月末、工場の原価の数字はそろっている。
それなのに、決算の数字と合わせる作業に、経理が何日も取られる。
製造業の基幹システムを見直すとき、よく出てくる悩みです。
STRAMMIC(ストラミック)とは、株式会社アミックが開発・販売する製造業向けの基幹業務システムです。
生産管理と原価管理を中心に、販売・調達まで製造業の業務をまとめて扱えます。
複数の工場や協力工場を持ち、原価を細かく見たい製造業には、有力な候補です。
では、冒頭の悩みはSTRAMMICで解けるのか。
それは、見たい数字が工場の中にあるか、外にあるかで変わります。
この記事で分かること
- STRAMMICの基本と、提供元・導入パートナーの関係
- 5つの主要製品と、BOMを軸にした特徴
- 提供の形と、費用を左右する4つの要因
- これから選ぶ会社と、いま使っている会社の判断のしかた
- 工場の仕組みを残すか替えるかを決める型
ERPは、販売・在庫・生産・原価・会計などを一つの仕組みで扱うシステムです。
MRP(資材所要量計画)は、生産計画から必要な部品・材料の量と発注の時期を計算する仕組みを指します。
BOM(部品表)は、製品を作るのに要る部品や材料の構成の一覧です。
STRAMMICとは|提供元とパートナー
STRAMMICは、株式会社アミックが開発・販売する製品です。
導入の支援は、アミックのパートナー企業も担っています。
公式サイトでは、SIパートナーとして次の会社などが案内されています(出典:アミック公式、2026年9月確認)。
- ニッセイコム
- 東京システムリサーチ
- 三菱ケミカルエンジニアリング
- ひろぎんITソリューションズ
- 三菱総研DCS
問い合わせ先によって、導入の進め方や得意な業種が違うことがあります。
同じSTRAMMICでも、どのパートナーと組むかを比べる価値があります。
アミックの最初のパッケージ製品は、1995年の生産管理でした。
1998年に原価管理が加わり、2002年の世代で生産管理と原価計算が統合されました。
STRAMMICは、2017年に初版が出た第4世代の製品です(出典:アミック 沿革、2026年9月確認)。
製造の現場の数字から組み立ててきた経緯が、製品の特徴に表れています。
主な機能と特徴
5つの主要製品
| 製品 | 役割 |
|---|---|
| STRA DS(販売物流管理) | 受注から出荷・在庫までの流れを管理 |
| STRA PM(生産管理) | 生産計画・MRP・製造の進み具合を管理 |
| STRA PROC(調達管理) | 材料・部品の購買・発注を管理 |
| STRA CA(原価管理) | 製造原価の計算・分析、予算原価のシミュレーション |
| Lite Factory(工程管理) | 工程管理パッケージ(MES)。製造オーダーをもとにした作業指示と、製造実績の確認 |
(出典:アミック公式・Lite Factory製品ページ、2026年9月確認)
MES(製造実行システム)は、工場の作業指示や実績の記録を担う仕組みです。
公式サイトでは、会計・EC/EDI・倉庫管理(WMS)・BIツールとの連携も案内されています。
BOMを軸にした設計
公式サイトでは、STRAMMICを「BOMが基本となる基幹業務システム」と説明しています。
中核にあるのは、BOMと生産工程です。
- 製造パターンごとにBOMを定義できる:設計変更や配合の違いにも対応
- 自動でオーダーを作る:所要量計算や物流拠点の補充計算から、オーダーを生成
- 予算原価のシミュレーション:原価管理のSTRA CAで、予算の原価を試算
複数の会社・工場をまたぐ
マルチカンパニー・マルチファクトリーに対応しています。
自社の工場だけでなく、仕入先・製造委託先・海外の生産拠点まで含めて扱えます(出典:アミック公式、2026年9月確認)。
食品・化学品・医薬品などのプロセス系と、加工組立のディスクリート系の両方に対応します。
提供の形と、段階的な導入
STRAMMICはWebアプリケーションです。
クラウド(AWS・Azure・OCI・Google Cloud)、オンプレミス、指定のデータセンターから選べます(出典:アミック公式、2026年9月確認)。
小さく始めて、段階的に使う範囲を広げる進め方も案内されています。
費用の考え方
STRAMMICの価格は、公式サイトに公開されていません。
基幹システムの入れ替えでは、製品の価格より、導入の中身が金額と期間を大きく動かします。
NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットが、導入を支援してきた中で見てきた要因は4つです。
機能範囲、開発(特に外部システムとの連携)、社内の体制、ユーザー数の4つです。
情報システムの担当が少ない会社では、サポートを厚くする分、期間も延びやすくなります。
STRAMMICを会計などとつなぐ場合は、2つ目の「連携の開発」が重くなりがちです。
見積もりを取る前に、最初に入れる範囲、対象の工場と拠点の数、つなぐ先のシステムの3つを決めておくと比べやすくなります。
初期費用だけでなく、保守と運用の継続費用も含めて比べてください。
判断の物差し|STRAMMICが合う会社・合わない会社
| 選択肢 | 合う条件 | 注意点 |
|---|---|---|
| STRAMMIC | 複数工場・協力工場があり、原価を細かく見たい | 会計や海外子会社の経営管理は別の仕組みとつなぐ |
| 統合型クラウドERP(NetSuiteなど) | 会計・販売・在庫・海外子会社まで一つにしたい | 工場の深い工程管理は別の仕組みと組み合わせることがある |
| Odoo | 費用を抑え、自社で柔軟に組み替えたい | 自社側に設計と運用の力が要る |
| AIスクラッチ開発 | 独自の工程そのものが強み | 保守を誰が担うかを先に決める |
| いまは入れない | 工場が1つで、生産の品目も少ない | 人に依存する業務を書き出しておく |
STRAMMICが素直に合うのは、複数の工場や海外拠点で生産を横断して管理したい製造業です。
原価管理を経営の軸にしたい会社、配合や設計変更が多くBOMを細かく持ちたい会社にも向きます。
会計や海外子会社の経営管理まで、クラウドで一つにしたい会社は、統合型のクラウドERPも比べます。
NetSuiteは世界220地域・44,000社以上で使われています(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月時点)。
クラウドERPの基礎は、NetSuiteとは?で扱っています。
これから選ぶ会社と、いまSTRAMMICを使っている会社
これから選ぶ会社
- 経営者が毎月見たい数字が、工場の中にあるか外にあるかを決める
- 製造の型(プロセス系・加工組立・個別受注など)を書き出す
- 同じ型に強い製品を2〜3つ並べ、自社の品目でデモを見せてもらう
製造業ERPの一覧は、製造業向けERP15選で比べられます。
ERP全般の選び方は、ERPを徹底比較で扱っています。
いまSTRAMMICを使っている会社
更新や保守の時期が近づいたら、まず困りごとの場所を分けます。
- 工場の中の業務に不満:提供元・パートナーに、設定や版の更新で直せるかを相談する
- 会計や拠点とのつなぎ目に不満:STRAMMICを残し、つなぐ先の会計の仕組みを見直す道もある
- 会社の形が変わった:海外子会社の増加やM&Aでは、全体の構成から考え直す
困りごとの場所と、まず考えることを図にすると、次のとおりです。
冒頭の「決算と合わせるのに何日もかかる」悩みは、多くの場合2つ目にあたります。
工場の仕組みを替える前に、どこを残すかを決めるのが先です。
更新か乗り換えかの考え方は、基幹システムは「更新」か「乗り換え」かで扱っています。
よくある失敗3つ
失敗1:パートナーを比べずに決める
起きること:導入が始まってから、自社の業種の経験が少ないと分かる。
原因:製品だけを比べ、導入を担う会社を比べていなかった。
避け方:複数のパートナーに、自社に近い業種での進め方を聞きます。
失敗2:BOMの整備を後回しにする
起きること:稼働しても、所要量の計算や原価が実態と合わない。
原因:部品表の精度が低いまま、システムに移した。
避け方:導入の前に、主要な製品のBOMを現場と一緒に見直します。
失敗3:会計とのつなぎを最後に考える
起きること:工場の原価は見えるが、決算の数字と合わせるのに時間がかかる。
原因:原価と会計のデータの受け渡しを、導入の範囲に入れていなかった。
避け方:どの数字を、いつ、どの形で会計に渡すかを最初に決めます。
3つの失敗と避け方をまとめると、次の図のとおりです。
ベンチャーネットならこう見る|工場の仕組みは「残す」も選べる
基幹システムの見直しというと、全部を入れ替える話になりがちです。
ベンチャーネットは、先に業務を見える化し、仕組みごとに扱いを決めます。
型:見える化→整理整頓→標準に合わせる/開発する/残す
- 業務の見える化:受注から生産・原価・決算までの流れと、手で数字を写している所を描く
- 整理整頓:やめる・まとめる・そろえる業務を決める
- 3つの選択:残った業務ごとに、新しい仕組みの標準に合わせるか、開発で補うか、いまの仕組みに残すかを決める
工場の中の業務がSTRAMMICでうまく回っているなら、「残す」が有力な答えです。
そのうえで、会計や拠点をまとめる仕組みだけを見直し、両者をつなぎます。
ベンチャーネットは、導入だけでなく既存システムとの連携も担います。
仕事の多くも、ゼロからの導入より、他システムとの連携や他社のあとの引き継ぎです。
相談の最初に伺う3つ
- 5年後、工場・協力工場・海外拠点はいくつあるか
- 経営者が毎月見たい数字は、工場の中と外、どちらにあるか
- 原価と会計のデータを、いまどこで、誰が手で合わせているか
製造業向けの製品と統合型のERPは、どちらが優れているかではなく、それぞれに長所があります。
答えは、製品の優劣ではなく、この3つの答えで決まります。
今日できること|1時間で「数字の置き場所」を書き出す
経営会議で見ている数字を5つ選び、次の表を埋めてみてください。
| 数字 | いまの出どころ | 集計にかかる時間 | 工場の中か外か |
|---|---|---|---|
| (例)製品別の原価 | 工場のExcel | 月末に2日 | 中 |
外の数字が多ければ会社全体の仕組み、中の数字が多ければ工場の仕組みが先です。
この表は、提供元やパートナーとの打ち合わせでもそのまま使えます。
よくある質問
Q1. STRAMMICの提供元はどこですか
株式会社アミックです。
アミックが開発・販売し、ニッセイコムや三菱総研DCSなどのSIパートナーも導入を支援しています。
Q2. どんな製造業に向いていますか
複数の工場を持つ製造業や原価管理を重視する製造業です。
食品・化学品・医薬品などのプロセス系と、加工組立のディスクリート系の両方に対応します。
Q3. クラウドで使えますか
クラウドでも使えます。
公式サイトでは、AWS・Azure・OCI・Google Cloudのクラウドと、オンプレミス、指定のデータセンターが案内されています。
Q4. 料金はいくらですか
公式サイトに価格は公開されていません。
工場の数・利用人数・機能・連携で変わるため、提供元やパートナーに見積もりを依頼します。
入れ替え全体の費用は、機能範囲・開発(特に外部連携)・社内の体制・ユーザー数の4つで大きく変わります(第3章)。
Q5. STRAMMICとNetSuiteは何が違いますか
得意な範囲が違います。
STRAMMICは工場の生産・原価の管理に強い製造業向けの製品です。
NetSuiteは会計・在庫・販売から海外子会社の経営管理までを一つにするクラウドERPです。
STRAMMICを残し、会計側だけを見直す組み合わせもあります(第7章)。
Q6. 小さく始めることはできますか
公式サイトでは段階的な拡張が案内されています。
小さく立ち上げ、使う範囲を広げる進め方です。
最初の範囲は、提供元やパートナーと相談して決めます。
まとめ
- STRAMMICは、アミックが開発・販売する製造業向けの基幹業務システム
- BOMと生産工程を中核に、生産・販売・調達・原価・工程の5つの製品で構成
- 複数の会社・工場、協力工場や海外拠点まで扱える
- 価格は非公開。入れ替えの費用は機能範囲・開発・社内の体制・ユーザー数で決まる
- 見直すときは、見える化してから「標準に合わせる/開発する/残す」を決める
月末に決算と合わせる作業で何日も取られているなら、原因は工場の中より、つなぎ目にあるかもしれません。
最初の一歩は、経営会議の数字5つの置き場所を書き出すことです。
もう少し詳しく知りたい方へ
STRAMMICの詳細・見積もりは、提供元のアミックや各パートナーにご確認ください。
会計や海外拠点まで含めて、クラウドERPと比べたい方は、ベンチャーネットにご相談ください。
