NetSuiteで実現するプロジェクト管理|案件ごとの採算が見える経営へ

プロジェクトごとに、ちゃんと利益が出ているか。すぐに答えられますか。

IT・コンサルティング・専門サービスなど、プロジェクト型のビジネスでは、これが意外と難しい問いです。案件は同時に何本も走り、人の時間が主な原価になります。

「忙しいのに、なぜか利益が残らない」。そう感じる経営者は少なくありません。

この記事では、プロジェクト管理がなぜ経営課題なのかを整理します。そのうえで、クラウドERP「NetSuite」で案件ごとの採算とリソースを見える化する方法を、よくある失敗パターンとあわせて解説します。

※ ERP(Enterprise Resource Planning):会計・販売・在庫・人事など、会社全体の仕事を一つのシステムで見える化する仕組みです。

この記事で分かること

  • プロジェクト管理が「経営課題」である理由
  • Excel・個別ツール管理の限界とNetSuiteとの違い
  • プロジェクト管理がうまくいかない4つの典型パターンと回避策
  • 現場が疲弊しない、無理のない始め方

読了目安:約7分

目次

プロジェクト管理とは|なぜ今、経営課題なのか

プロジェクト管理とは、目標達成のために人・時間・お金を適切に配分し、プロジェクトを成功に導く一連の取り組みです。

近年、特にプロジェクト型ビジネスの経営者にとって、その重要性が増しています。理由はシンプルです。案件が複雑になり、数も増え、「全体が見えにくく」なっているからです。

プロジェクト管理には、おもに次の要素が含まれます。

  • スケジュール管理:進捗を時系列で把握する
  • コスト管理:予算内でプロジェクトを進める
  • リソース管理:人材や設備を適切に配置する
  • 品質管理:成果物の品質を保つ
  • リスク管理:問題を早めに見つけて対策する

これらを個別に管理するだけでは、十分ではありません。

大切なのは、これらを「経営の数字」とつなげて見ることです。たとえば、ある案件にかかった工数が、利益にどう跳ね返っているか。そこが見えて初めて、経営判断ができます。

プロジェクト管理は、現場の作業ではありません。案件ごとの採算を見える化する、経営そのものの取り組みです。

プロジェクト管理で押さえるべき5つの要素

効果的なプロジェクト管理には、押さえるべき要素があります。ここでは、経営にどう効くかという視点で整理します。

  • スケジュール管理:遅れは、そのままコスト増につながります。早く気づけば、早く手を打てます。
  • コスト管理:予算と実績の差を、進行中に把握することが鍵です。
  • リソース管理:誰がどれだけ稼働しているか。過不足の可視化が、採算を左右します。
  • 品質管理:手戻りは、見えない原価です。品質の安定が、利益を守ります。
  • 進捗の可視化:関係者が同じ情報を見られる状態が、判断のスピードを上げます。

これらの要素を支える手法として、ガントチャート(作業を時系列で図示する手法)やWBS(作業を分解して構造化する手法)などがあります。

ただし、手法そのものが目的ではありません。目的は、これらの情報を一つにまとめ、経営判断に使える形にすることです。

NetSuiteは、こうした要素を統合的に管理する機能を備えています。

なぜExcel管理では限界が来るのか

多くの企業が、プロジェクト管理をExcelや個別ツールで行っています。最初はそれで回ります。

しかし、案件数が増え、関わる人が増えると、限界が見えてきます。

観点Excel・個別ツールNetSuiteでの統合管理
採算の把握月次・事後にしか分からない進行中にリアルタイムで把握
データの一元性転記・二重入力が発生する一度の入力で各所に反映される
属人化担当者に依存しやすいルール化・標準化しやすい
全体の可視化案件横断の比較が難しいダッシュボードで横断的に把握

Excelの一番の弱点は、データが分断されることです。

案件管理、勤怠、会計が別々のファイルやツールに散らばると、つなぎ目はすべて人の手作業になります。転記ミスが起き、月次のとりまとめに時間がかかります。

その結果、経営判断はいつも「後手」に回ります。

NetSuiteのようなクラウドERPは、これらの情報を一つの基盤でつなぎます。一度入力すれば、会計にも、レポートにも、自動で反映されます。

NetSuiteでできるプロジェクト管理

NetSuiteのプロジェクト管理は、単独のツールではありません。会計・販売・人事とつながった、統合基盤の一部です。NetSuiteは世界220地域・43,000社以上で利用されています。

ここに、専用のプロジェクト管理ツールとの大きな違いがあります。

主にできることを、経営の視点で整理します。

  • 案件ごとの採算管理:工数や経費が、案件ごとの利益として自動で集計されます。
  • リソースの可視化:誰がどの案件にどれだけ稼働しているかを、横断的に把握できます。
  • 進捗の一元管理:複数案件の進捗を、同じ画面で確認できます。
  • 会計との連携:プロジェクトの数字が、そのまま経営の数字につながります。

たとえば「リソース管理」や「工数管理」は、それぞれ奥が深いテーマです。より詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

ポイントは、これらが「バラバラのツール」ではなく、一つの基盤でつながっていることです。だからこそ、案件の動きが、リアルタイムで経営の数字に反映されます。

あなたの会社はどちら型?「モノの管理」と「ヒトの管理」

NetSuiteの導入を考えるとき、ひとつ役立つ見方があります。

それは、自社の中心課題が「モノの管理」なのか「ヒトの管理」なのか、という見方です。

観点「モノの管理」型「ヒトの管理」型
中心課題販売・在庫プロジェクト・工数
代表的な業種製造・小売・卸IT・コンサル・専門サービス
見える化したいものモノの流れ・在庫人の稼働・案件採算
適合シーン在庫回転が経営の鍵人が主な原価の事業

どちらが優れているという話ではありません。自社の経営課題がどちらに近いかで、見るべき数字が変わるという話です。

プロジェクト型ビジネスは、典型的な「ヒトの管理」型です。

人の時間が原価の大半を占めるため、「誰がどの案件に、どれだけ時間を使い、それがいくらの利益になったか」が見えることが、経営の生命線になります。

NetSuiteのプロジェクト管理は、まさにこの「ヒトの管理」を得意とします。

プロジェクト管理がうまくいかない、4つの典型パターン

NetSuiteのようなツールを入れても、進め方を誤ると効果は出ません。

ここでは、プロジェクト管理がうまくいかない典型パターンを4つお伝えします。NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットが、現場で見てきた知見をもとにまとめたものです。

これは、ツールを売り込みたいから書くのではありません。「同じ失敗をしてほしくない」という思いから書くものです。

ベンチャーネットは、お客様と対等な関係で伴走することを大切にしています。うまくいかない理由を正直にお伝えし、一緒に乗り越えたい。そんな思いで、現場の知見を共有させていただきます。

パターン①:採算を「終わってから」しか見られない

よくある現象

  • プロジェクトが終わってから、赤字だったと判明する
  • 進行中の収支を、誰もリアルタイムに把握していない
  • 次の見積りが、過去の勘と経験に頼りがちになる

なぜうまくいかないのか

人件費や外注費といった原価が、案件ごとに集約されていないことが原因です。

数字が見えるのが「月次の締めのあと」では、手を打つには遅すぎます。気づいたときには、利益が削られたあとです。

どう回避するか

進行中に採算が見える状態をつくることが、第一歩です。

ベンチャーネットでは、「どの数字を、いつ、誰が見るか」という設計から一緒に考えます。いきなり完璧な管理を目指すのではなく、まず採算が見える形をつくることをおすすめしています。

パターン②:進捗と工数が、個人の頭の中にある

よくある現象

  • 担当者本人にしか、進捗が分からない
  • 工数の入力が形骸化し、実態と合っていない
  • 担当者の異動・退職で、情報が消えてしまう

なぜうまくいかないのか

管理が人に依存していると、組織として再現できません。

「あの人に聞かないと分からない」状態が続くと、改善のしようがありません。属人化は、気づかないうちに経営のリスクになります。

どう回避するか

入力の仕組みと、運用のルールをセットで定着させることが大切です。

ただし、現場に負担を強いるだけでは続きません。ベンチャーネットは、無理なく続けられる形を、現場と一緒に探りながら定着を支援します。

パターン③:Excelと個別ツールの「つぎはぎ」で回している

よくある現象

  • 案件管理はExcel、勤怠は別ツール、会計はまた別
  • 同じ情報を、何度も転記している
  • 二重入力やコピペのミスが、たびたび起こる

なぜうまくいかないのか

データが分断されていると、全体像が見えません。

それぞれのツールは動いていても、つなぎ目は人の手作業です。月次のとりまとめに時間がかかり、経営判断も後手に回ります。

どう回避するか

分断されたデータを、一つにつなぐことが解決策です。

とはいえ、最初からすべてをつなぐ必要はありません。効果が出やすいところから段階的に統合する。この順序が、現場にとって無理がありません。

パターン④:最初から「完璧な管理」を目指して頓挫する

よくある現象

  • 全機能を一度に導入しようとする
  • 管理項目を細かくしすぎて、現場が疲弊する
  • 定着する前に、運用が形骸化してしまう

なぜうまくいかないのか

一度に多くを変えると、現場が追いつきません。

入力負担が増え、「前のやり方のほうが早い」という声が上がります。結局Excelに逆戻りし、せっかくの基盤が使われなくなります。

どう回避するか

ベンチャーネットが大切にしているのは、「完璧を目指すより、まず回す」という考え方です。

小さく始めて、動かしながら磨いていく。まずは効果の出る範囲で定着させ、現場の習熟を確かめながら広げていく。これが、遠回りに見えて一番の近道です。

4つのパターンに共通するのは、ある一つの認識です。

それは、プロジェクト管理を「現場の作業」だと捉えてしまうこと。本当は、案件ごとの採算を見える化する取り組みは、経営そのものに直結します。

「うちもこのパターンに当てはまるかも」と感じた方は、お気軽にご相談ください。自社の課題が「採算」なのか「属人化」なのか、どこにボトルネックがあるのか。整理するところから、一緒に始めさせてください。

自社のプロジェクト管理を、どう始めるか

ここまで読んで、「自社にも当てはまる」と感じた方もいるかもしれません。

では、何から始めればよいのでしょうか。

ベンチャーネットがおすすめするのは、いきなり大きく変えないことです。

まずは、自社の経営課題がどこにあるかを整理します。採算が見えないのか、属人化が問題なのか、データの分断が足かせなのか。ボトルネックは会社ごとに違います。

そのうえで、効果の出やすいところから、小さく始めます。

  1. 最初に、案件ごとの採算が見える形をつくる
  2. 現場が無理なく続けられる入力ルールを決める
  3. 定着を確かめながら、対象範囲を少しずつ広げる

この進め方なら、現場が疲弊せず、確かな手応えを得ながら前に進めます。

ベンチャーネットは、こうした「始め方の設計」から導入後の運用まで、伴走してご支援します。

導入して終わり、ではありません。お客様と対等な関係で、一緒に育てていく。それがベンチャーネットの考える支援のかたちです。

よくある質問(FAQ)

Q. NetSuiteのプロジェクト管理は、専用ツールと何が違いますか?

会計や販売管理とつながり、「案件ごとの採算」まで一気通貫で見える点が違います。

専用のプロジェクト管理ツールは、進捗やタスクの管理は得意です。しかし、その情報が会計の数字とつながっていないことが多くあります。NetSuiteは統合基盤なので、工数や経費が、そのまま案件の利益として見えます。

Q. 導入すると、現場の入力負担が増えませんか?

最初から多くを求めなければ、負担は抑えられます。

たしかに、入力の手間はゼロにはなりません。ただ、最初は最小限の項目から始め、効果を確かめながら段階的に広げることができます。負担と効果のバランスを見ながら、無理のない形で定着させることが大切です。

Q. 小さな会社でも、プロジェクト管理基盤は必要ですか?

案件が複数並行し、採算が見えにくいと感じるなら、規模を問わず有効です。

会社が小さいうちは、経営者が全体を把握できることもあります。しかし、案件が増えると、頭の中だけでは追えなくなります。「見えなくなってきた」と感じたタイミングが、検討の合図です。

Q. 導入すると、経営はどう変わりますか?

「終わってから赤字に気づく」状態から、「走りながら手を打てる」状態に変わります。

進行中の採算が見えれば、問題のある案件に早く気づけます。早く気づけば、早く手を打てます。この差が、年間を通すと大きな利益の差になって表れます。

まとめ|プロジェクト管理は、経営の見える化そのもの

プロジェクト型ビジネスの経営は、「人の時間が、いくらの利益になっているか」が見えにくいという難しさを抱えています。

Excelや個別ツールのつぎはぎでは、その全体像はつかめません。案件が増えるほど、数字は見えなくなり、判断は後手に回ります。

NetSuiteのプロジェクト管理は、案件ごとの採算を、進行中に見える化します。会計とつながっているからこそ、現場の動きが、そのまま経営の数字になります。

ただし、ツールを入れれば解決するわけではありません。大切なのは、自社の課題を見極め、無理のない形で小さく始めることです。

「完璧を目指すより、まず回す」。

ベンチャーネットは、その第一歩から、お客様と一緒に考え、伴走します。自社のプロジェクト管理に課題を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。

もう少し詳しく知りたい方へ

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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