バーチャル経営の集客と販促~ABMで中小企業が狙うべき「限定された”濃い”市場」

今回は、前回のABMに引き続き、中小企業向けにABMの実践的な方法論を紹介します。ABMは、特定のターゲットに対してメッセージを発信しつづけることが大切です。では、そのターゲットは一体どこに存在しているのでしょうか。バーチャル経営では、ABMのターゲット設定において、「限定された”濃い”市場」の活用を推奨しています。

目次

「見つける」よりも「見つけられる」を意識

ABMは、ターゲット企業の選定、アプローチ、分析と振り返りという3ステップを経て、LTVを高めていきます。こうした一連のステップの中でも特に重要なのが「いかにターゲット企業と出会うか」という点です。バーチャル経営では、ターゲット企業に対して積極的に働きかけるよりも、「見つけてもらう」ことが大切だと考えています。

情報のコントロール権は「顧客側」

現代は、買い手側がインターネットを通じて膨大な情報にアクセスできる時代です。また、膨大な情報をもとに取引先候補の選定も行っています。いわば買い手側は「狩人」で、我々は「獲物」なのです。このような状況で、無理に顧客に対してアプローチを続けても、取捨選択の波に巻き込まれるだけになってしまうでしょう。

インターネットが普及する以前は、売り手側に情報をコントロールする権利がありました。しかし、今は逆です。我々はコントロールされる側・発見される側であり、「いかに発見されるか」を意識するほうが、効率よく良い買い手と出会えるのです。

これは、営業手法の変化にも表れています。プッシュ型営業の典型であったテレアポやフィールドセールスよりも、Webからリードを獲得しインサイドセールスに取り込むなど、プル型営業が伸びてきています。また、「ステマ」が糾弾される風潮からもわかるように、操作性を感じる情報は顧客の中で「無かったこと」になってしまいます。膨大な情報に誰もがアクセスできる今、不要な情報の押し売りは最も敬遠される行為のひとつなのです。

売り手が買い手に辿り着きやすい市場を狙う

ABMが最も威力を発揮するのは、「売り手が買い手に辿り着きやすい導線」を作ったときだと感じています。また、導線を描きやすい市場を狙うことも非常に重要です。売り手・買い手の数があまりにも多く、発見されるまでに時間がかかるような市場は避けるべきかもしれません。”発見されやすい規模”の市場を狙うことで、ABMの効果をより高めていくのです。

中小企業がABMで狙うべき市場

では、発見されやすい市場とはどのような市場なのでしょうか。バーチャル経営では、「どのくらいの売り手に発見されるか(認識されるか)」を基準に、市場を以下3つのタイプに分類しています。

大規模市場

感覚的には「1万人超に発見される市場」です。非常に多くの売り手・買い手が存在し、広告の効果が大きい市場でもあります。知名度や社歴がモノを言う市場で、大きく・有名であればあるほど有利です。ただし、ABMが意図する「自社に合った顧客」に巡り合うためには効率が悪いかもしれません。

中規模市場

こちらは「5000人~1万未満に発見される市場」というイメージです。このくらいの市場規模が「コアなファン層」を効率よく獲得できる上限かもしれません。

限定された濃い市場

「1000人未満に発見される市場」であり、バーチャル経営におけるABMのメインターゲットとなる市場です。簡単に言い換えると「自然発生し、ニッチでローカルな市場」と言えるでしょう。

インターネットが普及する以前は、限定された濃い市場が全国各地に存在していました。限定された濃い市場には、「非常にマニアックな洋楽レコードのみを販売する個人経営のレコード屋」「一部の愛好家のみを対象とした鉄道模型の店」などがあり、買い手はこうした店をわざわざ探して通っていたわけです。また、地域に根差した一般的な商売の大半は、限定された濃い市場の売り手だと考えることもできます。

限定された濃い市場は、「発見される側」であり、「消費しきれない市場」です。常に買い手のほうが売り手もよりも多く、買い手は売り手を熱心に探しています。そのため、ある程度の発信力を持った売り手であれば、自らのビジネスと相性が良い買い手を引き寄せることができます。

ABM×ICTで限定された濃い市場が狙いやすく

限定された濃い市場は、BtoCの分野で発生することが多く、個人商店や零細企業がプレイヤーです。そのため、売り手が消滅すると、それに伴って霧散してしまうことが多いのです。このことから、一般的にはあまり認識されず、BtoBでも重視されてこなかったと考えられます。また、地域性や独自性が強すぎるためのアプローチにコストがかかり、物理的な距離の壁を越えにくいという弱点もありました。

しかし現在は、Webを中心としたコンテンツマーケティングによって、限定された濃い市場にいる買い手から発見してもらうことが可能になっています。また、ABMをICTの力で自動化し、最小のコストで限定された濃い市場にアプローチしていくこともできます。

限定された濃い市場へのアプローチを自動化「ABM-AUTOMATION」

バーチャル経営では、限定された濃い市場へのアプローチ方法として、ABMの自動化ソリューション「ABM-AUTOMATION」を推奨しています。

ABM-AUTOMATIONで「辿り着いた売り手」へのアプローチを最適化

ABM-AUTOMATIONは、Oracle社が提供するMAツール「Eloqua」を利用しているユーザー企業様が、より効率的にABM(Account Based Marketing)を実行するためにベンチャーネットが開発した独自アプリケーションです。
BtoBアクセス分析ツール(どこどこjp)や名刺管理ツール(Sansan)との連携で、マーケティングオートメーション活用の肝であるデータ整備を自動化します。

ABMでは、「買い手が自社にアクセスしているか(辿り着いているか)」を確認する必要があります。ABM-AUTOMATIONでは、アクセスログからアノニマスユーザーの企業情報を可視化し、ターゲット企業からのアクセスであるかを確認、さらにそこからリードジェネレーション戦略の成果を測定することが可能です。つまり、「ターゲット企業(買い手)が、自社(売り手)に辿り着けているか」を正確に把握することができるのです。

また、こうした情報をもとにターゲット企業に向けて最適化されたバナーを表示し、適宜切替えていくことも可能です。「辿り着いてくれた買い手に、適切な情報を表示する」ことで、ホワイトペーパーのダウンロード数やセミナー申し込み数などの底上げが期待できます。

これまで社内に散逸していた名刺データや顧客データを一元化しつつ、外部からのアクセスも取り込んだうえでABMを自動化していく。ABM-AUTOMATIONは、限定された濃い市場へ的確に、かつ継続的にアプローチするための仕組みを提供します。

まとめ

ここでは、バーチャル経営が推奨するABM向けの市場「限定された濃い市場」の紹介と、ABMの施策を自動化・効率化する仕組みを紹介しました。ABMは無駄なく、的確に自社と相性の良い顧客とつながることのできる施策です。一方で、分析・可視化の作業が多く、一定の手間暇がかかることが弱点でした。特に限定された濃い市場を狙うのであれば、こうした手間を少しでも減らし、継続的なアプローチを心掛けたいところです。ABMの自動化にご興味があれば、ぜひお気軽にお問合せください。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

株式会社ベンチャーネット 代表取締役
2005年に株式会社ベンチャーネットを設立後、SEOをはじめとするデジタルマーケティング領域のコンサルティングサービスを展開
広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で支援を行っています
著書に『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業 「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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