「NetSuiteって、どこに頼めば買えるんだ?」
検討の会議で社長にそう聞かれ、答えに詰まる担当の方は少なくありません。
Oracleに直接か、パートナーか。
パートナーを通すと高くつくのでは、という迷いもよく聞きます。
NetSuiteは、Oracleから直接買う形と、パートナーを通す形のどちらもあります。
NetSuiteのパートナーとは、Oracleのパートナー制度に参加し、NetSuiteの販売・導入・運用を支える会社です。
NetSuiteの導入のうち60%以上は、パートナーによって行われています(出典:Oracle NetSuite公式、2026年9月確認)。
ただ、「どこで買うか」と「誰と進めるか」は、同じ問いではありません。
ライセンスの契約先がOracleでも、導入を担うのはパートナーという形があるからです。
では、自社はどの形を選び、最初にどこへ問い合わせればよいのか。
この記事で分かること
- ライセンスの契約の3つの形と、見積りの見方
- Oracle公式のパートナー制度の種類(Solution Provider・Alliance Partnerなど)
- 日本オラクルとパートナーの役割の分け方
- 問い合わせから稼働までの進め方と、費用の目安
- いまのパートナーを見直すときの注意点
言葉の整理:ライセンスは、NetSuiteを使う権利のことで、年ごとの契約で払う費用です。
再販は、パートナーがOracleからライセンスを仕入れ、利用する会社に売る形です。
「買う窓口」と「相談する窓口」を分けて考える
NetSuiteは、Oracleが提供するクラウドERPです。
ERPは、会計・販売・在庫などを1つのシステムでまとめて管理する仕組みです。
1998年にNetLedgerとしてサービスを始めました。
Oracleは、NetSuiteを「世界初のクラウド企業」と紹介しています(出典:Oracle NetSuite公式、2026年9月確認)。
いまは世界220地域・44,000社以上で使われています(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月時点)。
ライセンスの契約の3つの形
| 契約の形 | ライセンスの契約先 | 導入の支援 | 聞いておくこと |
|---|---|---|---|
| A. Oracleと直接 | Oracle | Oracleか、別に選ぶパートナー | 導入を誰が担うか |
| B. パートナーから購入(再販) | パートナー | 同じパートナー | ライセンスと導入の費用の内訳 |
| C. Oracleと直接+パートナーが伴走 | Oracle | Oracleの営業と組むパートナー | 役割の分け方と窓口 |
Oracle公式では、ソリューションプロバイダーの役割を「ライセンス販売からその導入、サポート」と説明しています。
(出典:Oracle NetSuite公式、2026年9月確認)
つまり、Bの形も一般的です。
NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットは、Cの形です。
ライセンスは形式上もOracleと顧客の直接契約です。
ベンチャーネットは、Oracleの営業と組んで導入と支援を担います。
どの形がよいかは、会社ごとに違います。
相談を始める前に、自社がどの形で契約することになるかを聞いておいてください。
契約の形ごとの長所と注意点
| 契約の形 | 長所 | 注意点 |
|---|---|---|
| A. Oracleと直接 | 価格と条件をOracleと直接話せる | 導入の支援を別に探す手間がある |
| B. パートナーから購入 | 窓口と請求が1社にまとまる | パートナーを替えるとき、ライセンスの契約も関わる |
| C. 直接+パートナーが伴走 | 価格はOracle、進め方はパートナーと役割が分かれる | どちらに何を聞くか、窓口を決めておく |
どの形にも長所があります。
「窓口を1つにしたい」ならB。
「価格と導入の相手を分けて見たい」なら、AかCが考えやすい形です。
NetSuiteのパートナー制度の種類
Oracle NetSuiteの公式サイトでは、次のパートナー制度が案内されています。
| 制度 | Oracle公式の説明(要旨) | 向く相談 |
|---|---|---|
| ソリューションプロバイダー(Solution Provider) | コンサルティング・販売・導入・設計を行う | 導入の全体を相談したい |
| アライアンス・パートナー(Alliance Partner) | 実装・アドバイザリ・コンサルティング・カスタマイズ・トレーニング・サポート・最適化 | 導入や改善の作業を頼みたい |
| BPOパートナー | BPO(業務の外部委託)やBPaaSのサービスを提供 | 経理などの業務を任せたい |
| 開発者向け(SuiteCloud Developer Network) | NetSuiteのプラットフォームを拡張するソリューションを作る開発者向けのプログラム | 特定の追加機能を探したい |
出典はOracle NetSuite公式(パートナープログラム、各制度のページ)です(2026年9月確認)。
このほか、お客様紹介、システムインテグレーター向け、公認会計士向けの制度もあります。
公式サイトによると、パートナーは世界に800社以上あります。
導入を考える会社が最初に問い合わせるのは、ソリューションプロバイダーかアライアンス・パートナーです。
パートナーの一覧と比べ方は、NetSuiteおすすめパートナー一覧と選び方で扱っています。
日本オラクルとパートナーの役割の違い
どちらが上ということではありません。
担うことが違います。
ベンチャーネットの場合、分担は次のとおりです。
| 担い手 | 担うこと | 相談に向く時期 |
|---|---|---|
| 日本オラクル | ライセンス(正式な見積り・金額・契約)、トレーニング、製品サポート | 構成を決め、契約する段階 |
| パートナー(ベンチャーネットの場合) | 要件定義・設定・カスタマイズ・アドオン開発・保守・PM。発注元のPM業務やOracleとの調整も含む | 何から考えるかを決める段階から、稼働後まで |
| 自社 | 業務の整理、データの準備、受入テスト | 導入の期間ずっと |
パートナーを起点にする利点は、次の3つです。
- 要件が固まる前から、何から考えるかを相談できる
- 自社の業務に近い形で、画面を見ながら試せる
- どこから始め、どう広げるか、段階の助言を受けられる
Oracleに直接問い合わせることも、もちろんできます。
契約の条件を早く詰めたい会社には、そのほうが早い場合もあります。
導入の成否は、製品よりも「誰と進めるか」で変わる場面が多くあります。
パートナーに相談するときは、次の3つを聞いてみてください。
- ライセンスの契約は、どの形になりますか
- 見積りを、ライセンス・導入・保守に分けてもらえますか
- 標準の機能で足りる要望は、どう扱いますか
答えの具体さが、そのパートナーの進め方を映します。
「どちらか一方で完結する」わけではない
「Oracleに頼めば導入の相談まで全部できる」
「パートナーに頼めば契約も金額も全部決めてくれる」
どちらも、半分だけ正しい考え方です。
契約だけ進んでも導入は成功しませんし、相談だけ重ねても契約は進みません。
両方の役割を誰が担うかを最初に決めると、途中で手が止まりにくくなります。
判断の物差し|どちらに問い合わせるか
パートナーに問い合わせるのが合う会社
- 何から考えればよいか分からない段階にいる
- 情報システムの担当者が少なく、業務の整理から手伝ってほしい
- 導入後の保守や改善まで、同じ相手に相談したい
Oracleに直接問い合わせるのが合う会社
- 社内に導入の経験者がいて、要件がほぼ固まっている
- 契約の条件と金額の確認を先に進めたい
- 導入を担うパートナーが、すでに社内で決まっている
ソリューションプロバイダーとアライアンス・パートナーの選び分け
- 契約から導入・保守まで窓口を1つにしたい → ソリューションプロバイダーが考えやすい
- ライセンスはOracleと結び、導入の作業を頼みたい → どちらも候補。頼める範囲を会社ごとに聞く
そもそもNetSuiteでよいか迷っている段階なら、複数の製品を扱う相談先のほうが、比べる材料を得やすくなります。
問い合わせ先の決め方を図にすると、次のとおりです。
比べ方はOdooとNetSuiteの比較やAIでスクラッチ開発とERP、どちらを選ぶべきかをご覧ください。
これから検討する会社と、いま使っている会社
これから検討する会社|問い合わせから稼働までの流れ
| ステップ | 主に話す相手 | この段階で決めること |
|---|---|---|
| 1. 相談 | パートナー | 困りごとの優先順位、第1段階の範囲。デモで画面を見る |
| 2. 要件の確認 | Oracleの営業とパートナー | モジュール・ユーザー数・オプション |
| 3. 契約 | 1-1の契約の形による | 契約の期間と金額 |
| 4. パートナー決定 | 候補のパートナー | 導入の体制と、稼働後の保守の形。Aの形なら導入のパートナーを別に選べる |
| 5. 導入・稼働 | 導入のパートナー | 定着の計画と、社内の担当 |
ライセンスは、ミニマム構成で月額20万円〜が出発点です。
モジュール・ユーザー数・オプションで変わり、数百万円規模になることもあります。
導入費用は別にかかります。
ベンチャーネットが支援したNetSuite導入の費用には、大きな幅があります。
3名程度・1.5か月で150万円程度の事例から、100名程度・1.5年で2億円程度の事例までです。
差を生むのは、業務の範囲、開発の量(とくに外部システムとの連携)、社内の体制、ユーザー数の4つです。
4事例の中身はNetSuiteの料金・費用・価格にまとめています。
手続きの詳細はNetSuiteの購入・契約の流れで扱っています。
契約の前に見る点はNetSuiteパートナーの選び方に、画面を試す方法はNetSuiteの無料トライアル・体験デモにあります。
いま使っていて、見直したい会社
きっかけは、ライセンスの更新や、パートナーへの不満です。
- 更新の見積りが届いたが、使っていないモジュールやユーザーがある
- 依頼への返事が遅く、改善が進まない
- 設定の中身を知る担当者が、パートナー側にしかいない
見直しの前に、手元で次の3つをそろえます。
- ライセンスの契約先がOracleかパートナーか(契約書で見る)
- 導入の支援・保守の契約が、ライセンスとは別の契約か
- 設定・連携・カスタマイズの一覧
そのうえで、困りごとを「パートナーの問題」と「製品の合い方の問題」に分けます。
新しい候補には設定の一覧を見せて見積りを取り、引き継ぎの期間を決めて並行で切り替えます。
契約の形によって、パートナーを替えるときの手続きが変わります。
進め方はパートナー変更(リプレイス)という選択肢で扱っています。
よくある3つの失敗
失敗1:相談先を決めず、自社だけで進める
起きること:情報集めだけが続き、社内で要件がまとまらない。見積りの手前で止まる。
原因:「まず社内で固めてから」と考え、専門の知見が要る要件の整理を自社だけで抱えた。
避け方:要件が固まる前から相談できる相手を持ちます。
相談したからといって、その会社に決める必要はありません。
2〜3社に同じ資料で相談すると、進め方の違いが見えます。
失敗2:「何でも要望を聞いてくれる」パートナーを選ぶ
起きること:作り込みが増え、更新のたびに不具合が出る。費用と期間が膨らむ。
原因:「すべてカスタマイズで対応します」という提案を、親切と受け取った。
避け方:「その機能は標準で足ります」と言えるパートナーかを見ます。
業務を標準の機能に合わせるFit to Standardの考え方で提案できるか。
必要なときに「やめましょう」と言える相手のほうが、長く使える仕組みにつながります。
背景はERP導入はなぜ失敗するのかで扱っています。
失敗3:見積りを1つの金額で比べる
起きること:安く見えた見積りに、後から範囲外の作業が足される。保守の費用を見落とす。
原因:ライセンス・導入・保守を分けずに、総額だけで比べた。
契約の形(1-1)が違うと、見積りに含まれるものも変わります。
避け方:見積りを、ライセンス・導入・保守に分けて並べてもらいます。
「見積りの外」の作業がどこまでかも聞きます。
| 並べる項目 | 見積りA | 見積りB |
|---|---|---|
| ライセンス(年額) | ||
| 導入(設計・設定・移行・研修) | ||
| 保守(稼働後の月額・時間の単価) | ||
| 見積りの外の作業 |
空欄が埋まらない見積りは、その項目を質問して埋めてもらいます。
ベンチャーネットならこう見る|伝言ゲームにしない体制
相談の窓口が1つでも、中立に比べる材料が得られるかは別の問題です。
ベンチャーネットはNetSuite・Odoo・AIスクラッチ開発を扱い、SAPからのリプレイスにも対応しています。
だから、NetSuiteありきで話を始めません。
最初の相談で聞くのは、次の3つです。
- そもそもNetSuiteが合うか:会計だけ、独自の業務が多いなどの場合は、ほかの選択肢も一緒に比べる
- 困りごとの大きい業務:第1段階に載せる範囲もあわせて決める
- 契約の形:日本オラクルとの役割の分け方もここで示す
要件を聞くのは、営業ではなく導入コンサルタント
パートナー選びで見落とされやすいのが、「誰が要件を聞くか」です。
営業が聞いた話を設定の担当に渡すと、途中で要件が形を変えます。
いわゆる伝言ゲームです。
ベンチャーネットでは、要件を確認するのは導入コンサルタントです。
情シスが少ない会社でも進められる体制を取り、既存システムとの連携も担います。
Oracleのベストプラクティスも、そのまま入れず、ベンチャーネットの環境で検証してから入れます。
2つの形を並べると、次のとおりです。
3者の分担と、契約の形
- 日本オラクル:ライセンスの正式な見積りと金額、トレーニング、製品サポート
- ベンチャーネット:要件定義からアドオン開発、保守、PMまで。Oracleとの調整も担う
- 自社:業務の整理、データの準備、受入テスト
契約は、請負契約に対応しています(準委任も相談可)。
常駐はせず、国内のチームがリモートで進めます。
お客様が「どちらに何を聞けばよいか」で迷わないよう、窓口の分け方を最初に示します。
仕事の中身は、ゼロからの導入より、他社のあとの引き継ぎ・立て直しと、他システムとの連携が多くなっています。
いまのパートナーに不満がある会社の相談も、この流れで受けています。
今日できること|問い合わせの前に1枚にまとめる
次の表を、1時間で埋めてみてください。
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 困っている業務 | 上位3つ(例:月次決算に10日かかる) |
| 使う人の数 | 部門ごとのおおよその人数 |
| いまのシステム | 会計・販売・在庫などで使っているもの |
| 契約で聞きたいこと | ライセンスの契約先、保守の形 |
いま使っている帳票やExcelの表を2〜3枚添えると、デモで見たい画面がはっきりします。
この1枚があれば、Oracleにもパートナーにも、同じ前提で問い合わせられます。
相手ごとの答えの違いも、見えやすくなります。
よくある質問
Q1. NetSuiteはどこで買えますか
Oracleから直接またはパートナーから買います。
Oracle公式では、ソリューションプロバイダーがライセンス販売も担うと説明しています。
ベンチャーネットの場合は、Oracleと顧客の直接契約です。
Q2. Oracleに直接問い合わせてもよいですか
もちろんできます。
契約の条件と価格は、Oracleの営業の担当です。
進め方の相談は、パートナーのほうが得意な場面が多くあります。
Q3. パートナー経由だと高くなりますか
契約の形と見積りの内訳で比べてください。
ライセンス・導入・保守を分けて並べると、比べやすくなります。
ライセンスはミニマム構成で月額20万円〜が出発点で、構成により数百万円規模になることもあります。
Q4. ソリューションプロバイダーとアライアンス・パートナーは何が違いますか
ソリューションプロバイダーは販売から導入まで担う制度です。
アライアンス・パートナーは、実装・コンサルティング・カスタマイズなどを支援します(Oracle NetSuite公式、2026年9月確認)。
実際に頼める範囲は、会社ごとに聞いてください。
Q5. 最初に相談したパートナーに決めないといけませんか
契約の形によります。
Oracleと直接契約する形なら、導入のパートナーを別に選ぶこともできます。
再販の形では、ライセンスと導入が同じ会社になるのが一般的です。
Q6. パートナーとOracleは、それぞれ何を担いますか
ライセンスは日本オラクル・導入と保守はパートナーです。
ベンチャーネットの場合、日本オラクルがライセンス・トレーニング・製品サポートを担います。
ベンチャーネットは、要件定義・設定・カスタマイズ・アドオン開発・保守・PMを担います。
Q7. いまのパートナーを替えるとライセンスも替わりますか
ライセンスの契約先によって変わります。
Oracleと直接の契約なら、ライセンスとパートナーの契約は別です。
まず契約書で、自社の契約先を見てください。
まとめ:契約の形を知り、問い合わせ先を決める
- NetSuiteは、Oracleから直接か、パートナーから買う
- ライセンスの契約の形は、Oracle直接・パートナーから購入・直接+伴走の3つ
- ベンチャーネットの場合は、Oracleと顧客の直接契約で、導入と保守をベンチャーネットが担う
- 契約と価格はOracleの営業、導入の進め方はパートナーが得意
- 見積りはライセンス・導入・保守に分けて比べる
- いまのパートナーを見直すなら、まず契約書でライセンスの契約先を見る
「どこに頼めば買えるのか」への答えは、契約の形を決めると絞れます。
第8章の1枚を持って、まず1社に問い合わせてみてください。
まだ何も決まっていない段階からで構いません。
もう少し詳しく知りたい方へ
NetSuiteが自社に合うかの確認や、契約の形の整理から、ご相談をお受けしています。
