バーチャル経営における自動化対策~「語り」を土台にした記事作成と自動分析「SEO AUTOMATION」

SEO対策は、すでにデジタルマーケティングとして一般的な手法になりました。しかし、手間・コストと効果が見合っていないケースが多いように感じられます。SEO対策は継続がモノを言う施策であり、中断するとそれまでの投資が無駄になってしまいがちです。一方で、常にコンテンツをブラッシュアップし、分析と改善を繰り返すことに限界を感じている企業も少なくないでしょう。そこでバーチャル経営では、強いコンテンツをできるだけ効率よく作成し、分析を自動化するソリューションの活用を提唱しています。

目次

SEO対策で発生する課題

まず、SEO対策で発生する一般的な課題を整理してみます。

コンテンツ作成に関する課題

SEO対策の課題としては、まず「コンテンツ作成の難易度が上がっている」ことがあげられます。SEOの効果が認知されるとともに、上位コンテンツの競争は激化し、1ページ目に表示されるための水準が年々上がっています。常に上位に居続けるためには、検索キーワードや検索意図を意識するだけではなく、独自性を盛り込んだコンテンツを作成しなくてはなりません。さらに、競合他社のコンテンツをチェックし、絶えずブラッシュアップを続ける労力も必要です。

また、Googleの品質評価ガイドライン「EAT(専門性・権威性・信頼性)」も意識する必要があるでしょう。こうした事情から、ほんの数年前と比べてもコンテンツ作成の難易度はかなり上がっています。

分析、監視に関する課題

SEO対策はコンテンツ作成とともに、アクセス状況の分析も並行して行います。具体的には、「流入キーワード」「順位変動」などを監視し、これらを分析する必要があるのですが、この労力も無視できません。ツールの活用で、ある程度は効率化が可能ですが、分析結果をコンテンツ作成に反映させるのは人間であり、効率化にも限界があるのです。

リソース不足で徐々にパフォーマンスが低下

中小企業において、社内に専任のSEO担当者を置くケースは珍しく、常にリソースが不足しがちです。その結果、前述の課題への対策が後手にまわってしまい、徐々に集客効果が薄れてくる可能性があります。繰り返すようですが、SEO対策は継続がモノを言いますから、施策の中断によってそれまでの投資が無駄になってしまうリスクが発生します。

バーチャル経営が考える「SEO自動化」

「強いコンテンツ作成の難しさ」「分析、監視の労力」「中段によるパフォーマンス低下」という3つの課題を解決する方法として、バーチャル経営では「SEOの自動化」を推奨しています。具体的には、つぎのような対策です。

「訴求力のあるコンテンツ」は「ウェビナー」「セミナー」から作る

まず、コンテンツ作成については、「ウェビナーやセミナーの資料」と「担当者が持つノウハウ」を組み合わせて行うことを推奨しています。

そもそもウェビナーやセミナーの参加者は、自社に興味関心を寄せています。また、そこで使われる資料(コンテンツ)は、聴衆を見込み客にするために、独自のノウハウや具体的な取り組みが示されており、訴求力が高いものです。したがって、ウェビナー・セミナー資料の流用は、効率よく強いコンテンツを作るために欠かせない要素だと感じています。

「語り」×「AI」による強いコンテンツ作成

ただし、資料の流用だけでは自動化とは言い難いため、バーチャル経営ではさらに「語りをベースにしたAIライティング」を提唱しています。具体的には、経営者・セールス・マーケティング担当者の語り(ナラティブ)に含まれる情報をAIに読み込ませ、そこから自動的に記事作成を進めるのです。ここ2年程で、AIライターは目覚ましい進歩を遂げており、専門性が高い内容であっても「書き手の意志」を感じられるほどの文章を作成できます。もちろん、記事のテーマ設定やツールのチューニングにはライターやエンジニアの手が必要です。しかし、それでもライティングの労力を大幅に削減できることは確かです。

APIによる分析・監視作業の自動化

分析・監視作業についても、外部ツールとのAPI連携により、その大半を自動化することができます。

AI×API×「語り(ナラティブ)」でSEOを自動化「SEO AUTOMATION」

バーチャル経営では、これら3つの要素を併せ持つSEO自動化対策ソリューションとして「SEO AUTOMATION」を採用しています。

SEO AUTOMATIONとは

SEO AUTOMATIONは、端的に言えば「セミナー管理システムから得た情報をコンテンツSEOに応用する仕組み」です。

セミナー管理システムに蓄積された「事前登録情報」、「名刺情報」、「質疑応答の内容」、「セミナー用コンテンツへの反応」などを材料とし、コンテンツ作成のヒントを抽出します。

また、獲得したヒントをもとに担当者がノウハウを語り、この語りをベースにしたAIライティングでコンテンツ作成を自動化します。さらに、外部ツールとのAPI連携で分析・監視作業の自動化も可能です。

SEO AUTOMATIONの強み

SEO AUTOMATIONの具体的な強みは、以下2点です。

*開発中のツールのため、機能の詳細は変更になる可能性があります。

担当者の語り(ナラティブ)を活用したコンテンツ自動生成

SEO AUTOMATIOの強みのひとつは、自然言語処理による超高精度の言語AI「GPT-3」を活用したAIライティングです。GPT-3に担当者の語りを入力し、コンテンツが生成されたあとにライターがブラッシュアップを行うことにより、強いコンテンツを効率よく生み出す原動力となるのです。

GPT-3とは、人工知能研究の団体「OpenAI」がリリースした言語AIで、すでに海外では文章の作成・要約・翻訳・質問への回答などに活用されています。GPT-3には、Webから収集された45TBのテキストデータをもとに作成した570GBの学習用データが用いられています。この巨大な材料を用いて、特定の単語の次に出てくる単語を予測する「自己回帰型言語モデル」を学習し、巨大な言語モデルを生成します。

分析作業の自動化

2つめの強みは、分析・監視作業の自動化です。SEO AUTOMATIONでは、外部ツールとAPIでつながることにより、検索順位測定や競合他社の流入キーワード分析、レポーティングなどを自動化することができます。

具体的には、GEORANKER(海外の緯度別順位データ)との連携、ahrefs(競合他社の流入KWの分析データ)との連携などを想定しています。

また、将来的には、YouTube内の順位や検索キーワードボリュームの取得といった機能の実装も想定しています。

SEOで「今」を整理し、語りで「未来」を創る

AIライターは、当然のことながら人間のように「意識」を持っていません。しかし、自然言語処理を高精度で行うことにより、「人間に意識させる文章」を作成できるレベルにまで達しています。

担当者の語りをベースにし、そこからAIライターを使って「統計的に正解である確率が高い文章」を何パターンも作成します。次に、その中から評価されるであろうコンテンツを見つけるのが、AIライターの適切な使い方だと考えています。

SEO AUTOMATIONはこの考え方を具現化するものであり、セミナー情報と語りをベースにしたコンテンツ作成を自動化することで、競合他社よりも強く、色褪せにくいコンテンツを迅速に生み出します。

また、セミナー管理システムとの連携により、「セミナー(ウェビナー)→コンテンツSEO→問い合わせ、商談の増加」という好循環を生み出すことも目的としています。

まとめ

ここでは、バーチャル経営が推奨するSEO自動化の概要と、それを具現化するためのSEO AUTOMATIONを紹介してきました。SEOは自動化と相性が良く、人が持つ知見も組み入れやすい分野です。次回は、基幹システムと顧客体験を連動させる「ERP×CX」について解説します。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

株式会社ベンチャーネット 代表取締役
2005年に株式会社ベンチャーネットを設立後、SEOをはじめとするデジタルマーケティング領域のコンサルティングサービスを展開
広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で支援を行っています
著書に『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業 「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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