「パートナーを変えれば、NetSuiteは使いやすくなるはずだ」
稼働から1〜2年たった会社で、よく聞く言葉です。
半分は当たっていて、半分は外れています。
パートナーを変えて直る「使いにくさ」もあれば、変えても何ひとつ直らないものもあるからです。
NetSuiteの認定パートナーとは、Oracleが認定した、導入や保守を担う会社です。
NetSuite自体はOracleが提供し、設定や改善はパートナーと進める形が一般的です。
「使いにくい」の原因は、自社・NetSuite本体・パートナーの3か所のどこかにあります。
考える順番は、自社で改善する→正式に改善を頼む→パートナーを変える、です。
では、自社の「使いにくい」は、3か所のどこから来ているのか。
それが分かれば、変えるべきかどうかの答えも出ます。
NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットは、変えなくてよい場合は、そう伝えます。
NetSuite・Odoo・AIスクラッチ開発を扱い、SAPからのリプレイスにも対応する立場から書いています。
この記事で分かること
- 「使いにくい」の典型的な症状と、3つの原因の所在
- パートナーを変える前に、自社で試せる改善
- パートナー変更を考える4つのサイン
- 変える前に見る契約と、いまのパートナーへの伝え方
- よくある失敗3つと避け方
画面のトラブルごとの直し方は、NetSuiteが「使いにくい」と感じる本当の原因とは?で扱っています。
この記事は、その先の「パートナーを変えるかどうか」の判断に絞ります。
「使いにくい」の典型的な症状
症状は、大きく3つの領域に分かれます。
| 領域 | よくある症状 | 背景 |
|---|---|---|
| 操作の画面 | 画面の移動が多い。入力の項目が多い。日本語の表現に違和感がある。検索で欲しい情報が出ない | グローバルの製品であることと、設定の工夫の両方が関わる |
| 業務の流れ | 締め請求・分納・複雑な承認に、標準の機能だけでは合わない。帳票が得意先に出せる形にならない | 業務の整理で解ける部分と、開発が要る部分がある |
| 運用の負荷 | 設定の変更を毎回パートナーに頼む。レポートやダッシュボードが作れない。年2回の更新への対応が重い | 導入時の知識の引き継ぎが足りないことが多い |
NetSuiteには、年2回、全ての利用企業に自動で更新が届きます(出典:Oracle NetSuite公式、2026年9月確認)。
更新への備え方は、4-3で触れます。
日本語の表示の範囲は、NetSuiteの日本語対応はどこまで?をご覧ください。
原因はどこにあるか|3つの所在
症状と原因は、一致しないことが多くあります。
「画面が使いにくい」の原因が、実は業務の流れの未整理ということもあります。
| 原因の所在 | 典型的なパターン | パートナーを変えれば解消するか |
|---|---|---|
| 自社 | 業務の流れが文書になっていない。専任の管理者がいない。要件があいまいだった。現場が変化を嫌う | しない。自社で取り組む課題 |
| NetSuite本体 | 標準の機能と日本の商慣習の差。日本特有の締めの要件 | しない。アドオン開発や設定で補う |
| パートナー | 業務の理解が浅い。改善の要望への対応が遅い。開発の力が足りない。相談しにくい | する可能性がある |
アドオン開発は、NetSuiteの上に機能を追加で開発することです。
表の3行のうち、パートナーを変えて直るのは最後の1行だけ。
パートナーが原因の兆候が複数重なる場合は、変更を考える段階に入っています。
3つの所在と、変えて直るかどうかを図にすると、次のとおりです。
症状と対処の全体マップ
症状ごとに、自社で改善しやすいか、パートナー変更で改善しやすいかの傾向は分かれます。
| 症状 | 自社で改善できる可能性 | パートナー変更を考える可能性 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 画面の操作が煩雑 | 中 | 中 | 標準の機能の制約と、業務の設計の両面 |
| 日本語の表現・帳票が合わない | 中 | 中 | アドオン開発で対応できることがある |
| 業務の流れと標準の機能が合わない | 高 | 低 | 業務の整理が先 |
| 承認の流れが社内のルールに合わない | 中 | 中 | 設定と業務の整理の両輪 |
| 設定の変更がパートナー頼み | 低 | 中 | 知識の引き継ぎがされたかで判断 |
| レポート・ダッシュボードが作れない | 中 | 中 | 管理者の教育とパートナーの支援の両輪 |
| 改善の要望への対応が遅い・前向きでない | 低 | 高 | パートナーが原因 |
| 問い合わせの返事が遅い・担当が一人に偏る | 低 | 高 | パートナーが原因 |
| 経営の課題に踏み込んだ提案がない | 低 | 高 | 関係のあり方の問題 |
この表は全体の地図です。
症状だけで決めず、原因の所在を見極めてください。
自社で改善できること
いきなりパートナー変更を考える前に、試せることがあります。
業務を見える化し、標準と照らし合わせる
業務の流れと標準の機能が合わないとき、ベンチャーネットは次の順で進めます。
- 見える化:いまの業務の流れを、部署ごとに現場に聞いて描く
- 整理整頓:やめる業務、まとめる業務、そろえる業務を決める
- Fit&Gap:残った業務を、NetSuiteの標準の機能と照らし合わせる
- 3つの選択:合わない業務ごとに「標準に合わせる/開発する/残す」を決める
稼働した後でも、この順番は変わりません。
すべてをカスタマイズで解こうとすると、更新のたびに確認の手間と費用が増えます。
標準に合わせられる業務は、業務の側を見直す(Fit to Standard)のが基本です。
進め方はNetSuite導入のFit&Gap分析で扱っています。
社内の運用の体制を見直す
- 管理者を専任にし、教育をし直す
- 社内の問い合わせ窓口を置く
- 現場のユーザーの研修をもう一度行う
- 改善の要望を集める仕組みをつくる
管理者が育っていないと、小さな設定の変更もパートナーに頼むことになります。
運用の負荷が重くなる、いちばん直接の原因です。
現場が新しいやり方を嫌うなら、次の3点を見てください。
- 入力の手間が、前のシステムより増えていないか
- 入力したデータが、現場の役に立つ形で返ってきているか
- 困ったときに、すぐ聞ける相手が社内にいるか
入力するだけで何も返ってこない仕組みは、使われなくなります。
現場の担当者が自分の数字を見られる画面を一つ作るだけで、反応が変わることもあります。
試す環境と更新への備え
NetSuiteには、変更を本番の前に試せる環境があります。
| 環境 | 何ができるか | 使い方 |
|---|---|---|
| Sandbox | 本番と同じ設定・データ・カスタマイズで、本番に影響せずに試せる | 取得はOracleのアカウント担当に問い合わせる |
| Release Preview | 次の版のNetSuiteを、本番の更新の前に試せる一時的な環境 | 管理者が申し込む。本番の更新日に終わり、試したデータは消える |
出典:Oracle NetSuiteのヘルプ(Sandbox)、Oracle NetSuite公式(Release Preview)。いずれも2026年9月確認。
Release Previewでは、自社のカスタマイズや業務の流れを、更新の前に試せます。
更新のたびに慌てる会社は、試す手順を決めておくだけで負荷が下がります。
詳しくはNetSuiteのサンドボックスとNetSuiteのバージョンアップをご覧ください。
改善の手段とAIとの親和性
自社で打てる手は、画面の設定から開発まで幅があります。
| 手段 | 向く症状 | 自社でできるか | AIとの親和性 |
|---|---|---|---|
| 画面・入力の項目の設定の見直し | 画面の操作が煩雑 | 管理者が育てばできる | 低。まず入力の負荷を下げる段階 |
| 保存検索・ダッシュボードの作成 | レポートが作れない | 管理者が育てばできる | 中。そろった数字はAIでの点検に使いやすい |
| 承認の流れ(ワークフロー)の設定 | 承認が社内のルールに合わない | 設定の知識が要る | 中。承認の記録がデータとして残る |
| アドオン開発・外部連携 | 帳票や日本特有の要件 | パートナーや開発会社と進める | 中〜高。データの出し入れの口ができる |
| AIとの連携 | 数字の点検や問い合わせに時間がかかる | 設定と権限の設計が要る | 高 |
保存検索は、条件を決めて保存しておけるNetSuiteの検索の機能です。
NetSuiteには、AI Connector Serviceという仕組みもあります。
ClaudeやChatGPTなどのAIを、NetSuiteのデータにつなぐものです(出典:Oracle NetSuite公式、2026年9月確認)。
ただし、先に要るのはデータの整理と権限の設計です。
データが散らかったままでは、AIの答えも散らかります。
関連する記事:保存検索/承認ワークフロー/経営ダッシュボードの作り方
日本特有の要件は3段で考える
締め請求や日本の帳票など、標準の機能で足りない要件は、次の3段で考えます。
| 段 | 考えること | 聞く相手 |
|---|---|---|
| (a) いま日本で使える機能で足りるか | 日本向けの機能や設定で、どこまで対応できるか | Oracleのアカウント担当、パートナー |
| (b) 開発で補えるか | アドオン開発や外部との連携で埋められるか | 開発に強いパートナー |
| (c) 標準の機能の提供を待つか | 年2回の更新で、今後提供される予定があるか | Oracleの公式の発表 |
(a)で足りない部分を、すぐに(b)で作り込むとは限りません。
業務への影響が小さければ、(c)を待つ判断もあります。
日本での提供の状況はアカウントによって違うことがあるため、担当に聞いてから決めてください。
いまのパートナーに正式に改善を頼む
4-1〜4-5を試しても解消しない場合は、いまのパートナーに正式に改善を頼みます。
- 症状と、期待する状態を文書にする
- 契約の内容を読み、対応の範囲の内か外かを整理する
- 回答の期限を決める
- 改善が見られない場合は、判断の材料として記録する
要望は、次のような形で文書にすると伝わりやすくなります。
| 項目 | 書く内容の例 |
|---|---|
| いまの症状 | 月末の請求書の作成に、担当者が3日かかっている |
| 期待する状態 | 締め日の翌日に、得意先ごとの請求書を出せる |
| 業務への影響 | 月末の残業と、請求の遅れによる入金の遅れ |
| 優先度 | 高(毎月発生する) |
| 回答の期限 | ◯月◯日までに、対応の可否と進め方を回答してほしい |
※表の数字は説明のための例です。
「使いにくい」とだけ伝えても、パートナーは何を直せばよいか判断できません。
症状と期待する状態を分けて書けば、範囲の内か外かもはっきりします。
この要望への反応が、次の章のサイン①の材料になります。
判断の物差し|変える・変えない・製品を見直す
パートナー変更を考える4つのサイン
| サイン | 注意したい兆候 |
|---|---|
| ① 改善の要望への姿勢 | その場で「できません」と返される。代わりの提案がない。「契約の範囲外です」で話が終わる |
| ② サポートの質 | 返事が遅い(1週間以上など)。毎回ゼロから説明が要る。担当がよく替わり、引き継ぎが足りない |
| ③ 技術の力と対応の範囲 | アドオン開発の制約が多い。外部との連携に消極的。年2回の新機能への追随が遅い |
| ④ 対等な関係 | 話が一方通行。経営の課題に踏み込まない。リスクや課題を共有しない |
4つのサインは、重みが同じではありません。
- ①と④は関係そのものの問題で、話し合いで変わりにくい
- ②は、担当の交代や体制の見直しで改善することがある
- ③は、開発を別の会社に頼むなど、役割を分けて補える場合がある
4つのサインの重みを図にすると、次のとおりです。
1つだけなら、改善の要望で解ける場合もあります。
複数が当てはまるなら、変更を真剣に考える段階です。
担当が一人に偏っている体制は、とくに危うい。その人が抜けると、運用が一気に不安定になります。
どの道が合うか
| 自社の状況 | 合いやすい道 |
|---|---|
| 原因が自社にある(業務の未整理・管理者がいない) | パートナーは変えず、自社の体制づくりから |
| 原因がNetSuite本体にある(日本特有の要件) | アドオン開発で補う。いまのパートナーで難しければ、開発に強い会社に相談 |
| 原因がパートナーにあり、改善の要望にも応えない | パートナーを変える |
| 使っているのが会計だけなど、NetSuiteの規模が業務に比べて大きすぎる | 製品を見直す。国産の会計ソフトやOdooも候補 |
| 業務が独自で、パッケージに合わせると競争力を失う | AIスクラッチ開発も含めて考える |
製品を見直すのも、選択肢の一つです。
ただし、乗り換えには大きな費用と時間がかかります。
「製品の限界」か「使い方の問題」かを分けてから考えてください。
比べ方はOdooとNetSuiteの比較とAIスクラッチ開発とERPの比較で扱っています。
変えるなら、いつがよいか
| 時期 | 考えること |
|---|---|
| いまのパートナーとの契約の更新の前 | 解約の予告期間に間に合うかを逆算する |
| 決算や繁忙期の直前 | 引き継ぎで業務が乱れやすいため避ける |
| 年2回の大きな更新の前後 | 更新の対応を、どちらのパートナーが担うかを決めておく |
| 大きな機能の追加の前 | 追加の開発を、新しい体制で始めるかを考える |
急いで変えるより、引き継ぎの期間を確保できる時期を選ぶほうが安全です。
更新が近いなら、その前に第4章の改善と正式な要望を済ませておくと、判断の材料がそろいます。
いま使っている会社と、これから選ぶ会社
いまNetSuiteを使っている会社は、第2章から第5章の順に進めてください。
原因の所在を分け、自社で改善し、正式に要望を出す。それでも解けなければ、変更を考えます。
これから選ぶ会社は、同じ悩みを避けるために、提案の場で次のように聞いてみてください。
- 「稼働の後、自社で保存検索やダッシュボードを作れるようになりますか」
- 「管理者の教育は、見積もりのどこに含まれていますか」
- 「担当が替わるときは、どのように引き継ぐのか」
答えが具体的なパートナーほど、導入の後の「使いにくい」を減らせます。
見極め方はNetSuiteパートナーの選び方、保守の選び方はNetSuiteのサポート・保守はどう選ぶ?で扱っています。
よくある失敗3つ
失敗1:症状で焦って変え、改善できた問題まで失う
起きること:パートナーを変えたのに、同じ症状が続く。移行の費用と時間だけがかかる。
原因:原因が自社の業務の未整理だったのに、所在を見極めずに変更を決めた。
避け方:第2章の3つの所在で原因を分け、第4章の改善を試してから判断します。
失敗2:パートナーを変えれば全部解決すると思い込む
起きること:新しいパートナーの下でも、同じ問題がまた起きる。2回目の変更を考える事態になる。
原因:業務の未整理、管理者の不在、あいまいな要件。自社に原因がある課題を残したまま変えた。
避け方:変更の前に、次の3点を見ておきます。
- 業務の流れが文書になっているか
- 現場の改善の要望が、経営の判断としてまとまっているか
- 管理者が運用に続けて関われる体制か
失敗3:契約の確認と、いまのパートナーへの連絡を後回しにする
起きること:後から解約の予告期間や違約金の条項が分かる。話が途中で漏れて信頼が崩れ、データや資料の引き渡しに協力を得られない。
原因:新しいパートナーとの話を先に進め、いまの契約と関係を後回しにした。
避け方:検討の最初に、契約書で次の項目を読みます。
- 契約の期間と、解約の予告期間
- 違約金の条項の有無
- カスタマイズやアドオンの資産の帰属
- データ・設定の情報の引き渡しの条件
変更を決めたら、早めにいまのパートナーに正式に伝えます。
感謝と評価できる点を先に述べ、理由を冷静に説明し、引き継ぎへの協力を頼みます。
ベンチャーネットならこう見る
ベンチャーネットの仕事は、ゼロからの導入より、他社が導入した後の「引き継ぎ・立て直し」のほうが多くあります。
だからこそ、変えても直らない「使いにくさ」を、何度も見てきました。
相談を受けたら、次の2つの枠組みで考えます。
変える前の3段|自社で直す→正式に頼む→変える
まず原因を、自社・NetSuite本体・パートナーの3つに分けます。
そのうえで、自社で直す、正式に頼む、変える、の順に進みます。
1段目と2段目を飛ばした変更は、失敗1・2のもとになります。
NetSuiteの認定パートナーとして正直に言えば、パートナーが変われば新しい仕事が生まれます。
それでも、変えなくてよい場合は、そうお伝えします。
変える前にやれることをやり切るほうが、結局は近道だからです。
役割の線引き|日本オラクル・パートナー・自社
「誰に言えば直るのか」が分からないことも、使いにくさの一因です。
役割は、次のように分かれます。
| 担い手 | 担うこと |
|---|---|
| 日本オラクル | ライセンス・トレーニング・製品サポート |
| パートナー(ベンチャーネットの場合) | 要件定義・設定・カスタマイズ・アドオン開発・保守・PM(Oracleとの調整を含む) |
| 自社 | 業務の整理、管理者の育成、受入テスト |
製品の不具合はOracleへ、設定や開発はパートナーへ、業務の決めごとは自社で。
3段目で新しいパートナーを選ぶときは、次の2点も見てください。
- 要件を聞くのが、営業ではなく導入コンサルタントか(伝言ゲームにしない)
- 週次の定例と課題管理表で、やり取りが文書に残るか
パートナー変更を決めたあとに
NetSuite自体はOracleが提供しているため、導入や保守のパートナーは変えられます。
プロジェクトの途中でも、稼働の後でも変更は可能です。
データはNetSuiteのデータセンターに保存され、継続的にバックアップされています(出典:Oracle NetSuite公式、2026年9月確認)。
パートナーの手元にあるわけではないため、パートナーが替わっても消えません。
変える前に、次の資料が手元にあるかを確認します。
| 引き継ぎの資料 | なぜ要るか |
|---|---|
| 設定の資料(ロール・承認・帳票など) | 新しいパートナーが、いまの状態を正しく知るため |
| カスタマイズ・アドオンの一覧と中身 | 何を残し、何をやめるかを決めるため |
| 外部との連携の一覧 | 連携が止まると業務が止まるため |
| 未解決の課題の一覧 | 引き継いだ後の優先順位を決めるため |
資料がそろっていない場合は、並行運用の期間に作ることも考えます。
主な流れは次のとおりです。
- いまの契約の確認と、引き継ぎの計画
- 新しいパートナーの選定と契約
- 新旧のパートナーが同時に支える並行運用の期間の設定(目安は1〜3か月)
- 段階的な業務の引き継ぎと、トラブルへの対応の体制づくり
具体的な進め方は、ERP導入失敗の原因はパートナーにあり?「パートナー変更(リプレイス)」という選択肢で扱っています。
候補探しには、NetSuiteパートナー一覧もご活用ください。
今日できること|困りごとを3つの所在に振り分ける
現場から出ている「使いにくい」を、10個まで書き出してください。
それぞれを、次の表に振り分けます。
| 困りごと | 自社 | NetSuite本体 | パートナー |
|---|---|---|---|
| (例)請求書の形が得意先に合わない | ○ | ||
| (例)設定の変更に2週間かかる | ○ |
「自社」の列が多ければ、まず社内の体制づくりから始めます。
「パートナー」の列が多く、要望にも応えがなければ、変更を考える段階です。
どの列にも振り分けられない行が多いときは、第三者の目を入れると判断が早くなります。
振り分けた表は、そのまま改善の要望や相談の資料になります。
よくある質問
Q1. NetSuiteのパートナーは途中で変えられますか
変えられます。
NetSuite自体はOracleが提供しており、導入や保守のパートナーは選び直せます。
プロジェクトの途中でも、稼働の後でも変更は可能です(第9章)。
Q2. パートナーを変えると、データが消えたり業務が止まったりしませんか
データは消えません。業務も、基本的には止まりません。
データはパートナーの手元ではなく、NetSuiteのデータセンターにあります(第9章)。
新旧のパートナーが同時に支える並行運用の期間(目安1〜3か月)を設けるのが一般的です。
Q3. 他社が導入したNetSuiteも、別のパートナーに運用を頼めますか
頼めます。
担当者の退職やサポートの手薄さから、保守の引き継ぎを相談する会社もあります。
いまの設定とアドオンの一覧をそろえておくと、話が早く進みます。
Q4. パートナー変更を考えるべきサインは何ですか
サインは4つあります。
改善の要望への姿勢、サポートの質、技術の力、対等な関係です。
1つだけなら改善の要望で解ける場合もあります。
複数が当てはまるなら、変更を真剣に考える段階です(第5章)。
Q5. 変更にかかる期間と費用の目安は
期間は3〜12か月程度が一つの目安です。費用は、規模とカスタマイズの量で大きく変わります。
費用の主な中身は、移行の作業、並行運用中の二重の費用、新しいパートナーの初期の作業です。
金額は、個別の見積もりで聞いてください。
Q6. 年2回の更新のたびに不具合が心配です
Release Previewで更新の前に試せます。
次の版を本番の前に試せる一時的な環境です。
カスタマイズや業務の流れを試す手順を決めておくと、負荷が下がります(4-3)。
Q7. パートナーは変えずに、開発だけ別の会社に頼めますか
役割を分けて頼む形も考えられます。
保守はいまのパートナー、アドオン開発は開発に強い会社、という分け方です。
ただし、誰がどの設定や開発に責任を持つかは、最初に決めておきます。
境目があいまいだと、不具合のときに原因の切り分けが難しくなります。
まとめ
- 「使いにくい」の原因は、自社・NetSuite本体・パートナーのどこかにある
- パートナーを変えて直るのは、原因がパートナーにある場合だけ
- 考える順番は、自社で直す→正式に頼む→変える
- SandboxとRelease Previewで、変更と更新を本番の前に試せる
- 変えるなら、契約の確認といまのパートナーへの誠実な連絡から
「パートナーを変えれば使いやすくなる」かどうか。
その答えは、今日作る振り分けの表の「パートナー」の列に出ます。
NetSuiteは、世界220地域・44,000社以上で使われているクラウドERPです(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月確認)。
使い方を見直せば、まだ活かせる余地があるかもしれません。
もう少し詳しく知りたい方へ
変えるべきか、変えなくてよいか。
ベンチャーネットは、特定の製品やパートナーに誘導しない立場で、いまの状況の整理からお手伝いしています。
- いまのパートナーに不安がある・保守を引き継いでほしい方:NetSuiteパートナーリプレイス(導入の立て直し・引継ぎ・伴走保守)
- 帳票や日本特有の要件を開発で補いたい方:NetSuiteアドオン開発サービス「NetSuiteリブート」
- どこから手をつけるか相談したい方:お問い合わせ
