バーチャル経営で高付加価値経営へ~Netsuiteと管理会計

Netsuiteは「稼ぐ力」を計測する指標を素早く効率的に監視できるツールです。この機能を活かし、企業内部の資金管理にもリアルタイム性を持たせることができます。つまり、管理会計の強化です。財務会計を「対外的な財務状況の証明」とするならば、管理会計は「内部に向けた資金管理の証明」と言えるでしょう。管理会計は企業によって指標がバラバラですが、自社の稼ぐ力を裏付けするものとして、ぜひ取り入れておくべきです。

目次

管理会計とはなにか?財務会計との違い

管理会計は、企業内の資金をマネジメントするための会計です。経営者が経営を管理するにあたり、必要な情報を得るために使用します。では経営管理に必要な資金面の情報にはどのようなものがあるのでしょうか。一般的には、下記のような項目が管理会計で用いられるようです。

  • 予算
  • 原価
  • 変動費、固定費
  • 売上や利益率など収益に関する数値

管理会計に使われる項目には決まりがありません。どのような項目を使用しようが、経営者の自由なのです。この点が、法令などの縛りを受ける財務会計との大きな違いと言えるでしょう。財務会計は社外のステークホルダーに向けた情報であり、一定の基準があります。財務会計を適切に行うことは、企業の信用力を高めることに他なりません。一方、管理会計は対外的な情報として公開するものではなく、あくまでも導入は任意です。したがって、財務会計に比べると軽視されがちです。しかし、管理会計は「自社の現在と未来」を資金面から占うことができるため、経営者ならば必ず注視すべきだと考えています。

バーチャル経営が推奨する管理会計の指標

これまで、バーチャル経営では会計上の数値を意識すべきだと述べてきました。実はこれまで紹介した数値は、管理会計上の項目として役立つものが多いのです。例えば、以下のような数値が該当します。

収益性分析に関するもの(ROA、売上高経常利益率)

収益性分析とは、「いかに効率よく儲けているか」を分析することです。収益性分析に使われる指標としては「ROA」「売上高経常利益率」などが挙げられます。

ROAは以前も紹介したように「投下した資本をどれだけ効率よく「稼ぎ」につなげられているか(貢献しているか)を知るための指標」です。細かな計算式は割愛しますが、中小企業の平均的なROAは3.5~4%付近だと言われており、5%以上で優良企業に該当するようです。

また、売上高経常利益率は、売上高に対してどれだけの経費と利益が発生しているかを、割合で表した数値です。会社の総合的な稼ぐ力を表すと言われています。

限界利益率の算出に関するもの(変動費、固定費)

限界利益率は、売上高に対する限界利益の割合です。さらに限界利益とは、売上高から変動費を差し引いた数値です。限界利益率は、「売り上げの増減で利益がどれだけ増減するか」を表しており、高ければ高いほど「稼ぐ力がある」と言えます。限界利益率の算出には、売上高のほかに、「変動費」「固定費」を把握しておく必要があるため、こうした数値も管理すべきでしょう。

損益分岐点の算出に関するもの(F/M比率)

損益分岐点とは「売上=費用」となる売上高のことを指します。簡単に言えば「モトをとれる地点」ですね。この損益分岐点を比率化し、スコアリングに役立てるための数値がF/M比率です。F/M比率は「Fixed Cost(固定費)のF」と「Margin(限界利益)のM」の割合を示したもので、以下の式によって算出されます。

F/M比率=固定費÷粗利益×100

F/M比率を常に算出しておくと、企業の安定性や稼ぎやすさが視覚化されます。FM比率に関する詳しい解説は、こちらの記事も参考にしてみてください。

管理会計を自動化するNetsuite

このように管理会計では「収益力」「稼ぐ力」を常にチェックする方法がおすすめです。しかし、たった数個の項目でも、常に変化する数値を追い続けるため、実はそれなりに労力が必要な作業です。そこでCRM/ERPが持つ管理会計機能を活用していきましょう。CRM/ERPパッケージの中には、財務会計・管理会計に使用される数値を標準で収集・可視化する機能が備わっています。バーチャル経営で紹介している「Netsuite」もそのひとつです。Netsuiteの場合、次のような機能が管理会計に役立つでしょう。

予算管理機能

Netsuiteでは、計画に対する予算の実行具合を監視する機能が搭載されています。レポーティングをはじめとした可視化の機能や、財務会計モジュールとの連動によって、管理会計・財務会計双方に力を発揮します。

利益管理機能

利益管理機能は、おもに損益分岐点の算出・可視化に用いられます。一般的な勘定科目とは別に、固定費と変動費の2つを独自に集計することができるため、F/M比率の算出が容易になるでしょう。特に変動費は、何が原因で増えているのか把握しづらいことがあります。小まめに変動費を追いかけることで限界利益率やF/M比率が改善されるため、ぜひとも利用したい機能です。

収益性分析機能

Netsuiteには、ROAや売上高総利益率を簡単に確認できる機能があります。企業経営に関する重要な数値なため、特定の権限をもつ者のみに表示するよう、カスタマイズも可能です。以下の例では、期間ごとのROAを確認しています。

指標の可視化機能

管理会計に必要な複数の数値を、シグナルとして一覧化し、色によって状況を把握できる機能です。前回の記事でも紹介したように、重要指標をステータスと色で可視化し、どの指標が増減しているかをすぐに把握できるようになります。各指標さえセットしておけば、管理会計はこの一覧で事足りるかもしれませんね。

管理会計+Netsuiteの運用を外部化

このようにNetsuiteをはじめとしたERP/CRMパッケージは、強力な管理会計機能を持っています。ただし、ERP/CRMパッケージは一朝一夕に扱える製品ではないのが難点です。以前に比べるとだいぶ使いやすくなりましたが、それでもパッケージ自体の知識がなければ、運用は難しいでしょう。ただでさえ煩雑な管理会計に加え、ツールの運用負荷もかかるとなれば、なかなか手を出しにくいもの。そこで、運用は外部に任せてしまうという方法もおすすめです。

ベンチャーネットは、Netsuiteの販売元であるOralce社のアライアンスパートナーです。これまでNetsuiteの導入・運用にかかわるノウハウを積み上げてきました。弊社の強みは、「自社運用ノウハウがあること」「運用ノウハウを持った専任のメンバーでチームを組成できること」です。

一般的にERP/CRMは、ビッグバン的な導入が必要だと考えられがちですが、近年はクラウド化が進んだことでスモールスタートが可能になりました。また、グローバルな経営のベストプラクティスを集めた「SuiteSuccess」を併せて運用することにより、初期構築の労力を大きく削減することができます。

今後、社内の会計機能を強化したいと考えているならば、ぜひ統合型クラウドERPであるNetsuiteで、小さく確実に始めてみてはいかがでしょうか。

まとめ

この記事では、管理会計の重要性とバーチャル経営で推奨する項目、Netsuiteが持つ管理会計機能について解説しました。管理会計は「やったほうが良い」ものではなく、「必ずやるべきこと」だと考えています。なぜならば、資本力の乏しい中小企業は、大企業以上にシビアな「稼ぐ力」のコントロールが必要だからです。次回は、アメーバ経営とバーチャル経営について解説します。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

株式会社ベンチャーネット 代表取締役
2005年に株式会社ベンチャーネットを設立後、SEOをはじめとするデジタルマーケティング領域のコンサルティングサービスを展開
広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で支援を行っています
著書に『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業 「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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