NetSuiteは、業務効率化やデータの可視化などができる複数のツールがオールインワンになっているクラウド型ERPです。ERPは、「Enterprise Resource Planning」の略称で、企業資源計画を指します。日本では、基幹システムや統合基幹業務システムなどと呼ばれ、さまざまなシステムが普及しています。

今回は、ERPの中でも多機能で導入しやすく、さまざまなメリットがあるNetSuiteについて詳しくご紹介します。

NetSuiteとは

NetSuiteは、ERPやCRM、Eコマースなど、企業の収益性や業務効率性に深く関わるシステムを単一のシステムで提供できるクラウド型ERPです。

例えば、これまで販売管理や在庫購買管理、生産管理、会計管理などを別のシステムで運用していた場合、NetSuiteを導入することで、すべて単一で管理できるようになります。

管理部門によって異なるシステムを利用している場合、うまく連携できなくて業務効率が低下したり、データの紐付けや相関の調査などができなかったりします。それぞれのシステムの質が高くても、連携や相関関係の調査ができなければ業務効率や収益に良い影響は与えられません。NetSuiteを導入すれば、システムを超えたデータ集計が可能になり、業務効率化や収益性の向上に繋がります。

NetSuiteは、アメリカの大手ITベンダー「オラクル」に買収され、現在ではオラクルの子会社となっています。2020年現在、多くの日本企業がNetSuiteを導入し、高い成果を挙げています。

NetSuiteの特徴

それでは、NetSuiteの特徴を詳しくみていきましょう。

CRMやERPなどのオールインワンシステム

NetSuiteには、CRMやERP、Eコマースなど経営に必要な機能が全て含まれています。ここで注意したいのは、全ての機能がNetSuiteの中で独立しているのではなく、それぞれを統合していることです。

仮に、NetSuiteの中で複数の機能が独立しているのであれば、それはオールインワンシステムとは言えません。NetSuiteは、複数の機能を統合したオールインワンシステムのため、各機能の活用によって得たデータを紐付けしたり、相関関係を探ったり、さまざまな使い方ができます。

例えば、CRMとEコマースをERPと連動させれば、売上データや顧客情報、商品の在庫状況などが更新されて、各部署に最適な形で分析結果が表示されます。しかも、リアルタイムで分析結果を表示できるため、迅速な判断に繋がるのです。

各部署の負担を最小限に抑えながら、迅速な経営判断ができるようになります。

海外でも問題なく利用できる

「NetSuite OneWorld」は、海外の法制度や税制度、言語、商習慣などに対応できることが特徴です。海外進出を予定している、またはすでに海外で活動している企業に向いています。対応できる通貨は190種類以上、そして19言語に対応しているため、複数の国に拠点がある企業でも問題ありません。

国単位でデータをリアルタイム集計・分析できるため、より大きな決断をスピーディーに下せるようになります。

業種を問わず導入できる

NetSuiteの提供開始は、1997年です。これまで20年以上にわたりクラウド型ERPシステムを提供してきた歴史があり、多数のフィードバックに基づき改良が繰り返されてきました。そのため、業種や国籍、業務プロセスを問わずに導入できます。もともと機能は充実していますが、自社の状況に応じてカスタマイズすることで、さらに利便性や機能性、効率性を高められます。

NetSuiteの機能

それでは、NetSuiteに搭載されている機能について詳しくみていきましょう。

統合基幹業務システム(ERP)

在庫管理や人事管理、財務会計、サプライチェーン、BI機能、請求管理、受注管理、分析・レポートなどの機能がすべて統合されています。1つのデータベース上にあらゆる取引データや顧客データなどが集約されているため、必要なデータを即座に取得できます。

各データを分析することで、キャッシュフローの見直しやビジネスモデルの転換など、重要な決断をスピーディーに下せるようになるのです。

顧客管理システム(CRM)

顧客管理システムでは、顧客情報を商談状況、購買履歴などのデータを管理できます。リアルタイムで顧客情報を更新し、データを可視化できることで、顧客に合った的確な営業方針をスピーディーに立てられます。

また、顧客満足度を高めることに繋がる「カスタマーポータル」も利用可能です。24時間365日体制で顧客をサポートできます。顧客管理システムがあれば、営業後に自社へ戻って顧客情報を打ち込む必要がありません。

顧客情報をチームで共有することで、急遽代打が必要になっても問題なく対応できます。

eコマース

eコマース機能によって作成したECサイトは、ERPやCRMとの連携が可能です。リアルタイムで在庫管理や販売管理ができるため、より動的にECサイトを活用できます。また、ECサイトの顧客に対して適切なタイミングで適切なアプローチも可能になります。

そのほか、アクセス状況に応じて顧客の動向を分析できるため、収益性の向上にも繋がるでしょう。

ビジネスインテリジェンス

経営状況や進捗状況を可視化し、情報分析を効率化する機能です。市場変化をいち早く察知できるようになるため、より迅速かつ的確な判断へと繋がります。また、各部署に対応した形でダッシュボードに分析結果が表示されるため、従業員に浸透しやすいことも特徴です。

NetSuiteの活用方法

それでは、NetSuiteは具体的にどのように活用できるのか詳しくご紹介します。

迅速な経営判断に役立てる

経営層に求められるのは、市場の変化をいち早く察知して、的確な判断を下すことです。どれだけ敏腕な経営者でも、環境が整っていなければ本来の能力を発揮できません。NetSuiteを導入すれば、あらゆるデータをリアルタイムで管理できるため、ビジネスチャンスを逃さない形で経営判断を下せるのです。

経営者にとって欠かせないのがビジネスインテリジェンス(BI)機能です。このBI機能によって最新の売上や財務状況をダッシュボードで確認できます。

的確で効率的な営業活動

的確かつ効率的な営業活動は、顧客のニーズをつかむことから始まります。NetSuiteの統合受注や注文管理、インセンティブ管理などを活用すれば、顧客のニーズを読み取ることが可能です。また、営業の進捗状況を踏まえ、チームリーダーがメンバーに的確な指示を出すことが求められます。

CRMによってニーズを可視化し、営業状況をリアルタイムでチームリーダーが確認できることで、迅速かつ的確な指示出しが可能になります。また、迅速かつ的確な営業活動は顧客満足度の向上にも繋がるでしょう。

eコマースにおけるマーケティング

eコマース機能では、オンライン注文フォームやイベント登録フォームなどを作成できます。ビジネスモデルや取り扱い商品に応じて適切なフォームを作成し、ビジネスを加速させます。また、新規顧客の記録と分析が可能で、ニーズにマッチした商品の提案へと繋げることが可能です。

さらに、BI機能で購買履歴や売上などを分析することで、収益を増やすための的確な施策を打ち立てられます。

スピーディーな会計業務

財務会計や在庫管理、注文管理などが一体化しているため、在庫や注文状況に応じて会計システムに数字を打ち直す手間がかかりません。さらに、BI機能でデータを分析できるため、会計資料の作成の手間を大幅に削減できます。さらに、財務諸表を日本の会計システムに準拠した形で作成できることもメリットです。

動的なECサイトの作成

eコマース機能では、在庫管理と顧客情報が連動しているECサイトを作成できます。また、外観をカスタマイズしたり既存のHTMLファイルを反映したりと、さまざまな形でカスタマイズできることもメリットです。

さらに、検索エンジンKWやリファラルレポートなどのマーケティング機能も搭載されています。

NetSuiteの各機能を下記にまとめました。

 

営業支援 ・商談

・見積もり

・営業情報管理

・営業活動管理

プロジェクト管理 ・プロジェクト予算

・プロジェクト実績

・プロジェクト進捗

・リソーススキル管理

・リソース稼働率管理

・プロジェクト収益性

販売・債権管理 ・得意先管理

・受注

・請求

・入金

・出荷

・売掛金管理

・売掛帳

・各種レポート

・返品、払い戻し

購買・債務管理 ・仕入先管理

・支払請求書

・購買発注

・出金

・入庫

・買掛金管理

・買掛帳、各種レポート

・返品

財務会計 ・勘定科目表

・総勘定元帳

・仕訳入力

・配賦処理

・セグメント会計

・決算、締処理

・消費税管理

・財務諸表出力

在庫管理 ・アイテム管理

・入荷、検品管理

・原価管理

・棚卸管理

・引当、出荷管理

・在庫移動指示

・ロットシリアル管理

・在庫回転率

Eコマース ・サイトホスティング

・ショッピングカート

・クロスアップセル

・ページ分析、SEO

共通管理 ・カスタマイズ基盤

・業務上の役割別ダッシュボード

・部門、クラス、場所管理

・監査証跡の自動記録

・データのCSVインポート、エクスポート

・レポート定義、出力、カスタマイズ

・従業員管理

・多言語、多通貨管理

・会社、アイテム、科目管理

 

NetSuiteを導入するメリット

それでは、NetSuiteを導入するメリットについて詳しくご紹介します。

業務効率化による収益性の向上

必要なデータがNetSuiteに全て登録されているため、各システムからデータを抜き出して分析する手間がかかりません。必要なデータを必要なときに取得できるため、業務効率が向上します。また、CRMにおいても顧客情報を瞬時に取得できて、許可を得た人物だけが顧客情報を更新できます。

そのため、チームメンバー間での連携もスムーズです。さらに、経営者としても経営判断をスピーディー下せることで負担を減らせます。業務効率化によって1日の営業件数が増えれば、収益の向上にも繋がるでしょう。

従業員の負担軽減によるモチベーションの向上

NetSuiteの導入によって従業員の業務負担が軽減することで、モチベーションの向上が期待できます。例えば、3アクションが必要な業務が1アクションで終わるため、1日で1~2時間以上の時間を削減できるでしょう。

無駄な残業を減らすことでコストを必要最低限に抑えられるため、キャッシュフローも改善します。また、昨今では働き方改革が叫ばれる中、従業員としても職場環境や作業負担に対しる考え方がシビアになってきています。

NetSuiteを導入して従業員の負担を軽減できれば、優秀な人材の流出を防ぐことに繋がるでしょう。

業務コストを削減できる

NetSuiteの導入により、売上や在庫、発注などを1つのシステム上で管理できるようになるため、業務コストを大きく削減できます。また、ランニングコストを抑えられることもメリットです。システム単位で定期的なメンテナンスが必要になったり月額料金がかかったりすると、金銭的にも人材的にも大きな負担になります。

NetSuiteを導入すれば、1つのシステムのメンテナンスとコストだけで済むのです。最低限のコストで業務効率と収益性を最大限に高められるため、立ち上げ初期の企業でも導入を前向きに検討しやすいでしょう。

あらゆるデバイスから使用できる

NetSuiteはクラウド上でデータを管理するため、スマホやタブレット、ノートパソコンなど、さまざまなデバイスからアクセスできます。社内、社外のどこからでも簡単にアクセスできるため、営業先で急遽データが必要になっても問題なく対応できるでしょう。また、商談後に会社に戻って顧客データを更新する必要もありません。

商談で得た顧客の情報を商談後にすぐNetSuite上に登録できます。

設定をカスタマイズできる

通常のシステムでカスタマイズを行うには、プログラミングを必要とするため、コストと手間が発生していましたが、ネットスイートでは豊富に用意されたテンプレートをもとに、簡単な設定作業でカスタマイズすることができます。

業務プロセスに合わせたワークフロー設計が可能

NetSuiteは、業務プロセスに合わせてワークフローを設計できるため、どのような企業でも導入できます。カスタマイズできないシステムでは、業務プロセスの変更に対応できず、かえって業務効率が低下する場合があります。NetSuiteであれば、そのような心配もなく、継続的に使用できるでしょう。

災害が起きてもデータトラブルの心配がない

NetSuiteは、クラウド上にデータを管理するうえに、サーバーは提供元が管理しています。そのため、仮に災害で自社のパソコンやサーバーが故障しても、データが消失する心配がないのです。自社でのサーバー管理はランニングコストが高いうえに災害時のデータ消失などのリスクも高いため、クラウド型ERPの導入を前向きに検討してみてください。

事業を引き継ぐときもスムーズ

NetSuiteでデータを管理すれば、M&Aで事業を引き継ぐときもスムーズです。自社サーバー上で管理していると、データの移動に手間がかかります。紙で管理している場合に至っては、さらに引き継ぎに大きなコストがかかるでしょう。

経営状況を可視化できる

NetSuiteの分析機能では、データをグラフとして可視化できます。数字を目で追うではスピーディーに判断できません。しかし、グラフを作成するのにも手間がかかるでしょう。NetSuiteであれば速やかにグラフを作成できるため、業務効率が格段に上がります。

また、NetSuiteではさまざまなデータを統合したり連携したりして、経営状況が一目でわかるように表示できます。

経営状況を可視化できれば、問題点に早い段階で気づくことができて、被害を最小限に食い止めることが可能です。また、複数のデータを参照しなければ気づきにくいことにも気づけて、キャッシュフローの改善や業務コストの削減など、さまざまな対策に繋がります。

ソフトを自動アップデートできる

NetSuiteは、1年に2回の自動アップデートが可能です。1回につき100項目前後の機能を追加・更新できて、常にベストな状態で使用できます。サーバーが不要なため、メンテナンスの必要もありません。

面倒な更新作業とメンテナンスが不要なため、導入後は業務に集中できます。更新作業でトラブルが起きてデータが消失したり、利用できなくなったりする心配もありません。

まとめ

NetSuiteは、顧客管理や会計管理、在庫管理など、あらゆるデータを統合したクラウド型ERPです。必要なデータをすぐに取得し、他のデータと連携できるため、業務効率が格段に上がります。重要な経営判断もスピーディーになるため、収益性の向上が期待できます。メンテナンスや更新作業は不要で、ランニングコストを大きく抑えられることもメリットです。

NetSuiteを導入して、複雑な管理体系を一新してはいかがでしょうか。