コーポレートトランスフォーメーション(CX)とは?DXで終わらない根本からの企業変革

こんにちは、株式会社ベンチャーネットの持田です。
2020年、多くの企業が新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による影響を受けました。私たちベンチャーネットも例外ではありません。
もともとリモートワークを活用はしていましたが、それまでオフィスで仕事をすることが比較的多かったメンバーも特に緊急事態宣言中は完全在宅勤務に移行したり、お客様とのミーティングもほぼオンラインに切り替わりました。緊急事態宣言解除後も、引き続き在宅勤務中心の勤務体制を続けています。

事業面では、デジタル領域のサービスを提供している会社であることもあり、ほかの業界に比べてダメージは大きくないと思います。しかし我々は小さな会社ですから、今後の経済情勢がどうなっていくのか、先が読めない状況の中で正直に言って不安もあります。

そんな2020年、私が注目したキーワードがあります。それが、「コーポレートトランスフォーメーション(CX)」です。
コーポレートトランスフォーメーション(CX)とは、企業の根幹からの変革です。経営共創基盤(IGPI)代表取締役CEOの冨山和彦氏が2020年6月『コーポレート・トランスフォーメーション 日本の会社をつくり変える』(2020.6、文藝春秋)を出版し、広く知られるキーワードとなりました。

冨山氏は上述の書籍の第3章冒頭に、「CXは革命である―――国で言えば憲法大改正のような改革のマグニチュード」という見出しを付けたうえで、次のように説明しています。

破壊的イノベーションの世界が、多くの産業領域で、これまで以上にすぐ目の前にまでやって来ている今、やらなければいけないのは、大きな痛みを伴う本質的な構造的改革の先延ばしや小手先のDXごっこなどではなく、不連続かつ、かなりドラスティックな環境変化に対応できるような会社の形、アーキテクチャにリ・デザインすることなのだ。

『コーポレート・トランスフォーメーション 日本の会社をつくり変える』166ページ

これまでも企業は時代の流れにあわせた変革を常に求められてきたわけですが、いま企業経営者が直面しているのは、これまでとはレベルの違う根本的な変革だということです。

私も一企業経営者として、これを深く実感しています。ですから2021年は、私たち自身も、そして私たちのお客様にも、「コーポレートトランスフォーメーション」の年としていきたいと考えています。

目次

ベンチャーネットが考えるコーポレートトランスフォーメーション

革命とまでいうべき根本的な変革を起こすために、具体的にどのようなアクションが必要なのでしょうか。
ベンチャーネットでは、コーポレートトランスフォーメーションを「2つの柱」で成り立つ改革だと考えています。この2つの柱とは「デジタルトランスフォーメーション(DX)」「バーチャルトランスフォーメーション(VX)」です。

デジタルトランスフォーメーション(DX)

ここ数年デジタルトランスフォーメーション(DX)、すなわちデジタル技術を活用した業務改革が一種のバズワードとなっています。
私たち自身もさまざまなデジタルツールを活用していますし、またお客様のデジタルツールの導入・運用を支援を行ってきました。
生産性向上のために、DXは非常に重要な要素です。さらに2020年には新型コロナウイルス感染拡大の影響でオフラインの活動が制限される状況に直面し、もはやすべての企業にとってDXは避けられない道となりました。

SEO、MA、SFA/CRMを用いたセールスプロセスのDX

DXの中でも特に私たちがご支援しているのは、マーケティングおよび営業部門、すなわちセールスプロセスのデジタル化です。特にBtoBの領域では、まだまだデジタルマーケティングは手探りであったり、手付かずという企業様も多くいらっしゃいます。
また、営業部門はもしかしたら企業の中で最もデジタル化が遅れている部門のひとつかもしれません。いわゆる「足で稼ぐ」スタイルの営業手法は非常に根強く、ノウハウや顧客情報が共有されにくいなど属人化しやすいこともデジタル化との相性が悪い一因かもしれません。

私たちベンチャーネットは、このセールスプロセスのDXがコーポレートトランスフォーメーションの第一歩だと考えています。
具体的には、「SEO」「MA」「SFA/CRM」の3つのテクノロジーでセールスプロセスのDXを実現していきます。

SEOでまだ見ぬ顧客と出会う

新規顧客と出会うために、アナログの場合の主な手法といえば、電話営業や飛び込み営業、あるいは紙のダイレクトメールです。
これらの手法の欠点は、相手が自社の製品・サービスを必要としているのかまったく当てもなく行うしかない点です。例えば、弊社では新卒の採用は基本的に行っていませんが、ときおり新卒採用関連のサービスについて営業電話がかかってきます。
だいたい最初に「新卒採用を行っていますか?」と尋ねられ、「行っていません」と答え、「では次年度以降のご予定は……」と続くわけですが、お互いにあまり気持ちのいい時間とは言えません。(最近ではfondeskという電話代行サービスを利用しているのでこんなやりとりもなくなってしまいましたが……)

セールスプロセスの効率化を考えるならば、自社の製品・サービスを必要としている相手にアプローチをするのがやはり一番です。そして、何らかの困りごとを抱えていて、それを解決できる製品・サービスを探している人の多くは、まずインターネットで検索を行うでしょう。
ですから、「SEO(検索エンジン最適化)」が重要なのです。

かつては、さまざまなテクニックを駆使して検索順位を上げることができましたが、Googleの検索アルゴリズムが進化した今、小手先のテクニックはほとんど通用しなくなってきました。
もちろん、技術的に基本の部分をしっかり押さえることは重要ですし、これは検索エンジン対策だけでなく、ユーザーにとっても利便性につながることが多いです。そしてまだこの技術的な基本の部分ができていないウェブサイトが多いのも事実ですから、弊社では技術面でのご支援も行います。しかし、いまのSEOの根幹となるのは「自社の製品・サービスを探している人にとって、必要な情報を適切に公開する」というマーケティングの基本の部分です。
インターネット上への情報公開は、「ただ情報を設置する」だけでは、その真価を発揮できません。技術的な観点とマーケティング的な観点、この両輪でもって適切な施策を施すことで、新たな顧客との出会いに繋がると考えています。

MAおよびSFA/CRMで属人性を排除したセールスプロセスを作る

先に少しお話したように、セールスプロセスがデジタル化されにくい理由のひとつに、属人性の問題があります。ベテランの営業マンの勘と経験というのは非常に心強い一方で、そのベテランの営業マンがいなくなってしまったら会社としては一大事です。
これを解決し、セールスプロセスのデジタル化を実現できるのがMA(マーケティングオートメーション)とSFA/CRMだと考えています。

SEOなどで獲得した見込み顧客に対して、MAで効率的かつ一人一人に合わせたアプローチを行い、見込み度が高くなったらSFA/CRMと連動させて営業部門にパスをします。
営業担当者はアプローチした結果や状況をSFA/CRMで共有し、さらにMAに自動で蓄積されるデータと合わせれば、一連のセールスプロセスを数値化・可視化することにもつながって、属人性を排除することができます。

RPAでラストワンマイルの効率化

RPAは、パソコン上で人が行っている様々な作業を自動化できるツールです。業種や職種にかかわらず活用できるツールですが、主にバックオフィス業務で使用されることが多くなっています。
私はこのRPAは、それぞれの業務領域に特化した専用ツールでは自動化できない「ラストワンマイル」の自動化・効率化にぜひ活用してほしいと考えています。

例えば経理部門であれば、専用の会計ソフトを使用していることがほとんどだと思います。最近の会計ソフトは、繰り返し行う処理は自動化できたり、過去の仕訳から自動で仕訳を推測してくれたり、自動化の面でも機能が充実したものが多いでしょう。
しかし、紙で届いた請求書を会計ソフトに手入力したり、営業管理ツールとのデータの連携を手動でCSVをアップロードしていたり、といった手作業は残っている企業様はまだまだ多いと思います。

こうした「ラストワンマイル」を自動化できるのがRPAです。ここまで徹底的に自動化・効率化を進めることが、コーポレートトランスフォーメーションにおいては求められていると考えています。

バーチャルトランスフォーメーション(VX)

DXの重要性の一方で、冒頭でご紹介した冨山氏の書籍からの引用にもあるように、これまで「小手先のDXごっこ」で終わってしまっている企業も少なからず存在するでしょう。
私たちも実際にそうした場面に遭遇することがしばしばあり、DXはデジタルツールを導入すれば実現できるという単純なものではないということを、この数年で実感しました。
ですから、コーポレートトランスフォーメーション(CX)には、もうひとつの柱であるバーチャルトランスフォーメーション(VX)が必要だと考えているのです。

バーチャル=本質を重視した組織改革

2020年3月、私は『レバレッジ起業 「バーチャル社員」があなたを救う』(2020.3、KADOKAWA)という書籍を出版しました。
本書の中では、タイトルにもある「バーチャル社員」の力を借りてベンチャーネットがこれまでどのように事業を行ってきたかをお話しています。

書籍の中でもご紹介していますが、「バーチャル」、英語で「virtual」という言葉は、一般的に「仮想的」という訳を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、辞書を引いてみると、「仮想的」という訳の前に、「実質上の。事実上の」すなわち「本質」という訳語が記載されています。

ですから、「バーチャル社員」とは、「仮想の社員」というわけではなく、「本質的な社員」なのです。雇用形態であるとか、勤務時間・勤務地であったりという形式に捉われず、「会社のビジネスを一緒に進めて、貢献してくれる」人のことを、私は「バーチャル社員」と呼んでいます。

バーチャル社員の活用は、あくまでバーチャルトランスフォーメーションの一例です。バーチャルトランスフォーメーションとは、つまり「本質」を重視した組織改革のことです。

DXが「ごっこ」に終わってしまう企業の共通点は、ただデジタルツールを導入しただけで、組織が変わらないままであることだと私は考えています。
DXを実現するためには、組織から変わることが必要であり、そのときに重視すべきなのがバーチャル、本質です。

人事組織構造、事業戦略、財務戦略など、企業の根本からバーチャルトランスフォーメーションを行うことで、DXの実現にもつながり、そしてコーポレートトランスフォーメーションに至ることができると考えています。
私たちベンチャーネットはこうした分野についても専門家と連携して、デジタルの力を100パーセント活用できるようにご支援していきます。

コーポレートトランスフォーメーションの実現に向けて

コーポレートトランスフォーメーションの真のゴールは、単なる改革ではなく「変革し続ける力を身に着けること」です。私たち自身もこれに取り組みながら、また、同じように取り組んでいこうとされるお客様の伴走者としてもぜひお役に立ちたいと考えています。
ぜひ私たちと一緒にコーポレートトランスフォーメーションの第一歩を踏み出しましょう。

各技術分野について、それぞれ専門のコンサルタントが下記のサイトで日々情報発信も行っています。ぜひご覧いただけると嬉しいです。
SEOの教科書
MAの教科書
SFA/CRMの教科書
RPAの教科書

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

株式会社ベンチャーネット 代表取締役
2005年に株式会社ベンチャーネットを設立後、SEOをはじめとするデジタルマーケティング領域のコンサルティングサービスを展開
広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で支援を行っています
著書に『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業 「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

目次