役員会の前日。
社長の机に、NetSuiteの提案書と見積書がそろっています。
あとは決めるだけのはずが、「本当にうちで入れていいのか」と手が止まる。
NetSuite選定チェックリストとは、導入を決める前に自社の準備を確かめる20の質問です。
経営の覚悟・業務との合い方・体制・パートナーの4分野に分けています。
20問のうち答えられない問いがあればそれが相談すべき論点です。
すべてに答えられる会社は、多くありません。
「分からない」を見つけることが、このチェックリストの役目です。
では、「分からない」がいくつも出たら、どれから手をつければよいのか。
その順番は、20問に答えたあとで見えてきます。
この記事で分かること
- 導入を決める前に確かめる20の質問(4分野)
- YESの数で見る3段階の診断と、段階ごとの次の一手
- NetSuite以外が合う場合の見分け方
- これから選ぶ会社と、いま使っていて見直す会社の使い方
- チェックリストの使い方でよくある3つの失敗と、「分からない」を整理する順番
チェックリストの使い方
20問は4分野に分かれています。
| 分野 | 問い | 確かめること | AIとの親和性の観点 |
|---|---|---|---|
| A 経営の覚悟 | Q1〜Q5 | 経営のプロジェクトとして関われるか | AIで何を速くしたいかを、目的に含めているか |
| B 業務との合い方 | Q6〜Q10 | 業務を標準に合わせられるか | 標準に合わせるほど、データの形がそろいAIに渡しやすい |
| C 体制とリソース | Q11〜Q15 | 導入と運用を支える人がいるか | データを整え続ける担当がいるか |
| D パートナーと進め方 | Q16〜Q20 | 誰と、どう進めるか | AIやBIとのつなぎ方まで相談できるか |
各問いに「YES/NO/分からない」で答え、最後にYESの数を数えます。
各問いの下に、YESの目安を置きました。迷ったときの判断に使ってください。
答えるときは、次の3つを守ると結果がぶれにくくなります。
- 答えに、ひと言の理由を添える
- 推測で「YES」にしない。確かめていなければ「分からない」にする
- 答えた日付を書く。数か月後に見直すと、準備の進み具合が分かる
記入の例です(架空の例)。
| 問い | 答え | ひと言の理由 |
|---|---|---|
| Q5 | YES | 月1回の定例に社長と取締役が出る予定を入れた |
| Q7 | 分からない | 税理士にまだ相談していない |
| Q11 | NO | 経理が2人で、兼任できる人がいない |
| 診断 | YESの数 | 状態 |
|---|---|---|
| 段階A | 17問以上 | 準備が整っている |
| 段階B | 10〜16問 | 論点の整理が必要 |
| 段階C | 9問以下 | 全体の設計から議論すべき |
20問のうち「★」の6問は、自社だけでは答えを出しにくい問いです。
「分からない」でもかまいません。その問いこそ、議論の出発点になります。
20問の全体と★の位置を図にすると、次のとおりです。
【分野A】経営の覚悟を問う5つの質問
ERPの導入は、IT部門だけのプロジェクトではありません。
経営全体に関わる決定です。
Q1. 導入を「経営のプロジェクト」だと、経営層は認識していますか
ERPは、会社の数字の見え方と、経営判断の速さを変える取り組みです。
「IT部門に任せておけばいい」という発想で進めると、失敗しやすくなります。
経営層が「自分ごと」として関わる会社ほど、導入はうまく進みます。
IT部門に任せきりの会社では、稼働後に経営層から「想定と違う」という声が出やすくなります。
YESの目安:経営者が、導入の目的を自分の言葉で社内に説明したことがある。
Q2. 導入後3年で何を達成したいか、経営層の中で言葉にできていますか
- 月次決算を早めたい
- 海外拠点の数字を本社で一元管理したい
- 属人化した業務を標準化したい
- 経営判断に使える数字を、すぐに見たい
こうした到達点を、経営層が同じ言葉で言えるかが大切です。
目的が曖昧なまま始めると、稼働後に「何のために入れたのか」が見えなくなります。
属人化とは、特定の人しか業務の中身が分からない状態のことです。
YESの目安:経営層の3人に聞いて、同じ到達点が返ってくる。
Q3. ★いまの業務のうち、世界標準に合わせて変えてよい範囲を整理できていますか
NetSuiteは、グローバルで設計されたERPです。
日本の商習慣や自社の運用ルールとは、どこかでずれが生まれます。
埋め方は3つあります。
- 自社の業務をNetSuiteの標準に合わせる(おすすめ)
- NetSuiteをカスタマイズして業務に合わせる(費用と保守の負担が増える)
- 両者の中間で折り合いをつける
標準で運用できれば、保守の費用もバージョンアップへの対応も軽くなります。
ただし、どこまで変えてよいかは、経営層と現場の合意が要る論点です。
一人で判断できる問いではありません。
YESの目安:「変えてよい業務」と「変えられない業務」の一覧がある。
Q4. 初期費用だけでなくTCOで投資を判断する準備はできていますか
TCO(総所有コスト)とは、初期費用に、保守・拡張・人件費まで含めた総額のことです。
NetSuiteのライセンス費は、ミニマム構成で月額20万円〜が出発点です。
モジュール・ユーザー数・オプションの構成で変わり、数百万円規模になることもあります。
加えて、パートナーへの費用、社内の運用担当の人件費、データ移行の作業費がかかります。
導入費用の幅は、ライセンスよりずっと広くなります。
NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットが支援した導入の費用を見てみます。
NetSuite導入で、3名程度・購買と販売だけの事例は150万円程度・1.5か月でした。
100名程度で購買・販売・在庫・会計に外部システムとの連携を含めた事例は、2億円程度・1.5年で、約7割が開発です。
差を生む要因は、機能範囲・開発(特に外部システム連携)・社内の体制・ユーザー数の4つです。
4事例の詳細は、NetSuiteの料金で扱っています。
分野BのQ10と分野CのQ11・Q14の答えは、このうち開発と社内の体制に直結します。
3年・5年の総額で判断できるかを、ここで見てください。
YESの目安:5年の総額の試算があり、効果と比べる物差しを決めている。
Q5. プロジェクトに、経営層が定期的に時間を割けますか
要件定義・設計・テスト・稼働の判断など、節目ごとに経営層の判断が要ります。
月1回30分でも、経営層が議論の場に出ることをおすすめします。
「忙しいから報告だけ」では、稼働後に「こんなはずではなかった」が起きやすくなります。
YESの目安:月1回の定例に、経営層の出席を予定に入れている。
【分野B】業務との合い方を問う5つの質問
Q6. 会計・販売・在庫など、ばらばらのデータを一つにまとめたいですか
NetSuiteの価値は、会計・販売・在庫・購買のデータを一つのシステムで管理できる点です。
Excelや複数のシステムに散らばり、集計のたびに手間がかかっているなら、相性は良好です。
月次決算や会議のたびに、部門のファイルを集めて突き合わせている状態が典型です。
逆に「いまのシステムで困っていない」なら、導入の目的が曖昧になりやすく、注意が要ります。
YESの目安:データを一つにまとめたい業務を、具体的に3つ挙げられる。
Q7. ★三分法と売上原価対立法の違いに、経理と税理士は対応できますか
商品の売上原価の記録の仕方には、「三分法」と「売上原価対立法」があります。
自社の処理と、導入するERPでの処理が同じかが問われます。
- 三分法:仕入・売上・繰越商品の3つの勘定で処理し、原価は期末にまとめて計算する
- 売上原価対立法:売るたびに、売上と売上原価を同時に記録する
この違いで、月次決算の手順や仕訳のルールが変わります。
顧問税理士の業務の流れと合わない場合もあります。
「どう違うのか分からない」なら、早めに整理する価値があります。
YESの目安:経理の担当と顧問税理士が、処理の違いを説明できる。
Q8. 海外拠点との会計・在庫の一元管理が必要ですか
NetSuiteは、多通貨・多言語に強みがあります。
世界220地域・44,000社以上で使われています(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月確認)。
190通貨・27言語で利用されているクラウドERPです。
- 海外子会社の月次決算を本社で見たい
- 拠点ごとに違う通貨・言語・税制をまとめたい
- 世界の在庫をまとめて見たい
こうした必要があれば、NetSuiteの強みが活きます。
国内だけで事業が完結するなら、特長を活かしきれないこともあります。
YESの目安:海外の拠点・取引の予定を、3年の計画に書いている。
Q9. いまの業務の流れを、世界標準に合わせて見直す余地がありますか
典型的な失敗は、「いまの業務の流れをそのまま移そう」とすることです。
NetSuiteには、業種別の導入の型としてSuiteSuccessがあります。
Oracleは、事前構成済みのソリューション、ベスト・プラクティス、ワークフローを含むと説明しています。
(出典:Oracle NetSuite公式、2026年9月確認)
標準に合わせることは、自社のやり方の否定ではありません。
世界で改善されてきた流れを取り入れる機会です。
「変えたくない」が強いほど、カスタマイズが膨らみ、費用も保守の負担も増えます。
見直しの余地がどこにあるかを、現場と一緒に探してください。
YESの目安:標準に合わせるために変える業務を、現場と話し合ったことがある。
Q10. ★Fit&Gap分析で、どこまで作り込むかを決める基準がありますか
Fit&Gap分析とは、NetSuiteの標準機能と自社業務の差を洗い出す作業です。
差が見つかったときの対応は3つです。
- 業務をNetSuiteに合わせる(標準機能で運用)
- NetSuiteをカスタマイズする(費用と保守の負担が増える)
- SuiteApp(NetSuiteの拡張アプリ)などで補う
基準がないと、「全部カスタマイズで対応」になりがちです。
多くの差は、業務を標準に合わせることで解決できます。
本当に作り込みが要るものを見極める基準は、標準機能をよく知る相手と一緒に整理します。
YESの目安:作り込みを認める条件(法令・競争力に直結するなど)を決めている。
【分野C】体制とリソースを問う5つの質問
Q11. 社内に、ERPの運用を担う人(兼任でも可)を確保できますか
担うのは、ユーザーの追加、権限の管理、データの確認、小さな設定の変更などです。
専任でなくてもよく、経理や情シスの兼任が多くあります。
問題は、兼任すら決まらない状態です。
- 経理の担当が、日常の業務で手一杯
- 情シスがおらず、IT全般を外部に任せている
- 誰がNetSuiteを管理するのか決まっていない
このまま導入すると、稼働後に誰も触れないシステムになりかねません。
YESの目安:運用を担う人の名前と、業務に使える時間を決めている。
Q12. いまのシステムの保守に、撤退や担い手不足のリスクはありますか
- 保守をしている会社が、事業を縮小している
- システムを保守できる技術者を確保しにくい
- 20年以上前のシステムで、中身が分からなくなっている
古い基幹システムを使い続けるほど、保守の担い手の確保は難しくなります。
SAPは、SAP Business Suite 7の標準保守を2027年末まで提供すると2020年2月に発表しています。
オプションの延長保守は2030年末までです(出典:SAP公式、2026年9月確認)。
保守の期限は、刷新の時期を考える材料になります。
対応を先送りにする余地は、期限が近づくほど狭まります。
保守切れの考え方は、基幹システムの保守切れリスクとはで扱っています。
YESの目安:いまのシステムについて、保守の期限と担い手の状況を把握している。
Q13. ★Excelの補助簿や運用ルールを、ERPのデータの形に作り直す作業を誰が担いますか
長く使ってきた業務には、Excelの補助簿や現場の暗黙のルールがあります。
そのまま移そうとすると失敗します。
NetSuiteのデータの形(勘定・セグメント・カスタム項目など)に合わせて作り直す作業が要ります。
- 経理が日常業務と兼ねるのは難しい
- 情シスだけでは業務の知識が足りない
- 外部に丸投げすると、現場の暗黙知が入らない
この作業を誰が担うかは、プロジェクトの成否の分かれ目になります。
現場・情シス・パートナーの3者で整理すると、暗黙知もデータの形も抜けにくくなります。
YESの目安:補助簿の一覧と、それぞれの持ち主が分かっている。
Q14. 社内のIT担当(一人情シスを含む)は、クラウドERPの運用に対応できますか
クラウドERPは、サーバーの保守やインフラの管理が要りません。
ただし、別の負担は生まれます。
- ユーザーからの問い合わせへの対応
- データの確認
- 他のシステムとの連携の調整
- セキュリティと権限の設計の維持
一人情シスの体制では、この負担が重くなりがちです。
運用の一部をパートナーに任せる形も含めて、無理のない分担を考えます。
社内だけで運用しきれるかを、冷静に見てください。
YESの目安:問い合わせへの対応や権限の管理を、誰が担うか決めている。
Q15. データ移行の範囲・期間・体制を検討し始めていますか
- 何を、過去何年分移すか
- 重複や不整合の整理は誰がするか
- 移行中の業務をどう回すか
- 移した後の確認に誰が責任を持つか
これらを決めずに始めると、稼働の直前に日程が崩れるおそれがあります。
「データ移行はパートナーがやってくれる」と考えるのは危険です。
データの中身を知っているのは社内の担当で、パートナーは移す仕組みを担います。
進め方は基幹システムのデータ移行ガイドで扱っています。
YESの目安:移すデータの範囲と、移した後の確認の担当を決めている。
【分野D】パートナーと進め方を問う5つの質問
パートナー選びの確認点は、NetSuiteパートナーの選び方で詳しく扱っています。
Q16. パートナーと「下請け」ではなく「対等な関係」で議論できますか
- 自社の業務をいちばん知っているのは、自社の社員
- NetSuiteの機能をいちばん知っているのは、パートナー
- 2つの知識を組み合わせて、はじめて正しい設計ができる
「お金を払うのだから、すべてやってもらう」では、業務の理解が足りないまま設計が進みます。
その結果、稼働後に「使えないシステム」になりがちです。
相談の起点の違いは、NetSuiteはOracle直接かパートナー経由かで扱っています。
YESの目安:自社の業務の説明に、現場の担当が時間を割ける。
Q17. ★パートナーに、周辺領域(AI・RPA・BI・EC連携など)まで相談できるか確かめましたか
ERPだけで完結する業務システムは、多くありません。
- AIとの連携(NetSuiteのAI機能や、外部のAI)
- RPA(定型の作業をソフトで自動化する仕組み)
- BIツール(経営のダッシュボード)
- ECサイトや倉庫管理システムとの連携
導入だけを担う相手に頼むと、稼働後に「周辺はどうするのか」で迷いがちです。
特にAIは、ERPに集めたデータを使って初めて力を発揮します。
どのデータを、どのAIに、どの権限で渡すか。
そこまで相談できる相手かを、選ぶときに見てください。
YESの目安:周辺のツールの一覧と、相談したい範囲を書き出している。
Q18. 導入後の伴走(定着の支援)まで、パートナーに期待していますか
プロジェクトの終わりは、稼働日ではありません。
稼働後の数か月〜1年は、現場が慣れていく定着の期間です。
この期間に、現場からの問い合わせ、運用の細かな調整、追加の機能の検討が続きます。
「導入したら、あとは社内で」という相手に頼むと、この期間に困ることがあります。
ベンチャーネットは、導入後の伴走を、必要なときに必要な分だけ使えるチケット制でも提供しています。
YESの目安:稼働後の支援の期間と範囲を、見積もりに入れてもらっている。
Q19. デジタル化・AI導入補助金(旧 IT導入補助金)など、公的な支援の活用を検討していますか
中小企業庁は2026年3月10日に、IT導入補助金を「デジタル化・AI導入補助金」に名称を変えたと案内しています(出典:中小企業庁公式、2026年9月確認)。
申請では、IT導入支援事業者と共同で事業計画を作ります(出典:デジタル化・AI導入補助金2026公式サイト、2026年9月確認)。
対応できるかは、パートナーを選ぶときに聞いておきましょう。
使い方はデジタル化・AI導入補助金でNetSuiteを導入する方法で扱っています。
YESの目安:補助金の対象になるか、要件を確かめたことがある。
Q20. ★いま導入を急ぐべきか、準備期間を置くべきか、判断の基準を持っていますか
- いまのシステムの保守の期限
- 業績が良いうちに投資できる時期か
- 経営層の合意の進み具合
- 社内の体制の整い具合
- 業界の市場の環境
基準は会社ごとに違い、自社だけでは決めにくい問いです。
第10章で、この問いを含む「分からない」の整理の順番を示します。
YESの目安:「いつまでに決めるか」の期限と、その理由を言える。
診断結果の見方と次の一手
| 診断 | YESの数 | 状態 | 次の一手 |
|---|---|---|---|
| 段階A | 17問以上 | 準備が整っている | デモで自社業務との合い方を具体的に確かめる |
| 段階B | 10〜16問 | 論点の整理が必要 | NOと「分からない」の問いを並べ、整理の順番を決める |
| 段階C | 9問以下 | 全体の設計から議論すべき | 経営層・現場・外部の相談相手で、課題から整理し直す |
段階Aは、経営の覚悟・業務の見通し・体制・パートナーへの期待がほぼ明確な状態です。
次は、デモを通じて自社の業務との合い方を具体的に見る段階です。
段階Bは、方向は見えていますが、未整理の論点が残る状態です。
急ぐと、稼働後に「想定外」が出やすくなります。
NOと「分からない」の問いを、「どの論点を、誰と、どの順番で整理するか」に並べ替えます。
段階Cは、いま導入を急ぐ時期ではないかもしれません。
「導入する・しない」の判断は、課題の整理の先にあります。
分野ごとのNOの意味
YESの合計だけでなく、NOがどの分野に集まっているかを見ます。
| NOが集まる分野 | 起きやすいこと | 最初の一手 |
|---|---|---|
| A 経営の覚悟 | 決めるべきことが決まらず、プロジェクトが止まる | 経営層で、3年後の到達点を一文にそろえる |
| B 業務との合い方 | カスタマイズが膨らみ、費用と期間が延びる | 変えてよい業務・変えられない業務の一覧をつくる |
| C 体制とリソース | 稼働後に運用が回らず、Excelに戻る | 運用を担う人を決め、使える時間を確保する |
| D パートナーと進め方 | 稼働後の支援が抜け、定着しない | 相談したい範囲と、稼働後の支援の期間を書き出す |
分野Aに NOが多い場合は、他の分野より先に手を打ちます。
経営の到達点が決まらないと、B〜Dの答えも決まらないためです。
判断の物差し|NetSuite以外が合う場合
診断の結果によっては、NetSuite以外が合うこともあります。
| 当てはまる状態 | 考えられる選択肢 |
|---|---|
| Q8がNO(国内で完結)で、日本の商習慣の帳票を重視 | 国産ERP |
| Q3・Q9がNO(業務を変えたくない)で、固有の業務が競争力の中心 | AIスクラッチ開発 |
| 小さく始めたい。自社で設定を触れる人がいる | Odoo |
| 段階Cで、Q6もNO(データをまとめる必要がない) | いまは入れない |
比べ方はOdooとNetSuiteを徹底比較やAIでスクラッチ開発とERP、どちらを選ぶべきかが参考になります。
ERP全般の選び方は、ERP選定ガイドで解説しています。
あなたはどちらの立場ですか
これからNetSuiteを選ぶ会社
20問をそのまま使います。
経営者・経理・情シス・現場で分担して答え、答えが割れた問いを話し合います。
答えが割れた問いは、立場によって見えている事実が違うことの表れです。
たとえばQ11で、経営者はYES、経理はNOと答えることがあります。
「兼任できる人がいる」と「その人に時間がない」は、どちらも事実です。
こうした違いを話し合うこと自体が、導入の準備になります。
最初に答えてから1〜2か月後に、もう一度答えてみてください。
YESが増えた問いと、変わらない問いを比べてください。
変わらない問いが、手を打つ場所です。
いまNetSuiteを使っていて、見直している会社
稼働後に「思ったほど使われていない」と感じている会社も、このチェックリストを使えます。
問いを「導入の前」ではなく「いま」に置き換えて答えます。
- Q5:経営層は、いまも数字を見る場に出ているか
- Q11・Q14:運用を担う人が、異動や退職で空いていないか
- Q13:Excelの補助簿が、稼働後にまた増えていないか
- Q18:いまのパートナーの支援は、定着まで届いているか
NOの多い分野が、見直しの起点です。
パートナーの見直しは、パートナー変更(リプレイス)という選択肢で扱っています。
二つの立場の使い方を並べると、次のとおりです。
チェックリストの使い方でよくある3つの失敗
失敗1:一人で全部答える
起きること:経営者が一人で答えて段階Aだったが、現場の実態とずれていた。進めるうちに体制の不足が表に出た。
原因:分野ごとに、答えるべき立場の人が違うのに、一人で答えた。
避け方:4分野を、経営層・経理・情シス・現場で分担して答え、割れた問いを話し合います。
失敗2:「分からない」を「NO」に丸める
起きること:「分からない」をNOとして数え、段階Cと判断して検討を止めた。実際は、情報があれば答えられる問いだった。
原因:「NO(準備できていない)」と「分からない(判断の材料が足りない)」を区別しなかった。
避け方:「分からない」は別に数えます。★の問いに集まっていれば、相談で短く整理できる論点です。
失敗3:診断結果だけで決める
起きること:「段階Aだから即導入」と決め、製品の比較やパートナーの見極めを省いた。
原因:社内の状態を見る道具を、導入の可否を決める道具として使った。
避け方:診断は議論の出発点です。自社の業務・業績・市場の環境を踏まえて、関係者と判断します。
ベンチャーネットならこう見る|「分からない」は見える化から片づける
冒頭の問いに戻ります。
「分からない」がいくつも出たとき、どこから手をつけるか。
NetSuite・Odoo・AIスクラッチ開発を扱い、SAPからのリプレイスにも対応するベンチャーネットは、次の3つの順で見ます。
- 分野Aの答え:経営層の答えがそろっているか。そろわなければ、製品の話はまだ早い
- ★の6問:どれが「分からない」か。自社だけで答えにくい論点から整理する
- Q12・Q20の期限:保守の期限など、動かせない日付があるか
分野Aが先なのは、経営の到達点が決まらないと、B〜Dの答えも決まらないからです。
★の6問のうち、Q3・Q10・Q13は同じ根を持っています。
いまの業務のどこを変え、どこを残すか。
この3問は、次の型で一度に片づけます。
型1:見える化→整理整頓→Fit&Gap→3つの選択
- 業務の見える化:いまの業務の流れと、Excelの補助簿を現場に聞いて描く
- 整理整頓:やめる・まとめる・そろえる業務を決める
- Fit&Gap:残った業務を、NetSuiteの標準機能と照らし合わせる
- 3つの選択:合わない業務を、標準に合わせる/開発する/残す、のどれかに決める
見える化をすると、Q13の補助簿の一覧がそのまま手に入ります。
整理整頓でやめる業務を先に決めるので、Q10の作り込みの対象も減ります。
「残す」は、NetSuiteに載せず、いまの仕組みや運用で続ける選択です。
すべてを載せようとしないことが、費用と期間を抑える近道になります。
型2:変わることは、決める前に伝える
NetSuiteに替えると、帳票の形、締め処理の考え方、画面の操作感が変わります。
ライセンス費用が、いまより上がることもあります。
給与・人事は対象外で、別の仕組みが要ります。
ベンチャーネットは、こうした点を見積もりと一緒にお伝えします。
診断の結果、NetSuiteが合わないと判断したら、その旨も申し上げます。
体制の分担も、決める前に見える形にします。
ライセンス・トレーニング・製品サポートは日本オラクルの役割です。
ベンチャーネットは、要件定義・設定・カスタマイズ・アドオン開発・保守・PMを担います。
契約は請負契約に対応しています(準委任も相談可)。
要件を伺うのは営業ではなく導入コンサルタントで、情シスが少ない会社でも進められる体制です。
20問の答えをお持ちいただければ、相談の最初の30分で論点を絞り込めます。
今日できること|1時間で20問を配る
- 分担を決める(10分):分野A=経営層、B=経理と現場、C=情シス、D=経営層と情シス
- 答えを集める(30分):各自が「YES/NO/分からない」と、ひと言の理由を書く
- 数える(20分):YESの数、NOの数、「分からない」の数を、分野ごとに分けて書き出す
「分からない」が集まった問いの一覧が、そのまま相談の議題になります。
分野ごとのNOの数は、第6-1節の表に当てはめてください。
最初に手を打つ分野と、その一手が見えてきます。
一覧と表の2枚があれば、社内の会議でも次に何を決めるかを話し合えます。
よくある質問
Q1. このチェックリストは、NetSuite以外のERPの検討にも使えますか
分野A・C・Dの多くはどのERPにも使えます。
Q7・Q8・Q9など、グローバルなERPを前提とした問いは、NetSuiteや海外製のERP向けです。
経営の覚悟、体制、パートナーとの関係は、どのERP選びにも共通します。
Q2. 20問に答える時間が取れません。優先すべき問いはどれですか
★の6問を先に確かめてください。
Q3・Q7・Q10・Q13・Q17・Q20です。
自社だけでは答えにくく、早めに議論する価値が高い論点です。
Q3. 段階Bや段階Cで相談しても意味がありますか
あります。
段階BやCで相談する方が、後戻りの少ない検討ができます。
「いま進めるか、準備期間を置くか」から整理できます。
Q4. 三分法のままではNetSuiteを使えないのですか
NetSuiteでどう処理するかを導入の前に確かめる必要があります。
自社の処理と違えば、月次決算の手順や仕訳のルールに影響します。
経理の担当と顧問税理士を交えて、早めに整理してください(Q7)。
Q5. いまNetSuiteを使っている会社も使えますか
使えます。
問いを「いま」に置き換えて答えると、定着していない原因が見つかります(第8章)。
Q6. どのくらいの間隔で見直せばよいですか
検討中は1〜2か月ごとを目安にしてください。
答えた日付と理由を残しておくと、準備の進み具合を比べられます。
導入を決めた後も、稼働の前にもう一度答えると、抜けている準備が見つかります。
Q7. 費用はどれくらいかかりますか
ライセンス費はミニマム構成で月額20万円〜が出発点です。
構成で変わり、数百万円規模になることもあります。
導入費用は、機能範囲・開発(特に外部システム連携)・社内の体制・ユーザー数で大きく変わります。
パートナーの費用や社内の人件費を含め、3年・5年の総額で判断してください(Q4)。
まとめ
- 20問は、導入を決める前に自社の状態を客観的に見る道具
- YESの数で段階A・B・Cを見分け、段階ごとに次の一手を決める
- 「分からない」はNOと分けて数える。★の6問は相談の議題になる
- 結果によっては、NetSuite以外やいまは入れない判断もある
- いま使っている会社は、問いを「いま」に置き換えて見直しに使う
- 「分からない」は、分野A→★の6問→期限の順に片づける。Q3・Q10・Q13は見える化から
役員会の前日に手が止まったら、それは準備が足りないというより、論点が見えていない合図です。
まず20問を配り、「分からない」の一覧を1枚にするところからです。
もう少し詳しく知りたい方へ
段階Aの方は、デモで自社業務との合い方を確かめてください。
段階B・Cの方は、「分からない」が集まった問いの一覧をお持ちください。論点の整理から始めます。
