NetSuite×ShipStation連携ガイド|出荷・配送の自動化でできること・費用・日本での使いどころ

「ShipStationをNetSuiteにつなげば、うちの出荷ラベルの作業は全部なくなる」

そう考えて検討を始めると、最初の一歩でつまずくことがあります。

ShipStationの公式サイトに掲載された配送業者の中に、日本郵便・ヤマト運輸・佐川急便が見当たらないからです(2026年9月確認)。

ShipStationとは、複数の販売チャネルの注文を一か所に集め、配送ラベルの発行や追跡を自動化する出荷ソフトです。

物流の代行(3PL)そのものではありません。

活きるのは、越境EC・海外拠点からの出荷です。

NetSuiteとは、ShipStation公式の連携で直接つなげます。

では、海外の出荷が多い会社なら、つなぐだけで効果が出るのか。

実は、効果を分けるのは、ラベルを自動で出せるかどうかではありません。

出荷の結果が、どこに戻るかです。

NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットが、両社の公式情報をもとに解説します。

目次

この記事で分かること

  • ShipStationとは何か、NetSuiteとつなぐと何ができるか
  • 連携の方法と、選び方
  • 費用の考え方(本体・連携・NetSuite)と、連携の費用を左右するもの
  • 日本国内の出荷には何が合うか
  • よくある3つの失敗と、その避け方

言葉の整理

  • 3PL:物流の業務(保管・梱包・出荷)を外部に委託する先
  • SKU:商品を一つずつ識別するためのコード
  • 越境EC:海外の顧客に、ネットで商品を売ること

ShipStationとは|まず見たい「日本での使いどころ」

ShipStationは、注文をまとめて取り込み、配送業者を比べながらラベルを発行する出荷ソフトです。

公式サイトの国別のサイトは、米国・英国・オーストラリアとニュージーランド・カナダです。

掲載されている配送業者も、USPS・UPS・FedEx・DHL・Royal Mail・Canada Post・Australia Postなど海外が中心です。

小口の荷物に加え、パレット単位の混載の貨物(LTL)にも対応しています。

(出典:ShipStation公式サイト、2026年9月確認)

国内の配送業者で使えるかは、導入の前に提供元に問い合わせてください。

出荷の行き先で選ぶ 海外向けが中心ならShipStationをNetSuiteとつなぐ。国内向けが中心なら国内の物流SaaSや3PLとの連携。海外向けが月に数件ならいまはつながず、CSVで取り込む。 出荷の行き先で選ぶ 先月の出荷、どこ向けが多い? 海外向けが中心 ShipStationをNetSuiteとつなぐ 国内向けが中心 国内の物流SaaS・3PLとの連携 海外向けが月に数件 いまはつながず、CSVで取り込む
出荷の行き先で選ぶ(ShipStationの向き・不向き)

越境ECで海外の顧客へ送る会社、米国のAmazonなど海外のモールで売る会社、海外拠点・海外倉庫から出す会社。

ShipStationが向いているのは、この3つです。

国内の出荷が中心の方は、NetSuiteと物流SaaSの連携(3PL連携の現実解)を先にご覧ください。

NetSuiteとつなぐと何ができるか

つなぐと、受注から出荷、会計までのデータが一つにつながります。

  1. NetSuiteの受注・出荷の情報がShipStationに渡る
  2. ShipStationで配送ラベルを発行し、出荷する
  3. 出荷が終わると、出荷のデータがNetSuiteに戻る

ShipStation公式の連携ページでは、外部のコネクタを使わずにNetSuiteと直接つなげると案内されています。

主な内容は次のとおりです。

  • 認証は、NetSuiteのアカウントIDを使ったOAuth 2.0
  • 対応する出荷の流れは、受注・PickPackShip(ピック済み/梱包済み)・在庫転送
  • NetSuiteのカスタムのボディ項目(伝票の見出し部分に置く項目)を対応づけ、注文を絞り込める
  • ShipStationの全プランで、この連携は無料

(出典:ShipStation公式「NetSuite」連携ページ、2026年9月確認)

  • PickPackShip:NetSuiteで、ピッキング・梱包・出荷の段階を分けて管理する出荷の流れ
  • OAuth 2.0:パスワードを渡さずに、システム同士の接続を許可する認証の方式

NetSuiteを受注の中心に置けば、複数チャネルの注文をまとめてから出荷に回せます。

一元化の考え方は、マルチチャネル受注管理入門で扱っています。

連携の方法と選び方

方法つなぎ方と項目向いている場面注意点
① ShipStation公式のNetSuite連携直接接続(OAuth 2.0)。カスタムのボディ項目に対応まず標準の流れで始めたい明細の独自項目まで要るかは事前に確認
② 第三者のコネクタ(Celigoなど)iPaaS(連携の基盤)経由。柔軟に対応づけできる関税・原産国など独自の項目が多い。ほかのシステムもつなぐ月額の費用が別にかかる
③ カスタムAPI開発ShipStationのAPIで個別に開発独自の要件が強い開発と保守の体制が要る
④ いまはつながないCSVで出荷の結果を取り込む海外への出荷が月に数件在庫と会計の反映が遅れる

選ぶ順番は、「まず①で小さく始める」→「独自の項目やほかのシステムが増えたら②か③」です。

iPaaSの例は、Celigoとはで解説しています。

費用の考え方

費用は、次の3つに分けて考えると見通しやすくなります。

費用中身
ShipStation本体出荷件数で変わるプラン制。米国の料金ページでは、月払いでStarterの14.99ドルからPremiumの349.99ドルまで。30日間の無料トライアルあり。送料は別。年払いは20%割引
連携①は全プランで無料。②は連携の基盤の月額が別にかかる。③は開発と保守の費用
NetSuite本体ミニマム構成で月額20万円〜が出発点。モジュール・ユーザー数・オプションで変わり、数百万円規模になることもある

(ShipStationの料金の出典:ShipStation公式の料金ページ、2026年9月確認。価格は改定されることがあるため、最新は公式でご確認ください)

連携の費用を左右するもの

ShipStationの連携は、①なら無料です。

それでも、NetSuiteとつなぐ仕事全体の費用は、別の要因で動きます。

ベンチャーネットが導入を支援してきた中で、費用と期間の差を生む要因は4つあります。

導入費用を決める4つの要因 業務の範囲、開発の量、社内の体制、ユーザー数の4つで導入費用が決まる。 導入費用を決める4つの要因1業務の範囲購買・販売だけか、在庫・会計・PJ管理まで入れるか2開発の量とくに外部システムとの連携開発3社内の体制情報システム担当が少ないと、支援を厚くし期間も延びやすい4ユーザー数受入テスト・教育の工数と、社内調整の時間
導入費用を決める4つの要因

ShipStationとの連携で効いてくるのは、2つ目の開発の量です。

②や③を選ぶと、外部システムとの連携の開発が増え、費用を押し上げやすくなります。

関税・原産国などの独自の項目が多いほど、この傾向は強まります。

ほかのEC・モール・倉庫もつなぐなら、業務の範囲も広がります。

だから、まず①で始め、足りない項目を見てから②・③を考える順番が合います。

判断の物差し|向いている会社・向いていない会社

向いている会社

  • 越境ECで、海外の顧客へ発送している
  • 米国のAmazon・eBayなど、海外のチャネルで販売している
  • 海外拠点・海外倉庫から出荷する
  • ShopifyなどのECと組み合わせて、出荷をまとめたい

ほかの選択肢が合う会社

状況合いやすい選択肢
出荷が日本国内中心国内の物流SaaS・3PLとの連携
倉庫の中の作業(棚・ピッキング)から見直したいNetSuite WMSなど倉庫管理の仕組み
小規模で、ECと在庫と会計を安く一つにしたいOdooなど、モジュールを選んで始められるERP

海外展開の基盤は、NetSuiteのグローバル展開機能(OneWorld・多通貨・多言語)が参考になります。

Shopifyと組み合わせる場合は、Shopify×NetSuite連携の方法もご覧ください。

これからつなぐ会社と、いま使っている会社

これから連携を選ぶ会社

つなぐ前に、マスタをそろえます。

  • 出荷元のロケーションの名前(NetSuiteとShipStationで一致させる)
  • SKUの表記(全角・半角、ハイフンの有無)
  • 使う出荷の流れ(受注から出すか、PickPackShipの段階を使うか)

そろえる3つを図にすると、次のとおりです。

つなぐ前にそろえるマスタ 出荷元のロケーションの名前、SKUの表記、使う出荷の流れの3つを、つなぐ前にそろえる。そろわないと、出荷ラベルが作れない、品目が不明として取り込まれるといったことが起きる。 つなぐ前にそろえるマスタ 出荷元のロケーションの名前 NetSuiteとShipStationで一致させる SKUの表記 全角・半角、ハイフンの有無 使う出荷の流れ 受注から出すか、PickPackShipを使うか そろわないと ラベルが作れない・品目が「不明」になる
つなぐ前にそろえるマスタ(3つの確認)

いま使っていて、見直しを考えている会社

状況見直すこと
第三者のコネクタで、基本の項目だけ同期している公式の直接連携で足りないかを比べる
独自に作った連携を保守し続けているNetSuiteの認証方式の変更への対応と、保守の担当者
出荷は速くなったが、在庫の数がずれていく出荷の結果がNetSuiteの在庫と会計に戻っているか
国内の出荷が増えてきた国内の物流SaaS・3PLとの併用

NetSuite側の認証方式の変更は、NetSuiteの認証方式の変更とOAuth 2.0で扱っています。

よくある3つの失敗

失敗1:マスタがそろわないまま、つなぐ

起きること:出荷ラベルが作れない。品目が「不明」として取り込まれる。同じ注文が二重に出てくる。

原因:出荷元のロケーションの名前やSKUの表記が、NetSuiteとShipStationで一致していなかった。

避け方:つなぐ前に、ロケーションの名前とSKUの表記をそろえます。

地味な作業ですが、ここが一番の近道です。

失敗2:「国内の配送にも使える」と思い込む

起きること:ヤマト・佐川での国内の出荷を自動化するつもりで導入し、要件を固めてから合わないと気づく。

原因:ShipStationが海外の配送業者を中心にした仕組みだと、調べていなかった。

避け方:最初に、出荷の行き先を海外と国内に分けて数えます。

国内が中心なら、国内の物流SaaSや3PLとの連携を先に検討します。

失敗3:出荷だけ自動化して、在庫・会計と分断したまま運用する

起きること:出荷は速くなったが、在庫の数が少しずつずれる。売上の計上は手作業のまま。越境の多通貨や関税の処理で止まる。

原因:受注→在庫→出荷→会計のうち、出荷の点だけを自動化した。

避け方:出荷の結果が、NetSuiteの在庫と会計に戻る流れを最初に設計します。

全部を一度につなぐ必要はありません。受注から出荷までを回し、動かしながら広げます。

ベンチャーネットならこう見る|連携は「戻り先」から決める

「ShipStationとつなげますか」

この問いに、ベンチャーネットは「つなげます」とだけは答えません。

先に聞くのは、「出荷の結果は、NetSuiteのどこに戻したいですか」です。

ベンチャーネットの仕事は、ゼロからの導入より、他システムとの連携や、他社のあとの引き継ぎが多くを占めます。

その中で見てきたのは、出荷の往路だけつないで、復路が決まっていない連携です。

ラベルは速く出るのに、在庫と売上は手で直している。

失敗3は、こうして起きます。

型:受注→在庫→出荷→会計の往復で設計する

連携の設計は、次の順に決めます。

  1. 往路:どの伝票(受注・PickPackShip・在庫転送)をShipStationに渡すか
  2. 復路:出荷の結果を、在庫のどの数と、会計のどの記録に戻すか
  3. 足りない項目:関税・原産国など、①の公式連携で足りないものだけを②・③で補う

往路と復路を図にすると、次のとおりです。

連携は往路と復路で設計する 往路でNetSuiteの受注などの伝票をShipStationに渡し、復路で出荷の結果をNetSuiteの在庫と会計に戻す。公式の連携で足りない項目だけを、コネクタや開発で補う。 連携は往路と復路で設計する NetSuite 受注 在庫 会計 ShipStation ラベルを発行し出荷 往路 復路 1 往路|渡す伝票を決める 2 復路|在庫と会計の戻り先を決める 3 足りない項目|公式連携の不足だけ補う
連携は往路と復路で設計する(戻り先から決める)

復路が決まれば、①で足りるかどうかも見えてきます。

3つ目を最後に置くのは、4-1で見たとおり、開発の量が費用を押し上げるからです。

既存の仕組みとの連携の設計から開発・保守までは、ベンチャーネットが担えます。

使える場面と、使わないほうがよい場面の両方を先にお伝えします。

国内の出荷が中心なら、ShipStationを勧めないこともあります。

最初の打ち合わせで伺うのは、次の3つです。

  • 出荷の行き先の、海外と国内の件数の比率
  • 月の出荷件数と、その伸び
  • 出荷の結果を戻したい、在庫と会計の先

今日できること|先月の出荷を行き先で分ける

先月の出荷の一覧を、次の表に分けてみてください。1時間ほどでできます。

行き先件数使った配送業者ラベルの発行とNetSuiteへの反映
国内
米国
そのほかの海外

海外の件数が多く、ラベルの発行と反映が手作業なら、連携の効果は大きくなります。

国内が大半なら、国内の物流SaaSとの連携を先に調べます。

よくある質問

Q1. ShipStationは日本の配送業者でも使えますか

公式サイトに掲載の配送業者には日本の配送業者は見当たりません。

公式サイトの国別のサイトは米国・英国・オーストラリアとニュージーランド・カナダで、配送業者も海外が中心です(2026年9月確認)。

国内の配送業者で使えるかは、提供元に問い合わせてください。

国内の出荷は、3PL連携の現実解をご覧ください。

Q2. NetSuiteとつなぐのに、別のコネクタは要りますか

ShipStation公式の連携で直接つなげます。

OAuth 2.0で認証し、受注・PickPackShip・在庫転送の出荷の流れに対応しています。

全プランで無料と案内されています(第2章)。

Q3. 公式の連携とCeligoなどのコネクタは何が違いますか

独自の項目への対応とほかのシステムまでつなげる広さが違います。

まず公式の連携で始め、関税・原産国などの独自の項目や、ほかのシステムとの連携が増えたら、第三者のコネクタや開発を検討します(第3章)。

Q4. 費用はどれくらいですか

ShipStation本体は米国で月14.99ドルからのプラン制です。

上位のPremiumは月349.99ドルで、出荷件数で変わります。送料は別です。

NetSuite本体は、ミニマム構成で月額20万円〜が出発点です。

連携の開発が増えるほど、全体の費用は上がります(第4章)。

Q5. 出荷のデータはNetSuiteに戻りますか

出荷のデータがNetSuiteに戻る往復の連携です。

戻す項目や反映のタイミングは、設定の段階で決めておきます。

在庫と会計に正しく反映されるかを、テストで見てから本番に移ります(第2章・第8章)。

Q6. 海外への出荷が少なくても導入すべきですか

月に数件ならいまはつながない判断も合理的です。

配送業者のサイトでラベルを発行し、結果をCSVで取り込む運用で足りることがあります(第3章)。

まとめ

  • ShipStationは、越境EC・海外拠点の出荷に向いた出荷ソフト。国内の配送業者には向かない
  • NetSuiteとは、ShipStation公式の連携で直接つなげる(全プラン無料)
  • 独自の項目が多ければ、第三者のコネクタや開発を検討する。開発の量が費用を押し上げる
  • 本体は米国で月14.99ドルから。NetSuite本体の費用は構成で変わる
  • 効果が出るのは、出荷の結果が在庫と会計まで戻る設計にしたとき

「つなげば出荷の作業は全部なくなる」かどうかは、行き先と戻り先で決まります。

まず先月の出荷を、行き先で分けて数えてください。

もう少し詳しく知りたい方へ

越境EC・海外拠点の出荷の仕組みや、NetSuiteとの連携の設計を相談したい方へ。

出荷の行き先と件数の整理から、一緒に考えます。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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