OdooのVoIP連携|電話の内容を顧客の記録に残す仕組みと、日本で使う前の確認

取引先から「その件は、前回お電話でお伝えしたはずですが」と言われる。

担当が代わったばかりの営業が、前任者の電話の中身を知らなかった。経営者なら、一度は聞いたことのある場面ではないでしょうか。

メールやフォームは記録に残るのに、電話の中身は担当者のメモ帳か記憶にしか残りません。

この抜けは、Odoo(オドゥー)のVoIP連携で埋められます。顧客の記録から電話をかけ、通話の履歴とメモを顧客や商談の記録に残せる機能です。VoIP(ブイオーアイピー)とは、インターネット回線を使って通話する仕組みのことです。Odoo 19.0以降、この機能は「Phone(電話)」アプリという名前です(出典:Odoo公式ドキュメント「Phone」、2026年10月確認)。

通話のあとに残すのは、長い議事録ではありません。相手が何を求め、何と答え、次に何が起きるか。この3行で足ります(通話後に残す3行)。

VoIP連携を入れると、たとえば次のことが変わります。

  • 着信時に、登録済みの番号から相手が誰かを画面に出せる
  • 通話から、折り返しや訪問の予定をその場で作れる
  • 担当が代わっても、前回の電話で何を約束したかを記録で追える
  • 顧客ごとの電話の回数が見え、改善すべき点に気づける

ただし、日本で使えるかどうかは、製品の資料だけでは決まりません。電話が1日に数件の会社なら、入れる必要もありません。

では、入れる前に何を見ておけばよいのか。答えは日本で使う前に実機で検証する5項目にあります。

このアプリはEnterprise版限定です
OdooのVoIP機能は、有償のEnterprise版が対象と案内されています。無料のCommunity版では利用できません。

目次

電話だけが、記録から外れています

メールも、フォームも、チャットも記録に残ります。電話だけが例外です。

電話だけが記録から外れる状態と、通話も記録になる状態 上は、メール・問い合わせフォーム・チャットは顧客の記録に残るが、電話だけは担当者のメモに留まり、別の担当者が経緯を知らない状態。下は、電話も通話の記録として残り、顧客の記録にすべてそろい、誰が対応しても経緯が分かる状態。 電話だけが記録から外れる 電話だけが抜けている メール 問い合わせフォーム チャット 電話 記録に残らない 顧客の記録 担当者のメモ 別の担当者は経緯を知らない 「前回お伝えしたはずですが」 通話も記録になる メール 問い合わせフォーム チャット 電話 通話の記録が残る 顧客の記録(すべてそろう) 誰が対応しても経緯が分かる 担当交代でも食い違いが起きにくい
電話だけが記録から外れる状態と、そろう状態

担当者の意識が低いからではありません。通話を記録に残す手段が、用意されていないだけです。

通話が担当者のメモに留まると、別の担当者は経緯を知りません。通話も記録になれば、誰が対応しても経緯が分かり、担当が代わっても食い違いが起きにくくなります。

OdooのVoIP連携(Phoneアプリ)でできること

OdooのVoIP機能は、おおむね次のような構成です(出典:Odoo公式ドキュメント「Phone」、2026年10月確認)。

発信と着信

  • 顧客の記録から、画面上の操作で発信できる
  • 着信時に、相手が誰かを画面に表示する
  • かける予定の相手を、一覧として持てる

通話の記録

  • 通話の履歴が、記録として残る
  • 通話中または通話後に、その記録へメモを残せる
  • 記録は、顧客や商談の記録に紐づく

Odoo公式のリリースノートには、通話の内容を記録欄に残せるという趣旨の改善が挙げられています。

業務との接続

  • 通話から、次の予定(訪問、折り返し)を作れる
  • 問い合わせの対応として記録できる

設定できる項目や画面の構成は、バージョンによって変わります。検討時には、対象バージョンの公式資料で確認してください。

OdooのVoIP連携のメリットとデメリット

電話を記録に残す側から見ると、良い点と注意点は次のとおりです。VoIP機能はEnterprise版が対象で、Community版では利用できないと案内されています。

メリット

  • 顧客の記録から電話をかけられる:画面上の操作で発信でき、かける予定の相手を一覧で持てる(Enterprise版)
  • 着信時に相手が分かる:登録されている電話番号と一致すれば、相手が誰かを画面に表示する(Enterprise版)
  • 通話が顧客や商談の記録に残る:通話の履歴とメモが紐づき、担当が代わっても経緯を追える。手動でメモを残す運用だけなら、Community版でもできる
  • 通話から次の仕事に移れる:折り返しや訪問の予定、見積を、同じ画面で作れる
  • 電話の回数が見える:顧客ごとの電話の回数が、改善すべき点を示す信号になる

デメリット・注意点

  • Community版では使えない:システムからの発信や着信時の表示は、有償のEnterprise版が対象
  • 日本での接続は実機検証が要る:電話事業者との接続、いまの番号、音質、緊急通報の扱いは、製品の資料だけでは決まらない
  • 通話料はなくならない:電話事業者との契約が別に必要で、通話料もそちらで発生する
  • 専用製品ほどの作り込みはない:会話のAI解析や電話機との接続は、PBX・CTIの側にある機能。着信の振り分けは、電話事業者の管理画面で設定する形

両方を並べると、次の図のとおりです。

OdooのVoIP連携のメリットとデメリット 良い点は、顧客の記録から電話をかけられる(E版)、着信時に登録済みの番号から相手が分かる(E版)、通話が顧客や商談の記録に残る(手動のメモだけならC版でも可)、通話から次の予定や見積を作れる、電話の回数が見えること。注意点は、C版では使えない、日本での接続は実機検証が要る、通話料はなくならない、会話のAI解析や電話機との接続など専用製品ほどの作り込みはないこと。 OdooのVoIP連携のメリットとデメリット 良い点 顧客の記録から電話をかけられる 発信と、かける相手の一覧(E版) 着信時に相手が分かる 登録済みの番号と一致すれば表示(E版) 通話が顧客や商談の記録に残る 手動のメモだけならC版でも可 通話から次の仕事に移れる 折り返し・訪問の予定や見積を同じ画面で 電話の回数が見える 改善すべき点を示す信号になる 注意点 Community版では使えない 発信や着信時の表示はE版が対象 日本での接続は実機検証が要る 事業者・番号・音質・緊急通報 通話料はなくならない 電話事業者との契約が別に要る 専用製品ほどの作り込みはない 会話のAI解析・電話機との接続など C版=Community版(無料)/E版=Enterprise版(有償)
OdooのVoIP連携のメリットとデメリット

注意点の多くは、入れる前の検証の仕方で負担が変わります。避け方は実機で検証する5項目と業務に根づかせる進め方にまとめました。

OdooのVoIPを日本で使う前に、実機で検証する5項目

OdooのVoIPを日本で使えるかどうかは、製品の資料だけでは決まりません。導入の可否を分けるのは、この章の5項目です。

どこまでが確実で、どこからが要検証か Odoo側で完結するのは、通話履歴の保存、顧客・商談の記録への紐づけ、通話後のメモと次の予定の作成。電話事業者との接続に依存するのは、事業者との接続、いまの電話番号、音質と安定性、緊急通報や特定の番号への発信、代表番号への着信の振り分けで、実機検証が必須の範囲。 どこまでが確実で、どこからが要検証か Odoo側で完結する 製品の機能として設計できる 通話履歴を記録として保存する 顧客・商談の記録に紐づける 通話後のメモと、次の予定の作成 事業者との接続に依存 実機検証が必須の範囲 利用中の電話事業者と接続できるか いまの電話番号をそのまま使えるか 音質と安定性が業務に耐えるか 緊急通報や特定の番号への発信の扱い 代表番号への着信をどう振り分けるか カタログの対応可否では判断できません 必ず自社の環境で試してください
どこまでが確実で、どこからが要検証か

通話履歴の保存、顧客・商談の記録への紐づけ、通話後のメモと次の予定の作成。ここまではOdoo側で完結し、製品の機能として設計できます。一方、電話事業者との接続に関わる部分は、実機で確かめるしかありません。

なぜ実機検証が必要なのか

VoIPは、電話事業者との接続が前提の機能です。

電話の仕組みは、国ごとに事情が異なります。番号の制度、事業者の仕様、緊急通報の扱い。これらは、製品側だけでは決まりません。

「Odooが対応している」という記載は、自社の電話環境で使えることを保証しません。

確認すべきこと

  1. いま契約している電話事業者と接続できるか
  2. いまの電話番号を、そのまま使えるか(番号が変わると影響が大きい)
  3. 音質と安定性が、業務に耐えるか(実際の回線環境で試す)
  4. 緊急通報の扱いがどうなるか
  5. 代表番号への着信を、どう振り分けるか

2つ目を軽く見ないでください。会社の電話番号は、名刺、Webサイト、取引先の登録情報のすべてに載っています。変更の影響は、電話だけにとどまりません。

段階的に試してください

いきなり全社の電話をVoIPに切り替えないでください。

まず一部の部署や、発信のみの用途から試す。問題がなければ広げる。この順序を守ってください。

通話の録音を検討するときの注意

録音を検討するなら、技術の話の前に確認すべきことがあります。

確認すべきこと

項目内容
相手への告知録音することを、どう伝えるか
保存期間いつまで保管し、いつ消すか
閲覧できる人誰が聞けるようにするか
目的の限定何のために使うのか

録音は、法令と社内規程の両方に関わる領域です。技術の面だけでは判断できないため、必要に応じて専門家に確認してください。

目的をはっきりさせてください

「念のため録音しておく」という導入は、うまくいきません。

  • 誰も聞き返さないまま、データだけが増える
  • 通話する側が萎縮する
  • 保管と削除の管理コストだけが残る

目的が「教育のため」か「言った言わないの防止」かで、必要な運用は変わります。先に決めてください。

電話の記録は、量ではなく1行です

運用の成否は、通話後に何を残すかで決まります。

通話後に、長い議事録を書かせないでください。続きません。

残すべきこと

項目例
相手が何を求めたか「納期の前倒しができるか知りたい」
こちらが何を答えたか「確認して明日折り返すと回答」
次に何が起きるか「明日中に折り返し」

この3行で十分です。

次に誰がその顧客に触れても、この3行があれば食い違いを避けられます。目的は、通話の再現ではありません。

記録が残ることの副次的な効果

通話履歴が残ると、「この顧客に月何回電話しているか」が見えます。

想定より多ければ、構造的な問題が隠れています。説明が足りない、手順が分かりにくい、あるいは製品自体に課題がある。

電話の回数は、改善すべき点を示す信号になります。

Community版とEnterprise版の違い

Odooには、無料のCommunity版と有償のEnterprise版があります。

Community版は、オープンソースとして無料で使えます。ただし、サーバーの用意・アップデート・障害対応は自社の責任になり、公式サポートの対象外です。

VoIP機能はEnterprise版が対象で、Community版では利用できないと案内されています。

一方、通話の内容をメモとして記録に残すこと自体は、Community版でもできます。顧客や商談の記録に、手動でメモを残す運用です。

電話をかける操作をシステムから行うか、記録だけを残すか。ここが版の分かれ目です。

記録を残す目的だけなら、Community版でも運用でカバーできます。発信の手間より、記録の有無のほうが重要だからです。

どの機能がどちらの版で使えるかは、バージョンによって変わります。検討時には、必ず対象バージョンで確認してください。

詳しくは Odoo Community版とEnterprise版の違い をご覧ください。

他のアプリとのつながり

アプリつながり方
CRM商談の記録に通話履歴が残る
ヘルプデスク電話での問い合わせを、チケットとして記録する
社内チャット通話のメモが、その記録の会話欄に残る
予約管理通話から次の打ち合わせを設定する

アプリごとの詳細は、次の記事にあります。規模が大きく、販売・CRMをNetSuiteとOdooのどちらで持つか比べたい場合は、NetSuiteとOdooの販売・CRM・店舗も参考になります。

入れないほうがよい場合

状況判断
電話の件数が1日に数件入れる必要はありません
電話対応が事業の中心(コールセンターなど)専用のCTI製品を検討してください
既存の電話環境に不満がない無理に変える必要はありません
電話の内容が記録に残らず、担当交代で困っている検討の価値があります

CTI(シーティーアイ)とは、電話とコンピュータを連携させ、着信の振り分けなどを行う仕組みです。

社内会議で確かめたいこと

次の項目に多く当てはまるほど、VoIP連携を検討する意味があります。

  • □ 担当交代のあと、顧客と「言った言わない」になったことがある
  • □ 電話での約束(折り返し・納期回答)が、担当者の手帳にしか残っていない
  • □ 電話の相手が、すでに顧客の記録に登録されている
  • □ 電話は多いが、コールセンターほどの規模ではない
  • □ 会社の代表番号を変えずに済む見込みがある

専用のCTI製品という選択肢

電話対応に特化した製品があります。着信の振り分け、待ち呼の管理、通話品質の分析では、専用製品のほうが優れています。

この点で、Odooは専用製品と競いません。

Odooに意味があるのは、通話が顧客の記録の一部になる場合です。商談、問い合わせ、受注、請求。それらと同じ場所に通話履歴があることに、価値を感じるかどうか。そこで判断してください。

電話の記録を業務に根づかせるまでの進め方

ERP導入支援を手がけるベンチャーネットがこのテーマで相談を受けたとき、最初にVoIPの設定から入ることはありません。次の順番で確かめます。

  1. 何に困っているのかを1つに絞る。 担当交代時の食い違いか、折り返し漏れか、取り次ぎの手間か。困りごとによって、必要な仕組みが変わります。
  2. 3行メモの運用を先に試す。 通話後に顧客の記録へ3行を残すだけなら、Community版でもできます。ここで定着しなければ、VoIPを入れても記録は残りません。
  3. 顧客の電話番号を整える。 着信時の相手表示は、登録済みの番号でしか働きません。重複や表記ゆれを先に片づけます。
  4. 電話事業者と番号を実機で確かめる。 日本で使う前の5項目を、実際の回線で1つずつ検証します。番号が変わるなら、その時点で計画を見直します。
  5. 一部の部署・発信のみから始め、合わなければそう伝える。 録音や文字起こしが本当の目的なら、専用サービスのほうが合います。その場合は、はっきりそうお伝えします。

考え方の基本は、Fit to Standard(標準機能に業務を合わせる)です。電話の仕組みを作り込むより、記録の残し方を業務のほうでそろえるほうが長続きします。

このアプリに対応する有名SaaS(クラウドPBX・CTI)

すでにクラウドPBXやCTIを使っている会社もあるでしょう。この領域は、置き換えより「どちらで記録を持つか」の判断が中心になります。

OdooのVoIP機能は、Enterprise版限定です。Community版では利用できません。

使っているSaaSOdooでの対応一言で言うと
MiiTel PhoneVoIP(Enterprise版)一部重なる。発信と通話履歴に加え、録音・文字起こしも19.4以降は重なる。会話のAI解析はMiiTelの強み
Zoom PhoneVoIP(Enterprise版)一部重なる。IP電話としての受発信は重なるが、代表番号の振り分けや電話機との接続はZoom Phoneが本格的

機能の違い

  • OdooにあってPBX・CTIにないもの:通話の記録が、商談・受注・請求と同じデータベースに残ること。通話から次の予定や見積を、その場で作れます
  • PBX・CTIにあってOdooにないもの:AIによる会話の解析、電話機との接続、通話品質の作り込み。着信の振り分けや待ち呼の管理は、Odooでは電話事業者(Axivoxなど)の管理画面で設定する形です

Odoo側で録音と文字起こしを設定する手順は、19.4の公式ドキュメントに載っています。19.0のドキュメントでは、録音は電話事業者(Axivox)側の設定です。残したいのが音声やテキストの全文なら、使う版と録音の保存先を先に確かめてください。

課金構造の違い

2社とも、ユーザー(ID)単位の月額が基本で、通話料は別に発生します。ここが、Odooと最も違う点です。

MiiTelの通話料は、発信先(固定電話・IP電話・携帯電話)によって単価が分かれます。プランごとに、1ユーザーあたりの月間通話上限時間も設定されています。

(※課金の型は、2026年9月時点の各社公式サイトの情報にもとづきます。金額や条件は改定されることがあるため、検討時に各社の公式ページでご確認ください)

Odoo Enterprise版は、全アプリ一律のユーザー課金です。ただし、通話そのものはOdooが提供するわけではありません。電話事業者との契約が別に必要で、通話料もそちらで発生します。金額の詳細は Odooの料金体系を解説 を参照してください。

Odooに寄せても、電話の費用はなくなりません。減るのは、CTIのID費用だけです。この点を試算に入れてください。

置き換えのメリット

  • 通話の記録が顧客・商談の記録に残り、担当が代わっても経緯を追える
  • 通話から次の予定や見積を、同じ画面で作れる

置き換えのデメリット・向かないケース

  • 録音・文字起こし・AI解析が目的なら、専用サービスのほうが向いている
  • 電話対応が事業の中心(コールセンターなど)なら、専用のCTI製品を検討する
  • 日本国内での接続可否は、どの製品でも実機検証が必要(実機で検証する5項目)。ここは飛ばさない

判断の分かれ目は、通話の記録を業務データと同じ場所に置きたいかどうかです。

他のアプリの対応表は Odooで置き換えられるSaaS対応表 にまとめています。

バージョンと機能の更新について

Odoo 19.0は、2025年9月にリリースされました。標準サポートの終了は2028年9月(予定)と、公式に記載があります。

その後、19.1(2026年1月)・19.2(2026年3月)・19.3(2026年5月)・19.4(2026年7月)が順に提供されています。

19.1〜19.4は、Odooオンラインで先に提供されました。Odoo.shとオンプレミスは対象外でした(公式のサポート表にN/Aと明記)。

2026年9月には、次のメジャー版のOdoo 20が公開されました。Odoo.shやオンプレミスの会社も、Odoo 20に上げれば、19.1〜19.4の新機能をまとめて受け取れます。

違うのは、新機能を受け取る時期です。早く使いたいならOdooオンライン。自社で管理したいなら、Odoo.shかオンプレミスで年1回のメジャー版に合わせます。Odoo 20の変更点はOdoo 20の新機能まとめで整理しています。

VoIP連携にかかわる変更として、19.4の公式ドキュメントには、通話の録音と文字起こしの設定が載っています。録音の保存には、クラウドストレージとの連携が必要です。

この更新の流れは、Enterprise版の話です。Community版は、この更新の流れに乗りません。

※出典:Odoo公式ドキュメント「Phone」「Standard and extended support」(2026年10月確認)。

よくある質問

Q1. いまの電話番号をそのまま使えますか?

契約している事業者と、接続の方式によって変わります。確かめる前に、使えると言い切ることはできません。

番号が変わる影響は大きいため、検討の最初に確認してください。

Q2. スマートフォンでも使えますか?

スマートフォンのOdooアプリやブラウザから、発信はできます。ただし、着信のときは、OdooのPhoneアプリは鳴りません。

(出典:Odoo公式ドキュメント「Devices and integrations」、2026年10月確認)

また、外出先の通信環境での音質は、実機で確認してください。移動中の利用が多い業務では、ここが判断を分けます。

Q3. 着信時に顧客名を表示できますか?

登録されている電話番号と一致すれば、表示できます。番号から相手を特定して表示する仕組みです。

逆に言えば、番号が登録されていない相手は表示されません。顧客データの整備が前提になります。

Q4. 通話を録音できますか?

技術的な可否より先に、運用と法令の確認をしてください。

相手への告知、保存期間、閲覧できる人、目的の限定。この4点を決めてから検討します。必要に応じて、専門家にも確認してください。

Q5. 導入にどのくらいの期間がかかりますか?

電話環境の検証にかかる時間で決まります。機能の設定そのものではありません。

検証期間を、計画に含めてください。ここを短く見積もると、切り替え当日に問題が出ます。

Q6. VoIPを入れる前に、社内でできることはありますか?

あります。通話後に3行のメモを顧客の記録に残す運用です。Community版でもできます。

この運用が定着してから発信の仕組みを検討しても、遅くありません。

Q7. OdooのVoIP連携のメリットとデメリットは何ですか?

通話が顧客の記録に残る良さと実機検証が要る注意点があります。

顧客の記録から発信でき、通話の履歴とメモが顧客や商談の記録に残ります。担当が代わっても、前回の電話の経緯を追えます。
一方、VoIP機能はEnterprise版が対象で、Community版では利用できません。日本での接続や番号は実機での検証が要り、通話料は電話事業者との契約で別に発生します(メリットとデメリット)。

まとめ

OdooのVoIP連携の価値は、発信の手間を減らすことではありません。電話の内容が、顧客の記録に残ることです。

ただし、日本国内での利用可否は、実機で検証してください。事業者との接続、いまの番号、音質、緊急通報。カタログの対応可否では判断できません。

とくに番号が変わる影響は、名刺やWebサイト、取引先の登録情報にまで及びます。

メリットは、通話が商談・受注・請求と同じ場所に残ることです。注意点は、Enterprise版が対象であることと、日本での接続を実機で確かめる手間です。

進め方は、3行メモの運用から始め、一部の部署で試し、問題がなければ広げる順番です。録音や解析が目的なら、専用サービスを選ぶのが正直な答えです。

1年後、担当が代わった翌週でも、新しい担当者が顧客の記録を開けば、前回の電話で何を約束したかが3行で分かる。折り返しの約束が、誰かの手帳の中で消えることもなくなっているはずです。

もう少し詳しく知りたい方へ

ベンチャーネットは、ERP導入支援を手がける会社です。NetSuite・Odoo・AIスクラッチ開発を扱い、SAPからのリプレイスにも対応しているため、特定の製品に偏らない立場でご提案できます。

「電話の中身が担当者にしか残らない」という段階からでも、状況をお聞かせください。VoIPが要らないという結論も含めて、一緒に整理します。

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この記事を書いた人

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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