バーチャル経営で高付加価値経営へ~中堅中小企業の「経常利益」目安と増大のヒント

経常利益は、ごく簡単にいえば「日常的に得ている儲け」です。シンプルでわかりやすい指標であることから、企業の評価指標として頻繁に使われています。バーチャル経営でも経常利益の活用を推奨しており、独自の基準も設けています。

目次

「経常利益」=稼ぐ力のシンプルな指標

まず、経常利益について簡単におさらいしておきましょう。

一般的な経常利益の意味

経常利益とは、「経常的な活動の結果、得た利益」のことです。この「経常的」とは、「日常的に」「繰り返し」という意味が含まれます。「経常利益=本業の稼ぎ」と言われることもありますが、厳密に言えば経常利益は「本業」だけに限定されません。経常利益は「営業利益+営業外利益-営業外費用」という計算式からもわかるとおり、本業以外の稼ぎも含まれるためです。経常利益は、損益計算書の中で最も注目される数字であり、企業の成長力や稼ぐ力を端的に表している数字でもあります。

ちなみに、同じような性質をもつ指標に「当期純利益」がありますが、こちらは「特別損失」「特別収益」など、臨時の支出・収入に該当する要素が含まれています。そのため「本質的な稼ぐ力」を計測する指標としては、経常利益のほうが適しているかもしれません。

稼ぐ力を表す指標「売上高経常利益率」

経常利益は「売上高経常利益率」に変換することで、さらに有用な指標になります。売上高経常利益率は、企業の収益性を測る指標で「売上の中でどの程度の利益があったか」を表すものです。

中小企業庁の調査結果によれば、日本企業の売上高経常利益率は「大企業平均で約4.3%」「中小企業平均で約3.5%」とのことです。※1 売上高経常利益率は業界ごとに差があり、情報通信業や不動産業界などは高くなります。一方、飲食や小売り、卸売りなどは低くなる傾向にあります。こうした業界ごとの特性を踏まえたうえで、売上高経常利益率の目安を整理すると、以下のようになります。

  • 優良企業…4~5%
  • 準優良企業…3~4%
  • 健全な企業…0~3%
  • 何らかの改善が必要な企業…0%未満(マイナス値)

従業員単位で稼ぎを表す「従業員ひとりあたりの経常利益」

経常利益を使った指標としては、「従業員ひとりあたりの経常利益」も見逃せません。社員1人あたりの「平均的な稼ぐ力」を計測できるため、少数精鋭の企業は特に重視すべき指標です。

従業員ひとりあたりの経常利益は、「経常利益(限界利益-固定費)÷従業員数」で求められます。また、上場企業の全業種平均は200万円程度で、中小企業では「50万円以上」が合格ラインと言われる数値です。

出典:
※1 中小企業庁「2016年版中小企業白書」第2部 第6章
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H28/h28/html/b2_6_1_1.html

バーチャル経営が推奨する「従業員ひとりあたりの経常利益」

バーチャル経営では企業としての経常利益はもちろんのこと、従業員ひとりあたりの経常利益も重視します。これまでも繰り返し述べているように「固定費=人件費を膨らまさずに、売上と利益を増やす」がバーチャル経営の目指すところであり、これを実現するために従業員ひとりひとりが高付加価値な働き方を目指す必要があるからです。

バーチャル経営が推奨する従業員ひとりあたりの経常利益は、上場企業の全業種平均と同じ200万円です。「中小企業の合格ライン=50万円以上」を基準に考えると、やや高めです。しかし、企業規模に関わらず200万円以上のラインを目指すべきだと考えています。資本力で大企業に劣る中小企業は、「量」で勝負すべきではなく、「質」で勝負すべきだからです。この質とは、「労働の質」「製品・サービスの質」であり、高付加価値な働き方から生み出されるものです。これらを追求していけば、自然と従業員ひとりあたりの経常利益は200万円以上に達すると考えています。

もし、上場企業平均に到達していない場合は、「業務廃棄」に取り組んでみてください。前述のとおり、上場企業平均と中小企業平均の差は150万円です。経常利益は「限界利益-固定費」で求められますから、この150万円を埋める方法は「限界利益を大きくする」か「固定費を小さくする」という2択になります。

限界利益を大きくするためには、売上を大きくしなくてはなりません。また、固定費を小さくするためには、人件費を抑制していく必要があります。この2つのどちらを選択する場合でも、「業務廃棄」は一定の効果を発揮するでしょう。

RPAによる業務廃棄で固定費削減&リソース確保

バーチャル経営では、従業員ひとりあたりの経常利益を大きくするために、「RPAによる業務廃棄」を推奨しています。RPAを活用した業務廃棄については、チャプター2の「人手不足対策とは”業務を捨てること” RPA自動化のすすめ」でも詳しく解説しました。

RPAの強みは、単に小さなタスクを自動化できることだけではありません。ノウハウを持ったベンダーであれば、複数のタスクを連鎖的に自動化し、業務プロセスごと人の手から廃棄させてしまうことも可能です。慣習化したアナログで非効率な業務を「断捨離」のごとく手放し、新たな価値を手に入れるための第一歩を踏み出せるのです。

ベンチャーネットでも、RPAソリューションを取り扱っており、導入・運用支援・人材教育のサポートを提供しています。

「従業員ひとりあたりの経常利益増大」につながるソリューション

WinActor丸投げサービス
ベンチャーネットでは、高付加価値経営を目指すための第一歩として、国産RPA「WinActor」に関するサービスを提供しています。RPAは、従業員を雑務から解放するだけでなく、「成果物の均一化」にも効果を発揮します。また、業務廃棄が進むことで従業員がコア業務に集中しやすくなり、より付加価値の高い働き方を続けられるようになります。

しかし、RPAを使って業務廃棄を進めるには「業務シナリオ作成」「運用人員の教育」などの工程が必要です。これらはいずれもRPA導入後に発生するタスクであり、「アカウントを契約したはいいものの、実運用に落とし込めない」といった事態に発展しがちです。単にアカウントの契約をしただけでは、スタートラインにすら立てていません。業務シナリオ作成・人材育成・シナリオのブラッシュアップを経て、はじめて効果を発揮するツールなのです。

ベンチャーネットが提供する「WinActor丸投げサービス」は、RPAの「導入後」を徹底的にサポートし、業務廃棄を促進するサービスとなっています。

・請求業務の自動化「Payment Automation 2」
「請求」「支払い」は、どの企業でも日常的に発生する業務です。お金を直接扱うだけにストレスが多く、従業員のリソースを占有していることも珍しくありません。そのため、請求関連業務の自動化は、コア業務へ投下できるリソースを大きく増やすことにつながります。ベンチャーネットでは、決済代行会社のシステムとSFA・CRM等をAPIで連携して「請求書発行・送付」「決済状況の確認」「支払遅延時の督促」などの請求・集金業務を自動化するソリューション「Payment Automation 2」を提供しています。

まとめ

本稿では、バーチャル経営が推奨する会計的数値のうち「経常利益」を具体的に解説してきました。従業員ひとりあたりの経常利益は、社員ひとりひとりの稼ぐ力を計測できる優れた指標です。業務廃棄によって増大が見込めるため、RPAをはじめとしたICTツールとの相性も良いと考えられます。ぜひ、「売上高経常利益率」や「従業員ひとりあたりの経常利益」を見直してみてください。次回は、「付加価値」についての解説です。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

株式会社ベンチャーネット 代表取締役
2005年に株式会社ベンチャーネットを設立後、SEOをはじめとするデジタルマーケティング領域のコンサルティングサービスを展開
広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で支援を行っています
著書に『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業 「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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