「NetSuite Next」という言葉を、ニュースやセミナーで見かけた方も多いかもしれません。
2025年10月、NetSuiteは「史上最大の発表」としてNetSuite Nextを公開しました。AIが業務に深く入り込む、新しいNetSuiteの姿です。
ただ、情報の多くは海外発で、専門用語も多めです。「結局、何が変わるのか」「日本ではいつ使えるのか」が分かりにくいのが実情です。
この記事では、NetSuite Nextの全体像を、経営者目線でわかりやすく整理します。
この記事で分かること
- NetSuite Next が何か、2025年10月のSuiteWorldで何が発表されたか
- 4つの中核機能(Ask Oracle・新UI・AI Canvas・エージェント型AI)の概要
- 日本でいつ使えるのか(北米先行/日本は順次)の正確な情報
- NetSuite Next を待つ間に、経営者が”今”準備すべきこと
読了の目安:約8分
NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットが、Oracle・NetSuiteの公式情報をもとに構成しました。
NetSuite Nextとは?一言でいうと
NetSuite Nextとは、AIを中心に作り直された、次世代のNetSuiteです。
2025年10月7日、米国ラスベガスで開かれたNetSuiteの年次イベント「SuiteWorld 2025」で発表されました(出典:Oracle)。
ポイントは、まったく新しい別の製品ではないことです。今お使いのNetSuiteを、新しい体験へとアップグレードするものです。
NetSuiteは、会計・販売・在庫・人事などの業務を1つに統合するクラウドERP(基幹業務を統合管理するシステム)です。NetSuite Nextは、そこに「自然な言葉で対話できるAI」を組み込みました。
たとえば、これまでレポートを作って確認していたことを、「今期の売れ筋商品は?」と質問するだけで答えが返ってくる。そんな使い方を目指しています。
なお、NetSuiteは世界220地域・43,000社以上で利用されています。Oracleは「#1 AI Cloud ERP」と位置づけています(出典:Oracle NetSuite公式)。
なぜ”史上最大の発表”といわれるのか
NetSuite Nextが注目されるのは、単なる機能追加ではなく、使い方そのものを変える発表だからです。
これまでのERPは、「人がシステムの操作を覚える」のが前提でした。メニューを辿り、項目を入力し、レポートを設計する。慣れるまでに時間がかかります。
NetSuite Nextが目指すのは、その逆です。「システムが人の言葉を理解する」方向への転換です。
NetSuiteを長く担当してきた立場から見ても、これは大きな方向転換です。操作の習熟が壁になって活用が進まない、という悩みは現場で何度も耳にしてきました。
その壁を、AIと新しい画面で下げようとしている。だからこそ「史上最大」と表現されているのです。
ただし、発表されたばかりの段階です。期待だけが先行しないよう、中身を一つずつ見ていきましょう。
NetSuite Nextの4つの中核機能
NetSuite Nextには、大きく4つの中核機能があります。順に見ていきます。
Ask Oracle(自然言語アシスタント)
Ask Oracleは、NetSuite Nextの中心となる機能です。
自分の言葉でNetSuiteに質問し、検索・分析・操作ができます。「先月の地域別売上を比べて」と話しかけるイメージです。
これまで必要だったレポート設計や保存検索の手間を、大きく減らすことを狙っています。将来的には、従来の検索機能を置き換えていく位置づけです。
Redwood UI(新しい画面デザイン)
Redwood UIは、Oracleの新しいデザインシステムにもとづく画面です。
モダンで見やすく、ダークモードにも対応します。日々使う画面が、消費者向けアプリのように直感的になることを目指しています。
操作のしやすさは、活用の定着に直結します。地味に見えて、現場には大きな変化です。
AI Canvas(シナリオプランニング)
AI Canvasは、AIと一緒に計画や分析を練るための作業空間です。
実際の業務データを使いながら、「この前提だとどうなるか」といったシナリオを検討できます。要約や比較、可視化をその場で作り、関係者と共有することもできます。
エージェント型ワークフロー(AIが作業を実行)
4つ目は、AIが「答える」だけでなく「動く」機能です。
たとえば月次決算や照合といった作業を、AIが提案し、人の承認を挟みながら進めます。
重要なのは、AIが暴走しない設計になっている点です。AIの動きは、既存の役割・権限・承認フローの枠内に収まります(出典:Oracle)。人が最終判断を握ったまま、手間だけを減らす考え方です。
ChatGPT・Claudeなど外部AIとの連携
NetSuite Nextは、NetSuiteの中のAIだけで完結しません。外部のAIともつなげます。
NetSuiteは、ChatGPTやClaudeといった外部のAIツールと連携できる仕組みを用意しています(出典:Oracle NetSuite公式)。これにより、Oracleの枠を超えてAIを活用できます。
たとえば、普段使っている対話型AIから、NetSuite上のデータについて尋ねる、といった使い方が想定されます。
自社がすでに特定のAIを使っている場合でも、それを活かせる余地がある。この「開かれた設計」も、NetSuite Nextの特徴の一つです。
ただし、どのツールをどうつなぐかは、自社のデータの扱い方とも関わります。便利さと管理の両面から考える必要があります。
切替の仕組みと費用|ボタン一つ・追加費用なし
NetSuite Nextへの切替は、思ったよりシンプルな設計です。
Oracleの発表によれば、既存のカスタマイズを移行・中断することなく、ボタン一つでNetSuite Nextへ切り替えられます(出典:Oracle)。
費用面でも、既存のライセンスに追加費用は不要とされています。新しい契約を結び直す必要はありません。
つまり、大がかりな移行プロジェクトを覚悟しなくてよい、という設計です。今の環境を保ったまま、新しい体験に移れます。
これは、システム刷新に慎重な企業にとって心強いポイントです。
ただし、「切り替えられること」と「使いこなせること」は別の話です。ボタン一つで新機能が現れても、自社の業務にどう活かすかは、改めて考える必要があります。この点は後半で詳しく触れます。
日本ではいつ使える?提供時期の正確な話
ここは、多くの方が一番知りたいところだと思います。先に結論をお伝えします。
NetSuite Nextは、まず北米のお客様向けに提供が始まります。日本は、その後に順次提供される予定です。
公式発表では「今後12カ月以内に北米のお客様向けに提供開始予定」とされています(出典:Oracle、2025年10月発表)。
日本での具体的な提供時期は、現時点で確定していません。北米での展開を経て、順次広がっていく見込みです。
正直にお伝えすると、「今すぐ日本で使える」わけではありません。話題が先行している分、ここは冷静に捉える必要があります。
一方で、これは悪い話ばかりではありません。日本で本格提供されるまでに、準備のための時間があるということです。
この「待つ時間」をどう使うかが、実は一番大切です。次の章で詳しく説明します。
※ 提供時期に関する情報は変動する可能性があります。最新の状況は、Oracle・NetSuiteの公式発表をご確認ください。
従来のNetSuiteとどう変わる?【比較表】
ここまでの内容を、従来のNetSuiteと比べて整理します。
| 観点 | 従来のNetSuite | NetSuite Next |
|---|---|---|
| 操作方法 | メニュー・検索を辿って操作 | Ask Oracleで自然な言葉で質問・操作 |
| 画面デザイン | 従来のUI | Redwood UI(モダン・ダークモード対応) |
| データ分析 | レポート・保存検索を作成 | 質問するだけで分析・可視化 |
| AIの役割 | 補助的 | エージェント型AIが承認を挟みつつ作業を実行 |
| 外部AI連携 | 限定的 | ChatGPT・Claude等と連携可能 |
| 切替方法 | — | ボタン一つ・追加費用なし・移行不要 |
※ NetSuite Nextは別製品ではなく、既存NetSuiteのアップグレードです。今の資産を活かしながら、新しい体験に移行できます。
こうして並べると、変化の中心が「AIとの対話」にあることが分かります。操作を覚える時代から、対話する時代への移行です。
NetSuite Nextを待つ間に、経営者がやるべきこと
NetSuite Nextは、確かに大きな進化です。
ただ、日本での提供は順次予定です。「待つ時間」が生まれます。
この時間を、ただ待つだけにするか。それとも、来たるAI時代の準備期間にするか。ここで差がつきます。
AIは「魔法の杖」ではない
Ask Oracleやエージェント型AIは、強力な機能です。
しかし、AIは「魔法の杖」ではありません。AIが力を発揮できるかどうかは、土台となるデータ次第です。
データがバラバラに散らばっていたり、入力ルールが人によって違ったりすると、AIに質問しても的確な答えは返ってきません。
「AIを導入したのに、思ったような成果が出ない」。その原因の多くは、AIそのものではなく、データの状態にあります。
NetSuite Nextが活きる「データ基盤」を整える
では、待つ間に何をすればいいのか。
答えは、AIが活きるデータ基盤を整えることです。具体的には、次の3つです。
- データを一つに集める:会計・販売・在庫などの情報が分断されていないか
- 入力ルールを統一する:同じ項目を、誰が入力しても同じ形になっているか
- 業務プロセスを見直す:「なんとなく続けている作業」が、データを濁らせていないか
これは地味な作業です。派手なAI機能の話とは対極にあります。
しかし、この土台があるかないかで、NetSuite Nextが来たときの成果は大きく変わります。
一人で抱え込まず、伴走者と進める
データ基盤の整備は、現場の業務と深く結びついています。
「どの業務をどう整理するか」は、経営とITの両方が見えていないと判断できません。一人でできることには、限りがあります。
NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットは、データ基盤の整備から伴走します。
NetSuite Nextが来る日に向けて、今から一緒に準備を始めませんか。
よくある質問(FAQ)
NetSuite Nextについて、経営者の方からよくいただく疑問をまとめました。
NetSuite Nextは新しい製品ですか?追加で契約が必要ですか?
別の新製品ではなく、既存NetSuiteのアップグレードです。
Oracleの発表では、既存のライセンスに追加費用なしで、ボタン一つで切り替えられるとされています(出典:Oracle)。新しい契約を結び直す必要はありません。
日本ではいつから使えますか?
まず北米で提供が始まり、日本はその後に順次提供される予定です。
公式発表では「今後12カ月以内に北米のお客様向けに提供開始予定」とされています(出典:Oracle、2025年10月発表)。日本での具体的な時期は現時点で未確定です。最新情報はOracle・NetSuiteの公式発表でご確認ください。
今のカスタマイズや設定はどうなりますか?
既存のカスタマイズを保持したまま、移行不要で切り替えられる設計です(出典:Oracle)。
これまで作り込んできた設定をやり直す必要はない、とされています。システム刷新に慎重な企業にとっては安心できるポイントです。
AIが勝手に処理を進めてしまわないか心配です
AIの動きは、既存の役割・権限・承認フローの枠内に収まる設計です(出典:Oracle)。
エージェント型のAIが作業を進める場合も、人の承認を挟みます。最終判断は人が握ったままです。AIに任せきりにする仕組みではありません。
NetSuite Nextを待つ間、何を準備すればいいですか?
AIが活きるデータ基盤の整備を、今のうちに進めることをおすすめします。
AIは、土台となるデータが整っていてこそ力を発揮します。データの統合、入力ルールの統一、業務プロセスの見直し。これらは時間がかかるからこそ、提供を待つ間に着手する価値があります。NetSuite認定パートナーであるベンチャーネットが、この準備から伴走します。
まとめ|「待つ」のではなく「備える」
NetSuite Nextは、AIを中心に作り直された次世代のNetSuiteです。
Ask Oracle、新しい画面、AI Canvas、そしてAIが作業を進めるエージェント型ワークフロー。これらが、ERPの使い方を「操作」から「対話」へと変えていきます。
一方で、日本での提供は順次予定です。今すぐ使えるわけではありません。
だからこそ、この時間を「備える時間」に変えることが大切です。AIが活きるデータ基盤を整えておけば、NetSuite Nextが来たときに、その力を最大限に引き出せます。
一人でできることには、限りがあります。
NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットは、データ基盤の整備からNetSuiteの導入・運用まで支援します。対等なパートナーとして伴走します。
「自社の場合、何から始めればいいのか」。そう感じた方は、お気軽にご相談ください。一緒に、御社にとって最適な進め方を考えさせてください。
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