NetSuiteの容量・ストレージ制限ガイド|ファイルキャビネット・データ容量の考え方と拡張方法【2026年版】

NetSuiteの容量は、10GBなのか、100GBなのか。

公式ヘルプには、どちらの数字も載っています。

NetSuiteのファイルキャビネットとは、請求書・契約書・画像などのファイルを保管し、取引や顧客の記録に添付できる場所です。

その容量には上限があり、契約の内容で変わります。

基本の容量は合計10GB。

一方で、契約のサービス階層ごとに、100GBから4,000GBまでの上限も示されています。

自社の数字は、請求情報の画面で見られます。

足りなくなったときは、すぐに増やすより先に、何をNetSuiteの中に持つかを決めてください。

では、その「何を持つか」は、どんな順番で決めればよいのか。

目次

この記事で分かること

  • NetSuiteの容量を決める2つの情報(基本の容量とサービス階層)
  • 自社の使用量を見る手順
  • 1ファイルあたりのサイズの目安と、開発で扱うときの上限
  • 上限を超えたときに起きること(通知と90日の猶予)
  • 増やす・整理する・外に出す、の選び方

言葉の整理:ストレージは、NetSuiteのアカウント全体に与えられる保存の容量です。

サービス階層は、ユーザー数やファイルの容量などの上限を決める、契約の区分です。

NetSuiteの容量の仕組み

基本は合計10GB

公式ヘルプには、追加の容量を買っていない限り、合計10GBが付くとあります。

対象は、各アカウントのストレージ全体です。

(出典:Oracle NetSuiteのヘルプ「Uploading Files to the File Cabinet」)

ファイルはPCのフォルダのように整理できます。

アップロードしたファイルは、すべて自動でウイルスの検査を受けます。

サービス階層ごとの上限

一方、契約のサービス階層の説明には、階層ごとのファイルの容量の上限が示されています。

サービス階層ユーザー数の上限ファイルの容量の上限
Standard100100GB
Premium1,0001,000GB
Enterprise2,0002,000GB
Ultimate4,0004,000GB

(出典:Oracle NetSuite公式ヘルプ、2026年9月確認)

冒頭の「10GBか100GBか」への答えは、契約の内容で決まります。

推測で判断せず、次の章の画面で実際の容量と使用量を見てください。

階層と料金の関係はNetSuiteの料金・ライセンス体系で扱っています。

2つの数字と、確かめる場所を図にすると、次のとおりです。

NetSuiteの容量は2つの数字で見る 基本の容量は、追加の容量を買っていない場合で合計10GB。一方、サービス階層ごとに100GBから4,000GBまでのファイルの容量の上限が示されている。自社の数字は請求情報の画面のFile Cabinet Size (GB)の行で見る。 容量は2つの数字で見る基本の容量合計10GB追加の容量を買っていない場合アカウントのストレージ全体サービス階層の上限100〜4,000GBStandard 100GB〜Ultimate 4,000GB契約の階層ごとに示されている自社の数字は、請求情報の画面でFile Cabinet Size (GB) の行を見る
NetSuiteの容量は2つの数字で見る

自社の使用量を見る手順

  1. 「Setup」→「Company」→「View Billing Information」を開く
  2. 「File Cabinet Size (GB)」の行を見る
  3. 「Current Used Quantity」の列で、いまの使用量を読む

この画面を見るには「Billing Information」の権限が要ります(出典:Oracle NetSuiteのヘルプ)。

権限がなければ、管理者に頼んでください。

容量は、少しずつ増えます。

月に1回数字を記録するだけで、上限の手前で気づけます。

操作の基本はNetSuiteの使い方・操作マニュアルもご覧ください。

上限を超えたらどうなるか

公式ヘルプでは、ファイルの容量の上限を超えると、次のように案内されています。

  • 管理者に、画面の表示とメールで通知が届く
  • この上限に限り、90日の猶予がある
  • その間に、容量を最適化するか、階層の引き上げをアカウント担当と相談する

(出典:Oracle NetSuite公式ヘルプ、2026年9月確認)

容量の追加の購入や、容量についての質問も、アカウント担当への問い合わせが案内されています(出典:Oracle NetSuite公式ヘルプ、2026年9月確認)。

つまり、超えた時点で打つ手がなくなるわけではありません。

90日は整理と判断に使える期間です。

ただ、通知が来てから方針を考え始めると、その90日はすぐに過ぎます。

上限を超えてからの流れを図にすると、次のとおりです。

ファイルの容量の上限を超えたときの90日 上限を超えると管理者に画面とメールで通知が届き、この上限に限り90日の猶予がある。その間に容量を最適化するか、階層の引き上げをアカウント担当と相談する。 上限を超えたときの90日ファイルの容量の上限を超える管理者に、画面とメールで通知90日の猶予整理と判断に使える期間容量を最適化する整理・外に出す階層の引き上げをアカウント担当と相談通知から考え始めると、90日はすぐ過ぎる
ファイルの容量の上限を超えたときの90日

1ファイルのサイズの目安

扱う経路目安・上限備考
画面からのアップロード100MB以下を推奨超えると時間がかかり、途中で切れることもある
ファイル名拡張子を含め99文字未満拡張子も付ける
SuiteScript(メモリで扱う処理)10MBまでgetContents などで中身を扱う場合
SuiteScript(ストリーミング)10MBの上限の対象外File.save などで扱う場合
SuiteScript(file.load)2GBまで既存のファイルの読み込み

(出典:Oracle NetSuiteのヘルプ「Best Practices for Preparing Files for Upload」ほか)

(出典:Oracle NetSuiteのヘルプ「N/file Module」「file.load」)

SuiteScriptは、NetSuiteの機能を広げるための開発の言語です。

大きなPDF・画像・CSVを扱う予定があるなら、設計の段階でこの表を前提にします。

大きなCSVの取り込みはNetSuiteのCSVインポートで扱っています。

容量への4つの対処

対処向く場面注意
容量を増やす(追加購入・階層の引き上げ)すぐに余裕が要る料金は契約による。原因を放置すると繰り返す
整理・アーカイブ重複や古いファイルが多い続ける担当と周期が要る
外部のストレージと連携大きなファイルが多い連携の設計と保守が要る
保存・添付のルールを決めるこれから増やしたくない早く始めるほど効く

外部のストレージとの連携は、ファイルの実体を外に置き、NetSuiteからは参照する方法です。

NetSuiteとつなげる外部のストレージのサービス(Boxなど)もあります。

4つは1つに絞らず、組み合わせて使います。

「残す・外に出す・捨てる」の仕分け

冒頭の問いへの答えが、この仕分けです。

ファイルの種類ごとに、置き場を決めます。

ファイルの種類考えられる置き場決めるときの論点
取引に添付する請求書・注文書NetSuiteの中取引の記録から、すぐ開ける必要があるか
契約書中、または外部のストレージ誰が、どのくらいの頻度で見るか
図面・動画・高解像度の画像外部のストレージ1ファイルが100MBを超えないか
連携で作られる一時的なCSV処理後に消す残す理由があるか、誰が消すか
保存期間を過ぎた書類消すか、外で保管保存の期間の決まりを満たしているか
容量が足りないときに決める順番 使用量を月1回記録し、増えているファイルの種類を調べる。種類ごとに残す・外に出す・捨てるを決め、それでも足りなければ容量を増やす。 容量が足りないときに決める順番 使用量を記録する 月1回、請求情報の画面で 増えている種類を調べる 業務に要る物か、惰性の物か 残す 外に出す 捨てる それでも足りなければ増やす 追加の購入か、階層の引き上げ 判断の根拠は数字で残す
容量が足りないときに決める順番

書類の保存の期間は、法令と自社の規程で決まります。

電子で保存する書類は、NetSuiteと電子帳簿保存法もあわせてご覧ください。

消してよいかの最終の判断は、顧問の税理士・会計士と決めます。

仕分けは、一度で終わりません。

業務が変わるたびに、表を見直します。

判断の物差し|どの対処が合うか

容量を増やすのが合う会社

  • 残すべきファイルが、業務の拡大で増えている
  • 整理はすでに回っていて、それでも足りない
  • 更新の時期が近く、階層の見直しと一緒に判断できる

整理・ルールづくりが先の会社

  • 同じファイルが何か所にもある
  • 「何を残すか」を決めた人がいない
  • 増やしてもすぐ足りなくなった経験がある

外に出すのが合う会社

  • 図面や動画など、1ファイルが大きいものが多い
  • 社内で別のストレージのサービスをすでに使っている

いまは何もしなくてよい会社

使用量が上限の半分に届かず、増え方もゆるやかなら、月1回の記録だけ続けます。

これから契約する会社と、更新を控えた会社

これから契約する会社

契約の前に、次の3点を押さえます。

  1. 自社のサービス階層と、ファイルの容量の上限
  2. 旧システムから移すファイルの量
  3. 今後、NetSuiteに添付する書類の種類と件数の見込み

移す量が多いなら、全部を移すか外に置くかを先に決めます。

移行の全体は基幹システムのデータ移行ガイドで扱っています。

いま使っていて、更新を控えた会社

更新の前は、容量を見直す好機です。

  • 過去12か月の使用量の増え方を並べる
  • 増えた原因のファイルの種類を調べる
  • 階層を上げるか、整理で足りるかを比べる

保守の窓口に相談しても方針が決まらないなら、別のパートナーの意見を聞く道もあります。

保守の選び方はNetSuiteのサポート・保守の選び方をご覧ください。

よくある3つの失敗

失敗1:通知が来てから慌てる

起きること:ある日、ファイルを上げられず業務が止まりかける。

原因:使用量を誰も定期に見ていなかった。

避け方:月1回の記録を、担当者と日付を決めて運用に入れます。

「上限の7割で見直す」のような基準も決めておきます。

失敗2:とりあえず全部入れ、増やすだけで解決する

起きること:追加のたびに費用が増え、しばらくするとまた足りない。

原因:「残す・外に出す・捨てる」のルールがなかった。

避け方:増やす前に、ファイルの種類ごとにルールを決めます。

これは片づけではなく、データの持ち方の設計です。

失敗3:大きなファイルや連携を考えずに作る

起きること:大きな画像やCSVが上がらない。連携の処理がサイズの上限で止まる。

原因:100MBの目安や、SuiteScriptの10MBの上限を知らずに設計した。

避け方:第4章の表を、設計の前提に入れます。

分割・ストリーミング・外部の保管を、最初から選択肢に置いてください。

ベンチャーネットならこう見る

NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットは、容量の相談を2つの型で受けています。

NetSuite・Odoo・AIスクラッチ開発を扱い、SAPからのリプレイスにも対応しています。

引き継いだアカウントは、フォルダの中身から見る

ベンチャーネットの仕事は、ゼロからの導入より、他社のあとの引き継ぎと立て直しが多くを占めます。

引き継いだアカウントで容量が逼迫しているとき、まず開くのはファイルキャビネットです。

大きい順にフォルダを並べ、誰が、何のために置いたかをたどります。

置いた理由が分からないファイルが多ければ、足りないのは容量ではありません。

保存のルールです。

その場合は、階層の引き上げより先に、失敗2の「残す・外に出す・捨てる」を決め直します。

外に出すなら、連携まで一緒に設計する

外部のストレージに移す判断は、半分でしかありません。

残りの半分は、取引の記録から外のファイルにたどれるようにすることです。

ベンチャーネットは、既存システムとの連携も担います。

容量の相談でも、外に出す場合はNetSuiteの記録との対応づけまで設計します。

監査で書類を出す場面で、誰が探しても見つかる形にするためです。

最初の打ち合わせで伺うのは、次の3つです。

  1. いまの使用量と増え方:過去の記録があるか
  2. 増えているファイルの種類:業務に要る物か、惰性で残している物か
  3. 契約の階層と更新の時期:いつ判断すればよいか

増やすことが答えの場合もあれば、整理で足りる場合もあります。

どちらでも、判断の根拠は数字で残すよう勧めています。

今日できること|容量の記録表を作る

次の表を作り、今日の数字を1行目に書いてください。

記録日使用量/上限(GB)使用率気づいたこと
(例)9月25日6.2/1062%契約書のPDFが多い

来月からは、前月からの増加も書き足します。

あわせて、ファイルキャビネットのフォルダを大きい順に3つ書き出します。

その3つに「残す・外に出す・捨てる」の印を付ければ、最初のルールの下書きになります。

よくある質問

Q1. NetSuiteの基本の容量はどれくらいですか

追加の購入がなければ合計10GBとヘルプにあります。

一方、サービス階層の説明には、階層ごとのファイルの容量の上限も示されています。

自社の数字は、請求情報の画面と契約で見てください(第1章)。

Q2. 容量を超えるとどうなりますか

管理者に通知が届き90日の猶予があります。

その間に、容量を最適化するか、階層の引き上げをアカウント担当と相談します(第3章)。

Q3. 1ファイルの上限はありますか

画面からは100MB以下が推奨です。

SuiteScriptでは、メモリで扱う処理が10MB、file.loadが2GBまでです(第4章)。

Q4. 容量はどうやって増やしますか

追加の購入か階層の引き上げをアカウント担当に相談します。

ただし、増やす前に整理と保存のルールを見直すと、繰り返しを防げます(第5章)。

Q5. 使用量は誰が見られますか

Billing Informationの権限を持つ人です。

権限がない場合は、管理者に頼みます。

月1回の記録の担当者に、権限を付けておくと続けやすくなります(第2章)。

Q6. ファイルを外部のストレージに移しても大丈夫ですか

取引の記録からたどれるなら選択肢になります。

NetSuiteの記録と、外のファイルの対応づけが要ります。

監査で書類を出す場面を想定し、誰が探しても見つかる形にしておきます(第5章)。

Q7. バックアップも同じ容量に含まれますか

バックアップや障害への備えは容量とは別の論点です。

運用上のトラブルへの対処はNetSuiteが「使いにくい」と感じる本当の原因とは?で扱っています。

まとめ

  • 容量は、基本の10GBと、サービス階層の上限の両方を契約で見る
  • 使用量は、請求情報の画面で月1回記録する
  • 上限を超えると通知が届き、ファイルの容量に限り90日の猶予がある
  • 画面からのファイルは100MB以下、SuiteScriptは10MB・2GBの上限を前提に設計する
  • 増やす前に、残す・外に出す・捨てるを決める

10GBか100GBかは、請求情報の画面を開けば分かります。

分からないのは、その中に何を持つべきかのほうです。

今日の使用量を1行書き、大きいフォルダ3つに印を付けるところから始めてください。

もう少し詳しく知りたい方へ

容量を増やすべきか、整理で足りるかを、使用量の記録から一緒に見極めます。

外部のストレージとの連携の設計もご相談いただけます。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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