n8n・MakeとOdooのAPI連携の基礎|JSON-2 APIとプラン・キーの落とし穴

食品卸のさくら商事で、情シスの担当者がn8nのワークフローを組みました。問い合わせフォームに入力があったら、Odooに連絡先を作る仕組みです。ところが、Odooにつなぐ設定のところでエラーが出ました。原因はワークフローの書き方ではなく、Odooの契約プランでした。

つまずく場所を先に知っていれば、n8nやMakeでOdooにつなぐ作業は進めやすくなります。Odoo(オドゥー)は、販売・在庫・会計などをひとつにつなぐERPです。ERPとは、会社全体の業務データをひとつのシステムで管理する仕組みを指します。API(エーピーアイ)は、外部のシステムがOdooのデータを読み書きするための窓口です。

Odoo 19で、この窓口に新しい「JSON-2 API」が加わりました。呼び出しの形は1つだけで、/json/2/モデル名/メソッド名 にPOSTで送ります(Odoo JSON-2 APIの形)。つなぐと、たとえば次のことができます。

  • フォームの問い合わせを、表記をそろえた連絡先として登録する
  • 受注の備考をn8n経由でAIに分類させ、結果をOdooに返す
  • 配送会社からの「出荷済」で、販売オーダーの配送状況を変える
  • 期日を過ぎた未入金の請求書の一覧を、APIの呼び出しで受け取る

良い点と気をつけることは、公式APIでつなぐ良い点と、気をつけることにまとめました。連携の数が増え、海外の拠点や連結決算まで視野に入ると、Odooより上の段が合う場合もあります。

では、どこでつまずくのか。情シス・導入担当者が最初に押さえる順番は、OdooのAPI連携が止まる3つの原因から始まります。

Community版とEnterprise版について

JSON-2 APIは、Odoo本体(無料のCommunity版)に含まれています。自社サーバーやOdoo.shで動かすなら、どちらの版でも使えます。Odoo Online(Odooが運営するクラウド)で外部APIを使えるのは、有償のEnterprise版のカスタムプランだけです。Webhookの仕組み(自動化ルール)はCommunity版にもあり、Studioの画面で作るのはEnterprise版の機能です。

公式APIでつなぐまでの順番 契約プランを確認し、連携専用のユーザーと期限付きのAPIキーを用意し、/docページでモデルと項目を確認してから、JSON-2の形で作る。テスト用のデータベースで試してから本番に移し、保守の担当を決める。 公式APIでつなぐまでの順番 1. 契約プランを見る Onlineで外部APIを使えるのはカスタムのみ 2. 連携専用のユーザーとキー 権限は最小に、キーは期限付きで 3. /docで項目を調べる モデル・項目の技術名とメソッド 4. JSON-2の形で作る POST /json/2/モデル/メソッド 5. テスト用DBで試す 本番のデータで試さない 本番へ移し、保守の担当を決める キーの入れ替え日も一覧に残す 従来のXML-RPC・JSON-RPCは Odoo 22(Onlineは21.1)で削除予定
公式APIでつなぐまでの順番
目次

OdooのAPI連携が止まる3つの原因

API連携のつまずきは、コードの細部より手前で起きます。さくら商事のような中小企業でよく見るのは、次の3つです。

原因何が起きるか
契約プランOdoo Onlineで、外部APIが使えないプランのまま作り込む
古い書き方ネットや生成AIのXML-RPCのコードを、そのまま使う
呼び出しの設計会計の更新を何回にも分け、途中の失敗で数字が合わなくなる

1つ目と2つ目は、作る前の確認で防げます。3つ目は、仕組みを知らないと気づきにくいものです。

連携を作るかどうか、既存の連携をどう棚卸しするかは、OdooのAPI連携|いま作る連携を、作り直しにしないためにで扱いました。APIを使わずにAIで「間の仕事」を消す方法は、API連携がなくてもAIでつなぐにあります。

稲盛和夫氏は、経営の原則として「売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える」を挙げました(出典:稲盛和夫オフィシャルサイト、2026年9月確認)。ベンチャーネットは、これを日々実現する仕組みをAIクラウドERPと呼んでいます。システム間の転記は、API連携で減らせる経費のひとつです。

公式APIでつなぐ良い点と、気をつけること

公式APIでOdooとつなぐときの良い点と注意点は、次のとおりです。使える版とプランは、項目ごとに添えています。

良い点

  • JSON-2 APIはCommunity版にもある:Odoo本体の機能で、自社サーバーやOdoo.shで動かすなら、どちらの版でも使える
  • 呼び出しの形が1つで分かりやすい:/json/2/モデル名/メソッド名 にPOSTし、ヘッダーのAPIキーで認証する
  • 使える項目を「/doc」で調べられる:データベースごとのAPIの説明ページ。Community版の標準モジュールにあり、Studioで足したカスタム項目も技術名で並ぶ
  • コードを書かずにつなげる:n8nやMakeには、Odoo用の部品がある。Makeでは、標準の部品にない操作も汎用の呼び出しで補える
  • 出来事をきっかけに動かせる:Webhookの仕組み(自動化ルール)はCommunity版にもあり、Enterprise版ではStudioの画面からも作れる

気をつけること

  • Odoo Onlineはカスタムプランだけ:One App Freeとスタンダードでは、外部APIを使えない。n8n・Makeからの接続や公式MCPも、この外部APIにあたる
  • 従来の書き方は削除予定:XML-RPC・JSON-RPCはOdoo 22(Onlineは21.1)で削除の予定。生成AIはいまでも従来のコードを返すことがある
  • 1回の呼び出しが1回の確定:組になる更新を分けて呼ぶと、途中で失敗したときに半分だけ残る
  • APIキーの管理が要る:キーを持つ人は、発行したユーザーの権限でOdooを操作できる。名前・期限・担当を一覧で管理する

両方を並べると、次の図のとおりです。

公式APIでつなぐ良い点と、気をつけること 良い点は、JSON-2 APIはCommunity版にもある、呼び出しの形が1つで分かりやすい、/docで使える項目を調べられる、n8n・MakeのOdoo用の部品でコードを書かずにつなげる、Webhookで出来事をきっかけに動かせること。気をつけることは、Odoo Onlineで外部APIを使えるのはカスタムプランだけ、XML-RPC・JSON-RPCはOdoo 22(Onlineは21.1)で削除予定、1回の呼び出しが1回の確定、APIキーの管理が要ること。 公式APIでつなぐ良い点と注意点 良い点 JSON-2 APIはC版にもある 自社サーバー・Odoo.shならどちらの版も 呼び出しの形が1つ /json/2/モデル名/メソッド名 使える項目を/docで調べられる カスタム項目も技術名で並ぶ コードを書かずにつなげる n8n・MakeのOdoo用の部品 出来事をきっかけに動かせる Webhook(自動化ルールはC版にも) 気をつけること Odoo Onlineはカスタムプランだけ One App Free・スタンダードは不可 従来の書き方は削除予定 Odoo 22(Onlineは21.1)で削除予定 1回の呼び出しが1回の確定 組になる更新は1回にまとめる APIキーの管理が要る 名前・期限・担当を一覧に残す C版=Community版(無料)/E版=Enterprise版(有償)
公式APIでつなぐ良い点と注意点

プランの確かめ方は最初にOdooの契約プランを見るで扱います。呼び出しのまとめ方は1回の呼び出しが、1回の確定、キーの決まりはAPIキーは、連携ごとに期限付きでにあります。

最初にOdooの契約プランを見る

いちばん多い手戻りは、作り込んだ後で「このプランでは外部APIが使えない」と分かることです。

Odoo Onlineは、カスタムプランだけ

公式ドキュメントによると、外部APIを使えるのはカスタムプランだけ。One App Freeとスタンダードでは使えません(出典:Odoo公式ドキュメント「External JSON-2 API」、2026年9月確認)。n8nやMakeからの接続も、AIとつなぐ公式MCPも、この外部APIにあたります。

みどり精工(部品製造・従業員80名、架空の会社)の計画で見てみます。

計画スタンダードのまま必要な条件
n8nで受注メールを登録使えないカスタムプランへ変更
ClaudeからOdooを検索(MCP)使えないカスタムプラン+19.4以降
Odooの自動化ルール使える─

自社サーバー(オンプレミス)やOdoo.shなら、この制限に当たりません(Enterprise版はもともとカスタムプランの契約です)。自社の形はOdooの導入形態3つを比較で、プランの違いはOdooの料金体系を解説で確認できます。

外部APIなしで済む方法と比べる

プランの変更が要ると分かっても、すぐに決めなくてかまいません。自動化ルールで済むか、1日1回のファイル取り込みで足りるか。計画ごとに並べてから比べます。

比べた結果を決めるのは経営です。情シスは、計画ごとに「外部APIが要るか」を表にして渡します。

Odoo JSON-2 APIの形を知る

外部APIが使えると決まったら、次は書き方です。JSON-2 APIの形は、とても単純になりました。

呼び出しの形は1つだけ

Odoo 19のJSON-2 APIは、次の形のリクエストを受け付けます。出典は、Odoo 19のソースコードと公式ドキュメント「Odoo Online」です(2026年10月確認)。

要素書き方
送り先自社のOdooのURL+/json/2/モデル名/メソッド名 にPOST
認証ヘッダーに Authorization: bearer (APIキー)
本文JSON形式。メソッドの引数を名前付きで渡す
対象のID本文の ids に入れる

モデル名は、連絡先なら res.partner、請求書なら account.move のような技術名です。メソッドは search_read(探して読む)や create(作る)など。

さくら商事の経理は、毎朝「期日を過ぎた未入金の請求書」をExcelにまとめていました。JSON-2なら、account.move/search_read に次の中身を送れば一覧が返ります。

本文の項目中身
domain(条件)確定済みの顧客向け請求書/未入金か一部入金/期日が今日より前
fields(返す項目)name・partner_id・invoice_date_due・amount_residual
limit(件数)100

項目名はどれも、Odoo 19のソースコードにある技術名です。

従来の書き方との違い

みどり精工には、毎晩、生産管理システムから品目を登録するスクリプトがありました。何年も前に外注で作ったものです。

処理従来(XML-RPC)JSON-2
品目の登録/xmlrpc/2/object の execute_kw/json/2/product.template/create
版の確認common.version()GET /web/version
認証ログインIDとパスワードかAPIキー専用ユーザーのAPIキー

従来の /xmlrpc・/xmlrpc/2・/jsonrpc の3つの窓口は、Odoo 19で非推奨になりました。削除の予定はOdoo 22、Odoo Onlineでは21.1です(出典:Odoo 19のソースコード、Odoo公式ドキュメント、2026年10月確認)。時期は延期されたことがあるため、計画のたびに最新の記載を見てください。

使えるモデルと項目は「/doc」で調べる

Odoo 19には、データベースごとのAPIの説明ページがあります。自社のOdooのURLの後ろに /doc を付けて開くページです。モデルの一覧、項目、メソッド、リクエストの例が、そのデータベースの中身から作られます。

このページはCommunity版の標準モジュールにあります(出典:Odoo 19のソースコード、2026年10月確認)。開けるのは「Technical Documentation」の権限を持つユーザーで、初めは設定権限のあるユーザーに付いています。Studioで足したカスタム項目も、技術名で並ぶ。項目名の打ち間違いで何度も失敗する手間は、これでなくなります。

生成AIにスクリプトを書かせるときの頼み方

ClaudeやChatGPTに「Odooに取引先を登録するPython」と頼むと、いまでもXML-RPCのコードが返ることがあります。ネット上の記事の多くが、従来の方式で書かれているためでしょう。

頼むときは、方式と前提を最初に書いてください。

Odoo 19のExternal JSON-2 APIで、取引先を登録するPythonを書いてください。

・送り先は /json/2/res.partner/create。XML-RPCとJSON-RPCは使わない

・APIキーは環境変数から読む。コードにキーを書かない

・項目名は、添付した /doc の res.partner の一覧にあるものだけを使う

・テスト用データベースで動かす前提にし、失敗した行は別のファイルに出す

返ってきたコードは、動かす前に人が3点を見ます。

  • 送り先が /json/2/ か(xmlrpc や jsonrpc の文字がないか)
  • パスワードやAPIキーが、コードに直接書かれていないか
  • 書き込み先がテスト用のデータベースになっているか

既存のXML-RPCのスクリプトも、同じ頼み方でJSON-2に書き換えさせられます。公式の移行ガイドと既存のコードをいっしょに渡し、テスト環境で結果が同じかを比べる流れです。

n8n・MakeでOdooとつなぐ

自分でコードを書かずにつなぐなら、n8nやMakeのような自動化ツールが候補です。画面で部品をつなぎ、処理の流れを作れます。

n8nのOdooノード

n8nには、Odoo用の部品(ノード)があります。連絡先・商談・メモなどの作成・取得・更新・削除に対応し、AIエージェントのツールとしても使えます(出典:n8n公式ドキュメント、2026年9月確認)。

さくら商事の問い合わせフォームの例です。

フォームの入力Odooの連絡先(自動登録)
サクラ食品(株)/0312345678サクラ食品株式会社/03-1234-5678
株式会社 もみじ屋/MOMIJI@example.jp株式会社もみじ屋/momiji@example.jp

フォームの送信をきっかけに動かし、途中のAIのノードで社名や電話番号の表記をそろえる。最後にOdooノードで連絡先を作ります。営業はOdooを開けば、そろった連絡先を見られる。

気をつけたいのは認証の設定です。n8nはOdoo向けの認証を2種類用意しており、従来の方式でつなぐものと、APIキーでJSON-2につなぐものがあります。Odoo 19以降なら、APIキーでつなぐ方を選んでください。

Makeの汎用の呼び出し

MakeのOdoo用アプリにも、リードや在庫などの部品があります。標準の部品にない操作は、任意のAPI呼び出しを送る部品で補えます。「今日確定した販売オーダー」を取ってチャットに流す、といった使い方です。

ただ、MakeのOdoo用アプリがどの方式で通信するかは、公開情報では分かりませんでした。従来の方式なら、Odoo 22(Onlineは21.1)で動かなくなります。版上げの前に、提供元の対応を確かめておくと安心です。

どちらのツールでも、受注や請求書の確定・キャンセル、削除までは自動で流しません。取り消しのきかない操作は人が行います。

Webhookで「出来事」をきっかけにする

何かが起きたその時に、外のシステムを動かしたい場面もあります。Webhook(ウェブフック)は、出来事をきっかけにシステム同士がデータを送る仕組みです。

Odooから外へ送る

Odooの自動化ルールには「Webhook通知送信」のアクションがあります。レコードの作成や更新をきっかけに、指定したURLへ項目の値をPOSTで送るものです(出典:Odoo公式ドキュメント「自動化ルール」、2026年10月確認)。

あおば電材(電材商社・従業員45名、架空の会社)では、受注の備考欄を営業事務が全件読んでいました。

受注備考欄AIの判定(n8n経由)Odooへの返し方
S00410在庫なければ代替品可代替品可の指示あり担当者に活動を作る
S004119/30までに必着納期の指定ありチャッターにメモ

受注ができたらn8nに送り、AIに備考を分類させ、結果をOdooに返す流れです。送る部分はAPIキーなしで動きます。書き戻す部分は外部APIなので、Odoo Onlineならカスタムプランが要ります。

外からOdooに受け取る

Odooが受け取る側に回ることも可能です。自動化ルールのきっかけに「Webhook」を選ぶと、受け取り用のURLが自動で作られます。外部のサービスがこのURLにデータを送ると、Odooのレコードを更新できる仕組みです(出典:Odoo公式ドキュメント「Webhooks」、2026年10月確認)。

たとえば配送会社から「S0042 出荷済」が届けば、販売オーダーの配送状況が自動で変わる。Odoo 19のソースコードでは、受け取ったデータの _model と _id で対象を探すのが初めの設定です。データの形が違うサービスなら、探し方を書き直します。

受け取り用のURLは、それ自体が鍵の役目をします。URLを知っていれば、誰でもデータを送れるからです。社外の資料やチャットには貼らず、漏れたら「Rotate Secret」で作り直してください。「Log Calls」を有効にすると、受信の履歴が残ります。

この仕組みはCommunity版にもあり、Enterprise版ではStudioの画面からも作れます。公式ドキュメントが強く勧めているのは、設定の段階から技術者に相談することです。Studioの範囲はOdoo Studioとは?にまとめました。

見落としやすい点:1回の呼び出しが、1回の確定

JSON-2 APIで会計のデータを書き換えるとき、いちばん気づきにくいのがここです。

途中で失敗すると、半分だけ残る

Odoo 19のソースコードでは、外部からの呼び出しは1回ごとに確定(コミット)されます。エラーで取り消されるのは、その1回の中の変更だけ(2026年10月確認)。複数の呼び出しを、まとめて取り消すことはできません。

さくら商事で、n8nから入金を登録し、請求書と消し込む流れを作ったとします。消込とは、入金と請求書を結びつけて未入金を消す処理です。

呼び出し内容結果
1回目入金を作る(110,000円)確定した
2回目請求書と消し込む時間切れで失敗
残った状態入金1件あり・請求書は未入金のまま数字が合わない

ベンチャーネットは、この動きをPythonとデータベースで再現しました(2026年10月)。呼び出しを分けると、入金が1件残り、請求書の未入金は110,000円のままでした。同じ処理を1回の中で行うと、失敗したときは入金も0件に戻ります。これなら、やり直すだけで済みます。

組になる更新は、1回にまとめる

対策は、入金と消込のように組になる更新を1つのメソッドにまとめることです。n8nやAIからはそれを1回だけ呼び、失敗したらまるごとやり直します。

独自のメソッドを足すには、Odoo.shや自社サーバーでモジュールを作る必要があります。Odoo Onlineには外部のモジュールを入れられないため、標準のメソッドの範囲で設計するのが基本です。作り込みの度合いは、Odooのカスタマイズはどこまでやるべきかの考え方で決めます。

AIエージェントに、会計の更新を何段階にも分けて実行させるのは避けてください。任せてよい範囲はAIに任せてはいけない範囲で整理しています。

APIキーは、連携ごとに期限付きで

JSON-2では、APIキーが鍵になります。キーを持つ人は、発行したユーザーの権限でOdooを操作できる。だから、誰のキーかが大切です。

Odoo 19のキーの決まり

Odoo 19のソースコードと公式ドキュメントで分かる決まりです(2026年10月確認)。

  • キーを作れるのは社内ユーザー。期限は1日・1週間・1か月・3か月などから選ぶ
  • 通常の社内ユーザーが選べる期限は、初めの設定で最長90日
  • 設定権限を持つユーザーは、期限なしのキーも作れる
  • キーが表示されるのは、発行したときの一度だけ

みどり精工のキーの一覧は、こうなっていました。

キーの名前使っている連携期限担当
test不明なし退職者
n8nn8nの受注取込不明高橋
key2不明不明不明

名前から用途が分からず、退職者のキーも残っています。どれを止めてよいか、誰も判断できません。

入れ替えの手順を決めておく

整えた後は、たとえば「n8n受注取込 2026Q4」という名前で、期限は2026年12月27日、担当は高橋さん、と一覧に載せます。運用のルールは4つです。

  1. 連携ごとに専用のユーザーを作り、必要な権限だけを付ける
  2. 連携ごとに別のキーを発行し、名前に連携名と時期を入れる
  3. 発行したら、すぐパスワード管理ツールに保存する
  4. 期限の2週間前に新しいキーを作り、動くのを見てから古いキーを消す

キーをAIのチャット欄に貼るのも避けてください。権限の考え方はOdooのセキュリティとバックアップの考え方にあります。

AIのクライアントから使うなら公式MCP

ClaudeやCodexなどのAIから直接Odooを調べたいなら、公式のMCPサーバーがあります。MCPは、AIと外部のシステムをつなぐ共通の規格。対象はOdoo Online 19.4以降とOdoo 20で、Enterprise版のAIアプリの機能です。

キーは用途に「MCP」を選び、期限付きで発行します。初めの設定でAIに公開されるのは、取得・検索系のツールだけです(出典:Odoo公式ドキュメント「AI MCP server」、2026年10月確認)。開発の調べものに使うなら、テスト用データベースのキーでつないでください。手順はClaudeなどのAIをOdooにつなぐで、権限の考え方は外部AIエージェントとOdooをつなぐ考え方で扱っています。

何をしたいかで、つなぎ方を選ぶ

ここまでの方法は、やりたいことで使い分けます。

何をしたいかで、つなぎ方を選ぶ 決まった登録や更新はn8n・MakeのOdoo用の部品、Odooの出来事で外を動かすならWebhook、独自の処理や大量の取り込みはJSON-2で書くスクリプト、AIに調べさせるなら公式MCPを使う。どれもプランの確認、専用ユーザー、期限付きのキーが共通して要る。 何をしたいかで、つなぎ方を選ぶ 決まった登録・更新を流す n8n・MakeのOdoo用の部品 例:フォームの入力を連絡先に Odooの出来事で外を動かす Webhook(送る・受け取る) 例:受注の備考をAIに読ませる 独自の処理・大量の取り込み JSON-2で書くスクリプト 例:毎晩の品目登録。組の更新は1回で AIに調べさせる 公式MCP(Online 19.4以降・20) 例:カスタム項目の技術名を一覧に どれにも共通して要ること プランの確認・専用ユーザー 期限付きのキー・テスト用DB
何をしたいかで、つなぎ方を選ぶ

決まった登録や更新を流すだけなら、n8nやMakeの部品で十分です。Odooで何かが起きたときに外を動かすなら、Webhook。独自の処理や大量の取り込みはJSON-2でスクリプトを書き、AIに調べさせたいなら公式MCPです。

どれを選んでも、共通して要るものは変わりません。プランの確認、連携専用のユーザー、期限付きのキー、テスト用のデータベース。Odoo Onlineでデータベースを複製すると、「テスト用」の設定が初めから有効です。メールや支払いなど外部への動作が止まり、複製は15日で期限が切れます(出典:Odoo公式ドキュメント「Odoo Online」、2026年10月確認)。

1回だけの移行なら、APIより画面のインポートが早いこともあります。その場合はOdooのインポート機能を使いこなすをご覧ください。

転記が消えると、数字が早くそろう

フォームの問い合わせが、その日のうちに連絡先になる。出荷の状況が、配送会社の画面を見なくてもOdooに入っている。入力が楽になると、データは早く、そろって入ります。そろったデータの数字は会議で信頼され、現場も「Odooを見れば分かる」と考えるようになる。こうしてOdooは、もっと使われていきます。

逆に、止まった連携を誰も直せないと、ループは反対に回ります。止まった間の分を人が手で入れ、入力が遅れ、数字がずれる。連携を作るときに保守の担当まで決めるのは、このためです。

自社の連携を点検するチェックリスト

社内の会議で、次の項目に印を付けてみてください。

  • □ Odoo Onlineの契約プラン(One App Free・スタンダード・カスタム)を把握している
  • □ Odooにつないでいるスクリプト・自動化ツールの一覧がある
  • □ その中に、XML-RPCやJSON-RPCを使うものがないか調べた
  • □ 連携ごとに、専用のユーザーとキーを分けている
  • □ キーの期限と、入れ替えの担当が決まっている
  • □ 期限なしのキーや、退職者が作ったキーが残っていない
  • □ 会計の更新を、何回にも分けて呼び出す連携がない
  • □ 受け取り用のWebhookのURLを、社外に出していない

公式APIの連携を仕組みにするまでの進め方

ベンチャーネットが、公式APIの連携を整えるときの順番です。

  1. 連携を棚卸しする:自社で作ったスクリプト、購入した部品、n8n・Makeなどの自動化ツールを一覧にする。方式と、使っているキーも書く
  2. プランと代わりの方法を並べる:計画ごとに外部APIが要るかを判定し、要らない方法があれば先に比べる
  3. 専用ユーザーとキーを用意する:権限を絞ったユーザーを連携ごとに作り、期限付きのキーを一覧に載せる
  4. テスト用DBでJSON-2の形で作る:/docで項目を調べ、AIにはJSON-2で書かせる。会計の更新は1回の呼び出しにまとめる
  5. 本番に移し、保守の担当を決める:キーの入れ替え日、版上げのときの動作確認、止まったときの連絡先を決める

連携の数が増え、海外の拠点や連結決算まで視野に入ると、Odooより上の段が合う場合もあります。NetSuiteでの連携方式の選び方は、NetSuiteの連携方法まとめをご覧ください。パッケージに乗らない固有の業務なら、AIスクラッチ開発という選択肢もあります。ライセンスはかからない一方、開発費・保守費が別途かかります。

バージョンと機能の更新について

この記事の根拠は、2026年10月時点のOdoo 19のソースコードと、公式ドキュメント(19.0・saas-19.4)です。JSON-2 APIはOdoo 19で加わり、従来のXML-RPC・JSON-RPCはOdoo 22(Onlineは21.1)で削除の予定です。公式MCPの対象は、Odoo Online 19.4以降とOdoo 20。APIキーの用途(スコープ)を選ぶ欄など、キーの画面は版によって違います。

削除の時期は、これまでに延期されたことがあります。版上げの計画では、対象の版の公式ドキュメントを見直してください。進め方はOdooのバージョンアップとサポート期間にまとめました。n8nやMakeのOdoo用の部品も、各社の更新で変わります。

よくある質問

スタンダードプランのまま、n8nでOdooとつなげますか?

つなげません。Odoo Onlineで外部APIを使えるのは、カスタムプランだけです。自動化ルールやファイルの取り込みで済まないかを先に比べ、それでも要るときにプランの変更を検討してください。

Community版でもJSON-2 APIは使えますか?

使えます。JSON-2 APIはOdoo本体の機能で、Community版にも含まれます。自社サーバーで動かすなら、プランの制限もありません。ただし、サーバーの運用と保守は自社の責任です。

いま動いているXML-RPCの連携は、すぐ直す必要がありますか?

Odoo 19でも動きますが、Odoo 22(Onlineは21.1)で削除の予定です。止まると困る順に一覧を作り、版上げの前に移すのが安全でしょう。移行ガイドと既存のコードをAIに渡せば、書き換えの下書きは短い時間でできます。

APIキーの期限が切れると、どうなりますか?

そのキーを使う連携は、認証に失敗して止まります。期限の2週間前に新しいキーを作り、差し替えて動くのを見てから古いキーを消してください。期限の一覧があれば、止まる前に気づけます。

n8nやMakeでOdooとAPI連携するメリットと注意点は?

コードを書かずにつなげる一方でプランと呼び出し方に注意が要ります。n8nやMakeにはOdoo用の部品があり、JSON-2 APIはCommunity版にも含まれます。一方、Odoo Onlineで外部APIを使えるのはカスタムプランだけです。会計のように組になる更新は、1回の呼び出しにまとめてください(良い点と気をつけること)。

まとめ:つなぐ前の確認で、作り直しをなくす

公式APIの連携でよくあるつまずきは、契約プラン、古い書き方、呼び出しの分け方の3つです。Odoo Onlineで外部APIを使えるのは、カスタムプランだけ。これから作るなら、JSON-2の形と期限付きのAPIキーが前提になります。会計のように組になる更新は、1回の呼び出しにまとめてください。

n8nやMake、Webhook、公式MCPは、やりたいことで選びます。どれを選んでも、専用のユーザーとキー、テスト用のデータベースが要ることは同じです。

1年後、情シスの担当者は連携の一覧を開けば、どれがJSON-2で、どのキーがいつ切れるかをすぐ答えられるはずです。Odoo 22への版上げの打ち合わせも、作り直しの見積もりからではなく、動作確認の段取りから始められます。

もう少し詳しく知りたい方へ

いま動いている連携の方式が分からない、プランを変えるべきか迷っている、といった段階からご相談を承っています。連携の一覧づくりから一緒に進めます。

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この記事を書いた人

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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