バーチャル経営の集客と販促~態度変容を察知しフォローする~BtoBメールマーケティングの基礎

メールマーケティングを「メルマガ配信」による「宣伝」や「認知拡大」と勘違いしてはいないでしょうか。メルマガは確かにメールマーケティングの一部です。しかし、「宣伝」や「認知拡大」の比重が高すぎるメールは、あまり読まれません。また、メールマーケティングには宣伝や認知拡大よりも重要なミッションがあります。ここでは、メールマーケティングの効果を高める方法を、紹介していきたいと思います。

目次

なぜメールは読まれないのか

まず、BtoBにおけるメールマーケティングの基礎を理解しておきましょう。

メール(メルマガ)が読まれない理由

メルマガは確かに便利なツールで、適切な戦略のもとで実行すればリード獲得や売上増につながっていきます。しかし、御社のメルマガは成果に結びついているでしょうか?少し失礼な物言いですが、「ただ発行しているだけ」という企業は決して珍しくありません。というのも、「タイトルの工夫」や「言い回し」だけに注目しており、もっと上流の「戦略」の部分で間違いをおかしているケースが多いのです。

メルマガは他のデジタルマーケティング施策とは異なり、いわゆる「PUSH型」の手法です。BtoBデジタルマーケティングは、原則として「PULL型」の手法を使います。BtoBでは、「リード獲得」や「問合せの発生」を一応のゴールにしますから、「引き寄せる」手法のほうが使いやすいのです。裏を返せば、メルマガによる宣伝やキャンペーン告知のような「PUSH型」の手法を採ったとしても、効果は期待できないと考えられます。では、どのようなメールが「読まれるメール」なのでしょうか。

コンテンツマーケティングの源流にヒント

読まれるメールについては、コンテンツマーケティングの源流にそのヒントが隠されています。コンテンツマーケティングの起源は、1985年に米国の農業機器メーカー「Deere & Company」が発行した「The Furrow(日本語で”わだち”の意)」という雑誌だと言われています。

The Furrowは農業経営者向けの雑誌ですが、いわゆる「カタログ」や「チラシ」のようなものではありませんでした。つまり、農業機器の価格・スペックといった情報は含まれていなかったのです。The Furrowの中に書かれていたのは「農場経営を成功に導くための情報、ノウハウ、知識」であり、徹底して読者目線を貫いたとされています。その結果、「啓蒙」「信用形成」などに成功し、ファン層を拡大していきました。

つまり、The Furrow読者の状態を冷静に分析し、それに合ったコンテンツを提供し続けたことで成功を収めたのです。

顧客の態度変容を察知するセンサー

The Furrowの例をメールマーケティングに当てはまると、「見込み客の状態に合わせた内容を送信すること」が適切だとわかります。

バーチャル経営では、顧客を「興味・関心なし」「興味はあるが未検討」「検討中」「検討の最終段階(意思決定の直前)」という4段階に分け、それぞれの段階に合わせた内容を送信することを基本としています。また、顧客の態度変容を察知したら、それをフォローする施策を進めます。こうすることで、徐々に見込み客をメールに引き寄せ、態度変容を促し、商談へと導いていくわけです。いわばメールマーケティングは顧客の態度変容を察知するセンサーであり、次のアクションへの起点でもあるわけです。

BtoB向けメールマーケティングの種類とポイント

以上の内容を踏まえ、BtoBメールマーケティングの種類と、意識すべきポイントを整理していきましょう。BtoB向けメールマーケティングには、以下4つの種類があり、それぞれ期待できる効果が異なります。

ニュースレター、メールマガジン

ニュースレターやメールマガジンは、中長期目線で「見込み客の育成」を目的とします。「告知」や「自社サービスのアプローチ」は最低限に留め、まずは読み手基準の情報提供に徹底するのです。

このとき送信する内容は、ゼロベースで作成したコンテンツでもいいですし、ホワイトペーパーやオウンドメディアのコラムをリファインしたコンテンツでもいいでしょう。特にホワイトペーパーに図や表を加えながら配信していくと、内容の濃いコンテンツとして成立しやすいです。

ニュースレターやメールマガジンの受信者は、「すでにある程度の興味、関心を持つ層」です。したがって、受信者の持つ知識よりも一歩踏み込んだ内容を送信し、リードへとつなげていくことが大切です。

ステップメール

あらかじめ準備しておいたメールを、計画済みのスケジュールに沿って配信する手法です。たとえば、ホワイトペーパーや事例集をダウンロードしてくれたユーザーに対しては、「ダウンロードのお礼→カタログ情報→セミナー案内」という具合に、段階的なアプローチを行います。

ステップメールは、ユーザーの状況や心境を予測して送信されるコンテンツです。したがって、「ペルソナ」「カスタマージャーニー」「サーチジャーニー」をフルに活用して送信スケジュールを組むことが大切です。

ターゲティングメール

メールマーケティングの中では最も「攻め」に近い手法です。ニュースレター・メールマガジン・ステップメールなどで獲得したリード(見込み客)を、いくつかの条件で区分け(セグメント化)し、それぞれに適した情報を届けていきます。

ターゲティングメールの対象になるのは、「所属企業」「業種」「企業規模」「職位」などで区分けされた人物です。つまり、かなり明確なペルソナがあり、課題や目的もはっきりしています。したがって、適切に製品紹介・問合せの誘導を行えば、成果に結びつく可能性もあります。

各種告知メール

ウェビナーやセミナー開催などの告知を行うタイプです。こちらは「告知」と「申し込み窓口」としての役割を持っています。前段のニュースレター、メールマガジンの成功がそのままウェビナーやセミナーの集客力につながるため、単体ではあまり意味がありません。

メールマーケティングにおける3つのポイント

メールマーケティングでは3つのポイントを抑えることが重要だと考えています。具体的には「適切な内容」「適切な頻度」「適切な順番」です。

適切な内容

見込み客のペルソナや状態に沿ったテーマ設定、内容が記載されているかを十分に吟味しましょう。例えば、以下のような内容です。

  1. 「興味、関心なし」層には知識系コンテンツやお役立ち系コンテンツで興味喚起を促す
  2. 「興味はあるが未検討」の層には、導入事例を示して検討段階への移行を促す
  3. 「検討中」の層に対してはハンズオンやデモで詳細な商品理解を促し、営業へ渡す

顧客の状態やペルソナが明確であれば自然とシナリオはできていくものですし、メールを送信する動機もはっきりしていくでしょう。

適切な頻度

頻度については「読まれやすい曜日や時刻、間隔でメールを送信しているか」「コンテンツの更新頻度が少なすぎない(多すぎない)か」「ダウンロードコンテンツを定期的に公開しているか」などを重視していきましょう。

適切な順番

顧客の状態やペルソナに加えて、カスタマージャーニー、サーチジャーニーを考慮した送信ステップであるかも吟味してみてください。

メールマーケティングの成功は「メールの外」で決まる

ここまでの内容からもわかるように、メールマーケティングが成功するか否かは、メールの内容を作成する前に決まります。一点集中で受注や問合せを狙わず、まずは「外堀を埋める」イメージで情報提供を積み重ね、顧客の態度変容を促していきましょう。

さらに、MACRMの機能をフル活用することも忘れてはいけません。CRMに蓄積された顧客情報には、顧客の状態を推測するための重要なヒントが含まれています。CRMを参照しながらテーマや内容を決定していくことで、メールマーケティングの精度を高めていく(=態度変容の確率を上げる)ことが可能です。

また、MAが持つ各種機能も積極的に活用していきましょう。MACRMとの連携で取り込んだ情報をもとに、「各種メール配信」「セグメント」「ステップメール送信」「スコアリング」などを行うことができます。リード獲得のみならず、アンケート実施やインサイドセールスとの連携、ナーチャリングにも使えるツールですから、ぜひ導入を検討してみてください。

まとめ

ここでは、メールマーケティングの種類と効果などを解説してきました。BtoBメールマーケティングの目的は見込み客の「態度変容」を促し、変容を察知し、次の施策の起点とすることです。ペルソナ・カスタマージャーニー・サーチジャーニーに沿った情報提供を徹底して、CRMMAをうまく活用することを心掛けてみてください。次回は、LPについて解説します。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

株式会社ベンチャーネット 代表取締役
2005年に株式会社ベンチャーネットを設立後、SEOをはじめとするデジタルマーケティング領域のコンサルティングサービスを展開
広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で支援を行っています
著書に『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業 「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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