「NetSuiteコンサルタントは、ITに強い人の仕事だ」
そう思って、応募をためらう方は少なくありません。
けれど、この仕事の武器は技術力より、会計・業務の理解と、人の話を聞く力です。
コンサルタントは、原則として自分ではプログラムを書きません。
NetSuiteコンサルタントとは、クラウドERP「NetSuite」の導入を通じて、企業の業務改革を支援する専門職です。
年収の目安は、NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットの場合、導入コンサルタントで450万〜750万円です。
案件全体を持つPM兼コンサルタントになると、750万〜1,000万円に上がります。
では、450万円から1,000万円まで、どんな階段を上っていくのか。
階段の中身は、毎日の仕事の中身と切り離せません。
ベンチャーネットは、NetSuite・Odoo・AIスクラッチ開発を扱い、SAPからのリプレイスにも対応しています。
この記事で分かること
- NetSuiteコンサルタントの仕事の中身(1案件の流れまで)
- ベンチャーネットでの仕事の実像(要件を聞く人、案件の種類)
- 年収の目安とキャリアパス
- 向いている人・向いていない人
- 転職でよくある失敗3つと、未経験から目指す順番
NetSuiteコンサルタントとは
NetSuiteは、Oracle社が提供するクラウドERPです。
ERP(Enterprise Resource Planning)とは、会計・販売・在庫などの基幹業務を1つのシステムで統合管理する仕組みです。
この仕事をひとことで言えば、「業務の引っ越しの案内人」です。
お客様の会社では、Excel・紙・古いシステムに業務が散らばっています。
それをNetSuiteという1つのシステムに載せ替えます。
壊さず、失くさず、新居で動く状態にして渡す。
ただし、システムの導入そのものはゴールではありません。
導入を通じて業務が変わり、経営の数字が見えるようになる。
そこまで責任を持つのが、この職業の本質だとベンチャーネットは考えています。
NetSuiteそのものの解説は、NetSuiteとは?をご覧ください。
エンジニアとの違い|コンサルタントは開発をしない
主戦場は、次の4つです。
- 聞く:お客様の業務をヒアリングする
- 描く:新しい業務の流れを図にする
- 回す:会議を進行し、決め事を前に進める
- 作る:提案資料や設計資料を作る
カスタマイズ開発が必要な場面では、開発メンバーに仕様を正確に伝えます。
技術と業務の「通訳」も担う仕事です。
よくある思い込みと実際の仕事を並べると、次のとおりです。
なぜ今、NetSuiteコンサルタントの需要が高まっているのか
NetSuiteは、世界220地域・44,000社以上で利用されています(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月時点)。
190通貨・27言語に対応した、クラウドERPの代表格です(出典:Oracle NetSuite公式、2026年9月確認)。
一方、日本ではNetSuiteの導入を支援できるコンサルタントが足りていないと、ベンチャーネットは現場で感じています。
求人市場でも経験者は少なく、未経験者の採用と育成に踏み出す会社が増えています。
この仕事が助けるのは、たとえばこんな声を上げている現場です。
- 経理担当:「月次の締めに2週間かかる。毎月、Excelの転記に追われている」
- 営業担当:「在庫は倉庫に電話して聞く。すぐ答えられず、失注したこともある」
- ベテラン社員:「この処理は私しか知らない。だから怖くて休めない」
- 社長:「数字が1ヶ月遅れで届く。経営判断はいつも勘に頼るしかない」
4つの声は、属人化とExcel乱立の悪循環でつながっています。
その輪を断ち切り、「頼んでよかった」と言ってもらう。
それがNetSuiteコンサルタントの役割です。
仕事内容|1案件(6〜12ヶ月)の流れ
1つの導入案件は、約6〜12ヶ月かけて進みます。
代表的な9つの段階と、AIとの親和性を表にしました。
AIとの親和性は、公式の情報ではなく、ベンチャーネットの見方です。
| 段階 | 中身 | AIとの親和性 |
|---|---|---|
| 1. 全体像の共有 | ビジネスモデルと課題を整理する | 中。資料の要約に使える |
| 2. 業務フローの図式化 | 仕事の流れを図に描く | 中。たたき台づくりに使える |
| 3. AsIs(現状)の把握 | 今のやり方を事実のまま聞き取る | 中。議事の整理に向く |
| 4. ToBe(あるべき姿)の設計 | 新しい業務の流れを描く | 低〜中。決めるのは人 |
| 5. Gap(差分)の判断 | 標準機能で足りない部分の埋め方を決める | 低〜中。判断は人が担う |
| 6. 設定 | NetSuiteを実際に構築する | 中。手順の確認に使える |
| 7. 社内テスト | 支援する側で動作を確かめる | 高。テストの観点づくりに向く |
| 8. UAT(受入テスト) | お客様自身に確かめてもらう | 中。手順書づくりに使える |
| 9. リリース | 本番稼働。運用の伴走が始まる | 中。問い合わせ対応に使える |
前半の「聞いて描く」工程の質が、プロジェクト全体の成否を決めます。
コンサルタントの価値がもっとも問われるのも、この前半です。
AIが下書きを早めても、お客様と合意して決めるのは人の仕事です。
前半は「見える化→整理整頓→Fit&Gap」で進める
ベンチャーネットでは、表の2〜5段目を、次の型で進めます。
- 業務の見える化:いまの業務の流れを、現場に聞いて描く
- 整理整頓:やめる・まとめる・そろえる業務を決める
- Fit&Gap:残った業務を、NetSuiteの標準機能と照らし合わせる
- 3つの選択:合わない業務を「標準に合わせる/開発する/残す」に分ける
Fit&Gapは、業務と機能の合う・合わないを一つずつ見る作業のことです。
お客様の製品がすでに決まっていても、見える化からやり直します。
いまの機能の一覧には、もう使っていない帳票や、手作業で補っている業務が混ざっているからです。
ベンチャーネットでの仕事の実像
同じNetSuiteコンサルタントでも、会社によって仕事の形は違います。
ベンチャーネットの場合は、次の3点が特徴です。
- 要件を聞くのはコンサルタント:営業ではなく、導入コンサルタント自身がお客様の要件を聞きます。伝言ゲームにしないためです
- 提案から稼働まで一貫:PM兼コンサルタントが、提案からカットオーバー(本番稼働)まで通して担当します。週次の定例と課題管理表で、決め事を文書にして共有します
- 白紙の案件ばかりではない:ゼロからの導入より、他社のあとの引き継ぎや立て直しが多い。他のシステムとの連携もよく担います
3つめは、応募の前に知っておいてほしい点です。
前任の設定を読み解き、動いている業務を止めずに直す。
地味に見えて、業務の理解がいちばん試される場面です。
年収とキャリアパス
役職が上がるにつれて、年収レンジも段階的に上がります。
実例として、ベンチャーネットの採用情報を示します。
| 段階 | 役割 | 年収の目安 |
|---|---|---|
| 導入コンサルタント | 案件を1〜2件担当 | 450万〜750万円 |
| PM兼コンサルタント | 案件全体の責任者 | 750万〜1,000万円 |
| 統括(PMO) | 複数案件と組織を統括 | さらに上位レンジ |
※出典:ベンチャーネットの採用情報(2026年時点)。年収水準は会社によって幅があります。
キャリアの階段は、おおむね次のように進みます。
- 入社〜6ヶ月:研修と進行中プロジェクトへの同席でキャッチアップ
- 6ヶ月〜2年:コンサルタントとして案件を1〜2件担当
- 2年〜:導入PMとして、案件全体を任される
働く環境は、会社によって大きく違います。
残業の多さや、入社した人が続いているかは、面談で直接たずねてください。
「コンサル業界は激務」というイメージとは違う働き方も、会社の選び方次第で実現できます。
年収の相場全体は、ERPコンサルタントの年収相場にあります。
働き方の選択肢|正社員・フリーランス・紹介予定派遣
経験と目的によって、合う入口が変わります。
| 比較軸 | 正社員 | 業務委託・フリーランス | 紹介予定派遣 |
|---|---|---|---|
| 収入の目安 | 年収450万〜1,000万円(役職による) | ベンチャーネットの場合、0.5人月で50万円〜・1人月で80万円〜 | 派遣期間を経て正社員登用 |
| 向いている人 | 未経験から体系的に育ちたい人 | ERP経験があり自律的に働きたい人 | まず現場を見てから決めたい人 |
| 案件への関わり | 工程を通しで担当しやすい | 参画先により範囲が異なる | 登用後は通しで担当 |
フリーランスの実情は、NetSuite業務委託・フリーランスとは?で解説しています。
紹介予定派遣は、紹介予定派遣からNetSuite ERPコンサルタントになるをご覧ください。
向いている人・向いていない人
NetSuiteには、知っておくべき性質があります。
画面で「出荷」の操作をすると、在庫が減り、会計の仕訳が自動で作られます。
操作と会計が直結しているため、簿記や経理の知識が強力な武器になります。
向いている人
- 人の話を聞いて、整理するのが得意
- 資料づくりや図解が苦にならない
- 「なぜこの業務があるのか」を考えるのが好き
- 会計・経理・業務部門の経験がある(あればさらに強い)
向いていない人・ほかの道が合う人
| こんな方 | 合いやすい道 |
|---|---|
| コードを書くことに集中したい | 開発職・エンジニア職 |
| 人と話すより、一人で作業したい | 運用・分析などの職種 |
| いまの会社でERPの経験を積める | いまは動かず、社内の導入に手を挙げる |
未経験・異業種から目指す方は、まず「業務と会計」から学び始めてください。
前職の生かし方は、経理・情シスからITコンサルタントへにあります。
いまERPに携わっている方は、元請けか、経営層と話せるか、通しで担当できるかで今の職場と比べてください。
国産ERPの経験者は、OBIC7・奉行シリーズ経験者がNetSuiteコンサルタントへも参考になります。
転職でよくある失敗3つ
入社してから「思っていた仕事と違った」と後悔してほしくない。
そのために、現場で見てきたつまずきを共有します。
失敗1:仕事の中身を誤解したまま入る
起きること:対人業務の多さに戸惑う。または、開発がしたくて入り、物足りなさを感じる。
原因:「システム操作を覚える仕事」「技術力が評価される仕事」と思い込んでいた。
実際の中心は「聞く・描く・回す・作る」で、開発は原則として担いません。
避け方:応募前に、第3章の1案件の流れを知っておきます。
開発を極めたいなら、開発職を選びます。
失敗2:分業型・下請け中心の会社を選ぶ
起きること:案件の一部工程だけを繰り返し、「一人で案件を回せる」状態に届かない。
原因:二次請け中心の会社では、担当できる範囲が細切れになりがちです。
要件定義から運用定着までを通しで経験できないと、スキルが積み上がりません。
避け方:面談で次の3点を聞きます。
- 元請け(プライム)として案件を持っているか
- お客様の経営層と直接対話できるか
- 工程を通しで担当できるか
失敗3:育成体制を知らずに飛び込む
起きること:OJT任せで放置され、「向いていないのかも」と自信を失う。
原因:体系的な教材がない環境では、白紙から資料を作ることになります。
本人の能力ではなく、育つ仕組みがないことが原因であるケースが多くあります。
避け方:次の3点があるかを、応募前に聞いておきます。
- 標準化された資料群(ゼロから作らなくていい環境)
- 期間と合格基準が明確な育成カリキュラム
- 相談相手が決まっているメンター制
ベンチャーネットでは、「ゼロから作らない」育成を大切にしています。
先輩たちが作り込んだ標準資料を土台に、消す・直す・足すだけで資料が完成します。
白紙から書かせて人を試すのではなく、型を渡して人を育てる考え方です。
ベンチャーネットならこう見る|「型」と「通し」で会社を比べる
3つの失敗に共通するのは、入口の情報の質で結果が決まることです。
ERPの導入と、よく似ています。
ベンチャーネットは、会社を比べる軸を2つに絞ることをおすすめします。
- 型があるか:仕事の進め方(第3章の見える化→整理整頓→Fit&Gap)と、育成の資料に型があるか
- 通しで担えるか:要件を聞くところから稼働まで、一人のコンサルタントが通して持つか
面談では、次の3つを聞けば、2つの軸が見えてきます。
- 仕事の中身:1案件のどの工程を、どこまで担当するか
- 案件の持ち方:要件を聞くのは営業か、コンサルタントか
- 育ち方:最初の6ヶ月で何を学び、何ができれば次に進むか
2つの軸と3つの問いを図にすると、次のとおりです。
答えが具体的な会社ほど、入社後の自分の姿を想像しやすくなります。
話してみて「合わない」と感じたら、そう伝えていただいて構いません。
未経験から目指す順番と、今日できること
未経験からの近道は、システムではなく「業務と会計」から学び始めることです。
NetSuiteは操作と会計が直結しているため、仕訳の基本を先に知るとシステムの理解が早くなります。
- 業務の流れを知る(受注→出荷→請求→入金の基本形)
- 会計の基本を学ぶ(簿記3級レベルの仕訳から)
- NetSuiteの操作に触れる(練習環境で壊しながら覚える)
- デモや資料作成の練習をする
- 実案件に同席して学ぶ
実例として、ベンチャーネットでは入社からの3ヶ月間を「業務→会計→システム→デモ→案件の練習」の順で組んでいます。
週ごとの合格基準が決まっており、メンター(教育係の先輩)が伴走します。
練習は本番と切り離された環境で行うため、壊しても大丈夫です。
詳しくは育成カリキュラムの記事で公開しています。
今日できること(1時間)
- いまの仕事の「受注→出荷→請求→入金」を、紙に1枚で描いてみる
- 自分の強みを「技術」と「業務理解」に分けて3つずつ書く
- 第8章の3つの問いを、面談で聞く言葉に直しておく
学び方の全体は、未経験からNetSuiteを学ぶにはにまとめています。
よくある質問
未経験でもNetSuiteコンサルタントになれますか
なれます。ただし、育成の仕組みがある会社を選ぶことが条件です。
ERP業界は経験者が少なく、未経験採用に踏み出す会社が増えています。
ベンチャーネットでも、職種・業界未経験の方を採用し、育成しています。
育成体制のない会社に飛び込むのは避けてください(第7章の失敗3)。
NetSuiteコンサルタントの年収はどれくらいですか
ベンチャーネットの場合は450万〜1,000万円が目安です。
導入コンサルタントで450万〜750万円、PM兼コンサルタントで750万〜1,000万円です(ベンチャーネットの採用情報、2026年時点)。
年収水準は会社によって幅があります(第4章)。
プログラミングスキルは必要ですか
必要ありません。
コンサルタントは、原則として自分では開発しないからです。
必要なのは、開発メンバーに「何を作ってほしいか」を正確に伝える力です。
文系や経理出身でも活躍できますか
活躍できます。むしろ有利な場面が多い仕事です。
NetSuiteは操作が会計に直結するため、簿記や経理の知識がそのまま武器になります。
月次決算や請求業務の経験がある方は、お客様の悩みを実感として理解できます。
何歳からでも目指せますか
年齢よりも業務経験が評価される分野です。
営業・経理・情シスなどで積んだ経験は、年齢とともに厚みを増す資産です。
40代以降でのキャリアチェンジも、現実的な選択肢になります。
資格は取ったほうがいいですか
必須ではありません。ただし、あれば信頼の証明になります。
NetSuiteにはOracleが認定する資格制度があります(出典:Oracle NetSuite公式、2026年9月確認)。
種類と勉強法はNetSuite資格ガイドにあります。
AIが進むと、この仕事はなくなりますか
お客様と合意して決める部分は人の仕事として残ると考えています。
資料の下書きやテストの観点づくりは、AIで早められます(第3章の表)。
業務の事情をくみ取り、決め事を前に進める力は、これからも価値を持ちます。
まとめ
- NetSuiteコンサルタントは、NetSuiteの導入を通じて業務改革を支援する専門職
- 主戦場は「聞く・描く・回す・作る」。開発は原則として担わない
- 年収の目安は、ベンチャーネットの場合で450万〜1,000万円。案件を1〜2件持つ段から、案件全体を持つ段へ上がる
- ベンチャーネットでは、要件を聞くところから稼働まで一人が通して持ち、引き継ぎ・立て直しの案件も多い
- 転職では、仕事の型があるか、通しで担えるか、育つ仕組みがあるかを聞く
ITに強くなくても、この仕事は始められます。
まずは、いまの仕事の「受注から入金まで」を1枚の紙に描いてみてください。
それが、聞いて描くこの仕事の、最初の練習になります。
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