freeeとNetSuiteの比較|選定・乗り換えで失敗しないERPの選び方【2026年版】

「会計はfreeeで回せているけれど、これから事業が大きくなったとき、このままで大丈夫だろうか」

「freeeを長く使ってきたが、業務が複雑になってきた。次の選択肢を知っておきたい」

「スタートアップを立ち上げる。最初からどちらのERPを選ぶべきだろうか」

このような問いを持ちながら、freee と NetSuite を比較されている経営者やCFO、一人情シスの方は多くいらっしゃいます。

ベンチャーネットは、NetSuite認定パートナー(Solution Provider)として、中堅・中小企業のERP導入を支援しています。

その立場から、freeeとNetSuiteを比較していきます。ただし、最初に正直にお伝えしたいことがあります。

freee統合型ERPが向いている企業も、たくさんあります。すべての企業がNetSuiteに移管すべきわけではありません。むしろ、freeeで業務が整理されている企業ほど、無理な移管はおすすめしません。

この記事では、両者の違いを公平に整理し、「あなたの会社の現在地と成長方向」から、どちらが適しているかを判断できる材料をお届けします。

目次

freeeとNetSuiteの基本的な違い

freeeとNetSuiteは、どちらもクラウドERPと呼ばれるソフトウェアです。ですが、その出自・対象企業・設計思想は大きく異なります。

ここでは、両者を理解するための基本情報を整理します。

freeeの出自と特徴

freeeは、日本のfreee株式会社が提供するクラウドサービスです。

最初は「freee会計」というクラウド会計ソフトとしてスタートしました。その後、人事労務、販売管理、工数管理など、スモールビジネスに必要な領域へと拡張してきました。

2023年8月に「freee統合型ERP」として、これらのプロダクトを統合したパッケージの提供が始まりました。

主な特徴は次のとおりです。

  • 日本の中小企業・スタートアップ向けに最適化されている
  • 直感的なUIで、簿記の知識がなくても扱いやすい設計
  • 受託型・請負型ビジネスの案件管理・原価管理に強い
  • インボイス制度、電子帳簿保存法など、日本固有の法改正に素早く対応

NetSuiteの出自と特徴

NetSuiteは、米国Oracle社が提供するクラウドERPです。

1998年に世界初の本格的なクラウドERPとしてサービスを開始しました。2016年にOracle社が買収して以降、機能拡張が継続的に行われています。

現在は世界220地域・43,000社以上で利用されており、グローバル基準のERPとして高い評価を得ています。

主な特徴は次のとおりです。

  • 中堅企業からグローバル展開企業まで幅広く対応
  • 会計・販売・在庫・購買・製造・CRM・ECなどを単一プラットフォームで提供
  • 190通貨・27言語に対応し、海外展開・複数法人管理に強い
  • AI機能の組み込みが進んでおり、#1 AI Cloud ERPとしての位置付け

設計思想の決定的な違い

両者の最大の違いは、設計思想にあります。

freeeは「日本の中小企業のリアルな業務」に合わせて設計されています。日本の商習慣、税制、税理士連携などに細やかに対応しています。

NetSuiteは「世界標準の業務フロー」を前提に設計されています。海外子会社や複数法人を持つ企業でも、同じプラットフォームで管理できます。

この違いを理解しないまま比較すると、判断を誤ります。「機能の多さ」ではなく「自社の業務密度と成長方向に、どちらの思想が合うか」で考えることが大切です。

freee統合型ERPの特徴と適合企業

ここからは、freee統合型ERPの強みと、どのような企業に向いているかを整理します。

freeeの強み

freee統合型ERPの強みは、大きく4つあります。

  • シンプル操作と低い学習コスト:簿記の知識が浅くても扱える設計で、社員教育の負荷が低い
  • 日本の中小企業向け最適化:日本の会計実務、税理士連携、法改正対応がスムーズ
  • 案件型ビジネスとの相性:受託・請負型ビジネスの案件管理・原価管理に強い
  • 比較的低い導入コスト:中小企業でも導入しやすい価格帯と短い導入期間

freee統合型ERPの構成

freee統合型ERPは、次のプロダクトで構成されています。

  • freee会計
  • freee販売
  • freee人事労務
  • freee工数管理

これらが連携することで、「ヒト・モノ・カネ」を一元管理できる構成になっています。

案件ごとの原価や粗利を可視化し、入出金管理までfreee上で完結することを目指したパッケージです。

freeeが向いている企業

freee統合型ERPは、次のような企業に向いています。

  • スタートアップ、年商10億円未満の中小企業
  • 国内事業のみで、海外展開の予定がない
  • 受託型・請負型ビジネス(コンサル、システム開発、デザイン、士業など)
  • 経理担当者が少人数で、複雑なカスタマイズを避けたい
  • 顧問税理士との連携を重視している
  • ERP導入の予算と時間を、できるだけ抑えたい

スタートアップや小規模な中小企業の場合、freeeで業務が回っているなら、無理にNetSuiteに乗り換える必要はありません。

「すぐ乗り換える必要はない」という判断も、十分に合理的です。

NetSuiteの特徴と適合企業

次に、NetSuiteの強みと、どのような企業に向いているかを整理します。

NetSuiteの強み

NetSuiteの強みは、大きく5つあります。

  • クラウドネイティブ設計:1998年からクラウド前提で設計されており、サーバー構築・保守が不要
  • オールインワン:会計・販売・在庫・購買・製造・CRM・EC・BIを単一プラットフォームで提供
  • グローバル対応:190通貨・27言語・世界220地域に対応。海外子会社の連結決算もスムーズ
  • 拡張性と柔軟性:成長段階に応じてモジュールを追加できる。複雑な業務にも対応可能
  • AI連携:#1 AI Cloud ERPとしてAI機能を組み込み、外部AIとの連携も拡大している

SuiteSuccessによる導入スピード

NetSuiteには「SuiteSuccess」という業種別の導入パッケージがあります。

これは業種ごとに業務テンプレートを用意した仕組みで、ゼロから設計するよりも短期間で導入できます。

中堅企業でも100日〜の導入を目指せる現実的な選択肢になっています。

NetSuiteが向いている企業

NetSuiteは、次のような企業に向いています。

  • 中堅企業(年商20〜400億円規模が中心)
  • 海外展開している、または近い将来に予定している
  • 複数法人を持ち、連結決算の負荷が増えている
  • 在庫管理、原価管理、製造管理など、業務が複雑化している
  • 既存ERPの保守ベンダーが撤退した、または「2027年問題」への対応を急いでいる
  • データドリブンな経営判断を、リアルタイムで行いたい

NetSuiteは、企業の複雑性が一定以上に達した段階で、その真価を発揮します。

逆に言えば、複雑性がまだ低い段階では、NetSuiteのメリットを十分に引き出せないこともあります。

freeeとNetSuiteの徹底比較

ここでは、両者を10の観点で比較します。

機能の有無だけでなく、設計思想の違いや適合する企業規模にも注目してご覧ください。

比較軸freee統合型ERPNetSuite
提供元freee株式会社(日本)Oracle社(米国)
リリース2023年8月(統合型ERPとして)1998年(世界初の本格クラウドERP)
対象企業規模スタートアップ〜中小企業中堅企業〜グローバル展開企業
主要機能会計・販売・人事労務・工数管理会計・販売・在庫・購買・製造・CRM・EC・BI
設計思想日本の中小企業向けに最適化世界標準業務(Fit to Standard)
グローバル対応主に国内向け220地域・190通貨・27言語
AI機能一部実装#1 AI Cloud ERP
価格要問い合わせ(freee公式参照)月20万円〜(ミニマム構成。利用するモジュール・ユーザー数・必要なオプションによって変動)
導入期間短期(数週間〜)SuiteSuccessで100日〜
カスタマイズ性限定的高度(SuiteScript)

価格について補足します。

NetSuiteの「月20万円〜」は、ミニマム構成での出発点です。実際の導入金額は、利用するモジュール・ユーザー数・必要なオプションによって変動します。場合によっては、数百万円規模になることもあります。

最終的な金額は、Oracle営業の確認が必要です。概算についても、NetSuite認定パートナーであるベンチャーネットが、Oracle営業と共に対応いたします。

freeeの価格については、freee公式サイトでご確認ください。プランや構成によって料金が異なります。

会計領域の違い:三分法と売上原価対立法

会計領域は、freeeとNetSuiteで最も思想が異なる領域です。

CFOや経理部長の方が最も気にすべきポイントを、ここで整理します。

棚卸資産の捉え方が違う

freeeは、日本企業に多い「三分法」をはじめとした柔軟な会計処理に対応しています。

三分法とは、棚卸資産の取引を「仕入」「売上」「繰越商品」の3つの勘定科目で処理する考え方です。日本の中小企業の多くで採用されています。

一方、NetSuiteは「売上原価対立法」を採用しています。これは、売上が立ったタイミングで原価を計上する考え方です。

この方式はNetSuiteの設計に組み込まれており、変更できません。

会計領域の比較

会計の論点freeeNetSuite
棚卸資産の会計処理三分法など柔軟に対応売上原価対立法を採用(変更不可)
日本の商習慣への対応強い(日本企業向け設計)グローバル標準ベース+日本ローカライズ
顧問税理士の対応freee対応税理士は多いNetSuite対応税理士は限定的
月次決算スピード中小規模では速い中堅以上では非常に速い
インボイス制度・電子帳簿保存法標準対応標準対応

どちらが良い・悪いの話ではない

重要なのは、「freeeの方式が正しい」「NetSuiteの方式が正しい」という話ではないことです。

会計の思想は、その国の商習慣や事業構造にあわせて、それぞれに合理性があります。

問題は、「今の会計処理の考え方と、これから使うシステムの考え方が一致しているか」です。

もし会計思想が大きく異なる場合は、移管時に会計方針の見直しが必要になります。これは「ボタン一つで解決」する話ではありません。

導入後に「こんなはずではなかった」とならないよう、事前にしっかり整理しておくことが大切です。

あなたの会社にはどちらが向いているか

ここまでで、freeeとNetSuiteの違い、それぞれの強みを整理してきました。

では、あなたの会社にはどちらが向いているのか。判断のためのマトリクスをご紹介します。

適合企業マトリクス

企業の状況おすすめ
年商1〜10億円規模、国内のみ、案件型ビジネスfreee統合型ERPが適合
年商10〜50億円規模、海外展開予定なし、シンプル業務freee または NetSuite(両方候補。業務の複雑性で判断)
年商20〜400億円規模、複数法人、海外展開NetSuiteが適合
グローバル展開、多通貨・多拠点NetSuite一択
freeeで業務が整理済み、次の成長段階を検討NetSuiteを 将来の選択肢として知っておく

このマトリクスは、あくまでも一般的な目安です。実際の判断には、業種・事業構造・成長フェーズなど、複数の要素が関わります。

freee と NetSuite、両方を併用する選択肢

「freeeを使い続けながら、一部の業務だけNetSuiteで補完する」という選択肢もあります。

たとえば、次のような構成です。

  • freee会計を引き続き使い、NetSuiteは販売管理・在庫管理のみで使う
  • freeeはバックオフィス担当のメイン画面、NetSuiteは経営層のダッシュボードとして使う
  • 国内事業はfreee、海外子会社はNetSuiteで分けて運用する

ERPは「一つに統合しなければならない」というものではありません。会社のフェーズや業務構造に合わせて、段階的に組み合わせるアプローチもあります。

「すぐ乗り換える必要はない」場合も多い

freeeで業務が整理されている企業ほど、次の成長段階で新しいニーズが出てくることがあります。「営業管理や財務管理も含めて一体化したい」「海外展開を視野に入れたい」といったニーズです。

ですが、そのニーズが具体化していない段階では、すぐに乗り換える必要はありません。

将来の選択肢として、NetSuiteを知っておくことには大きな価値があります。情報収集の段階から、ベンチャーネットにご相談いただいても構いません。

「乗り換える」ことが目的ではなく、「会社の成長に合うシステムを選ぶ」ことが目的です。

freeeからNetSuiteへ移管する5つの失敗パターン

ここまでで、freeeとNetSuiteの違い、それぞれが向いている企業について整理してきました。

そのうえで、freeeからNetSuiteへの移管を実際に検討する段階になったとき、よく起こる失敗パターンを5つお伝えします。

これは、NetSuiteを売り込みたいから書くのではありません。お客様に「失敗してほしくない」という思いから書くものです。

ベンチャーネットは、お客様との対等な関係を大切にしています。失敗のリスクを正直にお伝えし、一緒に乗り越える伴走者でありたい。そんな思いで、現場の知見を共有させていただきます。

会計の思想の違いを事前に確認しない

症状

「freeeで使っていた仕訳ルールが、NetSuiteでもそのまま使えるはずだ」と思い込んで移管を進めてしまうケースです。

移管後に「想定と違う会計処理になる」と気付き、慌てて修正対応に追われます。

なぜ失敗するか

freeeは日本企業の商習慣にあわせて、三分法など柔軟な会計処理を支援しています。

一方、NetSuiteは「売上原価対立法」という考え方を採用しており、変更ができません。

売上原価対立法とは、売上が立ったタイミングで原価を計上する仕組みです。日本企業に多い三分法とは、棚卸資産の捉え方が根本的に違います。

どちらが良い・悪いではありません。問題は、今の会計処理の考え方とNetSuiteの考え方が一致しているかどうか、です。

「ボタン一つで切り替え」ではなく、会計方針そのものの見直しが必要になる場合があります。

どう回避するか

移管検討の初期段階で、現在の会計処理とNetSuiteの会計思想を突き合わせることが大切です。

突き合わせて差分が大きい場合は、3つの選択肢があります。

  • NetSuiteの考え方に合わせて、会計方針を見直す
  • NetSuiteの出力レポートを、自社の会計方針に合わせて加工する
  • 一部の業務だけNetSuiteに載せて、会計はfreeeを残す

ベンチャーネットでは、導入支援の最初のフェーズで「会計方針のすり合わせ」を必ず行います。

freee時代の業務フローをそのまま移管する

症状

「freeeの操作感をNetSuiteで再現したい」という要望が強く出るケースです。

その結果、カスタマイズを重ねて、当初予算を大幅に超えてしまいます。

なぜ失敗するか

freeeは「日本の中小企業向け」の操作感に最適化されています。

一方、NetSuiteは「世界標準の業務フロー」を前提に設計されたグローバルERPです。

freee時代の業務フローをそのままNetSuiteで再現しようとすると、過剰なカスタマイズが必要になります。コストもリスクも跳ね上がります。

その結果、NetSuiteの強みである「自動アップデート」「拡張性」を失います。クラウドERPを使いこなせなくなってしまいます。

どう回避するか

移管を機に、業務の棚卸しを行うことをおすすめします。

「本当に必要な業務」と「惰性で続けている業務」を仕分けるタイミングとして、ERP移管は最適です。

全部を一度に変える必要はありません。会計や販売管理から段階的に始めるのが現実的です。

近年は「Fit to Standard」(業務をパッケージ標準に合わせる考え方)という言葉も広まっています。NetSuiteの強みを最大化するためには、この発想への切り替えが鍵になります。

規模を見誤って早すぎる移管をする

症状

「将来の成長に備えてNetSuiteに移管したい」と早めに動き、結果として現状の業務量・組織規模に対してNetSuiteがオーバースペックになるケースです。

なぜ失敗するか

freeeは小規模〜中小企業の業務密度に最適化されています。

NetSuiteの真価は、複数法人、グローバル展開、複雑な原価管理など、複雑性が一定以上に達した段階で発揮されます。

早すぎる移管は、コストとシステム複雑性に対するリターンが見合いません。

どう回避するか

移管のトリガーを明確にすることが大切です。

たとえば次のような変化が見えてきた段階が、移管の検討タイミングです。

  • 海外子会社の設立や、海外展開の具体化
  • 年商が20億円を超えてきた
  • 法人数が複数になり、連結決算の負荷が増えてきた
  • 原価管理や案件管理の複雑性が、freeeの想定範囲を超え始めた

freeeで業務が整理されている企業ほど、次の成長段階で「営業管理や財務管理も含めて一体化したい」というニーズが出てきます。

すぐに乗り換える必要はありません。将来の選択肢として、NetSuiteを知っておくこと自体に価値があります。

顧問税理士への事前確認を忘れる

症状

移管後、顧問税理士から「NetSuiteの帳票では確認できない」と言われ、月次決算や税務申告のフローが止まってしまうケースです。

なぜ失敗するか

freee対応の税理士は多くいます。一方で、NetSuite対応の税理士は、まだ限定的です。

顧問税理士がNetSuiteの帳票形式や会計処理に不慣れだと、移管直後の月次決算で混乱が生じます。

これはfreeeユーザー特有の論点です。freeeを使っている企業は、税理士連携を前提にしているケースが多いためです。

どう回避するか

移管検討の初期段階で、顧問税理士に「NetSuite対応が可能か」を相談します。

税理士がNetSuite未対応の場合、選択肢は2つあります。

  • NetSuiteに詳しい税理士に変更する
  • NetSuiteの出力を、現在の税理士が扱える形式に変換する設計を組む

ベンチャーネットでは、必要に応じて私たちが税理士と現場の間に入り、役割分担を整理することも可能です。

パートナー選びを軽視する

症状

「NetSuiteなら自社で導入できる」と判断するケース、または「最も安いパートナー」を価格だけで選んでしまうケースです。

なぜ失敗するか

ERPは導入して終わりではありません。運用しながらフィットさせていくシステムです。

業務理解の浅いパートナーだと、freee→NetSuiteの違いを正しく翻訳できません。

その結果、「動いてはいるが、活用できていない」状態に陥ります。データは入っている。画面も見られる。でも、導入前とあまり変わっていない。

これは経営者にとって、見逃してはいけない状態です。

どう回避するか

パートナー選びでは、3つの視点で見極めることが大切です。

  • 「対等な関係で伴走できるか」を見極める(質問に丁寧に答えてくれるか、業務を理解した提案が返ってくるか)
  • NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるかを確認する
  • freee→NetSuiteの移管経験があるパートナーを選ぶ

ベンチャーネットは、Oracle認定のNetSuite Solution Providerです。中堅・中小企業のERPリプレイスを、業務整理・To-Be設計・運用定着まで一貫して伴走する点に強みがあります。

章末まとめ

これら5つの失敗パターンは、NetSuiteを売り込みたいから挙げているのではありません。

私たちは、お客様との対等な関係を大切にしています。失敗のリスクを正直にお伝えし、一緒に乗り越える伴走者でありたい。そんな思いで、現場の知見を共有させていただいています。

ERPはITプロジェクトではなく、経営プロジェクトです。完璧を目指すより、まず回す。動かしながら磨いていく。

そんな姿勢でご一緒できる経営者の方と、お話できれば嬉しく思います。

freeeからNetSuiteへ移管するタイミングと進め方

ここでは、移管を検討するタイミングと、進め方の概略をお伝えします。

移管を検討すべき4つのトリガー

freeeからNetSuiteへの移管を検討するタイミングは、次の4つのトリガーが目安になります。

  • 海外展開のトリガー:海外子会社の設立、海外拠点の本格稼働など、多通貨・多言語が必要になった
  • 規模拡大のトリガー:年商が20億円を超えてきた、または法人数が複数になり連結決算の負荷が増えた
  • 業務複雑性のトリガー:原価管理、在庫管理、製造管理など、freeeの想定範囲を超える業務が増えてきた
  • 既存システムの限界トリガー:基幹システムの老朽化、保守ベンダーの撤退、「2027年問題」への対応

これらのトリガーが一つでも見えてきた段階で、情報収集を始めることをおすすめします。

移管プロジェクトの大まかな流れ

NetSuiteへの移管プロジェクトは、大きく次のステップで進みます。

  1. 目的の言語化:「在庫回転率を1.5倍にする」「月次決算を5営業日短縮する」など、具体的な目標を最初に決める
  2. 現状業務の棚卸し:freee時代の業務フローを整理し、「本当に必要な業務」と「惰性で続けている業務」を仕分ける
  3. 会計方針のすり合わせ:freeeの会計処理とNetSuiteの会計思想を突き合わせ、必要な調整を確認する
  4. 顧問税理士との事前確認:NetSuite対応可否を確認し、必要に応じて役割分担を整理する
  5. SuiteSuccessの活用検討:業種別の導入パッケージで、短期間での導入を目指す
  6. 段階的な移管:全部を一度に変えるのではなく、会計や販売管理から段階的に始める
  7. 定着化と運用伴走:本番稼働後も、運用しながらフィットさせていく

詳しい選定・移管プロセスについては、関連記事「自社に最適なERPを見つけるための比較選定ポイント」もあわせてご覧ください。

移管期間と費用の目安

NetSuiteの導入は、SuiteSuccessを活用することで100日〜での開始が可能です。

ただし実際の期間は、移管対象の業務範囲・拠点数・カスタマイズの有無によって変動します。

費用についても同様で、ミニマム構成での月20万円〜が出発点となります。利用するモジュール・ユーザー数・必要なオプションによって変動し、規模によっては数百万円規模になることもあります。

最終的な金額の確認は、Oracle営業との対話が必要です。概算についても、NetSuite認定パートナーであるベンチャーネットが、Oracle営業と共に対応いたします。

パートナー選びで失敗しないために

NetSuiteの導入で、製品そのものと同じくらい大切なのが、パートナー選びです。

パートナー選びの3つの視点

ERP導入が「うまくいかない」と感じる原因は、製品そのものではなく、パートナーの影響が大きいことが多くあります。

パートナーを選ぶときは、次の3つの視点で見極めることが大切です。

  • 対等な関係で伴走できるか:質問に丁寧に答えてくれるか、業務を理解した提案が返ってくるか
  • NetSuite認定資格の有無:Oracle認定のSolution Providerであるか
  • 業種・規模・移管経験のフィット:自社と近い業種・規模での導入経験、freee→NetSuiteの移管経験

「最も安いパートナー」を価格だけで選ぶと、後で困ることが多くあります。

ベンチャーネットがNetSuite以外をおすすめする理由

ベンチャーネットはOracle認定のNetSuite Solution Providerです。NetSuiteの導入支援・運用支援に強みがあります。

ただし、すべての企業にNetSuiteをおすすめするわけではありません。

たとえば、年商10億円未満で国内のみ、案件型ビジネスで、業務がfreeeで整理できている企業の場合、無理にNetSuiteへ移管するメリットは限定的です。

そのような場合は、freee ERPのパートナーへのご相談をおすすめします。freee ERPには、freeeに精通したパートナーがいて、より適切な支援を受けられます。

私たちは、お客様にとって本当に必要な選択肢をお伝えしたいと考えています。「自社の商材を売る」ことよりも、「お客様の経営にプラスになる選択肢を提示する」ことを大切にしています。

そのうえで、NetSuiteについての情報収集・デモなどにご興味があれば、ぜひベンチャーネットにご連絡ください。

よくある質問(FAQ)

freeeとNetSuiteの比較について、経営者やCFOの方からよくいただく質問にお答えします。

Q1. freeeとNetSuiteは何が一番違うのですか?

最も大きな違いは、対象とする企業規模と設計思想です。

freeeは、スタートアップ〜中小企業向けに最適化された日本発のクラウドERPです。日本の中小企業の業務密度に合わせた、シンプルで使いやすい設計が特徴です。

NetSuiteは、中堅企業〜グローバル展開企業向けに設計された世界基準のクラウドERPです。190通貨・27言語に対応し、複数法人・海外子会社の管理に強みがあります。

「機能の多さ」ではなく「会社のフェーズと、これからの成長方向」で、どちらが合うかを判断することが大切です。

Q2. freeeで業務が回っているのに、NetSuiteを検討する意味はありますか?

はい、十分にあると思います。

freeeで業務が整理されている企業ほど、次の成長段階で新しいニーズが出てくることがあります。「営業管理や財務管理も含めて一体化したい」「海外展開を視野に入れたい」などです。

ですが、すぐに乗り換える必要はありません。将来の選択肢として、NetSuiteを知っておくこと自体に価値があります。

情報収集の段階から、ベンチャーネットにご相談いただいても構いません。お話する中で、「今はまだfreeeで十分です」とお伝えすることもあります。

Q3. freeeの会計データはNetSuiteに移行できますか?

技術的には、データのエクスポート・インポートで移行は可能です。

ただし、freeeとNetSuiteでは会計思想が異なるため、単純なデータ移行だけでは済まないことが多いです。

特に、棚卸資産の会計処理(freeeは三分法など柔軟、NetSuiteは売上原価対立法)の違いは、事前に十分な確認が必要です。

ベンチャーネットでは、移管検討の初期段階で「会計方針のすり合わせ」を必ず行います。

Q4. 顧問税理士がNetSuiteに詳しくない場合、移管は難しいですか?

必ずしも難しいわけではありません。ただし、事前のすり合わせは不可欠です。

NetSuite対応の税理士はまだ限定的なので、選択肢は2つあります。

  • NetSuiteに詳しい税理士に変更する
  • NetSuiteの出力を、現在の税理士が扱える形式に変換する設計を組む

ベンチャーネットでは、必要に応じて私たちが税理士と現場の間に入り、役割分担を整理することも可能です。

Q5. 移管にはどれくらいの期間と費用がかかりますか?

NetSuiteの導入は、SuiteSuccess(業種別の導入パッケージ)を活用することで、100日〜での開始が可能です。

費用は、ミニマム構成での月20万円〜が出発点となります。利用するモジュール・ユーザー数・必要なオプションによって変動し、規模によっては数百万円規模になることもあります。

最終的な金額の確認は、Oracle営業との対話が必要です。概算についても、NetSuite認定パートナーであるベンチャーネットが、Oracle営業と共に対応いたします。

freeeについては、freee公式サイトで料金プランをご確認ください。

まとめ:あなたの会社の現在地と成長方向で選ぶ

freeeとNetSuiteは、どちらも優れたクラウドERPです。重要なのは、どちらが「優れているか」ではなく、どちらが「あなたの会社に合うか」です。

選び方のポイント

ここまでで整理した内容を、選び方のポイントとして3つにまとめます。

  • 会社の現在地で考える:年商規模・業務複雑性・海外展開の有無で、適合するERPは変わる
  • 成長方向で考える:今のフェーズだけでなく、3〜5年後の事業計画から逆算する
  • 「乗り換え」が目的ではない:会社の成長に合うシステムを選ぶことが目的

スタートアップや小規模な中小企業の場合、freeeで業務が回っているなら、無理にNetSuiteに乗り換える必要はありません。「すぐ乗り換える必要はない」という判断も、十分に合理的です。

一方、年商20億円を超え、複数法人・海外展開・複雑な原価管理が視野に入ってきた企業の場合、NetSuiteは強力な選択肢になります。

ベンチャーネットからのお願い

もしfreee ERPが御社に最適だと判断された場合は、freee ERPのパートナーへのご相談をおすすめします。freeeに精通したパートナーが、より適切な支援を提供できます。

NetSuiteについて情報収集・デモなどにご興味があれば、ベンチャーネットにご連絡ください。

ベンチャーネットは、Oracle認定のNetSuite Solution Providerです。中堅・中小企業のERPリプレイスを、業務整理・To-Be設計・運用定着まで一貫して伴走する点に強みがあります。「ERP導入で失敗したくない企業」に選ばれています。

ERPはITプロジェクトではなく、経営プロジェクトです。完璧を目指すより、まず回す。動かしながら磨いていく。そんな姿勢でご一緒できる経営者の方と、お話できれば嬉しく思います。

次の一歩

NetSuiteについてもう少し詳しく知りたい方のために、3つの選択肢をご用意しています。

御社の状況にあわせて、最適な次の一歩を選んでいただければと思います。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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