NetSuite選定チェックリスト|導入を決断する前に確認すべき20の質問

NetSuite導入の検討が最終段階に入ると、ふと立ち止まる経営者の方が多くいらっしゃいます。

「本当にうちでNetSuiteを入れていいのか」
「もう少し準備期間を置くべきではないか」
「パートナー選びは、これで間違いないか」

こうした迷いは、経営判断として正しい姿勢です。

ベンチャーネットはOracle NetSuite認定パートナー(Solution Provider)として、中堅・中小企業のNetSuite導入を支援してきました。

その現場で見えてきたのは、導入の成否は「決断前にどれだけ自社の状態を客観視できたか」で決まるということです。

このチェックリストは、導入を決断する前に確認すべき20の質問を4分野にまとめたものです。読者ご自身が答えていくことで、いま導入を進められる状態か、もう少し準備期間を置くべきか、パートナーと議論すべきか、客観的に判断できます。

20問のうち一つでも「分からない」があれば、それが相談すべき内容です。

完璧に答えられる必要はありません。「答えられない問い」こそ、専門家と議論する価値のあるテーマです。

目次

このチェックリストの使い方|3段階診断のしくみ

20問は4分野に分かれています。

  • 分野A:経営の覚悟(5問)
  • 分野B:業務とのフィット(5問)
  • 分野C:体制とリソース(5問)
  • 分野D:パートナーと進め方(5問)

各設問に「YES/NO/分からない」のいずれかで答えてください。

最後に「YES」の数を数えると、3段階で診断結果が出ます。

診断結果YESの数状態
🟢 段階A17問以上準備が整っている
🟡 段階B10〜16問論点整理が必要
🔴 段階C9問以下全体設計から議論すべき

詳しい判定の見方は記事後半「診断結果の見方」で解説します。

なお、20問の中には「★」マークの設問が6問含まれています。これは「自社だけでは答えが出しにくい問い」です。「分からない」と感じても、まったく問題ありません。むしろ、その問いこそ専門家との議論の出発点になります。

【分野A】経営の覚悟を問う5つの質問

ERPの導入は、IT部門だけのプロジェクトではありません。経営全体に関わる意思決定です。

ここでは、経営層が導入の前提として持っておくべき5つの覚悟を確認します。

Q1. NetSuite導入は「ITプロジェクト」ではなく「経営プロジェクト」だと、経営層は認識していますか?

ERPは、業務システムの導入であると同時に、会社の数字の見え方・経営判断のスピードを根本から変える取り組みです。

「IT部門に任せておけばいい」という発想で進めると、ほぼ確実に失敗します。

ベンチャーネットが現場で見てきた経験では、導入が成功する企業は、経営層が「自分ごと」としてプロジェクトに関与しています。逆に、「IT部門に丸投げ」の企業ほど、稼働後に「想定と違う」という声が経営層から出てくるケースが多い傾向にあります。

NetSuite導入は経営プロジェクトです。経営層の覚悟が、最初の出発点になります。

Q2. 導入後3年で何を達成したいか、経営層の中で言葉にできていますか?

ERP導入の目的は、企業ごとに違います。

  • 月次決算を早期化したい
  • 海外拠点の数字を本社で一元管理したい
  • 属人化した業務を標準化したい
  • 経営判断に使える数字をリアルタイムで見たい

このような「導入後の到達点」を、経営層が言葉にできているかが重要です。

目的が曖昧なまま導入を始めると、稼働後に「なんのために入れたのか」が見えなくなります。

3年後のゴールを言葉にしてみてください。経営層の中で同じ言葉が出てくるなら、覚悟は固まっています。

Q3. ★現行業務のうち、世界標準に合わせて変えてよい範囲はどこまでか、整理できていますか?

NetSuiteはグローバルで設計されたERPです。日本独自の商習慣や、自社独自の運用ルールとは、必ずどこかでギャップが生まれます。

このギャップを埋める方法は3つあります。

  • 自社業務をNetSuiteの標準に合わせる(推奨)
  • NetSuiteをカスタマイズして自社業務に合わせる(コスト・保守負担が増す)
  • 両者の中間で折り合いをつける

ベンチャーネットは、原則として世界標準に自社を合わせることをおすすめしています。標準機能で運用できれば、保守コストもアップグレード対応も軽くなります。

ただし、「どこまで自社のやり方を変えてよいか」は、経営層と現場の合意が必要な論点です。1人で判断できる問いではありません。

この設問に「分からない」と答えた方は、専門家と一緒に整理する価値があります。

Q4. 初期費用だけでなくTCO(総所有コスト)の観点で投資判断する準備はできていますか?

TCO(Total Cost of Ownership)とは、導入時の初期費用に加え、運用後の保守費用・拡張費用・人件費まで含めた総額のことです。

NetSuiteのライセンスは月20万円〜が目安です。これはミニマム構成・出発点で、利用するモジュール・ユーザー数・必要なオプションによって変動します。構成によっては数百万円規模になることもあります。

加えて、導入支援パートナーへの費用、社内の運用担当者の人件費、データ移行の作業費なども必要です。

「初期費用がいくらか」だけで判断すると、稼働後に「想定外の費用がかかった」という事態になりがちです。

3年・5年スパンでのTCOを把握したうえで、投資判断する準備が整っているかを確認してください。

Q5. 導入プロジェクトに、経営層が定期的に時間を割く覚悟がありますか?

NetSuite導入プロジェクトでは、要件定義・設計・テスト・稼働判定など、節目で経営層の判断が必要になります。

「IT部門に任せたから報告だけ受ければいい」では、プロジェクトは前に進みません。

ベンチャーネットの支援経験では、月1回30分でも経営層が議論の場に参加する企業は、導入後の定着がスムーズです。「忙しいから報告だけ」というスタンスの企業ほど、稼働後に「こんなはずではなかった」という声が出やすくなります。

経営層の時間を割く覚悟があるか、ここで一度確認してください。

【分野B】業務とのフィットを問う5つの質問

経営の覚悟が固まったら、次は「自社の業務がNetSuiteに合うか」を確認します。

ここでの判断を誤ると、稼働後に「業務がうまく回らない」という事態になります。

Q6. 会計・販売・在庫など、複数システムにデータが分散していて統合したいですか?

NetSuiteの最大の価値は、会計・販売・在庫・購買・人事といったデータを1つのシステムで統合管理できる点です。

現状、Excelや複数のシステムにデータが散在していて、月次決算や経営判断のたびに集計作業が発生している状況であれば、NetSuiteとの相性は良好です。

逆に、「いまの業務システムで困っていない」「データ統合の必要性を感じない」という状況であれば、導入の目的が曖昧になりやすく、注意が必要です。

データ統合へのニーズが明確かどうか、ここで確認してください。

Q7. ★日本独自の商習慣(三分法など)とグローバルERP(売上原価対立法)の違いに、社内(経理・税理士)は対応できますか?

NetSuiteをはじめとするグローバルERPは、「売上原価対立法」を前提に設計されています。

一方、日本の中堅・中小企業の多くは「三分法」で会計処理を行っています。

この違いは、稼働後の経理現場に大きな影響を与えます。

  • 月次決算の手順が変わる
  • 仕訳ルールの設計を見直す必要がある
  • 顧問税理士の業務フローと整合しないケースもある

社内の経理担当者や顧問税理士が、この違いに対応できる準備があるかは重要な確認ポイントです。

「具体的にどう違うのか分からない」「税理士に相談していない」という状況であれば、専門家と早めに整理する価値があります。

Q8. 海外拠点との会計・在庫の一元管理にニーズはありますか?

NetSuiteは多通貨・多言語対応に強みがあります。世界220地域・43,000社以上・190通貨・27言語で利用されているクラウドERPです。

海外拠点の会計・在庫を本社で一元管理したい企業との相性は、特に良好です。

  • 海外子会社の月次決算を本社で確認したい
  • 拠点ごとに違う通貨・言語・税制をまとめたい
  • グローバルでの在庫可視化を実現したい

このようなニーズがあれば、NetSuiteの強みが活きる場面です。

ただし、海外展開の予定がまったくない国内中心の企業であれば、NetSuiteの特長を活かしきれないこともあります。自社の事業展開と照らして判断してください。

Q9. 現行業務フローを「世界標準に合わせる」発想で見直す余地はありますか?

NetSuite導入で失敗する典型的なパターンは、「いまの業務フローをそのままNetSuiteに移そう」とすることです。

NetSuiteには、世界中の企業が使ってきた業務プロセスが標準機能として組み込まれています。SuiteSuccess(業種別の導入パッケージ)を活用すれば、業界のベストプラクティスをそのまま取り入れることもできます。

ベンチャーネットでは、原則として現行業務をNetSuiteの標準に合わせることをおすすめしています。

これは「自社のやり方を否定する」ことではありません。むしろ、世界で改善されてきた業務プロセスを取り入れることで、自社業務がブラッシュアップされる機会になります。

「いまのやり方を変えたくない」というスタンスが強い場合、NetSuite導入はカスタマイズが膨らみ、コストも保守負担も増えます。見直しの余地があるか、ここで確認してください。

Q10. ★Fit&Gap分析(標準機能と自社業務のギャップ洗い出し)で、どこまでカスタマイズすべきか判断する基準を持っていますか?

Fit&Gap分析とは、NetSuiteの標準機能と自社業務のギャップを洗い出す手法です。

ギャップが見つかったとき、対応方法は3つあります。

  • 業務をNetSuiteに合わせる(標準機能で運用)
  • NetSuiteをカスタマイズする(コスト・保守負担増)
  • アドオン製品やSuiteApp(NetSuiteの拡張機能群)で補う

判断基準がないと、「全部カスタマイズで対応」となり、コストが膨らみます。

ベンチャーネットの支援経験では、ギャップの8割は業務を標準に合わせて解決できます。残り2割のうち、本当にカスタマイズが必要なものを見極めることが重要です。

この判断基準を社内だけで持つのは難しいことです。NetSuiteの標準機能を熟知した専門家と一緒に整理する論点です。

【分野C】体制とリソースを問う5つの質問

業務適合の確認が終わったら、次は「導入と運用を支える体制」を確認します。

NetSuiteは導入したら終わりではなく、稼働後も使い続けるシステムです。社内体制の準備が整っているか、ここで確認します。

Q11. 社内にERP運用を担う担当者(または兼任可能な人材)を確保できますか?

NetSuiteは導入後も、社内に運用担当者が必要です。

担当者の役割は、ユーザー追加・権限管理・データの整合性確認・小規模な設定変更などです。専任である必要はなく、経理部門や情報システム部門の方が兼任するケースが多くあります。

問題は「兼任ですらできない」というケースです。

  • 経理担当者が日常業務で手一杯
  • 情シスがおらず、IT全般を外部に丸投げしている
  • 誰がNetSuiteを管理するのか決まっていない

このような状況のままで導入すると、稼働後に「誰も触れないシステム」になりかねません。

最低限、誰がNetSuiteの運用を担うのか、確保できる目処があるかを確認してください。

Q12. 現行システムの保守ベンダーが撤退・後継者不足のリスクはありますか?

現行システムを使い続けるリスクも、判断材料の一つです。

  • 保守ベンダーが事業縮小・撤退している
  • システムを保守できる技術者の採用が難しい
  • 20年以上前のシステムで、ブラックボックス化している

このような状況であれば、システム刷新のタイミングが来ています。

経済産業省が2018年のDXレポートで「2025年の崖」を警告し、その期限はすでに過ぎています。SAPなど主要ERPのサポート終了が2027年末まで延長されたことで、「2027年問題」としてあらためて注目されています。

対応を先送りにする余地は、着実に狭まっています。現行システムのリスクを直視できているか、ここで確認してください。

Q13. ★既存のExcel補助簿・運用ルールを、ERPのデータ構造に再設計する作業を誰が担いますか?

長く使ってきた業務フローには、必ず「Excelで管理している補助簿」「現場の暗黙ルール」が存在します。

NetSuite導入時、これらをそのまま移そうとすると失敗します。

NetSuiteのデータ構造(サブアカウント・セグメント・カスタムフィールドなど)に合わせて、Excel補助簿の中身を再設計する作業が必要です。

この作業を誰が担うかは、プロジェクト成否の分かれ目になります。

  • 経理担当者が日常業務をこなしながら兼任するのは現実的に難しい
  • 情シスだけでは業務知識が足りない
  • 外部コンサルタントに丸投げすると、現場の暗黙知が反映されない

ベンチャーネットの支援経験では、現場・情シス・パートナーの3者が一緒に整理するのが最も成功率が高い進め方です。

この役割分担を、社内で決められているかを確認してください。

Q14. 社内のIT部門(一人情シス含む)は、クラウドERP運用の負担に対応できますか?

NetSuiteはクラウドERPなので、サーバー保守やインフラ管理は不要です。これはIT部門の負担を大きく減らします。

ただし、別の負担は発生します。

  • ユーザーの問い合わせ対応
  • データの整合性確認
  • 他システムとの連携設定の調整
  • セキュリティ・権限設計の維持

中堅企業に多い「一人情シス」の体制では、この負担が重くなりがちです。

ベンチャーネットでは、社内IT人材の負担を減らすために、運用フェーズもパートナーが伴走するサービスを提供しています。

「社内だけで運用しきれるか」を冷静に判断してください。

Q15. データ移行(旧システム→NetSuite)の範囲・期間・体制を検討し始めていますか?

データ移行は、ERP導入プロジェクトで最も時間と労力がかかる工程の一つです。

  • 移行対象データは何か(過去何年分か)
  • データのクレンジング(重複・不整合の整理)は誰がやるか
  • 移行期間中の業務はどう回すか
  • 移行後の検証は誰が責任を持つか

これらを検討せずに導入を始めると、稼働直前にスケジュールが破綻するリスクがあります。

「データ移行はパートナーがやってくれる」と考えるのは危険です。データの中身を理解しているのは社内の担当者であり、パートナーは技術的な実装を担います。

移行の進め方を、いま検討し始めているかを確認してください。

【分野D】パートナーと進め方を問う5つの質問

最後の5問は、「誰と、どう進めるか」についての質問です。

NetSuiteの導入の成否は、パートナー選びで大きく左右されます。ここでの判断が、プロジェクト全体の質を決めます。

Q16. パートナー会社と「下請け」ではなく「対等な関係」で議論できる関係性を築けますか?

NetSuite導入は、社内とパートナーが一緒に進めるプロジェクトです。

「お金を払うのだから、すべてやってもらう」というスタンスでパートナーに接すると、プロジェクトはうまくいきません。

理由はシンプルです。

  • 自社の業務を一番理解しているのは、自社の社員
  • NetSuiteの機能を一番理解しているのは、パートナー
  • この2つの知識を組み合わせて初めて、正しい設計ができる

パートナーを「下請け」扱いすると、業務理解が足りないまま設計が進み、稼働後に「使えないシステム」になります。

ベンチャーネットは、お客様と対等な関係で議論できるパートナーシップを大切にしています。

社内に「対等な関係で議論する」スタンスがあるかを、ここで確認してください。

Q17. ★パートナー選定で、NetSuite単独ではなく周辺領域(AI・RPA・BI・EC連携など)まで任せられるか確認できていますか?

現代の業務システムは、ERP単独で完結することは稀です。

  • AI連携(NetSuiteのAIエージェント機能・外部AI連携)
  • RPA(定型業務の自動化)
  • BIツール(経営ダッシュボード)
  • EC連携(ECサイトとの在庫・受注連携)
  • WMS(倉庫管理システム)との連携

これらの周辺領域までカバーできるパートナーかどうかは、長期的な成功に大きく影響します。

NetSuiteの導入だけ対応できるパートナーに依頼すると、稼働後に「周辺ツールはどうするのか」で迷子になりがちです。

ベンチャーネットは、NetSuite認定パートナーとして、AI・RPA・MA・デジタルマーケティングなどの周辺領域も含めて支援しています。

周辺領域まで任せられるか、パートナー選定時に確認してください。

Q18. 導入後の伴走支援(運用フェーズの定着化)まで、パートナーに期待していますか?

NetSuite導入プロジェクトの終わりは、「稼働日」ではありません。

稼働後の数ヶ月〜1年は、現場が新しいシステムに慣れていく定着フェーズです。この期間に、現場からの問い合わせ対応・運用の微調整・追加機能の検討などが続きます。

「導入したら、あとは社内で運用してください」というパートナーに依頼すると、定着フェーズで困ることがあります。

ベンチャーネットでは、導入後も伴走支援を継続するサービスを提供しています。チケット制(タイムアンドマテリアル)で、必要なときに必要なだけサポートを利用できる柔軟な仕組みです。

「導入して終わり」ではなく、「定着まで一緒に進める」パートナーを選びたいか、ここで確認してください。

Q19. デジタル化・AI導入補助金(旧 IT導入補助金)など公的支援の活用を検討していますか?

NetSuite導入には、公的な補助金制度を活用できる場合があります。

2026年度から、IT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更されました(中小企業庁2026年3月10日発表)。

補助率は枠ごとに異なりますが、初期費用の負担を大きく軽減できる場合があります。

申請には、補助金事務局が認定するIT導入支援事業者(ITベンダー・コンサル)との連携が必要です。

「補助金を使えるなら使いたい」というニーズがあれば、パートナー選定時に対応可否を確認してください。

Q20. ★いま導入を急ぐべきか、もう少し準備期間を置くべきか、客観的に判断する基準を持っていますか?

最後の質問は、最も難しい問いかもしれません。

「いま導入すべきか」「もう少し待つべきか」を判断する基準は、企業ごとに違います。

  • 現行システムのサポート期限
  • 業績が好調なうちに投資できるタイミング
  • 経営層の合意形成の進捗
  • 社内の体制整備の状況
  • 業界の市場環境

ベンチャーネットでは、無料相談を通じて「いま導入すべきか、もう少し準備期間を置くべきか」を一緒に整理しています。NetSuiteが合わないと判断したら、その旨を正直にお伝えします。

無理な提案はしません。タイミングの判断は、ベンチャーネットが大切にしている論点の一つです。

「いま判断するべきか」の基準を持っているかどうか、ここで一度立ち止まってください。

診断結果の見方|あなたの会社はどの段階か

20問のチェックを終えたら、「YES」の数を数えてください。

YESの数によって、3段階で診断結果が出ます。

3段階診断の早見表

診断結果YESの数状態次のアクション
🟢 段階A17問以上準備が整っている具体的な導入検討フェーズへ
🟡 段階B10〜16問論点整理が必要不明点を整理してから判断
🔴 段階C9問以下全体設計から議論すべき経営層・現場・専門家で再整理

各段階の意味と次のアクション

🟢 段階A:準備が整っている

20問のうち17問以上にYESと答えられた場合、NetSuite導入に向けた社内の準備は整っています。

経営層の覚悟、業務適合の見通し、社内体制、パートナーへの期待値が、ほぼ明確になっている状態です。

次のステップは、具体的な導入検討フェーズに入ることです。製品デモを通じて、自社業務との適合性をより具体的に確認していきましょう。

🟡 段階B:論点整理が必要

YESが10〜16問の場合、導入の方向性は見えていますが、いくつかの論点が未整理のままです。

特に「NO」「分からない」と答えた設問が、整理すべき論点になります。

このまま導入を急ぐと、稼働後に「想定外」が出てくる可能性があります。未整理の論点を一つずつ洗い出してから判断するのが現実的です。

ベンチャーネットの無料相談では、「どの論点を、誰と、どの順番で整理するか」を一緒に組み立てるところからお手伝いしています。

🔴 段階C:全体設計から議論すべき

YESが9問以下の場合、いま導入を急ぐタイミングではない可能性があります。

経営層の覚悟、業務適合の見通し、社内体制、パートナーシップのうち、複数領域で準備が整っていない状態です。

この段階で導入を進めると、プロジェクト中盤で立ち止まる事態になりがちです。

まずは、何が課題で、どの順番で整理すべきか、全体設計から議論するのが先です。「導入する/しない」の判断は、その先にあります。

ベンチャーネットでは、こうした段階の企業に対して「NetSuiteが本当に合うか」から正直にお伝えする方針で支援しています。

チェックリスト活用のよくある落とし穴

20問のチェックリストは、便利な自己診断ツールです。

ただし、使い方を誤ると、判断を誤る原因にもなります。ベンチャーネットが現場で見てきた、ありがちな落とし穴を4つ紹介します。

落とし穴1:一人で全部答えようとする

20問のうち、経営層・現場・情シス・経理それぞれの視点が必要な設問が混在しています。

経営者が一人で答えると、現場の実態とずれた診断結果になります。逆に、情シスが一人で答えると、経営層の覚悟が見えにくくなります。

4分野それぞれを、関係者と一緒に答えるのが正しい使い方です。

落とし穴2:「分からない」を「NO」に丸めてしまう

設問に答えるとき、「分からない」を「とりあえずNO」にしてしまう傾向があります。

しかし、「分からない」と「NO」はまったく違う意味です。

  • NO:明確に「自社には合わない」「準備できていない」
  • 分からない:そもそも判断材料が足りない

「分からない」は、専門家との議論で解消できる論点です。安易にNOに丸めると、相談すべきテーマを見落とします。

落とし穴3:「★要相談」設問を自力で解決しようとする

20問のうち、「★」マークの6問は、自社だけでは答えが出しにくい設問です。

  • Q3:世界標準に合わせて変えてよい範囲
  • Q7:日本商習慣とグローバルERPの違い
  • Q10:Fit&Gap分析の判断基準
  • Q13:Excel補助簿の再設計の担い手
  • Q17:パートナーの周辺領域カバー範囲
  • Q20:いま導入を急ぐべきかのタイミング判断

これらを自力で答えようとして時間を費やすより、専門家との議論で短時間に整理する方が、結果的に早道です。

落とし穴4:診断結果だけで導入判断を決めてしまう

このチェックリストは、あくまで社内の状態を客観視するためのツールです。

「段階Aだから即導入」「段階Cだから諦める」というように、診断結果だけで判断を決めるのは早計です。

診断結果は、議論を始めるための出発点です。具体的な検討は、自社の業務・業績・市場環境を踏まえて、関係者と一緒に進めていくものです。

よくある質問(FAQ)

NetSuite選定チェックリストに関して、ベンチャーネットがよく受ける質問をまとめました。

Q. このチェックリストは、NetSuite以外のERP検討にも使えますか?

設問のうち、「世界標準のERP」を選ぶ前提の質問(Q7・Q8・Q9など)はNetSuiteや海外製ERPに最適化されています。

ただし、「経営の覚悟」「体制とリソース」「パートナーとの関係性」は、どのERP選定にも共通する論点です。NetSuite以外のERPを検討している場合でも、参考にしていただけます。

Q. 20問すべてに答える時間が取れません。優先すべき設問はどれですか?

時間が限られている場合は、「★要相談」マークの6問を先に確認することをおすすめします。

これらは「自社だけでは答えが出しにくい」設問であり、早めに専門家と議論する価値が高い論点です。

Q. 段階Bや段階Cの場合、相談しても無駄になりますか?

無駄にはなりません。むしろ、段階Bや段階Cの段階で相談する方が、後戻りの少ない検討ができます。

ベンチャーネットの無料相談では、「いま導入を進めるべきか」「もう少し準備期間を置くべきか」を、自社の状況に応じて整理しています。NetSuiteが合わない場合は、その旨を正直にお伝えする方針です。

まとめ|分からないことは、相談すべきこと

このチェックリストの目的は、「NetSuiteを売り込むこと」ではありません。

いま、自社が導入を決断していい状態か。それとも、もう少し準備期間を置くべきか。

この問いに、読者ご自身が客観的に答えられるようにすることが、このチェックリストの役割です。

20問すべてに完璧に答えられる企業は、ほとんどありません。

「分からない」と感じた設問が、相談すべき内容です。

そして、「分からない」に正直に向き合えることが、ERP導入を成功させる経営層の最大の条件だと、ベンチャーネットは考えています。

次のステップ|診断結果別の推奨アクション

診断結果推奨アクション詳細
🟢 段階ANetSuite無料デモ自社業務との適合性を具体的に確認
🟡 段階B無料相談(論点整理から)未整理の論点を整理
🔴 段階C無料相談(全体設計から)全体設計から議論

ベンチャーネットは、Oracle NetSuite認定パートナー(Solution Provider)として中堅・中小企業のNetSuite導入を伴走支援しています。

無料相談・無料デモは、いずれもNetSuite紹介ページからお申し込みいただけます。

20問のうち一つでも「分からない」があれば、それが相談すべき内容です。一緒に整理させてください。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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