デモが終わり、会議室を出たところで社長が聞きます。
「で、うちに合いそうなのか」
同席した部長たちは、顔を見合わせるだけでした。
NetSuite(ネットスイート)の体験デモとは、製品の画面を実際に動かしてもらい、自社で使う姿を確かめる場です。
よくできた画面をいくら見ても、準備がなければ、社長の問いには答えられません。
デモは「見せてもらう場」ではなく、自社の業務を当てはめて確かめる場だからです。
押さえるポイントは10あります。
商談前の準備が3つ、当日に確かめる機能が5つ、見落としやすい運用が2つ。
そしてデモは、製品と同時に、一緒に進める相手を見極める場でもあります。
では、デモの後、何をもって「合う」と決めればよいのか。
そこまで決めておくと、冒頭の社長の問いに、その日のうちに答えられます。
デモを受けた結果、NetSuiteが合わないと分かることもあります。それも立派な成果です。
ここで挙げるポイントは、NetSuite以外のERPのデモにも、そのまま使えます。
この記事で分かること
- デモの受け方で、判断の質が変わる理由
- 商談前に整える3つ、当日に確かめる機能5つ、運用の2つ
- AIの機能を、日本での提供状況まで含めて聞く方法
- デモの後の30分の振り返りと、進むか・ほかも見るかの物差し
- 導入費用の幅と、デモで書き込んだ「開発」「連携」の関係
申し込みの手順は、NetSuiteの無料デモ申し込み方法で扱っています。
デモの受け方で、判断の質が変わる理由
ERPの導入は、システム選びではなく経営の判断です。
デモを「ITの確認の作業」と捉えると、判断の軸を見失います。
デモが役に立つのは、次の3つがそろったときです。
- 自社の経営の課題が、3つ程度に絞られている
- 今の業務とデータの流れが、ざっくり書き出されている
- 判断する立場の人が、同席している
準備がないまま臨むと、説明に流されたり、要望の一覧が膨らんだりします。
機能の○×だけで判断してしまうことも増えます。
デモは、経営の判断の材料を集める場です。
10のポイントの一覧
| # | 段階 | 確かめること | 見るべき点 |
|---|---|---|---|
| ① | 準備 | 経営の課題を3つに絞る | 「何でもできるか」ではなく「この3つができるか」 |
| ② | 準備 | 今の業務とデータの流れを棚卸しする | 表計算でつないでいる所と、属人化している所 |
| ③ | 準備 | 同席する顔ぶれを選ぶ | 経営層・システムの担当・業務の代表 |
| ④ | 当日 | ダッシュボードと見える化 | 役職ごとの画面、元の伝票までたどれるか |
| ⑤ | 当日 | 会計・財務の基本の動き | 仕訳・承認・締め・連結・日本の会計の扱い |
| ⑥ | 当日 | 在庫・販売とのつながり | 受注から入金までが1つのデータか |
| ⑦ | 当日 | 作り込みの要否 | 標準・設定・開発・連携のどれで実現するか |
| ⑧ | 当日 | AIの機能 | 何ができるか、日本で使えるか |
| ⑨ | 運用 | 支援の体制と日本語の対応 | 窓口・資料・障害・更新への対応 |
| ⑩ | 運用 | 定着と、先の広がり | 教育・ユーザーや機能の追加・海外への対応 |
商談の前に、この表を印刷して同席者で共有してください。
デモには2つの種類がある
| 種類 | 中身 | 向く段階 |
|---|---|---|
| 標準のデモ | 用意された画面と流れで、製品の全体を見る | 候補を2〜3に絞る前 |
| 場面を指定したデモ | 自社の課題に沿った場面を、事前に伝えて見る | 候補を絞った後 |
最初から場面を指定したデモを頼むと、判断の材料が早くそろいます。
そのための準備が、次の3つです。
デモの前に整える3つ【準備】
準備の3つと仕上げの流れを図にすると、次のとおりです。
ポイント①:経営の課題を3つに絞る
最初にやるのは、自社の経営の課題を3つまでに絞ることです。
- 数字が見えない:月次の締めが遅く、経営の判断が後手に回る
- 属人化している:表計算の管理で、担当者が休むと業務が止まる
- 拠点がばらばら:海外の子会社や複数の拠点の数字がまとまらない
課題は、経営者の言葉で書きます。
できれば、課題ごとに目標の数字も添えます。
たとえば「月次の締めを今より5営業日早める」といった形です。
数字があると、デモで見た機能が目標に届くかを話し合えます。
「何でもできるERP」を探すのではなく、「この3つを解けるか」を見るためにデモがあります。
課題が絞れていないと、デモの後に何が分かったのか思い出せなくなります。
ポイント②:今の業務とデータの流れを棚卸しする
- 使っているシステム:会計・販売・在庫・給与などに、今何を使っているか
- 表計算の範囲:システムの間を、どの表計算でつないでいるか
- 属人化している作業:特定の担当者しか知らない処理
棚卸しは、担当者への聞き取りでも構いません。
「月末に一番時間がかかる作業は何か」と聞くだけで、表計算でつないでいる所が見えてきます。
この棚卸しは、Fit&Gap分析の前の段階です。
Fit&Gap分析は、自社の業務とNetSuiteの標準機能の差を見る作業です。
「ここが表計算でつながっている」と分かる粗さで十分です。
進め方は、Fit&Gap分析で扱っています。
ポイント③:同席する顔ぶれを選ぶ
- 経営層:投資を判断できる方(社長・CFO・担当の役員)
- システムの担当:技術の面を見られる方
- 業務の代表:経理・販売など、主な業務の責任者
全社員の要望は集めません。
要望を全部拾うと要件が膨らみ、判断の軸が失われます。
それより、優先順位を決められる人が同席しているかどうかです。
当日は、同席者ごとに見る所を分けておくと、見落としが減ります。
- 経営層:3つの課題が解けそうか、投資に見合うか
- システムの担当:今の仕組みとのつなぎ方、権限や更新の扱い
- 業務の代表:毎日の入力が今より楽になるか、例外の処理が回るか
準備の仕上げ:相手に先に送る質問
3つの準備ができたら、デモの前に相手へ次のような質問を送っておきます。
当日の時間を、見たい場面に使えるようになります。
- 自社の3つの課題のうち、標準の機能で解けそうなものはどれか
- 同じ業種・同じくらいの規模の会社で、よく作り込みが要る所はどこか
- 導入の後、社内に何人くらいの担当者を置くのが現実的か
- 費用は、どんな構成を前提にした目安になるか
答えの具体さで、相手が自社の業務をどこまで理解しようとしているかも見えます。
当日に確かめる機能5つ【商談中】
NetSuiteは、世界220地域・44,000社以上で使われるクラウドERPです(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月時点)。
機能の幅が広く、デモですべてを見るのは現実的ではありません。
自社の経営の課題に直結する機能から見てください。
機能の全体像は、NetSuite機能一覧をご覧ください。
ポイント④:ダッシュボードと見える化
- 役職ごとのダッシュボード:社長・CFO・部門長で見える数字が変わるか
- ドリルダウン:まとめの画面から、元の伝票までたどれるか
- 指標の追加:自社に要る数字を、自社で足せるか
「この画面を毎朝1分見れば、会社の今が分かる」状態を作れるかが見どころです。
経営会議で毎月見ている資料を1枚持ち込み、同じ数字がどの画面で出るかを聞くと具体的です。
ポイント⑤:会計・財務の基本の動き
- 仕訳の入力と承認:日々の仕訳がどう入り、誰が承認するか
- 月次・年次の締め:締めの手順から決算書の出力まで
- 連結:複数の拠点や子会社の数字のまとめ方
- 日本の会計の扱い:消費税の処理、仕入の計上の考え方
「できます」と言われたら、自社のよくある仕訳で動かしてもらってください。
子会社がある会社は、連結の数字がどの画面でどうまとまるかも見てください。
考え方はグループ連結決算をNetSuiteで効率化に、日本の会計の注意点はNetSuiteで財務会計を行う前に確認すべき3つのことにまとめています。
ポイント⑥:在庫・販売とのつながり
- 受注から請求まで:受注→出荷→請求→入金のデータのつながり
- 在庫の正確さ:在庫の数が、その場で見えるか
- 複数の倉庫:拠点ごとの在庫が、1つの画面で見えるか
返品・値引き・分納などの例外の処理も、1つは見せてもらってください。
例外の扱い方に、製品の考え方がよく表れます。
毎日の手間は、例外の処理で決まることが多いからです。
ERPの価値は、会計と業務がその場でつながる所にあります。
ここが切れていると、表計算での照合の作業が残ります。
ポイント⑦:作り込みの要否
NetSuiteには、開発の仕組みとしてSuiteScriptとSuiteFlowがあります。
SuiteScriptはJavaScriptで機能を広げる仕組みで、プログラミングの知識が要ります。
SuiteFlowは、プログラムを書かずに業務の流れを自動にする仕組みです(出典:Oracle NetSuiteヘルプ、2026年9月確認)。
「できます」の中身は、次の4つに分かれます。
どれに当たるかで、費用も更新への影響も変わります。
| 実現の方法 | 中身 | 費用 | 更新のときの影響 |
|---|---|---|---|
| 標準 | そのまま使える | 追加なし | 小さい |
| 設定 | 画面の項目や承認の流れを変える | 小さい | 小さい |
| 開発 | SuiteScriptなどで独自に作る | 中〜大 | 確認と改修が要ることがある |
| 連携 | 別のシステムや追加の製品とつなぐ | 追加の製品と、つなぐ費用 | つなぎ目の確認が要る |
デモの場で、見た機能ごとにこの4つのどれかを書き込んでいきます。
業務を標準に合わせて変えるほうが、長い目で見て費用も危うさも下がります。
「開発」と「連携」の数は、第6章で見る導入費用の差に、そのまま効いてきます。
ポイント⑧:AIの機能
AIは、今のERPの選定で外せない確認の項目です。
NetSuiteのAIは、ERPに組み込まれた機能と、外部のAIとの接続の2つに分かれます。
| 確かめる問い | NetSuiteで確かめられたこと(2026年9月) | デモで聞くこと |
|---|---|---|
| 組み込みのAIで何ができるか | 文章の要約・文章を整える機能などがある | 自社の業務のどこで使えるか |
| 日本で使えるか | 機能ごとに違う。Narrative Insightsは日本で使え、Bill Captureは米国のみ | 使いたい機能が、日本のアカウントで使えるか |
| 外部のAIとつなげるか | AI Connector Serviceで、Claude(Pro以上)やChatGPTから接続できる | 自社で使っているAIから、どのデータまで見られるか |
| 費用 | AI Connector Service自体は有料の機能ではない | AIの側の契約に、何が要るか |
| 権限 | 管理者のロールでは使えない | AIに見せてよいデータの範囲をどう決めるか |
(出典:Oracle NetSuiteのヘルプ、2026年9月確認)
AI Connector Serviceは、MCP(AIと外部のシステムをつなぐ共通の規格)にもとづく仕組みです。
仕組みは、NetSuite AI Connector Service(MCP)とはで扱っています。
AIの価値は、データが一か所にそろっているかで決まります。
機能の派手さより、自社のデータがどこまで1つになるかを見てください。
たとえば、デモの場で次のような問いをAIに投げてもらうと、使い道が具体的になります。
- 先月より粗利が大きく下がった品目はどれか
- 入金が遅れがちな取引先はどこか
- 在庫が多すぎる品目と、欠品しそうな品目はどれか
答えの正しさを人がどう見分けるかも、あわせて聞いてください。
見落としやすい運用の2つ【商談中】
ポイント⑨:支援の体制と日本語の対応
- 問い合わせの窓口:トラブル時の連絡先、対応する時間と言語
- 日本語の資料:手引きやヘルプの整い方
- 障害のとき:止まったときの連絡の経路と、復旧の見込み
- 更新のとき:更新の影響と、知らせ方
NetSuiteの大きなリリースは年2回で、数か月かけて段階的に更新されます。
更新の前には、Release Preview(新しい版を試せる環境)を申し込めます(出典:Oracle NetSuiteのヘルプ、2026年9月確認)。
更新のたびに誰が何を点検してくれるかを、デモの場で聞いてください。
日本語は、画面の表示だけでなく、帳票やメールの文面、ヘルプの資料まで見ます。
範囲は、NetSuiteの日本語対応で扱っています。
製品は世界共通で、伴走するのは日本のパートナーという形です。
パートナーの支援の体制も含めて評価してください。
ポイント⑩:定着と、先の広がり
- 教育:導入のときの教育と、稼働した後の学び直しの場
- ユーザーの追加:社員や拠点が増えたときの追加のしやすさ
- 機能の追加:CRM・EC・人事などを後から足せるか
- 海外への対応:海外に子会社を作ったときの言語・通貨・会計基準
今要る機能だけでなく、3〜5年後に要りそうな機能も視野に入れます。
「3年後に海外に販売の拠点を作る」なら、その拠点を足す手順と費用をデモの場で聞きます。
海外への対応は、NetSuiteのグローバル展開機能で扱っています。
デモの後に、比べる軸を切り替える
商談の最中は、どうしても機能に目が向きます。
デモが終わったら、比べる軸を「誰と進めるか」に切り替えてください。
ERPは買って終わりではなく、数年かけて運用を磨いていくプロジェクトです。
| 見る点 | 製品を売る人 | 経営を支える伴走者 |
|---|---|---|
| 商談の進め方 | 機能を上から順に説明する | 経営の課題から聞く |
| 質問への答え方 | 「できます/できません」の二択 | できる範囲と限界を率直に示す |
| 作り込みへの姿勢 | 言われたとおりに作る | 要る・要らないを一緒に決める |
| 失敗の話 | 触れない | 過去の失敗から学んだことを話す |
「この機能は御社には要らないかもしれません」と言えるかどうかが、分かりやすい目安です。
もう1つ、デモで話した相手と、導入で要件を聞く相手が同じかも聞いてください。
間に人が入るほど、デモで伝えた課題は薄まっていきます。
その日のうちに、30分の振り返り
デモが終わったら、同席者で30分の振り返りをします。
- 3つの課題ごとに、「解けそう・条件つき・難しい」を書く
- 見た機能を、標準・設定・開発・連携に分ける
- 次に知りたいことを、相手に質問として返す
振り返りをその日のうちにしないと、印象だけが残り、判断の材料が消えていきます。
冒頭の社長の問いに答えるのは、この1枚です。
パートナーの選び方は、NetSuiteパートナーの選び方で扱っています。
判断の物差し|デモの後、どう進むか
NetSuiteに進んでよい会社
デモの後、次の3つがそろえば、Fit&Gap分析に進む価値があります。
- 絞った3つの課題のうち、2つ以上が標準か設定で解けそう
- 業務を標準に合わせて変えることに、経営層が前向き
- 費用の出発点(ミニマム構成で月額20万円〜)に、投資の見通しが立つ
ライセンスは、使うモジュール・ユーザー数・オプションで変わります。
構成によっては、月額が数百万円規模になることもあります。
導入費用は、ライセンスとは別にかかります。
ベンチャーネットが支援したNetSuite導入の費用は、大きく開いています。
3名程度・購買と販売だけ・開発なしの例は、1.5か月・150万円程度でした。
100名程度・外部システムとの連携開発ありの例は、1.5年・2億円程度です。
差を生むのは、機能範囲・開発(特に外部連携)・社内の体制・ユーザー数の4つ。
ポイント⑦で「開発」「連携」と書き込んだ数が、この差に直結します。
4つの事例の表は、NetSuiteの料金・費用・ライセンス体系に載せています。
Fit&Gap分析では、デモで「条件つき」とした所を一つずつ詰めていきます。
業務の見直しで埋めるか、設定・開発・連携で補うかを決め、その費用を見積に載せます。
決める前の質問は、NetSuite選定チェックリストにまとめています。
まだ早い・ほかも見るべき会社
| デモの後の状態 | 次の一手 |
|---|---|
| 課題の多くが開発でしか解けない | 業務の見直しで埋まるかを先に考える。AIスクラッチ開発も比べる |
| 国内1社で、会計ソフトで足りている | 「いまは入れない」も正しい選択。見直す時期だけ決める |
| 小さく始めて、少しずつ広げたい | Odooなど、アプリを足していく製品も比べる |
| 日本の業務慣行への対応を最優先したい | 国産のERPも比べる |
どの状態でも、デモを受けたことは無駄になりません。
自社の課題と、製品に求める条件がはっきりしたからです。
比べる候補は、ERP・クラウドERPを徹底比較で見渡せます。
初めて選ぶ会社と、いま使っていて見直す会社
立場ごとに、デモで力を入れる所を図にすると、次のとおりです。
初めてERPを選ぶ会社
会計ソフトと表計算で回してきた会社は、ポイント②の棚卸しに時間をかけてください。
システムの間を人がつないでいる所が、ERPで一番に消える作業です。
デモは2〜3製品に絞り、同じ場面を見せてもらうと比べやすくなります。
社内にERPに詳しい人がいなければ、導入の後に誰が設定を変えるのかも聞いてください。
いまERPを使っていて、見直しを考えている会社
きっかけは、今の製品の保守期限や、支援する会社への不満のこともあります。
この場合は、デモで次の2つを加えて聞きます。
- 今の製品で作り込んだ機能がNetSuiteの標準でどう回るか
- 今のデータをどの範囲とどの形で移せるか
すでにNetSuiteを使っていて、支援する会社を見直したい場合もあります。
そのときは、新しい製品のデモより、今の設定の点検から始めるほうが近道です。
「使いにくい」原因が、製品ではなく設定や運用にあることも少なくないからです。
考え方は、ERP導入失敗の原因はパートナーにあり?で扱っています。
よくある3つの失敗
失敗1:全社員の要望を集めて、要件が膨らむ
起きること:要件が100項目を超え、「全部できないとだめ」になり、判断の軸がぶれる。
原因:ERPの選定を、要望をすべて満たす機能探しだと考えていた。
要望が膨らむほど、デモで見るべき所が散らばります。
避け方:デモの前に、経営層が外せない課題を3つ決めます。
現場の要望は、その課題の解決に要るかどうかで取捨選択します。
失敗2:「できます」をそのまま信じて確かめない
起きること:導入の後に、開発や連携が要ると分かり、予算が膨らむ。
原因:「できます」の中身が、標準・設定・開発・連携のどれかを聞いていなかった。
この4つは、費用も危うさも大きく違います(ポイント⑦)。
避け方:「標準・設定・開発のどれで実現しますか」と必ず聞きます。
自社のよくある業務の流れで、画面を動かしてもらいます。
失敗3:機能の○×だけで決め、相手の姿勢を見ない
起きること:○の多い製品を選んだが、使わない機能ばかりで、運用も回らない。
原因:比較表の○の数と、会社の大きさや知名度だけで判断した。
○は使い方の質を表しません。△の機能が、運用次第で大きな価値を生むこともあります。
避け方:○×ではなく、課題が解けるか・運用を回せるかで評価します。
あわせて、限界を率直に話す相手かどうかを見ます。
ベンチャーネットならこう見る|デモは「見える化」と「Fit&Gap」の間に置く
NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットは、デモを進め方の型の中に置いて考えます。
ポイント②の棚卸しは、1段目の「見える化」の入口です。
デモは、2段目までで絞った課題を、3段目のFit&Gapの前に画面で試す場になります。
デモで「条件つき」とした業務は、Fit&Gapで3つのどれかに決めます。
標準に合わせる/開発する/残す。
「残す」は、NetSuiteに載せず、今の仕組みや運用で続けるという選び方です。
この順番を守るため、デモの前に次の3つを伺います。
- 絞った3つの課題:何が解ければ、この投資は成功か
- 今の業務の一番面倒な場面:デモで必ず通す場面はどれか
- 判断の時期と決める人:いつまでに、誰が決めるか
そのうえで、3つの課題に沿った場面でデモを組みます。
課題がNetSuiteの標準で解けないと分かれば、その場でお伝えします。
デモの後に要件を伺うのは、営業ではなく導入コンサルタントです。
デモで聞いた課題が、伝言ゲームで薄まらないようにするためです。
もう1つ、変わることを先にお伝えします。
帳票の形、締め処理の考え方、画面の操作感は、今のシステムから変わります。
ライセンス費用が、今より上がることもあります。
給与・人事は導入の対象外で、別の仕組みが要ります。
デモの印象が良いときほど、こうした点を契約の前に知っておくことが、後の「話が違う」を防ぎます。
今日できること|1時間で「デモの台本」を作る
経営者と業務の責任者で、次の3つを紙に書き出してください。
- 解決したい経営の課題を3つ
- デモで通してほしい業務の場面を3つ(例:受注から請求まで、月末の締め、在庫の確認)
- 今出している帳票のうち、必ず出したいものを1〜2枚
この紙を、デモの前に相手に渡します。
それだけで、デモは「見せてもらう場」から「確かめる場」に変わります。
複数の製品のデモを受けるなら、同じ紙をすべての相手に渡してください。
同じ条件で見れば、印象ではなく事実で比べられます。
よくある質問
Q1. デモの時間はどれくらいですか
ベンチャーネットの無料体験デモはオンラインで30分程度からです。
自社の業務の場面に沿って深く見る場合は、それより長くなります。
見たいポイントを事前に伝えると、限られた時間を生かせます。
Q2. 自社のデータを使ったデモはできますか
初回は難しいことが多く部分的な対応になります。
よくある取引の流れを伝えれば、それに沿った画面を見せてもらえます。
より深い検証は、Fit&Gap分析の段階で行うのが一般的です。
Q3. 複数のERPのデモを同時に受けてもよいですか
むしろ2〜3製品のデモを受けることをおすすめします。
比べる相手がないと、後で「ほかに合う製品があったのでは」と迷いやすくなります。
ただし5社・10社と受けるのは現実的ではありません。先に候補を絞ってください。
Q4. デモの後、どのくらいで判断すべきですか
ベンチャーネットは1〜3か月程度を目安にしています。
Fit&Gap分析を経て、投資の効果を経営層で話し合う時間が要ります。
NetSuiteは年間ライセンス料のサブスクリプションです(出典:Oracle NetSuite公式、2026年9月確認)。
準備が整ってから契約するほうが、長い目で見てうまくいきます。
半年以上先送りすると、現場の熱が下がり、プロジェクトが止まりやすくなります。
Q5. AIの機能は、デモで何を確かめればよいですか
使いたい機能が日本のアカウントで使えるかをまず聞きます。
NetSuiteのAIは、機能ごとに提供の地域が違います。
外部のAIとつなぐ場合は、AIに見せるデータの範囲と権限の決め方も聞いてください(ポイント⑧)。
Q6. デモの後、導入費用はどう見積もればよいですか
デモで開発と連携に分けた機能の数から見当をつけます。
ベンチャーネットが支援したNetSuite導入では、150万円程度から2億円程度まで開きがあります。
差を生むのは、機能範囲・開発(特に外部連携)・社内の体制・ユーザー数です(第6章)。
Q7. デモを受けたら、契約しないといけませんか
いいえデモは判断の材料を集める場です。
デモの結果、NetSuiteが合わないと分かることもあります。
その判断ができたことも、デモの成果です。
まとめ
- デモは、自社の業務を当てはめて確かめる場
- 準備では、課題を3つ・業務の棚卸し・同席の顔ぶれを整える
- 当日は、見える化・会計・販売と在庫・作り込み・AIを見る。AIは日本で使えるかまで聞く
- 見た機能は標準・設定・開発・連携に分ける。開発と連携の数が導入費用を左右する
- デモの後は比べる軸を「誰と進めるか」に切り替え、その日のうちに30分の振り返り
- 合わないと分かることも、デモの成果
「で、うちに合いそうなのか」。
その問いに、課題ごとの「解けそう・条件つき・難しい」で答えられれば、デモは役目を果たしています。
まずは経営の課題を3つに絞るところから始めてください。
もう少し詳しく知りたい方へ
自社の3つの課題に沿った場面で、NetSuiteのデモをご用意しています。
合わない場合は、その理由もお伝えします。
