macloudとMA-EYESは同じ製品ですか
別の名称です。
この記事で扱うのは、ビーブレイクシステムズのMA-EYESです。
検索で名前が混ざりやすいため、補足しました。
まとめ
- 「MA-EYES(クラウド版)」は、MA-EYESをクラウドで使う形
- クラウド同士は、更新の受け方・料金の決まり方・試し方・データの広がりで比べる
- 原価の中心がヒトならMA-EYES、モノや海外まで広がるならNetSuite
- 乗り換えの総額は、機能範囲・開発・社内の体制・ユーザー数で決まる
- 見直すときは、製品・パートナー・導入の形のどれを替えるかを先に分ける
違いは月額ではなく、3年後にどこまで広がるかに出ます。
まずは第7章の表の「3年後」の列を埋めてみてください。
もう少し詳しく知りたい方へ
どちらが合うか迷っている段階でも、ご相談をお受けしています。
見たい数字と3年後の姿の整理から、一緒に考えます。
- NetSuiteの案件管理と会計を実際の画面で見たい方:NetSuite 無料体験デモ
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