起業のスタイルを考える~生きる力①~(借金玉のマイクロ起業 Vol.19)

僕は何度か「これはもうだめだ」という人生のシーンに遭遇したことがあります。それは、鬱のどん底であらゆる希望を失った時だったり、事業の失敗が明らかになりその先に何の展望も最早描けないことが確定的になったときだったり、来月の資金が繰れなくなった時だったりしました。そして、見苦しくも生き残って現在もやっていっております。

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日常生活は「取引」の積み重ね

さて、何故そんな話をしましたかというと、「マイクロ起業」は生きる力そのものだ!ということを僕はちょっと話したいと思ったからです。人と人との間には、取引が発生します。日常は取引に満ちています。牛丼屋で牛丼を1杯食べて400円、缶ジュースを1本飲んで120円。これは、非常に洗練された取引です。我々の周りは洗練の極みのような取引に満ちています。

例えば、コンビニエンスストアを1軒開こうと思ったら、ラーメン屋を1軒開こうと思ったら、それはサラリーマンが1年や2年働いて貯金した程度ではどうにもならない資金がかかります。我々の生活を支えてくれる商業的インフラは、大抵の場合非常に高度に構築されており、そこにはちょっとやそっとでは入り込む隙などないように思えます。実際、僕は数千万の資金を持って参入したものの、その結果は無残な敗残でした。

しかし、僕は今マイクロな起業をほとんどゼロの資金から展開し、少しずつ成長させています。そして、とても悲しいことですが数千万円を投じた事業よりも、遥かに高い利益率をたたき出してしまっています。たとえば、飲食業の利益率は10%あったらとても優秀な方です。1千万円売り上げて、手元に100万残れば立派なのです。しかし、僕のそれほど「利益」を最優先していない「マイクロ起業」は現在20%を越える利益をたたき出しています。もちろん、金額はとても小さいものですけれど。

これはどういうことなんだろうと、最近はよく考えるようになりました。何度も説明を繰り返して恐縮ですが、僕の事業はとてもシンプルです。「自社で人を抱えて行ったら割に合わない仕事を拾って来て、誰かに依頼する、そこで鞘を抜く」という誰にでも思いつくものです。それはレポート作成業であれ、不動産管理業務代行であれ全く変わりません。だれでも出来ることといえばその通りです。「ちょっとだけ専門的な便利屋」それが僕の事業です。

「起業」の根底にあるもの

起業というのは、誰かが求めているものを提供することです。もちろん、まだ誰もそれを自分が求めていることに気づいていないものもあるでしょうが、それでもやはり「求められているもの」を提供しないことには商売になりません。必要のないものは売れないからです。それが実用性であれ、あるいはそれ以外の何かであれ、必要のないものは売れません。

そうすると、起業をするということは「必要なものを見つける」ということが第一条件になります。もちろん、大規模な起業の場合は「まだ誰もその必要性に気づいていないものを見つける」というような壮大なものもありえますが、「マイクロ」起業の場合は、「ここにこれがあったらちょっと便利だよな」というような、小さな隙間を見つけ出していくことが最も重要になります。

やっていきましょう。

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この記事を書いた人

1985年、北海道生まれ。大学卒業後、大手金融機関に就職するが2年で退職。
現在は不動産営業とライター・作家業をかけ持ちする。
著書に『発達障害サバイバルガイド: 「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』(ダイヤモンド社)、『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』(KADOKAWA)がある。

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