入社6か月でNetSuiteコンサルタントになるまで|ベンチャーネットの育成カリキュラム全公開

「NetSuiteもERPも触ったことがない。それでもコンサルタントになれるのか」。

この記事は、その問いに対するベンチャーネットの答えです。結論から言えば、なれます。ただし根性論ではなく、仕組みの力でです。

ベンチャーネットは、NetSuite認定パートナー(Solution Provider)です。未経験者を6か月で案件デビューさせる育成の仕組みを、社内に持っています。この記事では、その中身を隠さず公開します。

NetSuiteは、会計・販売・在庫などの基幹業務を1つに統合するクラウドERPです。世界220地域・43,000社以上が利用しています(出典:Oracle NetSuite公式、2026年4月時点)。学ぶ価値のある領域だと考えています。

この記事で分かること

  • 未経験から6か月でNetSuiteコンサルタントになるまでの道筋
  • 前半3か月の育成カリキュラムの中身(週ごとの合格基準まで)
  • 初案件から先輩と同じ品質を出せる「差分修正」の仕組み
  • 経験者・未経験者、それぞれの入社の入口

読了時間:約10分

目次

なぜ「未経験から6か月」が可能なのか?

答えを先に言うと、育成を人の頑張りに頼らず、仕組みに落としているからです。その中心にあるのが、社内で「キット」と呼ばれる207ファイルの資料群です。

道順の8割は、すでに用意されている

キットには、NetSuite導入の進め方・業種ごとの標準的な業務の型・会議の台本・先輩の失敗集までが収められています。

新人が案件で通る道順の8割は、このキットに書いてあります。新人が集中すべきは、残り2割。つまり、お客様固有の事情です。

「教える人の力量」に依存しない

見よう見まねの育成では、結果が教える先輩の力量と忙しさに左右されます。

ベンチャーネットは、先輩たちの知見を資料の形で会社に残してきました。誰が教えても、誰が学んでも、同じ道順をたどれる状態にしています。

これは新人のためだけの話ではありません。担当者が新人か先輩かで品質が変わらないことは、お客様への品質保証でもあります。育成の仕組みと、コンサルティングの品質は、地続きです。

6か月の全体像:前半「カリキュラム」+後半「初案件OJT」

6か月は、大きく前半と後半に分かれます。前半3か月で型を学び、後半3か月の初案件で型を実戦で使います。

期間内容ゴール
入社〜3か月育成カリキュラム(業務→会計→システム→デモの順)販売デモを一人で実演できる
4〜6か月初案件OJT(先輩・PMと同じ案件に入る)先輩と同水準の資料をお客様に出せる

その先には、次の階段が続きます。1年後には工程を任され、今度は後輩にこのキットを手渡す側になります。

なお、コンサルタントの主な仕事はヒアリング・資料づくり・会議運営です。プログラムを書く開発業務は担当しません。開発メンバーに「正確に伝える」ことが仕事です。

前半3か月のカリキュラム全公開

前半3か月は、週単位のカリキュラムに沿って進みます。順番は「業務→会計→システム→デモ」。システムを最初に触らないことが、この設計の特徴です。

1か月目:業務の流れと会計を先に学ぶ

最初の1か月は、業務の流れと会計(仕訳)を学びます。NetSuiteに触るのは4週目からです。

なぜシステムが後なのか。NetSuiteは「操作=会計」のシステムだからです。

画面で「出荷」ボタンを押すと、在庫が減り、会計の仕訳が自動で作られます。この直結が、NetSuiteの一番大事な性質です。

だから、業務と会計を先に理解した人のほうが、システムを早く深く理解できます。

仕訳は29の型(基本8・例外10・業種特有11)に整理されています。丸暗記ではなく「出荷したら在庫が減って原価が立つ」という、出来事とお金の動きのペアで覚えます。

2か月目:機能を手で覚え、販売デモに挑む

2か月目は、在庫・会計・製造などの機能を、実際に手を動かして学びます。

山場は8週目の販売デモです。受注→出荷→請求→入金という基本の流れを、一人で実演します。

デモには台本が用意されており、時間割・操作・話す台詞まで書かれています。自分の実演を録画し、評価表でセルフチェックしたうえで、先輩のレビューを受けます。

3か月目:案件の予行演習と卒業試験

3か月目は、模擬ヒアリングと模擬の要件判定で、案件の動きを予行演習します。卒業試験に合格したら、実案件へ進みます。

「なんとなく進む」を許さない運用ルール

カリキュラムには、週ごとの合格基準が明文化されています。

  • 毎週金曜:合格基準をセルフチェック。未達なら先に進まず相談する
  • 毎月末:理解度テスト。8割で合格
  • 常時:わからないことを2日以上ひとりで抱えない(48時間ルール)

進み方が人によってぶれない理由は、この運用にあります。

後半3か月:初案件で「先輩と同じ品質」を出せる理由

ベンチャーネットの新人は、初案件から先輩と同水準の資料をお客様に出します。それを支えるのが「消す→直す→足す」という差分修正の仕組みです。

白紙から資料を作る仕事は、ほぼありません

一般的な育成では、資料作成は先輩の見よう見まねで覚えることが多いものです。

白紙のExcelを前にすると、資料の出来は書く人の経験量で決まります。経験の浅いうちは、品質が安定しません。

ベンチャーネットの方式は違います。業種別に8〜9割まで内容が埋まった「想定完成版」の資料を、あらかじめ用意しています。

対象は商社・卸売・小売・IT・製造の5業種です。標準的な業務の流れ、設定、会計仕訳まで先に書き込まれています。

新人の仕事は、ゼロから書くことではありません。想定完成版を、お客様の実際に合わせて直すことです。

「消す→直す→足す」の3ステップ

差分修正は、次の3ステップで進めます。

  1. 消す:そのお客様には存在しない業務の行を消す
  2. 直す:想定と実際が違う箇所だけを、お客様に確認して直す
  3. 足す:その会社だけの例外ルールを最後に足す

ゼロから「業務を教えてください」と聞く必要はありません。想定を見せながら確認するため、ヒアリングの質も安定します。

資料のひな形(テンプレート)も24本あります。日程表・課題管理表・業務フロー図などが揃い、最初に覚えるのは5本だけです。

なぜ、この方式だと「先輩品質」になるのか

先輩たちが作り込んだ資料を直して使えば、初案件から先輩の品質で出せます。個人の経験量に頼らないからです。

社内には「白紙のExcelを開いたら迷子のサイン。まずキットを探す」という合言葉があります。

これは手抜きではなく、品質保証の思想です。お客様から見れば、担当が新人か先輩かで資料の質が変わることこそ問題だからです。

ベンチャーネットは、先輩の知見を資料の形で会社に残してきました。新人はそれを直して使い、学びながら品質を出す。人の頑張りではなく、仕組みで育てる考え方です。

つまずきを防ぐ仕組み:48時間ルール・Sandbox・週次1on1

未経験者の挫折は、能力不足よりも「抱え込み」と「失敗への恐怖」から生まれます。ベンチャーネットは、この2つを仕組みで取り除いています。

48時間ルール:2日以上ひとりで抱えない

わからないことを、2日以上ひとりで抱えない。これが48時間ルールです。

質問は恥ではなく、仕事の一部と位置づけられています。「聞いていいのかな」と迷っている時間こそ、成長の最大のロスだからです。

Sandbox:壊してもいい練習環境

NetSuiteの練習は、Sandbox(本番と切り離された練習環境)で行います。

壊しても大丈夫で、何度でもやり直せます。「失敗が怖くて触れない」という状態を、環境の側からなくしています。

メンターの週次1on1と、毎週の合格基準

新人にはメンター(教育係の先輩)がつき、週次の1on1を行います。その週のつまずきを、翌週に持ち越さないためです。

カリキュラムには、週ごとの合格基準が明文化されています。毎週金曜にセルフチェックし、できていなければ先に進まず相談します。

月末には理解度テストがあり、8割で合格です。「なんとなく進む」ことがない設計になっています。

ミスは即報告。怒られません

ベンチャーネットには「ミスに気づいたら即報告。隠すのが一番ダメ」という文化があります。

迷ったときの判断基準も、あらかじめ3つに区分されています。

  • 自分で決めてOK:日程調整、資料の見た目、調査
  • 上司に確認:仕事の範囲、費用、仕様の可否
  • すぐ報告:本番データの事故、強いクレームなど

「怒られないから、報告できる。報告が早いから、傷が浅い」。これは本人の性格の問題ではなく、仕組みの問題だと考えています。

安心して失敗できる環境と、失敗を早く小さく処理する運用。この2つが、未経験からの6か月を現実的なものにしています。

どんな人が向いているか?入社の入口は2つ

最後に、この仕事に向いている人と、入社までの道筋を整理します。入口は、経験の有無によって2つに分かれます。

向いているのは「聞いて、整理して、伝える」人

コンサルタントの主戦場は、ヒアリング・資料づくり・会議運営です。開発はしません。

だから、プログラミング経験は入社時に必須ではありません。会計の知識も、カリキュラムの最初に学ぶため、入社時点では不要です。

人の話を聞いて整理することが好きな人、決められた型を丁寧になぞれる人に向いた仕事です。

入口①:ERP・IT・業務改善の経験がある方

ERP導入やIT・業務改善プロジェクトの経験がある方は、PM兼コンサルタントとしての採用枠があります。

募集要件・待遇の詳細は、NetSuiteコンサルタント(PM兼コンサル)の求人ページをご覧ください。

入口②:未経験からスタートしたい方

未経験の方の入口は、カジュアル面談からの相談が基本です。この記事で紹介した6か月の育成を前提に、入社後の道筋をすり合わせます。

また、紹介予定派遣(派遣期間を経て正社員登用を前提とする働き方)での受け入れにも対応を進めています。

人材紹介会社経由での応募を検討している方も、記事末尾の窓口からご相談いただけます。

なお、フリーランス・業務委託での関わり方に関心がある方は、NetSuite業務委託・フリーランスの解説記事が参考になります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 会計の知識がゼロでも大丈夫ですか?

大丈夫です。カリキュラムの1か月目に、業務の流れと仕訳を最初から学びます。

仕訳は29の型に整理されており、丸暗記ではなくパターンで覚える設計です。簿記資格の有無は、スタートラインに影響しません。

Q2. 文系・非IT出身でもなれますか?

なれます。コンサルタントの仕事は、ヒアリング・資料づくり・会議運営が中心で、開発は担当しません。

必要なITスキルはカリキュラムの中で身につけます。練習は本番と切り離されたSandbox環境で行うため、壊す心配なく手を動かせます。

Q3. 本当に3か月でデモができるようになりますか?

カリキュラムのゴールとして設定されています。8週目に、受注→出荷→請求→入金の販売デモを一人で実演します。

デモには時間割・操作・台詞まで書かれた台本があり、録画とセルフチェック、先輩レビューを経て仕上げます。台本なしの即興を求められることはありません。

Q4. 転職サイト経由と直接応募、どちらがよいですか?

どちらでも選考上の有利・不利はありません。

Green・人材紹介会社・直接のカジュアル面談、いずれの経路でも、この記事で紹介した育成の仕組みは同じように適用されます。迷う場合は、まずカジュアル面談からの相談をおすすめします。

まずはカジュアル面談から

ベンチャーネットは、未経験者を仕組みで育てる体制を用意して、新しい仲間を待っています。

「自分に務まるだろうか」という段階の相談も歓迎です。6か月後の自分を、一緒に設計しましょう。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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