スーパーカクテルInnovaとNetSuite|使い続けるか、替えるかを決める比較と判断軸【2026年版】

「長く使ってきたスーパーカクテルInnovaを、次の10年も使い続けてよいのか」

Innovaを使う会社で、いま経営者が抱えている問いです。

スーパーカクテルInnovaとは、内田洋行のスーパーカクテルシリーズに属するWebベースのERPです。

NetSuiteとは、Oracleが提供する全業種向けのクラウドERPです。

答えの出発点は、機能の比較ではありません。

2026年9月時点で、内田洋行の公式サイトの製品一覧にInnovaの名前がないことです(出典:内田洋行公式、2026年9月確認)。

保守が終わったという意味ではありません。

ただ、今後の提供と保守の条件は、使っている会社が自分で聞きに行く必要があります。

道は4つです。

使い続ける、Coreシリーズへ移る、NetSuiteへ替える、それ以外を選ぶ。

国内中心で日本の商習慣への細かな対応を重く見るなら、国産の道が合いやすい。

海外・グループ・データの一元化・AIを重く見るなら、NetSuiteが候補に入ります。

では、どの道を選ぶにしても、最初にやることは変わるのか。

目次

この記事で分かること

  • スーパーカクテルInnovaの現在地と、内田洋行に聞くこと
  • InnovaとNetSuiteの違い(提供の形・海外・AI・費用)
  • 4つの道が、それぞれどんな会社に合うか
  • 移ると決めた後の進め方と、よくある失敗3つ
  • 製品が決まっていても「見える化」から始める理由

言葉の整理:ERPは、販売・在庫・会計などの基幹の業務を一つのデータでつなぐ仕組みです。

保守は、提供元が不具合の修正や法改正への対応を続けることです。

各製品の詳しい説明は、次の記事で扱っています。

スーパーカクテルInnovaの現在地

シリーズの中のInnova

スーパーカクテルは、内田洋行が1997年にリリースしたシリーズです(出典:内田洋行公式、2026年9月確認)。

国内のものづくり・流通の会社を中心に、長く使われてきました。

Innovaは、このシリーズに属するWebベースのERPです。

2012年6月に販売が始まり、発表の資料は次の特徴を挙げています(出典:内田洋行 プレスリリース 2012年6月14日、2026年9月確認)。

  • 取引先と受発注・在庫の情報を共有する公開ポータル
  • ログインする人ごとの言語の切り替えなど、多言語・多通貨への対応
  • 機能を部品に分けて組み替えやすくする設計(SOA)
  • NTTデータの開発の基盤(Biz∫APF)の上に作られていること

どれも2012年の発表時点の内容です。

機能の最新の状況は、内田洋行か販売のパートナーに聞いてください。

公式サイトの製品の案内に、Innovaの名前がない

2026年9月時点の内田洋行の製品情報には、次の製品が並んでいました(出典:内田洋行公式、2026年9月確認)。

製品公式サイトの説明の要点
スーパーカクテルCore FOODs(販売・生産・原価)食品業向けの販売・生産・原価
スーパーカクテルCore se販売化成品などプロセス型の製造業向けの販売管理
スーパーカクテルCore 販売販売・購買・在庫。物流の機能も追加できる
スーパーカクテルCore 会計財務会計と管理会計
スーパーカクテル物流入荷から出荷までの倉庫の作業

Innovaは、この一覧にありません。

次の10年を考えるなら、保守の期限と条件を内田洋行に聞くことが判断の出発点です。

期限が分からないうちは、比べるのにかけられる時間も決まりません。

スーパーカクテルInnovaの現在地と、判断の出発点 1997年に内田洋行がスーパーカクテルシリーズをリリースし、2012年6月にWebベースのERPであるInnovaの販売が始まった。2026年9月時点で公式サイトの製品一覧にInnovaの名前はない。保守が終わったという意味ではなく、保守の期限と条件を内田洋行に聞くことが判断の出発点になる。 スーパーカクテルInnovaの現在地 1997年 スーパーカクテルシリーズ 内田洋行がリリース 2012年6月 Innovaの販売が始まる WebベースのERP 2026年9月 公式サイトの製品一覧に Innovaの名前がない 保守が終わったという意味ではない 判断の出発点 保守の期限と条件を内田洋行に聞く
スーパーカクテルInnovaの現在地と、判断の出発点

見直しのきっかけになる変化

  • 古くなったシステムの保守・更新の負担が増えている
  • 海外の拠点との連携や、多通貨の対応が要る
  • 在宅勤務や複数の拠点から使いたい
  • AIの活用や、データを一つに集める基盤が要る

どれも、システムの問題に見えて経営の問題です。

部署ごとに仕組みが分かれると、経営に要る数字が月次決算まで見えません。

販売と顧客の管理がつながらず、同じ情報を何度も入力することにもなります。

だから、製品を選ぶより先に、どの数字をいつ見たいかを決めておきます。

NetSuiteの位置づけ

NetSuiteは、世界220地域・44,000社以上で使われるクラウドERPです(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月時点)。

190通貨・27言語に対応しています。

会計・販売・在庫・購買・CRM(顧客管理)・EC・人事(SuitePeople)・プロジェクト管理を、一つの基盤で扱います。

最初からクラウドで使う前提で作られ、自社のサーバーは要りません。

大きなリリースは年2回です。

数か月かけて段階的に更新されます(出典:Oracle NetSuiteヘルプ、2026年9月確認)。

更新の手間は小さい反面、時期を自社で選ぶことはできません。

NetSuiteの合わない面も先に

  • 日本独自の商習慣:締め日の処理や、取引先ごとに違う請求書の形式は、標準だけでは足りないことがある
  • 更新の時期:自社で選べない。作り込みがあれば、更新の前に動きを試す手間が要る
  • 利用料が続く:使う限りかかる。5年・10年の合計で比べる
  • 新しい機能の順番:AIの新しい機能には、英語や米国から始まるものがある

たとえば、AIによるレポートの説明文は、まず英語で提供されるとされています(出典:NetSuite公式発表、2026年9月確認)。

日本でできないことは、NetSuiteでできないことは?日本企業が導入前に知るべき制約と対処法で扱っています。

InnovaとNetSuiteの比較

比べる軸は、優劣ではなく「自社にどちらが合うか」です。

基本の比較

比較の軸スーパーカクテルInnovaNetSuite
提供元内田洋行(国内)Oracle(米国)
提供の形発表時はオンプレミスとクラウド(SaaS)の両方に対応(最新の形は内田洋行に確認)クラウドだけ(マルチテナント型)
更新版を上げるたびに作業が要ることが多い年2回、提供元が段階的に更新
作り込み深く作り込める設計とされてきた標準に合わせるのが前提。開発で補える
海外発表時から多言語・多通貨に対応。海外の法令への対応は内田洋行に確認190通貨・27言語
範囲基幹の業務が中心。CRM・ECは別の仕組みとつなぐことが多いERP・CRM・EC・人事・プロジェクトを一つに
お金のかかり方発表時は機能ごとのライセンスの購入。導入・保守の費用は別利用料の形。ミニマム構成で月額20万円〜

マルチテナント型は、複数の利用企業が一つのサービスの基盤を共有する方式です。

内田洋行は、シリーズ全体でオンプレミス版とクラウド版の両方を提供するとしています(出典:内田洋行公式、2026年9月確認)。

クラウド版の「スーパーカクテルCloud マネージドサービス」は、AWSを基盤にサーバーの構築と運用保守をセットで提供します(同)。

ただし対象に挙がっているのはCore FOODs・Core se・Core 販売・Core 会計などで、Innovaの記載はありません(同)。

費用は5年の合計でそろえる

NetSuiteの料金は、モジュール・ユーザー数・オプションで変わり、数百万円規模になることもあります。

料金の考え方はNetSuiteの料金・費用・ライセンス体系を徹底解説【2026年最新版】で扱っています。

お金のかかり方が違うので、並べるのは5年の合計です。

次の表の空欄を、見積りの数字で埋めてみてください。

費用の項目国産の道(使い続ける・Coreへ移る)NetSuiteへ替える
ソフトウェアライセンス・版を上げる費用利用料(年ごと)
保守年ごとの保守費利用料に含まれる範囲を確認
サーバー自社の運用、またはクラウドの費用要らない
移行・導入版上げ・移行の作業導入の支援・データの移行
作り込み作り直す範囲開発で補う範囲と、更新ごとの確認
CRM・EC別の仕組みの費用とつなぐ費用同じ基盤で扱う範囲を確認

見落としやすいのは、サーバーの運用と、別の仕組みとつなぐ費用です。

乗り換えの費用と期間は、どの製品へ移る場合も、次の4つで大きく動きます。

  • 機能の範囲:販売・購買だけか、在庫・会計・生産まで入れるか
  • 開発:とくに外部システムとの連携
  • 社内の体制:情報システムの担当が少ないと、支援を厚くする分だけ期間も延びやすい
  • ユーザー数:受入テストと教育の工数、社内の調整の時間

Innovaで重ねてきた作り込みと連携の数は、このうち「開発」の重さに直結します。

AIとの親和性

AIの観点スーパーカクテルInnovaNetSuite
製品に組み込まれたAI公式サイトで確認できず決算・銀行の照合・レポートの説明文などのAI機能
外部のAIとの接続公式サイトで確認できずAI Connector Service(MCPに対応)
データの集まり方CRM・ECは別の仕組みのことが多い基幹・CRM・ECが一つのデータ

NetSuiteは、2026年2月11日のSuiteConnectで8つのAI機能を発表しました(出典:NetSuite公式発表、2026年9月確認)。

決算の進み具合を見るIntelligent Close Managerや、AIによる銀行取引の照合などです。

MCPは、AIが外部のシステムにあるデータを使うための、共通の接続方式です。

AI Connector Serviceは、MCPに対応したAIから使えます(出典:Oracle NetSuiteヘルプ、2026年9月確認)。

例として、Claude Pro以上やChatGPTが挙げられています(同)。

AIの効き目は、データが一か所に集まっているほど大きくなります。

データを外に出して使う形か、全社のデータに直接問う形か。ここが分かれ目です。

AIの効き目を分けるもの:データの集まり方 InnovaはCRM・ECが別の仕組みのことが多く、外部のAIとの接続は公式サイトで確認できない。NetSuiteは基幹・CRM・ECが一つのデータで、AI Connector ServiceがMCPに対応する。AIの効き目は、データが一か所に集まっているほど大きくなる。 AIの効き目を分けるもの Innova NetSuite 基幹の業務 CRM EC 別の仕組みのことが多い 基幹・CRM・EC 一つのデータ 同じ基盤で扱える 外部のAIとの接続 公式サイトで 確認できず AI Connector Service MCPに対応 データが一か所に集まっているほど AIの効き目は大きくなる
AIの効き目を分けるもの:データの集まり方

作り込みと海外

深く作り込めるほど、自社に合わせやすくなります。

一方で、独自の開発を重ねるほど、更新や移行の負担は増えます。

NetSuiteは、業務を標準に合わせる(Fit to Standard)ことを前提に、足りない部分を開発で補う設計です。

海外の拠点や取引が増えると、多通貨・多言語・現地の法令への対応が一気に重くなります。

あとから海外に出る会社ほど、最初から海外を前提にした基盤の価値は大きい。

NetSuiteの海外向けの機能は、NetSuiteのグローバル展開機能で扱っています。

判断の物差し|4つの道が合う会社

Innovaを使う会社の4つの道 保守と今後の提供を内田洋行に聞いてから、使い続ける・Coreシリーズへ移る・NetSuiteへ替える・その他の4つを同じ表で比べる。 Innovaを使う会社の4つの道まず内田洋行に聞く自社の版の保守の期限と条件今後の提供の予定道1 使い続ける保守が続き、大きな困りごとがない道2 Coreシリーズへ移る困りごとが国内の業務の効率道3 NetSuiteへ替える困りごとが海外・データ・AI道4 その他を選ぶ他の国産ERP・Odoo・AIスクラッチ開発4つを同じ表・5年の合計で比べる
Innovaを使う会社の4つの道

国産の道(使い続ける・Coreシリーズへ移る)が合う会社

  • 国内中心の事業で、海外の拠点を持つ予定がない
  • 日本独自の細かな商習慣に、標準で合わせてほしい
  • いまの業務の流れを大きく変えたくない
  • 内田洋行やカクテルのパートナーとの関係を生かしたい

使い続けるなら、保守の条件が前提になります。

同じシリーズのCoreへ移る道もあります。食品業向けのCore FOODsはスーパーカクテルCore FOODsとは?で扱っています。

NetSuiteが合う会社

  • 海外の拠点・グループの管理を考えている
  • 販売・在庫・会計・CRMのデータを一つにまとめたい
  • AIの活用やデータの一元化を、経営の柱にしたい
  • 拠点・事業・ユーザーを増やしやすい基盤がほしい
  • 業務の流れを、標準に合わせて見直す覚悟がある

Coreへ移るか、NetSuiteへ替えるか

Innovaを使う会社にとって、現実の比較はこの2つになりやすいはずです。

観点Coreシリーズへ移るNetSuiteへ替える
業務の変化同じシリーズの考え方で、変化は比較的小さい標準に合わせるため、変化は大きい
相談の相手内田洋行・カクテルのパートナーNetSuiteのパートナー
海外・グループ国内の業務が中心190通貨・27言語で一つの基盤に
CRM・EC別の仕組みとつなぐ前提同じ基盤で扱える
運用の形オンプレミスかクラウド(スーパーカクテルCloud)クラウドだけ

困りごとの中心が、どちらの列に近いか。

それで、先に深く見る道が決まります。

どちらでもない道

状況合いやすい選択肢
国産で、別の強みの製品も比べたい他の国産ERP(SMILEなど)
費用を抑え、機能を選んで組み立てたいOdoo(Odooとは?)
独自の業務が強みで、パッケージに合わせられないAIスクラッチ開発で必要な部分だけ作る
保守が続き、大きな困りごともないいまは替えない。見直しの時期だけ決める

他の主要なERPも含めて比べるなら、【2026年版】ERP・クラウドERPを徹底比較|中堅・中小企業が失敗しない選び方をご覧ください。

いま使っている会社と、これから選ぶ会社

いまInnovaを使っている会社

次の順で進めます。

  1. 保守と今後の提供を内田洋行に聞く:自社の版の保守の期限と、その後の条件
  2. 作り込みと帳票を棚卸しする:数と、いまも使っているか
  3. 困りごとを分ける:国内の業務の困りごとか、海外・データ・AIの困りごとか
  4. 4つの道を同じ表で比べる:3-2の費用の表を使う
当てはまること示す方向
保守の期限が近い、または条件が変わる期限から逆算して4つを比べる
困りごとの多くが、国内の業務の効率に関するもの使い続ける・Coreへ移る
海外の拠点やグループの数字を、表計算でまとめているNetSuiteへ替える
作り込みが多く、半分以上が使われていないどの道でも、先に棚卸し

保守が切れる前後の考え方は、基幹システムの保守切れリスクとは?で扱っています。

これからERPを選ぶ会社

Innovaを新しく入れる場合は、まず提供の状況を内田洋行に聞いてください。

そのうえで、3〜5年後の拠点の数と国、載せる業務の範囲を書き出します。

日本独自の商習慣のうち、譲れないものを3つに絞ります。

その3つが標準で満たせるかが、国産かNetSuiteかの分かれ目になりやすいところです。

移ると決めた後の進め方

順番やることつまずきやすい点
1作り込み・帳票の棚卸しと、残すものの決定「念のため」で全部残す
2取引先・品目・勘定科目のコードの整理重複や、桁の違うコードが残る
3標準に合わせる・開発する・残すの線引き線引きを現場任せにする
4会計を切り替える時期の決定期の途中で切り替え、比べる数字がそろわない
5移行のリハーサルと、古い仕組みとの突き合わせ並べて動かす期間を取らない
6稼働後3〜6か月の支える体制稼働の日をゴールにする

会計の切り替えは、期首に合わせると分かりやすくなります。

期の途中なら、会計士・税理士と数字の持ち方を決めておきます。

よくある失敗3つ

失敗1:カクテルの画面と帳票を、そのままNetSuiteで再現しようとする

起きること:「いまの操作感のまま」を求め、作り込みが膨らむ。更新のたびに試す手間が増える。

原因:業務の流れを変えずに、システムだけを入れ替えようとした。

避け方:乗り換えを、業務を見直す経営のプロジェクトとして扱います。

帳票は「なくなると困るもの」だけを残し、標準の帳票で代わるかを先に見ます。

失敗2:日本独自の商習慣を、すべて標準の機能で受けようとする

起きること:締め日の処理・消込・取引先ごとの請求書の形式で「カクテルでできたのに」と不満が出る。開発が後から増える。

原因:標準に合わせるもの・開発するもの・残すものを、要件定義で分けていなかった。

避け方:要件定義の段階で、この3つに線を引きます。

デモでは、自社の実際の取引で次を試してください。

日本独自の商習慣の例デモで見ること
締め日ごとの請求取引先ごとの締め日で、請求書をまとめて作れるか
入金の消込振込の名義の違いや、まとめての入金をどう消し込むか
手形受け取り・決済・裏書をどう扱うか
消費税の端数請求書ごとの端数の処理が、自社のルールと合うか

日本向けの機能は、NetSuite Japan Localization SuiteAppとはで扱っています。

失敗3:データの移行を軽く見て、稼働の直前に止まる

起きること:取引先・品目・勘定科目のコードが合わず、重複や文字化けの整理に追われる。過去の伝票をすべて移そうとして時間が足りなくなる。

原因:データの構造とコードの体系の違いを、計画に入れていなかった。

避け方:要件定義の段階から、移すデータと作り直すデータを分けます。

進め方は、基幹システムのデータ移行ガイドで扱っています。

ベンチャーネットならこう見る|製品が決まっていても、見える化から

「移る先はCoreで決まっている。要件は、いまの機能の一覧で足りる」

そう考える会社は、少なくありません。

NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットは、移る先が決まっていても、業務の見える化からやり直します。

Innovaの機能の一覧には、もう使っていない帳票や、手作業で補っている業務が混ざっているからです。

一覧をそのまま要件にすると、要らない作り込みまで次の製品に運ぶことになります。

冒頭の問いへの答えは、ここにあります。

4つの道のどれを選んでも、最初にやることは同じです。

ベンチャーネットの進め方:見える化→整理整頓→Fit&Gap→3つの選択 業務の見える化、整理整頓、移る先の製品の標準機能とのFit&Gap、そして標準に合わせる・開発する・残すの3択で決める。 ベンチャーネットの進め方業務の見える化いまの業務フローを現場に聞いて描く整理整頓やめる・まとめる・そろえる業務を決めるFit&Gap移る先の製品の標準機能と照らし合わせる3つの選択標準に合わせる/開発する/残す製品が決まっていても、見える化から始める
ベンチャーネットの進め方:見える化→整理整頓→Fit&Gap→3つの選択

型1:見える化→整理整頓→Fit&Gap

  1. 業務の見える化:いまの業務の流れを、現場に聞いて描く
  2. 整理整頓:やめる・まとめる・そろえる業務を決める
  3. Fit&Gap:残った業務を、移る先の製品の標準機能と照らし合わせる

Fit&Gapは、業務と機能の合う・合わないを一つずつ見る作業です。

やめる業務を2段目で決めておけば、3段目で照らし合わせる数が減ります。

型2:標準に合わせる/開発する/残す

Fit&Gapで合わなかった業務は、3つのどれかに決めます。

  • 標準に合わせる:業務のほうを、製品の標準機能に寄せる
  • 開発する:追加の開発や、外部の仕組みとの連携で補う
  • 残す:新しい製品には載せず、いまの仕組みや運用で続ける

1つ目を選べる業務が多いほど、移った後の更新が軽くなります。

2つ目は、3-2で見たとおり費用と期間を押し上げやすい選び方です。

線の引き方は、NetSuite導入のFit&Gap分析で扱っています。

変わることは、先に伝える

ERPが変われば、帳票の形、締め処理の考え方、画面の操作感も変わります。

ライセンス費用が、いまより上がることもあります。

NetSuiteへ替える場合、給与・人事は対象外で、別の仕組みが要ります。

国産の製品とNetSuiteは、どちらが優れているかではなく、それぞれに長所があります。

比べた結果がCoreへの移行や「いまは替えない」になれば、そのままお伝えします。

ベンチャーネットはNetSuite・Odoo・AIスクラッチ開発を扱い、SAPからのリプレイスにも対応しています。

Innovaの機能や保守の詳細は、内田洋行かカクテルのパートナーに聞くのが確実です。

パートナーを選ぶときは、次の2つを聞いてみてください。

  • 「うちの場合、NetSuite以外の道のほうが合う点はどこですか」
  • 「日本独自の商習慣のうち、標準で受けられないものはどれですか」

1つめに正直に答えられるかで、売り込みか判断の手伝いかが分かります。

パートナーの選び方は、NetSuiteパートナー一覧と選び方でも扱っています。

今日できること|内田洋行に聞くことと、棚卸しの1枚

1時間あれば、次の2つができます。

1. 内田洋行(または販売のパートナー)に聞くことを書き出す

  • 自社の版の保守の期限と、その後の条件
  • Coreシリーズへ移る場合の進め方と、作り込みの扱い
  • クラウド(スーパーカクテルCloud)で使えるか

2. 作り込み・帳票の棚卸しの表を作る

作り込み・帳票使っている部門月に何回使うかなくなると困るか
(例)取引先別の請求書経理月1回困る

右端が「困らない」の行は、第7章の整理整頓でやめる候補です。

2つがそろえば、4つの道を同じ条件で比べられます。

よくある質問

Q1. これからERPを入れる場合、InnovaとNetSuiteのどちらを選ぶべきですか

海外・データの一元化・AIを重く見るならNetSuiteが候補です。

国内中心で、日本の商習慣に標準で合わせたいなら、国産のERPが合うこともあります。

Innovaを新しく入れる場合は、提供の状況を内田洋行に聞いてください。

Q2. Innovaのデータを、NetSuiteに移せますか

移せますがそのままのコピーはできません。

データの構造とコードの体系が違うため、取引先・品目・勘定科目のコードの整理が要ります。

過去の伝票は、すべて移すか、必要な分だけにするかを決めます。

Q3. カクテルの業務の流れや帳票を、NetSuiteで再現できますか

標準に合わせる・開発する・残すの3つに分けて考えます。

締め日の処理や取引先ごとの請求書の形式は、標準だけでは足りないことがあります。

その前に業務を見える化し、やめる業務を決めておくと、分ける数が減ります(第7章)。

Q4. Innovaの保守が切れたら、急いで替えるべきですか

期限から逆算して早めに比べ始めてください。

慌てて選ぶと、別の失敗を招きます。

4つの道を、同じ表と5年の合計で比べます。

Q5. NetSuiteへの移行には、どのくらいの期間がかかりますか

機能の範囲と開発と社内の体制とユーザー数で変わります。

Innovaで作り込んだ部分と連携が多いほど、期間は延びやすくなります。

期間の目安はNetSuiteの導入期間はどのくらい?で扱っています。

Q6. 情報システムの担当が1人でも、NetSuiteを運用できますか

サーバーの管理がない分だけ負担は小さくなります。

サーバーや更新の作業は提供元が担います。

ただし、権限の設定や、更新の前に作り込みの動きを試す作業は社内に残ります。

1人で回せる範囲と作り込みの量を、最初から決めておきます。

Q7. 費用はどう比べればよいですか

お金のかかり方が違うため5年の合計で比べます。

Innovaは発表時、機能ごとのライセンスを購入し、導入・保守の費用が別にかかる形でした。

NetSuiteは利用料の形で、ミニマム構成で月額20万円〜が出発点です。構成で変わります。

まとめ

  • Innovaを使う会社は、まず保守と今後の提供を内田洋行に聞く
  • 道は使い続ける・Coreへ移る・NetSuiteへ替える・その他の4つ
  • 国内中心なら国産の道、海外・データ・AIを重く見るならNetSuite
  • どの道でも、見える化→整理整頓→Fit&Gapから始め、標準に合わせる・開発する・残すに分ける
  • 費用は5年の合計で。作り込みと連携の数が、乗り換えの重さを決める

次の10年も使い続けてよいか。

その答えは、内田洋行への1本の問い合わせと、棚卸しの1枚から出てきます。

もう少し詳しく知りたい方へ

Innovaを使い続けるか、替えるか。これから選ぶなら、どれが合うか。

ベンチャーネットは、特定の製品に誘導しない立場で、整理のお手伝いをしています。

Innovaの機能・保守の期間などは、内田洋行かカクテルのパートナーにお問い合わせください。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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