NetSuiteを導入して半年。
ログインはできる。データも入っている。
それなのに、結局いちばん頼りにしているのは、経理が月初に作ってくれるExcelの資料。
そんな状態になっていないでしょうか。
原因は、たいてい機能でも操作でもありません。
自分の画面に何を置くかが決まっていないだけです。
この記事では、その中身を具体的に決めます。
経営者が毎朝見る画面を5つに絞り、それぞれで何を判断するかまで書きました。
この記事で分かること(読了目安:約11分)
- 経営者の画面に置いていい数字と、置かないほうがいい数字の見分け方
- 毎朝見る5つの画面(粗利・在庫・資金繰り・受注残・承認待ち)と、それぞれで下す判断
- 保存検索・レポート・ダッシュボードという3つの道具の使い分け
- 3分で見終わるための並べ方と、異常があったときの動き方
- ダッシュボードを見る習慣が続かなくなる3つの理由
経営者の画面は、5つで足りる
最初に、この記事が扱う範囲をはっきりさせておきます。
KPIをどう決めるか、ダッシュボードをどう作るかという方法論は、ここでは扱いません。
その話は 経営ダッシュボードの作り方|KPI設計からNetSuiteでの実装まで に書いてあります。
指標の絞り込み方やロール別の設計思想は、そちらを読んでください。
この記事が扱うのは、その次です。
「絞るのはわかった。では、具体的に何を置けばいいのか」という話です。
なぜ5つなのか
経営者が毎朝見る画面は、多くても5つに収まります。
理由は単純で、それ以上あると毎日は見ないからです。
見なくなった画面は、存在していないのと同じです。
正確さより先に、続くかどうかで決めるほうが結果は良くなります。
本記事で扱う5つは、次のとおりです。
| # | 画面 | 見る理由 | 判断すること |
|---|---|---|---|
| ① | 粗利 | 利益がどこで作られ、どこで消えているか | 売り方・値付けを変えるか |
| ② | 在庫 | お金がどこで寝ているか | 発注を止めるか、動かすか |
| ③ | 資金繰り | いつ足りなくなるか | 入出金のタイミングを動かすか |
| ④ | 受注残 | 来月以降の売上の予約 | 営業に手を入れるか、生産を積むか |
| ⑤ | 承認待ち | 自分が止めている仕事 | いま処理するか、権限を委ねるか |
業種によって中身は変わります。
それでも、①〜④で「会社の状態」を、⑤で「自分の状態」を見るという組み立ては、たいていの会社で成り立ちます。
⑤だけ性質が違うことに、気づかれたかもしれません。
ここが後半の要点になります。
先に確認しておきたい3つの前提
画面を作る前に、これだけは確かめておいてください。
どれか1つでも欠けていると、作っても数字が合わず、見るのをやめる原因になります。
| 前提 | 確かめ方 | 欠けていると |
|---|---|---|
| データがNetSuiteに入っているか | 5つの画面に必要な取引が、毎日その日のうちに登録されているか | 画面の数字が実態より遅れ、信用できなくなる |
| 粒度がそろっているか | 品目・取引先・部門の分類が、途中で変わっていないか | 比較しても意味が出ず、原因の場所が分からない |
| 誰の画面かが決まっているか | この画面を見て判断するのは誰か | 「あったら便利」な指標が混ざり、毎日は見なくなる |
1つ目が欠けている場合は、画面より先に入力の運用を整えるほうが早く効きます。
遅れて入ってくる数字を毎朝見ても、判断はできません。
画面に置いていい数字の条件|「見たら手が動く」か
5つを決める前に、選ぶ基準を共有します。
基準はひとつだけです。
その数字を見たあと、自分が何かをするか。
| 置いていい数字 | 置かないほうがいい数字 | |
|---|---|---|
| 見たあと | 誰かに聞く、指示を出す、予定を動かす | 「そうか」で終わる |
| 例 | 期日を過ぎた売掛金、在庫が偏っている品目、自分の承認待ち | 累計売上、前年比だけの棒グラフ、訪問件数 |
| 粒度 | 手を打てる単位(取引先・品目・案件) | 会社全体の合計だけ |
| 更新 | 毎日変わる | 月に一度しか動かない |
累計売上が悪い数字だと言っているのではありません。
月次の報告には必要でも、毎朝の画面には要らないという話です。
📌 経営者の画面に置いていいのは、見たら手が動く数字だけです。
見て終わる数字は、どれだけ正確でも、画面の場所を奪っているだけです。
「合計」ではなく「内訳の端」を置く
もうひとつ、実務的なコツがあります。
合計値は、動いても理由が分かりません。
合計ではなく、その中で一番悪いものと一番良いものを置くと、見た瞬間に手が動きます。
「今月の粗利率」ではなく「粗利率が下がった品目の上位5件」。
「在庫金額」ではなく「90日動いていない品目の上位5件」。
NetSuiteの保存検索は、まさにこういう「端を取り出す」ことが得意な機能です。
作り方は NetSuite保存検索の作り方 にまとめています。
比較の軸は、1つだけ添える
数字は単体では読めません。何かと比べて初めて意味が出ます。
ただし、比較の軸を増やすと画面が重くなります。
1つの画面に添える比較は1つだけにしてください。
| 画面 | 添える比較 | 理由 |
|---|---|---|
| 粗利 | 前月の同じ時点 | 月の途中でも進み具合が分かる |
| 在庫 | 前月末 | 増えたのか減ったのかだけ分かればよい |
| 資金繰り | 予定(入出金の見込み) | 残高そのものより時間差が問題になる |
| 受注残 | 前月末 | 積み上がっているか細っているか |
| 承認待ち | なし | 件数と経過日数だけで判断できる |
前年比を入れたくなりますが、毎朝の画面では前月のほうが役に立ちます。
前年との比較は、月に一度の振り返りで見れば十分です。
画面① 粗利|今月の利益が、どこで作られ、どこで消えているか
最初の画面は粗利です。売上ではありません。
売上は増えても、粗利が減っていれば会社は苦しくなります。
毎朝見るべきは、売上の大きさではなく、利益の出方です。
置くもの
- 今月の粗利額と粗利率(前月の同じ時点との比較を横に)
- 粗利率が落ちた品目・取引先の上位5件
- 値引きが入った取引の一覧(金額の大きい順)
ここで下す判断
見るのは「下がったかどうか」ではなく、下がった場所です。
特定の品目で落ちているなら、仕入か値付けの問題。
特定の取引先で落ちているなら、その先との取引条件の問題。
全体に薄く落ちているなら、値引きの運用が緩んでいる可能性があります。
原因の場所が分かれば、その日のうちに誰に聞けばいいかが決まります。
粗利そのものの考え方は 売上総利益(粗利)とは、
利益率の逆算の仕方は 利益率の計算方法 にまとめています。
画面② 在庫|お金が寝ている場所
2つ目は在庫です。
在庫は、現金が形を変えて倉庫に置いてあるものと考えると、毎朝見る理由が分かります。
置くもの
- 在庫金額の合計と、前月末からの増減
- 90日以上動いていない品目の上位5件(金額順)
- 欠品している、または在庫が残りわずかな品目
ここで下す判断
在庫の画面で見るのは、多いか少ないかではなく、偏っているかどうかです。
動いていない品目に金額が寄っていれば、その分の現金が止まっています。
逆に、欠品が続いている品目があれば、売れるはずだった売上を逃しています。
どちらも、発注のかけ方を変えれば動かせます。
その場で発注を止める、あるいは販促の相談をする。
在庫の画面は、5つのなかで最も「その日のうちに手が動く」画面です。
在庫管理の全体像は 在庫管理とは、
需給を会議で合わせる進め方は PSI会議とは を参照してください。
画面③ 資金繰り|いつ足りなくなるか
3つ目は資金繰りです。
黒字でも現金が尽きれば会社は止まります。ここは月次では遅すぎます。
置くもの
- 現預金の残高(口座ごと)
- 期日を過ぎた売掛金の一覧(金額の大きい順)
- 今月・来月の支払予定の合計
ここで下す判断
見るのは残高そのものより、入ってくる予定と出ていく予定の時間差です。
期日を過ぎた売掛金があれば、その日に回収の連絡を入れる。
支払が特定の週に固まっているなら、入金の時期と合っているかを確認する。
資金繰りは、早く気づけば打てる手が多く、遅れるほど選択肢が減ります。
だからこそ、月に一度ではなく毎朝の画面に置く価値があります。
考え方の土台は キャッシュフローとは にまとめています。
画面④ 受注残|来月以降の売上の予約
4つ目は受注残です。
受注残とは、受注しているがまだ出荷・計上していない金額のことです。
過去を見る画面が3つ続いたので、ここで先を見ます。
置くもの
- 受注残の合計金額と、出荷予定月ごとの内訳
- 出荷予定日を過ぎている案件の一覧
- 今月の受注金額(新しく積み上がった分)
ここで下す判断
受注残は、来月以降の売上の予約です。
ここが細っていれば、今月の売上が良くても数か月後に効いてきます。
出荷予定日を過ぎた案件があれば、止まっている理由をその日に確認する。
受注残が想定より少なければ、営業の動きに手を入れるか、生産の計画を見直すか。
売上の見通しの立て方は NetSuite SFAで実現する販売予測 を参照してください。
画面⑤ 承認待ち|自分が止めている仕事
最後は、他の4つと性質が違います。
会社の数字ではなく、自分の状態を見る画面です。
置くもの
- 自分に回ってきている承認待ちの件数と、古い順の一覧
- 3日以上止まっている承認
- 自分以外のところで止まっている承認(あれば)
ここで下す判断
経営者の承認待ちは、そのまま現場の待ち時間です。
発注が止まれば入荷が遅れ、見積が止まれば商談が冷えます。
ここで見るのは2つです。
「いま処理すべきものがあるか」と、「そもそも自分が見なくていいものが混ざっていないか」。
毎日のように同じ種類の少額な申請が並んでいるなら、それは承認の設計を見直す合図です。
金額や種類で線を引いて、自分の手元に来ないようにする。これも経営判断のひとつです。
承認の仕組みそのものは NetSuiteの承認ワークフロー実装ガイド にまとめています。
📌 4つの画面で会社の状態を見て、5つ目で自分の状態を見る。
自分が詰まりの原因になっていないかを毎朝確かめられるのは、この画面だけです。
保存検索・レポート・ダッシュボードの使い分け
5つの画面を作るとき、NetSuiteの3つの道具を混同すると迷います。
役割はきれいに分かれています。
| 道具 | 何をするものか | 得意なこと | 毎朝の画面での役割 |
|---|---|---|---|
| 保存検索 | 条件でデータを絞り込み、抽出・加工して保存する | 「期日を過ぎた」「90日動いていない」といった端を取り出す | 画面に並べる中身を作る部品 |
| レポート | データを集計し、グラフや帳票の形にする | 期間比較、階層ごとの積み上げ | 月次の振り返りで使う。毎朝は使わない |
| ダッシュボード | 保存検索やグラフを画面に並べて表示する | 毎日開いて一覧する | 5つの画面そのもの |
覚え方はこうです。
保存検索は「絞る」。レポートは「集計する」。ダッシュボードは「並べて毎日見る」。
毎朝の画面に必要なのは、ほとんどが保存検索です。
「今日、手を打つべきものだけを絞って出す」のが保存検索の役割だからです。
保存検索とレポートの違いは NetSuite保存検索の作り方 で詳しく扱っています。
NetSuiteの外にBIツールを置く場合の選択肢は NetSuiteのBIツール選び をご覧ください。
ダッシュボードに何を並べられるか
ダッシュボードには、保存検索の結果をそのまま一覧として置けます。
それ以外にも、数値をメーターの形で見せる部品や、推移を折れ線で見せる部品があります。
毎朝の5つの画面で主役になるのは、一覧のほうです。
メーターや折れ線は「いまどのあたりか」を伝えますが、誰に連絡すればいいかまでは教えてくれないからです。
粗利と資金繰りだけは、一覧の横に推移の折れ線を1つ添えると読みやすくなります。
それ以外は、一覧だけで足ります。
📌 保存検索は、作れることより「あとから見て役に立つか」が難しい機能です。
この記事の5つの画面は、そのまま「何を判断したいか」の一覧になっています。
保存検索を作る前に、まずこの5つを自社の言葉に置き換えてください。
毎朝3分で見終わる並べ方
中身が決まったら、次は順番です。
続くかどうかは、並べ方でほぼ決まります。
上から順に「急ぐもの」を置く
おすすめの順番は次のとおりです。
- 承認待ち(自分が止めているもの。最初に片づく)
- 資金繰り(期日を過ぎた売掛金。その日に連絡する)
- 在庫(動いていない品目。発注の判断)
- 粗利(落ちた場所の確認)
- 受注残(先の見通し)
上の2つは「今日やること」、下の3つは「気づくこと」です。
この順にすると、上から見ていくだけで、その日の動きが決まります。
1画面あたりの行数は5行まで
どの画面も、並べるのは上位5件までにしてください。
全件を見る必要はありません。
金額の大きいもの、古いものから5件見れば、たいていの異常はそこに現れます。
「もっと見たい」と思ったときだけ、そこから詳細に入る。
最初から全部を出さないことが、3分で終わらせるコツです。
異常がなかった日は、3分で閉じていい
毎朝の画面は、何も起きていないことを確認するための道具でもあります。
5つとも問題がなければ、そのまま閉じて構いません。
「今日は見るものがなかった」という事実自体が、ひとつの情報です。
毎朝・週に一度・月に一度を分ける
5つの画面に入れられなかった数字は、捨てるわけではありません。
見る頻度を変えて、別の場所に置くだけです。
| 頻度 | 見るもの | 道具 |
|---|---|---|
| 毎朝(3分) | 今日手を打つもの。5つの画面の上位5件 | ダッシュボード(保存検索の一覧) |
| 週に一度 | 進み具合。受注の積み上がり、在庫の動き方 | ダッシュボードの推移グラフ、会議の資料 |
| 月に一度 | 全体の振り返り。前年比、部門別、予実 | レポート |
毎朝の画面に入らなかったから重要でない、ということではありません。
前年比も予実も経営には必要です。ただ、それは月に一度見れば足ります。
この分け方をしておくと、「あの数字も画面に入れたい」と言われたときに、
断るのではなく置き場所を提案できます。
数字を見る習慣が定着してきたら、経営会議での使い方も変わってきます。
その先の考え方は データドリブン経営とは にまとめています。
続かない3つの理由
毎朝の画面を作っても、1か月後には見なくなっている。よくあることです。
理由は、だいたい次の3つに集約されます。
理由① 画面を作った人と、見る人が違う
現象:情報システムの担当者や導入パートナーが画面を組み、経営者に「これを見てください」と渡した。
最初の数日は開くが、そのうち開かなくなる。
構造的な原因:何を判断したいかを決めたのが、見る人ではない。
作った人にとっては「経営者が喜びそうな指標」でも、見る人にとっては打ち手につながりません。
回避策:5つの画面は、経営者自身が中身を決める。
決めるのは指標名ではなく、「この画面を見たら、自分は何をするか」の一文です。
その一文さえ決まれば、保存検索を作るのは誰でも構いません。
理由② 全件を出してしまい、見るのに時間がかかる
現象:画面を開くと一覧が数十行並び、スクロールが必要になる。
毎朝それを見る気力が続かず、週に一度になり、やがて開かなくなる。
構造的な原因:「漏れがあってはいけない」という発想で作ると、全件を出す設計になる。
毎朝の画面は網羅のための道具ではないのに、報告資料と同じ考え方で作られています。
回避策:上位5件に絞る。漏れは、月次のレポートで拾えば十分です。
毎朝の画面と月次の資料は、役割が違うものとして分けてください。
理由③ 条件が古いまま使い続けている
現象:半年前に作った画面を、そのまま見ている。
組織変更や期の切り替えがあったのに条件が当時のままで、実態とずれた数字を見続けている。
構造的な原因:保存検索を「作って終わり」の道具として扱っている。
一度作れば動き続けるため、ずれていることに気づく機会がありません。
回避策:期初と組織変更のタイミングで、5つの画面の条件が今も正しいかを確認する。
見直すのは年に2回で十分です。予定として先に入れておくと、忘れません。
ベンチャーネットの対応
すでにNetSuiteをお使いの会社に対して、ベンチャーネットが関わるのは次の範囲です。
- 5つの画面を、自社の数字で埋める設計
「何を判断したいか」を経営者と一緒に言葉にして、そこから逆算して画面の中身を決めます。
業種によって5つの中身は変わります。自販機のような現場在庫がある事業と、受注生産の事業では、見るべき画面が違います。 - 保存検索の作り込み
「期日を過ぎた」「90日動いていない」といった条件は、作れること自体は難しくありません。
難しいのは、あとから見て役に立つ形に設計することです。ここを一緒に整理します。 - 既存の画面の見直し
すでに作った画面があるなら、まずそれを一緒に見ます。
足すのではなく、減らす提案をすることのほうが多い領域です。 - 年2回の条件の点検
期初と組織変更のタイミングで、条件が実態と合っているかを確認します。
ベンチャーネットは、NetSuite・Odoo・AIスクラッチ開発を扱い、SAPからのリプレイスにも対応しています。
特定の製品に誘導しない立場を取っています。
画面の相談は、作り込みではなく「何を見ないと決めるか」から始めます。
操作全般は NetSuiteマニュアル を、
KPIの決め方そのものは NetSuite×KPIマネジメント を参照してください。
今日できること
明日の朝、いつもの画面を開く前に、紙に5行書いてください。
① 粗利について、見たら自分が動く数字は( )
② 在庫について、見たら自分が動く数字は( )
③ 資金繰りについて、見たら自分が動く数字は( )
④ 受注残について、見たら自分が動く数字は( )
⑤ 承認待ちについて、見たら自分が動く数字は( )
書けない行があっても構いません。
書けなかった行が、いま自分の判断材料になっていない領域です。
書けた行から、保存検索を1つ作る。
5つ同時に始めようとせず、1つずつ増やすほうが続きます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 5つより多く見たい指標があります。増やしてはいけませんか。
A. 増やすこと自体は可能です。
ただし、増やすときは何かを外すようにしてください。
画面の数は、その人が毎朝見続けられる上限で決まります。6つ目を足すなら、いちばん動かなかった画面を外す。この入れ替えを続けるほうが、結果として良い画面になります。
Q2. 業種によって5つの中身は変わりますか。
A. 変わります。
在庫を持たないサービス業なら、②在庫の代わりに稼働率や仕掛の案件数が入ります。
受注生産なら④受注残の重みが増します。
変わらないのは「4つで会社の状態、1つで自分の状態を見る」という組み立てのほうです。
Q3. 経営者用と部門長用は、同じ画面でいいですか。
A. 分けてください。
経営者にとっては情報が多すぎ、部門長にとっては粗すぎる、というすれ違いが起きます。
ロールごとの設計の考え方は 経営ダッシュボードの作り方 で詳しく扱っています。
Q4. 保存検索を作るのに、開発は必要ですか。
A. 多くの場合は不要です。
「期日を過ぎた」「90日動いていない」といった条件は、標準の保存検索で表現できます。
標準で表現しきれない条件が出てきたときに、初めて開発の検討になります。最初から開発前提で考える必要はありません。
Q5. BIツールを別に入れたほうが、きれいな画面になりませんか。
A. 見た目は良くなります。
ただし毎朝の5つの画面は、基幹データと同じ場所にあることのほうが効きます。別の画面にログインし直す手間が、習慣が続かない理由になりがちだからです。
BIツールが効くのは、複数システムのデータを横断して分析する場面です。選択肢の整理は NetSuiteのBIツール選び をご覧ください。
Q6. 見る習慣が三日坊主になりそうです。
A. 異常がなければ3分で閉じていいと決めておいてください。
「毎朝しっかり分析する」と構えると続きません。見るのは上位5件だけ、問題がなければ閉じる。この軽さが、続くかどうかを分けます。
まとめ
- 経営者の画面は5つで足りる。それ以上あると毎日は見ない
- 置いていいのは、見たら手が動く数字だけ。見て終わる数字は画面の場所を奪っている
- 5つは粗利・在庫・資金繰り・受注残・承認待ち。4つで会社の状態を、1つで自分の状態を見る
- 道具の役割は明確。保存検索は「絞る」、レポートは「集計する」、ダッシュボードは「並べて毎日見る」
- 並べる順は急ぐものから。1画面あたり上位5件まで。異常がなければ3分で閉じていい
- 続かない理由は3つ。作った人と見る人が違う/全件を出している/条件が古いまま
承認待ちの画面だけは、会社ではなく自分を映します。
自分が詰まりの原因になっていないかを毎朝確かめられるのは、この画面だけです。
自社の5つをどう決めるか、いまの画面から何を外すか。
そこから一緒に整理します。
お問い合わせ または NetSuite導入支援サービス からご相談ください。
