2029年9月30日。
IBM i 7.4を、有償の延長サポートで使える最終日です。
数字だけ見れば、まだ3年あります。
ところが、同じ会社のサーバーがPower8なら、その保守は2024年に終わっています。
OSの期限より先に、足元のサーバーが期限を迎えているわけです。
AS400リプレイスとは、IBM i(旧AS/400)の上で動く基幹システムを、別のシステムに置き換えることです。
ただ、置き換えだけが答えではありません。
AS400の今後は、残す・延長する・替えるの3つから選べます。
選ぶ物差しは、期限・人・費用の3つです。
- 期限:使っているIBM iのバージョンとサーバーの保守が、いつまで続くか
- 人:プログラムの中身を分かる人が、社内か外部にいるか
- 費用:延長サポートの費用と、替える費用を、何年で比べるか
では、延長で買った時間は、何に使えば無駄にならないのか。
NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットは、替えないほうがよい場合も含めて、この問いに答えます。
この記事で分かること
- IBM i 7.3・7.4のサポート期限と、サーバーの世代の読み方
- 「残す・延長する・替える」を、期限・人・費用で選ぶ物差し
- 替える場合の段取り(棚卸し→データ移行→並行稼働)と、費用・期間を左右する4つの要因
- 移行先の候補ごとの「合う条件」と、起きやすい3つの失敗
AS/400とIBM iの関係や、機能の全体像から知りたい方は、先にAS/400(IBM i)とは?をご覧ください。
まず期限を正しく読む
「AS400がサポート終了」という言い方を、よく見かけます。
正確には、終わるのはプラットフォームではありません。
バージョンごとのサポートです。
AS400は、IBMが1988年に発表したオフィスコンピューターのブランド名です。
その後「iSeries」「System i」と名前が変わり、いまは「IBM i」として続いています。
IBMはIBM iの長期のロードマップを公開しています。
ベンチャーネットが確認した範囲では、プラットフォームを終える予定は示されていません。
バージョンごとのサポート期限
IBMのサポートには、2つの段階があります。
- 標準サポート:通常の保守契約の範囲で受けられるサポート
- 延長サポート(Service Extension):標準サポートが終わった後に、有償で受けるサポート
| バージョン | 標準サポート | 延長サポート(有償) |
|---|---|---|
| IBM i 7.3 | 2023年9月30日で終了 | 2023年10月1日〜2026年9月30日。その先の延長は2026年10月1日〜2028年9月30日 |
| IBM i 7.4 | 2026年9月30日まで | 2026年10月1日〜2029年9月30日 |
| IBM i 7.5 | 継続中(終了日は未定) | 未定 |
| IBM i 7.6 | 継続中(終了日は未定) | 未定 |
出典:IBM公式「Release life cycle」(2026年3月3日更新、2026年9月確認)
7.5と7.6の終了日は、少なくとも12か月前に告知されるとIBMは案内しています(出典:同上)。
表から読み取れるのは、次の3つです。
- 7.3は、すでに有償の延長サポートでしか支援を受けられない
- 7.4も、2026年10月1日からは延長サポートの期間に入る
- 標準サポートの範囲で使い続けるなら、7.5以降が対象
延長サポートで受けられる範囲と費用は、契約先に書面で出してもらってください。
サーバーの保守期限もあわせて見る
見落とされやすいのが、IBM iを動かすサーバー(Power Systems)の保守です。
OSのサポートが続いていても、サーバーの保守が先に切れることがあります。
| サーバーの世代 | 動かせるIBM iの目安 | 保守の状況 |
|---|---|---|
| Power8 | 7.5・7.6は動かない | IBMの保守は2024年3月〜10月に全モデル終了 |
| Power9 | 7.5まで(一部の機種)。7.6は動かない | 世代ごとにIBMで確認 |
| Power10 | 7.6も動く(ファームウェアの条件あり) | 世代ごとにIBMで確認 |
| Power11 | 7.5・7.6が動く | 世代ごとにIBMで確認 |
出典(いずれもIBM公式、2026年9月確認):
- Planning to upgrade to IBM i 7.5 (Hardware)
- Planning to upgrade to IBM i 7.6 (Hardware)
- IBM Power8 end of service
Power8で7.3を動かしているなら、OSを上げるにはサーバーの入れ替えも要ります。
冒頭の会社と同じく、OSより先にサーバーが期限を迎えている状態です。
保守切れ全般のリスクは、基幹システムの保守切れリスクとは?で扱っています。
残す・延長する・替える|3つの選択肢
| 選択肢 | 中身 | 期限 | 人と費用 |
|---|---|---|---|
| 残す | 7.5以降へ上げる。サーバーの入れ替えを伴うこともある | 標準サポートの範囲に戻れる | 中身を分かる人が今後も要る。バージョンアップとサーバーの費用 |
| 延長する | いまのバージョンのまま、延長サポートを契約する | 7.3は2028年9月30日、7.4は2029年9月30日まで | 当面はいまの体制で回る。延長の費用が毎年かかる |
| 替える | クラウドERPなど、別のシステムに移る | IBM iの期限から外れる | 移行の期間に、社内の担当と外部の支援が要る。移行の費用と新しい利用料 |
「延長する」は、答えではありません。
考える時間を買う手段です。
延長の期間を、残すか替えるかを決めて動く期間に使えるか。
冒頭の問いの答えは、ここにあります。
買った時間は、第5章の棚卸しと、第3章の比較に使うのが、いちばん無駄がありません。
判断の物差し|期限・人・費用で選ぶ
3つの問いで絞り込む
- 期限:使っているバージョンとサーバーの世代は何か。延長サポートは、いつまで使えるか
- 人:RPGやCOBOL(AS400で使われてきた開発言語)の中身を分かる人は、何年先まで確保できるか
- 費用:延長サポートを払い続ける総額と、替える費用を、同じ年数で比べたか
| 期限 | 人 | 費用の見通し | 合いやすい選択肢 |
|---|---|---|---|
| Power9以降で、7.5以降へ上げられる | 社内か外部に、今後も確保できる | バージョンアップの費用に納得できる | 残す |
| 7.3・7.4のまま、あと数年は動かしたい | 当面はいるが、先が見えない | 延長の費用を払いつつ、替える準備の費用も用意できる | 延長する(期間中に替える準備) |
| Power8以前、または7.3でサーバーも古い | 担当の退職が近い、外部の支援先も縮小 | 延長とサーバー更新を合わせると、替える費用に近づく | 替える |
状態から道を引くと、次のとおりです。
替える場合、移行先は何が合うか
移行先も1つではありません。
優劣ではなく、どんな会社に合うかで比べます。
| 移行先 | 合う会社の条件 | 合わない条件 | AIとの親和性 |
|---|---|---|---|
| NetSuite(クラウドERP) | 複数の拠点・会社・通貨を1つで見たい。サーバーを持ちたくない | 業界固有の業務が多く、標準の機能に寄せられない | 高。外部のAIとつなぐ公式の仕組みがある(第6章) |
| 国産ERPパッケージ | 国内中心で、日本の商習慣に合わせた機能を重く見る | 海外の拠点を同じ仕組みで見たい | 製品と提供の形で差が大きい |
| Odoo | 必要な業務から小さく始めたい。自社で手を入れたい | 拡張を支える体制を、社内にも外部にも持てない | 中〜高。作り方しだい |
| AIスクラッチ開発 | 独自の業務が競争力の源で、パッケージに寄せると強みが消える | 作った後の保守を、誰が担うか決まらない | 高くできるが、設計と保守しだい |
AIとの親和性は、基幹システムのデータを、AIに読ませて点検や分析に使いやすいかどうかです。
AS400の外へデータを出す作業そのものが、AIを使う準備にもなります。
OdooはOdooとは?、AIでの開発との比べ方はAIでスクラッチ開発とERP、どちらを選ぶべきかで扱っています。
パッケージとスクラッチ開発の違いも、目安として押さえておきます。
| 比べる点 | パッケージERP | スクラッチ開発 |
|---|---|---|
| 導入の期間 | 比較的短い(標準に合わせる範囲が広いほど短い) | 長くなりやすい(設計から作るため) |
| 初期費用 | 中 | 高 |
| 保守の体制 | 提供元が用意する | 自社で確保する |
| 機能の追加 | バージョンアップで続く | そのつど開発する |
ERP全体の比べ方は、ERP・クラウドERPを徹底比較をご覧ください。
替え先を選ぶ会社と、延長で使い続ける会社
これから替え先を選ぶ会社
最初にやるのは、製品選びではありません。
期限からの逆算です。
- 延長サポートの最終日(7.3なら2028年9月30日、7.4なら2029年9月30日)を置く
- そこから、並行稼働・データ移行・設計・棚卸しの期間を逆に積む
- 残りが足りなければ、範囲を絞るか、延長の期間を使う前提で組む
期間が足りない会社ほど、標準の機能に業務を寄せられる製品が合いやすくなります。
延長サポートで使い続けている会社
7.3で延長サポートを使っている会社や、7.4で延長に入る会社は、次の3点を押さえます。
- 延長の契約:受けられる範囲と、年ごとの費用が書面で出ているか
- 人の見通し:中身を分かる人が、延長の最終日まで確保できるか
- 残す場合の道:7.5以降へ上げるとき、サーバーの入れ替えが要るか
IBM iを7.6へ上げられるのは、7.4と7.5からです。
出典はIBM公式「Upgrade IBM i Operating System to 7.6」です(2026年9月確認)。
7.3から7.6へは、途中のバージョンを経る必要があります。
「更新か、乗り換えか」の考え方は、基幹システムは「更新」か「乗り換え」かでも扱っています。
替える場合の移行の段取り|棚卸し→データ→並行稼働
AS400からの移行では、とくに棚卸しに時間をかける価値があります。
棚卸し|何を移し、何をやめるか
長く動いてきたAS400には、「なぜそうなっているか」が分からない処理が積み重なっています。
まず、いま動いているものを一覧にします。
| 棚卸しの対象 | 書き出す項目 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 画面・プログラム | 名前、使っている部署、使う頻度 | 1年以上使われていないものはないか |
| 帳票 | 名前、受け取る人、使いみち | 同じ中身の帳票が複数ないか |
| 夜間の処理(バッチ) | 実行の時刻、つながる処理 | 止めると何が困るか |
| 外とのつながり | 取引先・銀行・他のシステムとの受け渡し | ファイルの形と受け渡しの頻度 |
| データ | ファイルの名前、件数、何年分あるか | 新しいシステムに何年分を移すか |
一覧の仕分け方は、第8章の2つの型で扱います。
データ移行|移す範囲を決めて、試しに移す
データ移行は、最後にまとめてやる作業ではありません。
棚卸しと同時に始めます。
- 移す範囲を決める:マスタ(取引先・品目など)、期首の残高、未決の取引、過去の履歴を分けて考える
- 履歴の扱いを決める:何年分を新しいシステムに移し、残りをどこで見られるようにするか
- データを整える:重複した取引先、使われていない品目、表記の揺れを直す
- 形を変える:コードの体系や、文字の扱い(外字など)を新しいシステムに合わせる
- 試しに移す:本番の前に移行のリハーサルを行い、件数と金額が合うかを見る
履歴を全部移そうとすると、期間も費用も膨らみます。
古い履歴は、参照用に別の場所で見られるようにする方法もあります。
進め方の詳細は、基幹システムのデータ移行ガイドをご覧ください。
並行稼働|新旧で同じ数字が出るか
並行稼働は、新しいシステムとAS400を一定期間同時に動かし、結果を比べることです。
- 少なくとも1回の月の締めを、両方で行う
- 売上・仕入・在庫・売掛金・買掛金の数字が合うかを比べる
- 合わない数字は、原因を「移行のミス」「設定のミス」「業務の変更によるもの」に分ける
並行稼働の間は、現場の入力が二重になります。
期間と、手伝う人の手当ては、計画の段階で決めます。
「どの数字が、どこまで合えば切り替えるか」も、経営と現場で先に合意しておくと迷いません。
期限から逆算した段取りと、費用・期間を左右するもの
| 段階 | やること | 決めておくこと |
|---|---|---|
| 1. 棚卸し | 画面・帳票・バッチ・データの一覧と仕分け | 移す範囲、やめる業務 |
| 2. 設計 | 新しいシステムでの業務の流れと設定 | 標準に寄せる範囲、作る範囲 |
| 3. データ移行 | 整える、形を変える、リハーサル | 移す履歴の年数、合わせる件数と金額 |
| 4. 並行稼働 | 新旧で同じ締めを行い、数字を比べる | 切り替えの判断基準 |
| 5. 定着 | 稼働後の問い合わせ対応、使い方の見直し | 定着を見る指標と期間 |
1〜4の期間を延長サポートの最終日から逆に積むと、次のとおりです。
費用と期間は、次の4つで大きく動きます。
ベンチャーネットが導入を支援してきた中で見えてきた要因です。
- 機能範囲:会計だけか、販売・在庫まで一度に入れるか
- 開発:とくに外部システムとの連携。AS400の「外とのつながり」の数がそのまま効く
- 社内の体制:情報システムの担当が少ないと、支援を厚くする分、期間も延びやすい
- ユーザー数:受入テストや教育の工数、社内の調整の時間
棚卸しで移す範囲を絞ることが、4つのうち前の2つを軽くします。
全体の流れは、基幹システムのリプレイスとは?でも解説しています。
NetSuiteへ替える場合に知っておくこと
合う条件は第3章のとおりで、すべての会社に合うわけではありません。
サーバーを持たないクラウドERP
NetSuiteは、最初からクラウドで作られたERPです。
自社でサーバーを持たないため、AS400で続けてきたサーバーの保守が要らなくなります。
アップデートは年2回、自動で提供されます。
世界220地域・44,000社以上で使われ(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月時点)、190通貨・27言語に対応しています。
AIとつなぐ公式の仕組み
Oracleは、NetSuiteを「#1 AI Cloud ERP」と位置づけています(出典:Oracle NetSuite公式サイト)。
NetSuiteの中にも、AIを使った機能が組み込まれています。
外部のAIとは、AI Connector Serviceでつなげます。
MCP(Model Context Protocol。AIと外部のシステムをつなぐ共通の決まり)に対応しています。
ClaudeやChatGPTなどのAIから、NetSuiteのデータを安全に扱えると案内されています。
出典はOracle NetSuite公式「AI Connector Service」です(2026年9月確認)。
仕組みの詳細は、NetSuite AI Connector Service(MCP)とはで扱っています。
AS400からの移行の事例
AS/400ベースの販売管理システムを使っていた株式会社志成販売は、NetSuite ERPへ移行しました。
月に約1,000件の注文の処理を、手作業からワークフローに切り替えています。
その結果、作業の工数は年間約800時間減ったと紹介されています。
経営の状況は、ダッシュボードで見えるようになりました。
(出典:Oracle NetSuite公式 導入事例「株式会社志成販売」、2026年9月25日確認)
費用と補助金
NetSuiteのライセンスは、ミニマム構成で月額20万円〜が出発点です。
使うモジュール・ユーザー数・オプションで変わり、数百万円規模になることもあります。
これに加えて、導入を支援するパートナーへの費用がかかります。
中小企業のクラウドERPの導入は、デジタル化・AI導入補助金(旧 IT導入補助金)の対象に含まれます。
2026年度から名称が変わりました(中小企業庁、2026年3月10日発表)。
採択は、要件・予算・申請の時期で変わります。
詳しくはデジタル化・AI導入補助金でNetSuiteを導入する方法をご覧ください。
全体像は、NetSuiteとは?で解説しています。
移行で起きやすい3つの失敗
失敗1:AS400の業務を、そのまま移そうとする
起きること:「いまと同じ動きを再現してほしい」という要件が並ぶ。誰も説明できない機能まで「とりあえず必要」とされ、作り込みが膨らむ。
原因:棚卸しをせずに、いまの画面と帳票を要件の一覧にしてしまった。
避け方:第8章の型で、見える化と整理整頓を済ませてから要件を決めます。
「なぜその処理があるのか」を説明できないものは、まず「やめる」候補に置きます。
失敗2:範囲を一度に広げ、データ移行と並行稼働の時間が足りなくなる
起きること:会計だけの予定が、販売・在庫・人事まで広がる。設計に時間を取られ、リハーサルと並行稼働が削られ、稼働後に締めが遅れる。
原因:「どうせやるなら全部」と範囲を決め、期限からの逆算をしていなかった。
避け方:期限から逆算して並行稼働の期間を先に確保します。
入りきらない範囲は、会計か販売管理から始めて、段階的に広げます。
AS400の業務は長年の運用で絡み合っており、一度に全部を替えるほど危うくなります。
失敗3:本番稼働の日をゴールにしてしまう
起きること:稼働の直後から「使いにくい」という声が上がり、表計算との併用が始まる。半年後に「前のAS400のほうがよかった」という話になる。
原因:教育・手順書・定着の見守りに、予算と人を割かなかった。
避け方:稼働後の定着の期間を、最初から計画と予算に入れます。
入力の遅れや、表計算での作業の残り具合など、定着を見る指標も決めておきます。
ほかの失敗の例は、NetSuiteへのリプレイスを成功させる実践ポイントでも扱っています。
ベンチャーネットならこう見る|説明できない処理ほど、先に見える化
AS400の相談を受けたとき、ベンチャーネットは製品の話から始めません。
ベンチャーネットの仕事は、ゼロからの導入より、他社のあとの引き継ぎや、既存のシステムとの連携が多くを占めます。
そこで学んだのは、「いまと同じ動き」を要件にすると、誰も説明できない処理まで新しいシステムに運ばれることです。
だから、移る先が決まっていても、業務の見える化からやり直します。
型1:見える化→整理整頓→Fit&Gap
- 業務の見える化:第5章の一覧を、「どの業務の、誰のための処理か」まで現場に聞いて描く
- 整理整頓:1年以上使われていない画面、中身の重なる帳票を、やめる・まとめる
- Fit&Gap:残った業務を、移る先の標準機能と照らし合わせる
Fit&Gapは、業務と機能の合う・合わないを1つずつ見る作業です。
型2:標準に合わせる/開発する/残す
照らし合わせて合わなかった業務は、3つのどれかに決めます。
- 標準に合わせる:業務のほうを、新しいシステムの標準の機能に寄せる
- 開発する:競争力に関わる処理は、追加の開発や外部との連携で補う
- 残す:新しいシステムには載せず、別の仕組みや運用で続ける
AS400の「外とのつながり」は、2つ目の「開発する」に入りやすい部分です。
取引先・銀行・他のシステムとの受け渡しをつなぎ直す作業も、ベンチャーネットが担います。
仕分けの詳細は、NetSuite導入のFit&Gap分析で扱っています。
最初の打ち合わせで伺うのは、次の3つです。
- IBM iのバージョン、サーバーの世代、延長サポートの契約の中身
- プログラムの中身を説明できる人と、その人がいつまでいるか
- 延長を続ける総額と、替える総額を、何年で並べるか
この答えから、NetSuite・Odoo・国産ERP・AIスクラッチ開発・「いまは替えない」を比べます。
「替えないほうがよい」となることもあります。
その場合は、そのままお伝えします。
パートナーの選び方は、NetSuiteパートナーの選び方をご覧ください。
今日できること|1時間でつくる「期限・人・費用」の一枚
| 項目 | 自社の状況 | 確かめる先 |
|---|---|---|
| IBM iのバージョン | (例)7.3 | 情報システムの担当、保守の委託先 |
| サーバーの世代 | (例)Power8 | 保守の委託先 |
| 延長サポートの契約 | 有無、期限、年の費用 | 契約書、請求書 |
| 中身を分かる人 | 名前、年齢、退職の予定 | 人事、保守の委託先 |
| 毎年かかる費用 | 保守・延長・サーバー | 経理 |
埋まらない欄が、いちばん先に手を付ける場所です。
とくに「中身を分かる人」が埋まらない会社は、期限より人の問題が先に来ます。
よくある質問
Q1. AS400は2026年でサポート終了するのですか
プラットフォームは続きます。期限があるのは、バージョンごとのサポートです。
IBM i 7.3の標準サポートは2023年9月30日に終わり、延長サポートは2028年9月30日までです。
IBM i 7.4の標準サポートは2026年9月30日まで、延長サポートは2029年9月30日までです(第1章)。
Q2. 延長サポートを使えば、急いで替えなくてもよいですか
当面は動かせますが考える時間を買う手段です。延長で問題が解けるわけではありません。
延長サポートには毎年の費用がかかり、7.3は2028年9月30日が最終日です。
その期間に、棚卸しと候補の比較を進められるかが分かれ目です(第2章)。
Q3. 替えるなら、NetSuite以外の候補はありますか
国産ERP・Odoo・AIスクラッチ開発も候補です。
国内中心なら国産ERP、小さく始めたいならOdoo、独自の業務が強みならスクラッチ開発が合うことがあります。
優劣ではなく、合う条件で比べてください(第3章3-2)。
Q4. 移行の期間と費用の目安は
機能範囲・開発・社内の体制・ユーザー数の4つで大きく変わります。
とくにAS400では、外部とのつながりの数が開発の量に効きます(第5章5-4)。
NetSuiteの業種別の導入パッケージ(SuiteSuccess)は、決められた時間と予算での稼働を目指す方法です。
(出典:Oracle NetSuite公式 SuiteSuccess、2026年9月確認)
ライセンスはミニマム構成で月額20万円〜が出発点で、構成により数百万円規模になることもあります。
具体的な期間と費用は、移す範囲を決めたうえでパートナーの見積もりで確かめてください。
Q5. データはどこまで移すべきですか
マスタ・期首の残高・未決の取引は移します。履歴は、移す年数を決めます。
履歴を全部移すと、期間と費用が膨らみます。
古い履歴は参照用に別の場所で見られるようにする方法もあります(第5章5-2)。
Q6. 並行稼働は必要ですか
少なくとも1回の月の締めを新旧の両方で行うことをおすすめします。
売上・在庫・残高の数字が合うかを比べ、切り替えの判断に使います。
入力が二重になるため、期間と手伝う人を先に決めておきます(第5章5-3)。
Q7. 使える補助金はありますか
デジタル化・AI導入補助金(旧 IT導入補助金)が候補です。
中小企業のクラウドERPの導入も対象に含まれます。
採択は要件・予算・申請の時期で変わるため、最新の公募の内容を確かめてください。
まとめ
- AS400の今後は、残す・延長する・替えるの3択。物差しは期限・人・費用
- IBM i 7.4の標準サポートは2026年9月30日まで。延長サポートの最終日は7.3が2028年9月30日、7.4が2029年9月30日
- サーバーの世代も見る。Power8では7.5・7.6は動かない
- 替えるなら、棚卸し→データ移行→並行稼働の順に、期限から逆算して組む
- 棚卸しは「見える化→整理整頓→Fit&Gap」、合わない業務は「標準に合わせる/開発する/残す」
延長で買えるのは、答えではなく時間です。
その時間の最初の1時間で、第9章の表を埋めてください。
もう少し詳しく知りたい方へ
「うちは残すべきか、替えるべきか」の段階からご相談をお受けしています。
替えないほうがよいと判断した場合も、その理由をお伝えします。
- NetSuite 基幹システムリプレイスサービス:棚卸し・移行の設計・稼働後の定着まで
- NetSuite 無料デモ:実際の画面で、自社の業務に合うかを確かめる
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