「SMILE BS(スマイル ビーエス)について調べたら、SMILE Vという名前も出てきた」。そんな方は多いかもしれません。
結論からお伝えすると、SMILE BSの後継が現在の主力製品「SMILE V(スマイル ブイ)」です。
SMILEは、1979年から続く国産の基幹業務システムです。開発は株式会社OSK、販売は大塚商会が担っています。
この記事では、SMILE Vの機能・特徴・費用、そして「どんな企業に向いているか」を、専門用語をかみくだいてわかりやすく解説します。あわせて、グローバル展開を見据えた場合の選択肢にも触れます。
自社に合うERP選びの参考にしていただければ幸いです。
SMILE Vとは?(旧SMILE BSとの関係)
SMILE Vは、株式会社OSKが開発する統合業務パッケージ(ERP)です。旧称SMILE BSの後継として、現在のSMILEシリーズの中心になっています。
ここでは、SMILEシリーズの歴史と、開発・販売を担う会社、そして「基幹業務システム」という言葉の意味を整理します。
SMILEシリーズの歴史
SMILEシリーズは、1979年に誕生した基幹業務システムです。40年以上にわたり、機能強化を重ねてきました。
製品名は、時代に合わせて次のように移り変わってきました。
- SMILE BS(旧世代の統合業務パッケージ)
- SMILE V(SMILE BS 2nd Edition などの後継として2017年に発売)
- SMILE V 2nd Edition(SMILE Vの後継として2022年に発売)
つまり「SMILE BS → SMILE V → SMILE V 2nd Edition」という流れです。今からSMILEを検討する場合、対象は現行のSMILE Vシリーズになります。
開発元OSKと販売元・大塚商会の関係
SMILEシリーズを開発しているのは、株式会社OSKです。OSKは大塚商会の連結子会社にあたります。
OSKは、基幹系システム「SMILE」と情報系システム「eValue」の両方を開発しています。この2つを連携させ、業務効率化や内部統制に必要な機能を提供できる点が特徴です。
また、開発・販売・サポートを大塚商会とOSKが一体で担います。利用者の声を製品に反映しやすい体制になっています。
そもそも基幹業務システム・ERPとは?
ERPとは「会社全体の仕事を一つのシステムでまとめて管理する仕組み」です。
たとえば販売・会計・在庫・人事給与などの業務を、別々のソフトではなく一つの基盤で扱います。データが連携するため、二重入力の手間が減り、情報の見える化が進みます。
SMILE Vも、こうした基幹業務を統合するERPの一つです。
SMILE Vの製品ラインアップ(オンプレミス/クラウド)
SMILE Vには、利用形態の異なる2つの製品があります。自社の環境に合わせて選べます。
ここでは、それぞれの違いと選び方の考え方を整理します。
SMILE V 2nd Edition(オンプレミス型)
SMILE V 2nd Editionは、オンプレミス型の製品です。
オンプレミスとは「自社でサーバーを保有し、その中にシステムを置いて使う形」を指します。自社で環境を管理したい企業に向いています。
SMILE V Air(クラウド型)
SMILE V Airは、クラウド型の製品です。
クラウドとは「インターネット経由で提供されるシステムを使う形」を指します。自社でサーバーを用意・管理する必要がなく、導入のハードルを抑えやすいのが特徴です。
どちらを選べばいい?
選び方の目安は「自社でサーバーを保有・管理できるか」です。
- 自社で環境を管理したい → オンプレミス型(SMILE V 2nd Edition)
- サーバー管理の負担を減らしたい → クラウド型(SMILE V Air)
どちらが適しているかは、社内のIT体制や運用方針によって変わります。迷う場合は、両方の特徴を比べながら検討するとよいでしょう。
SMILE Vの主な機能(モジュール構成)
SMILE Vは、複数のモジュール(機能のまとまり)で構成されています。必要な業務に合わせて組み合わせて使えます。
主なモジュールを一覧で整理します。
| 区分 | モジュール | 主な役割 |
|---|---|---|
| 基幹系(SMILE V) | 販売 | 受注・売上・請求・発注・仕入・在庫の管理 |
| 基幹系 | 会計 | 財務会計・管理会計、伝票処理、決算書の作成 |
| 基幹系 | 人事給与 | 給与計算、年末調整、社会保険、法改正への対応 |
| 基幹系 | CRM QuickCreator | 顧客管理システムをノンプログラミングで作成 |
| 基幹系 | CTI | 電話着信時に顧客情報を画面に表示 |
| 基幹系 | 生産革新シリーズ | 業種別の生産管理(Fu-jin・Raijin ほか) |
| 情報系(eValue V)連携 | ワークフロー/文書管理/スケジューラ等 | 申請承認・情報共有を基幹系と連携 |
| 共通 | RPA機能・Custom AP Builder | 定型業務の自動化、ノンプログラミングでの開発 |
※用語の補足です。CRMは「顧客との関係を管理する仕組み」、CTIは「電話とパソコンを連携させる仕組み」、RPAは「定型業務を自動化する仕組み」を指します。
このうちRPA機能(自動実行機能)では、決まった時刻に帳票を自動出力するといった定型業務を自動化できます。Custom AP Builderという開発ツールを使えば、自社の業務に合わせたカスタマイズも可能です。
SMILE Vの特徴・強み
SMILE Vには、国産の統合業務パッケージならではの特徴があります。
ここでは代表的な3つの強みを紹介します。
基幹系と情報系を一体で使える
OSKは、基幹系の「SMILE」と情報系の「eValue」の両方を開発しています。販売や会計などの基幹業務と、ワークフローや文書管理などの情報共有を、連携させて使えます。
開発から販売・サポートまで一貫体制
大塚商会とOSKが一体となって、開発・販売・サポートを担います。利用者の声を製品に反映しやすく、導入後の相談先が明確である点は、運用上の安心につながります。
国産ゆえの法改正対応
人事給与や会計の領域では、法改正や制度改正への対応が欠かせません。SMILE Vは国内の制度に合わせた対応を続けており、給与計算や年末調整、社会保険といった季節業務も支援します。
SMILE Vが向いている企業・慎重に検討すべき企業
どんなシステムにも、得意な領域と、そうでない領域があります。SMILE Vも例外ではありません。
ここでは「向いている企業」と「慎重に検討すべき企業」を整理します。製品の優劣ではなく、自社の状況との相性で考えることが大切です。
SMILE Vが向いている企業
- 従業員数十名〜数百名規模の、国内中堅・中小企業
- 国内の商習慣や、法改正への対応を重視する企業
- IT専任の担当者が少なく、手厚いサポートを求める企業
- 販売・会計・人事給与を中心に、国内業務を一元化したい企業
慎重に検討すべき(他の選択肢も比べたい)企業
- 数千名規模の大企業や、複雑なグループ経営管理が必要な企業
- 海外拠点があり、多通貨・多言語での一元管理が必要な企業
- これからグローバル展開を見据えている企業
国内業務の効率化が中心であれば、SMILE Vは有力な選択肢になります。
一方で、海外展開や多通貨・多言語への対応を重視する場合は、クラウドERPなど他の選択肢も比べてみる価値があります。代表的なクラウドERPの一つにNetSuiteがあります。両者の違いは、この記事の後半で触れます。
SMILE Vの費用
費用は、検討段階で気になるポイントだと思います。ここでは公式に公開されている情報をもとに整理します。
クラウド型のSMILE V Airは、モジュール別の1ユーザーライセンスが月額1,810円(税別)からとされています。ユーザー数によって金額は変動します。
ただし、これはあくまで出発点となる単価です。実際の総額は、利用するモジュール・ユーザー数・必要なオプションによって変わります。
正確な費用を知るには、構成を踏まえた個別の見積もりが必要です。導入を具体的に検討する際は、販売元である大塚商会へ問い合わせるのが確実です。
なお、SMILE V Air(販売・会計・人事給与)には30日間の無料お試しが用意されています。まず触ってみたい場合に活用できます。
基幹システム導入で失敗しないために
ここまでSMILE Vを紹介してきましたが、実は「どの製品を選ぶか」と同じくらい大切なのが「どう導入するか」です。
ERP導入は、製品を問わず共通の落とし穴があります。ベンチャーネットがNetSuite導入支援の現場で見てきた知見も踏まえ、つまずきやすいポイントと回避の考え方を共有します。
これは特定の製品を売り込むためではなく、「失敗してほしくない」という思いからお伝えするものです。
目的が曖昧なまま進めてしまう
「業務効率化のため」「DX推進のため」という目的は、一見正しく見えます。しかし具体性が欠けると、失敗につながりやすくなります。
ERP導入はあくまで「手段」です。「在庫回転率を1.5倍にする」「月次決算を5営業日短縮する」のような、測定できる目標を最初に決めることが大切です。
目標が曖昧だと、本当に必要な機能を見極められません。結果として、使わない機能に投資してしまうことになります。
「現行踏襲」でそのまま移植してしまう
「今のやり方を変えたくない」と、既存の業務をそのまま新システムに移そうとするケースです。
非効率なロジックや属人的な運用まで引き継ぐと、新しいシステムはかえって複雑になります。「なぜこの処理が必要か」を誰も説明できないまま、いわば見えない仕組みを作り直すことになりかねません。
導入のタイミングは、業務を見直す好機でもあります。「本当に必要な業務」と「惰性で続けている業務」を仕分けることが、成功への近道です。
導入後の「定着」を軽視してしまう
「本番稼働日」をゴールに設定してしまうケースです。
しかし本当のゴールは、システムが現場に定着し、業務が正常に回り始めた日です。定着のための研修やルール整備を行わないと、システムが「浮いた存在」になります。
その結果、「前のやり方のほうが早い」とExcel併用に逆戻りする例も少なくありません。稼働後3〜6か月の定着フェーズを、最初から計画に組み込んでおくことをおすすめします。
大切なのは「ITプロジェクト」ではなく「経営プロジェクト」
これらの落とし穴に共通するのは、ERP導入を「IT部門だけの仕事」として扱ってしまう点です。
ERP導入は、業務プロセスを見直し、部門の壁を越えて会社の情報をつなぐ取り組みです。だからこそ、経営層の関与が欠かせません。
そして、最初から完璧を目指す必要はありません。70点で動かし、運用しながら磨いていく。この「まず回す」という姿勢が、結果的に定着への近道になります。
「自社の場合はどう進めればいいのか」と感じた方は、お気軽にご相談ください。ベンチャーネットは、製品選びの前段にある「進め方」から一緒に考える伴走者でありたいと考えています。
SMILE VとNetSuite、どちらが自社に合う?
ERPを検討すると、「SMILE VとNetSuite、どちらがいいのか」という比較に行き着くことがあります。
ごく大まかな目安は次のとおりです。
- 国内業務の効率化が中心 → SMILE Vが有力
- 海外拠点・多通貨・多言語の一元管理が必要 → NetSuiteが有力
NetSuiteは、Oracleが提供するクラウドERPです。世界220地域・43,000社以上に導入され、190通貨・27言語に対応しています(出典:Oracle NetSuite公式)。グローバル展開や多拠点管理を見据える企業に選ばれています。
ただし、実際の選定は、業務の特性・規模・将来の計画によって変わります。一律の正解はありません。
両者をより詳しく比べたい方は、以下の記事も参考になります。
- NetSuiteとSMILEシリーズの比較記事(社内リンク:smile_netsuite)
- ERPを徹底比較した選び方の記事(社内リンク:erp-choice)
「自社にはどちらが合うのか判断がつかない」という場合は、ベンチャーネットにご相談ください。どちらかを売り込むのではなく、自社の状況に合った選び方を一緒に整理します。
よくある質問(FAQ)
SMILE Vの検討でよく寄せられる質問をまとめました。
Q1. SMILE BSとSMILE Vは何が違うのですか?
SMILE VはSMILE BSの後継製品です。
SMILEシリーズは「SMILE BS → SMILE V → SMILE V 2nd Edition」と進化してきました。これから検討する場合は、現行のSMILE Vシリーズが対象になります。
Q2. SMILE Vはクラウドでも使えますか?
はい。クラウド型の「SMILE V Air」と、オンプレミス型の「SMILE V 2nd Edition」があります。
自社でサーバーを保有・管理したい場合はオンプレミス型、その負担を減らしたい場合はクラウド型が選択肢になります。
Q3. IT専任の担当者がいなくても運用できますか?
SMILE Vは、国内の中堅・中小企業での利用を想定して設計されています。
開発元のOSKと販売元の大塚商会が一体でサポートを担うため、IT専任者が少ない企業でも相談しやすい体制が整っています。
Q4. SMILE Vの費用はどれくらいですか?
クラウド型のSMILE V Airは、モジュール別の1ユーザーライセンスが月額1,810円(税別)からが出発点です。
総額は、利用するモジュール・ユーザー数・オプションによって変動します。正確な金額は、大塚商会への個別見積もりで確認するのが確実です。
Q5. SMILE VとNetSuite、どちらを選べばいいですか?
大まかな目安として、国内業務が中心ならSMILE V、海外展開や多通貨・多言語対応が必要ならNetSuiteが候補になります。
ただし最適な選択は企業ごとに異なります。判断に迷う場合は、両者を比較した記事を参考にしつつ、専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
SMILE Vは、1979年から続く国産の統合業務パッケージで、旧SMILE BSの後継にあたります。
販売・会計・人事給与などを一元化でき、国内の中堅・中小企業に向いた設計とサポート体制が特徴です。一方で、グローバル展開や多通貨・多言語対応を重視する場合は、NetSuiteなどのクラウドERPも比較する価値があります。
そして、製品選びと同じくらい大切なのが「導入の進め方」です。目的を具体化し、業務を見直し、定着まで見据える。ERP導入を「経営プロジェクト」として捉えることが、成功への近道です。
ベンチャーネットは、NetSuite導入支援を通じて、こうした進め方から一緒に考える伴走者でありたいと考えています。
「自社に合うERPがわからない」「導入の進め方に不安がある」という方は、まずはお気軽にご相談ください。
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