バーチャル経営アライアンス編~ICTでアライアンス事業を加速しよう

前回は、アライアンスのタイプやバーチャル経営が推奨するオープンイノベーションについて解説しました。オープンイノベーションでは、インフローとアウトフローと呼ばれる情報の流れを管理する必要があります。この情報管理には、ICTの活用がおすすめです。

目次

アライアンス事業で発生しうる情報共有、連携とは

オープンイノベーションによるアライアンス事業が進むと、1:1ではなくN:Nの情報交換が発生すると想定されます。具体的には次のようなものです。

ビジネスモデルの構成要素に関する情報共有

前回の記事でも述べたように、オープンイノベーションはビジネスモデルを重視するアライアンスです。したがって、BMCの各要素をいつでも確認できるようにしておくことが望ましいです。

以下は、BMCの基本構造です。

上記の構成要素の中でも、「CS(顧客セグメント)」や「CH(チャネル)」「KR(リソース)」「KP(パートナー)」「CS(コスト構造)」「RS(収益の流れ)」などは、可視化しやすいと考えられます。これらは、誰もがいつでも確認できるようにクラウドERP/CRMの中に記録しておくべきです。

リソースや指標の共有

アライアンスによる新規事業では、「リソースの投入量」「撤退条件」などをプロジェクトとして厳密に管理していく必要があります。プロジェクトとして管理することで、事業がどの程度の規模でどれだけ進み、どういった条件で撤退すべきかが明確になります。具体的には、投入する人員・コスト・時間をプロジェクト単位でとりまとめ、数値で把握しておきましょう。ただし、オープンイノベーションは社内・社外の人間が頻繁に入れ替わる可能性があるため、リソースの投入量や撤退条件が把握しにくいかもしれません。この点を解決するのが、小さなアジャイル型組織「POD」をベースとした「The PODsモデル」や、アメーバ経営でも採用されている時間当たり採算によるプロジェクト管理です。こうした手法をERPやCRMに反映させることで、可視化しにくいリソースや指標を定量的に把握することが可能です。

相互依存性の強い業務分野の連携

開発と製造、販売と開発など相互依存性の強い業務分野の連携においては、企業の垣根を超えた綿密なコミュニケーションが必要です。一般的に相互依存性の強い業務は、同一の企業内で完結するものですが、アライアンス事業の場合は企業Aが開発、企業Bが製造という具合に分業される可能性が高いです。異なる企業間で業務分野同士の連携をスムーズにするためには、ERPやCRMによる情報の一元化が欠かせないと感じています。

暗黙知から形式知への転換

オープンイノベーションによるアライアンス事業では、知識や情報の交換が頻繁に行われます。その中で、自社が保有していない知識・情報については、情報資産として蓄積していかなくてはなりません。特に体験から得られた知識、つまり「暗黙知」については、積極的に形式知への転換を進めるべきです。可能であれば暗黙知を定量化し、ERPやCRMの中に数値化、言語化して残しておくと貴重な情報資産になるはずです。

Netsuiteでアライアンス事業を促進

このようにオープンイノベーションによるアライアンス事業では、情報の管理・蓄積が非常に大切です。バーチャル経営では、情報の管理・蓄積のためのツールとして「Netsuite」を推奨しています。

Netsuiteには、ERP、CRM、ECといった現代のビジネスモデルの大半に欠かせない機能が統合されています。また、API連携やカスタマイズによってさまざま業種への対応も可能です。このことから、異業種同士のアライアンスに強いツールであると言えます。

Netsuiteが持つアライアンス事業をサポートする機能

ではNetusuiteが持つアライアンス事業をサポートする機能を紹介していきます。

プロジェクト管理

NetSuiteはプロジェクト管理にまつわる会計・顧客管理・人事・営業・マーケティングなどの情報を、同一のプラットフォームで管理しています。そのため、プロジェクトの管理画面から、プロジェクトの細かな情報にアクセスすることが可能です。また、営業から開発、納品、売上請求など、どの事業でも発生しうるフローを一元的に管理することが可能です。

また、NetSuiteは会計データと従業員の勤怠データを一括で管理していることから、プロジェクト単位で売り上げ・経費・利益・時間当たり利益・ROIなどを算出することが可能です。前回の記事で紹介したようにThe PODsモデルによるアジャイル型組織で時間当たり採算を採用する、といったケースではNetSuiteのもつプロジェクト管理機能が非常に便利です。これについては、バーチャル経営独自の組織形態である「バーチャルチーム」の記事でも解説しています。

さらに、複数プロジェクトを並行して稼働している場合でも、それぞれの収益性や採算を細かく管理できるため、「スモールスタートをいくつも同時に並行する」といったアライアンスでも活用できます。

これらプロジェクト管理機能は、ERP・CRM・SFAなどの機能が統合されたNetSuiteだからこそ成しえるものです。

販売予測

NetSuiteには、ファネル分析や過去実績による販売予測を行う機能があります。新規事業において、販売予測は非常に難しいものです。経験や勘が全く通用しないこともあり、精緻な予測を立てて過剰在庫や過剰投資を防いでいかなくてはなりません。

NetSuiteでは、「顧客別予測」や「アイテム別予測」「ステータス別予測」など複数の視点から販売予測を計算することができます。ファネル分析についてもごく簡単な設定で利用可能です。

収益性分析

収益性の分析は事業の続行・撤退の判断に欠かせないものです。NetSuiteでは、ROE(自己資本利益率)・ROA(総資産利益率)・売上高総利益率・売上高当期純利益率など、複数の収益性分析を行うことができます。

顧客情報管理、営業情報管理

NetSuiteでは、顧客情報を営業・マーケティング・会計のデータと紐づけながら管理することが可能です。このことから顧客情報が「事業と結び付いた状態」で蓄積されていきます。また、顧客情報に紐づくデータは、ビジネスモデルや業種に応じてカスタマイズすることが可能です。

また、営業担当者の動きを俯瞰できるように、個々の担当者の活動を一元的に把握することも可能です。もし、アライアンス先の企業に営業をすべて任せて自社は開発に徹するといった場合でも、NetSuiteならスムーズな連携が可能です。

クラウドの特性がオープンイノベーションに最適

NetSuiteは、クラウド形式のソリューションです。クラウドゆえに、アクセスの制限が小さく、マルチデバイスにも標準で対応しています。

オープンイノベーションでは、企業の垣根を越えて内から外へ、外から内へと情報が流れつづけます。社内外の人間に対してオープンな情報基盤を提供できるNetSuiteは、オープンイノベーションでのアライアンスに適したツールなのです。

まとめ

ここでは、オープンイノベーションでのアライアンスで発生する情報共有・連携の内容や、NetSuiteの関連機能について解説しました。アライアンスで新規事業を進めるにあたっては、データを軸としてパートナーと情報共有を行いつつ、PDCAを迅速に回して改善を続けることが求められます。また、迅速な続行/撤退の判断や、知識とノウハウの蓄積も並行していく必要があるでしょう。これら種々のタスクを円滑に行うための基盤として、NetSuiteは最適なソリューションだと考えています。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

株式会社ベンチャーネット 代表取締役
2005年に株式会社ベンチャーネットを設立後、SEOをはじめとするデジタルマーケティング領域のコンサルティングサービスを展開
広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で支援を行っています
著書に『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業 「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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