Celigoとは|NetSuite連携を加速するiPaaSの機能と日本での使い方

目次

導入文

「システムが増えるほど、データの転記作業も増えていく」。多くの企業がこの悩みを抱えています。

会計、販売管理、在庫、ECサイト。それぞれ別のシステムで動いていると、同じデータを何度も手入力することになります。

この課題を解決する選択肢の一つが、iPaaS(アイパース) です。iPaaSとは、複数のシステムをクラウド上でつなぎ、データ連携を自動化するサービスのことです。

その代表的なツールの一つが「Celigo(セリゴ)」です。CeligoはとくにNetSuiteとの相性が良く、海外では広く使われています。

この記事では、Celigoとは何かを、システム連携を検討している方に向けてやさしく解説します。

この記事で分かること

(読了の目安:約8分)

Celigoとは|iPaaSの基礎から

Celigoとは、システム同士をつなぐ「iPaaS」と呼ばれるクラウドサービスです。まず、その土台となるiPaaSから説明します。

iPaaS(Integration Platform as a Service) とは、異なるシステムやアプリケーションをクラウド上で連携させる仕組みです。データのやり取りを自動化するサービス、と言い換えてもよいでしょう。

たとえば、ECサイトで注文が入ったときに、その情報を自動で会計システムや在庫システムに反映する。こうした「つなぐ」仕組みを、プログラミングなしで構築できます。

Celigoは、このiPaaS分野で実績のあるサービスです。創業は、Oracleが買収したSaaSの先駆け企業で働いていた経験から、多様な業務アプリを統合する必要性を感じたことがきっかけでした。

現在のCeligoは、数千社規模の企業に利用されています。2025年のGartner社の評価では、iPaaS分野で「Customers’ Choice(顧客の選択)」に選出されています。

特徴は、ITの専門家でなくても使いやすい設計です。あらかじめ用意された「コネクタ」(接続部品)を使えば、主要なシステムとの連携を比較的かんたんに始められます。

Celigoの主な機能

Celigoには、システム連携を効率化する機能がそろっています。代表的なものを紹介します。

1. 豊富なコネクタ

主要なクラウドサービスとつなぐための「コネクタ」が多数用意されています。NetSuite、Shopify、Salesforceなど、よく使われるシステムに対応しています。

2. ノーコード/ローコードでの連携構築

プログラミングをほとんど書かずに、画面の操作で連携フローを作れます。これにより、開発の専門家に頼らずとも連携を始めやすくなります。

3. 業務プロセスの自動化

「注文が入ったら在庫を更新する」といった一連の処理を自動化できます。手作業の転記やミスを減らせます。

4. 幅広い接続方式への対応

標準のコネクタにないシステムとも、汎用的な接続方式でつなげられます。HTTP、FTP、Webhookなど、さまざまなプロトコルに対応しています。

こうした機能により、バラバラに動いていた複数のシステムを、一つの流れとしてつなげられます。

なぜNetSuiteと相性が良いのか

CeligoはとくにNetSuiteとの連携で力を発揮します。理由は大きく3つあります。

1. 創業の背景がNetSuiteと近い

Celigoの創業者は、NetSuiteを擁するOracleグループのSaaS企業での勤務経験を持ちます。そのため、NetSuiteの構造を理解した設計になっています。

2. NetSuite向けの標準コネクタが充実

NetSuiteと連携するための部品が、あらかじめ用意されています。ゼロから連携を開発するより、構築の手間を抑えられます。

3. NetSuiteはAPIが豊富

NetSuite自体が外部連携の窓口(API)を多く備えています。iPaaSとの組み合わせで、外部システムとスムーズにつながります。

ここで、「自分たちでつなぐ(手組み開発)」場合と、「Celigoでつなぐ」場合を比べてみます。

観点手組み開発でつなぐCeligoでつなぐ
構築の進め方プログラムを一から開発用意された部品を設定
必要な専門知識開発スキルが必須設定中心で着手しやすい
構築の期間長くなりがち比較的短く始めやすい
仕様変更への対応都度プログラム修正設定変更で対応しやすい
連携先の追加追加ごとに開発コネクタで追加しやすい

※あくまで一般的な傾向の比較です。実際の難易度は、つなぐシステムや要件によって変わります。

手組み開発が悪いわけではありません。ただ、複数のシステムを継続的につないでいくなら、iPaaSのほうが運用しやすい場面が多くあります。

日本での使い方・活用イメージ

ここまでの内容を踏まえて、日本企業での具体的な活用イメージを見てみましょう。

Celigoがよく使われる場面の一つが、ECサイトと基幹システムの連携 です。

たとえば、ShopifyのようなECプラットフォームとNetSuiteをつなぐケースを考えてみます。連携すると、こんな流れが自動化できます。

  • ECで注文が入る → 注文データがNetSuiteに自動で取り込まれる
  • NetSuiteで出荷処理をする → 在庫数が自動で更新される
  • 売上の計上も自動で行われる → 手入力やExcel転記が不要になる

こうした連携により、受注から在庫・請求までを一つの流れでつなげられます。

複数のシステムをバラバラに使っていて、データの手入力や転記が多い会社ほど、効果を感じやすい仕組みです。

なお、日本での利用にあたっては、つなぎたいシステムがコネクタに対応しているかを事前に確認することが大切です。海外発のサービスのため、日本独自のシステムやモールへの対応状況は、導入前に個別の確認をおすすめします。

iPaaS導入でよくある失敗(落とし穴)

ここからは、iPaaS導入でつまずきやすいポイントをお伝えします。

これは、不安をあおるために書くのではありません。事前に知っておくだけで避けられるつまずきが多いからこそ、共有しておきたいのです。

連携ツールは便利ですが、「入れれば自動でうまくいく」ものではありません。よくある失敗を4つ、見ていきます。

ツールを入れれば連携できると思ってしまう

こんな状態に心当たりはないでしょうか。

  • ツールの導入だけが目的になっている
  • どのデータを、どちら向きに流すかが決まっていない
  • 連携後の業務ルールを決めずに進めている

iPaaSは、業務に合わせた「連携の設計」があって初めて機能します。

たとえば在庫データを連携するとき、どのシステムを正(マスター)にするかを決めていないと、データの食い違いが起きます。ツールの性能ではなく、設計の不在が原因です。

だからこそ、導入の前に「何を、どうつなぎたいのか」を整理することが欠かせません。ベンチャーネットでは、ツール選びの前に、この業務の整理から一緒に考えることを大切にしています。

連携を「作った人」しか分からなくなる

次は、属人化の問題です。

  • 連携フローを作った担当者しか中身を把握していない
  • なぜその設計にしたのか、意図が共有されていない
  • 担当者が異動・退職すると、誰も触れなくなる

ノーコードで作れるからこそ、起こりやすい落とし穴です。手軽に作れるぶん、設計の意図が記録されないまま進みがちです。

連携は一度作って終わりではありません。業務が変われば、見直しも必要になります。

その時に「作った人しか分からない」状態だと、改修できずに止まってしまいます。設計の意図を残し、複数人で共有できる形にしておくことが大切です。

最初から全システムを一度につなごうとする

3つ目は、規模の問題です。

  • 最初から全部署・全システムの連携を目指す
  • 完璧な全体像を描いてから始めようとする
  • 結果、計画が大きくなりすぎて動き出せない

理想を一気に実現しようとすると、かえって頓挫しやすくなります。

連携する範囲が広いほど、調整すべきことも増えます。すべてを同時に進めると、どこかでつまずいたときに全体が止まります。

おすすめは、効果の大きい一つの業務フローから始めることです。まず1つ動かし、確かめながら範囲を広げるほうが、結果的に早く進みます。

完璧を目指すより、まず回す。動かしながら磨いていく姿勢が、連携では特に効いてきます。

連携ツールだけ選び、業務の相談相手がいない

最後は、パートナーの問題です。

  • ツールの機能比較に時間をかけている
  • 「自社の業務にどう合わせるか」を相談できる相手がいない
  • 導入後の運用を、社内だけで抱え込もうとしている

ツール選びは大事ですが、それだけでは連携は成功しません。

本当に必要なのは、「自社の業務をどうつなぐか」を一緒に考えてくれる存在です。一人で、あるいは社内だけで進めようとすると、見落としに気づけないことがあります。

NetSuiteの導入から外部システムとの連携設計まで、業務全体を見渡して相談できる相手がいると、つまずきは大きく減ります。

ここまで4つの失敗を見てきました。共通しているのは、どれも「ツールの問題」ではなく「設計と進め方の問題」だということです。

連携は、設計が肝です。

ベンチャーネットは、NetSuiteの導入を伴走するパートナーとして、その先の連携設計まで一緒に考えます。一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Celigoやシステム連携について、よく寄せられる質問にお答えします。

Celigoは日本語で使えますか?

Celigoは海外発のサービスです。日本での利用にあたっては、サポート体制や画面表示の対応状況を、導入前に確認することをおすすめします。つなぎたいシステムが日本独自のものである場合は、コネクタの対応有無もあわせて確認しましょう。

Celigoの料金はどのくらいですか?

料金は、利用する機能や連携の規模によって変わります。公開された一律の価格はなく、要件に応じた見積もりが必要です。具体的な費用感は、連携したいシステムや業務範囲を整理したうえで確認するのが確実です。

プログラミングの知識がなくても使えますか?

Celigoは、用意されたコネクタを設定して連携を作る「ノーコード/ローコード」の設計です。そのため、開発の専門家でなくても着手しやすいツールです。ただし、業務に合わせた連携の設計には、業務とシステム両方の理解が役立ちます。

NetSuiteを導入していなくてもCeligoは使えますか?

はい、CeligoはNetSuite専用ツールではありません。さまざまなクラウドサービス同士をつなげます。ただ、NetSuiteとは標準コネクタが充実しているため、組み合わせると連携を始めやすい関係です。

まとめ|連携は設計が肝

Celigoは、複数のシステムをつないでデータ連携を自動化するiPaaSです。とくにNetSuiteとの相性が良く、ECと基幹システムの連携などで活用されています。

ただ、この記事でお伝えしたかったのは、ツールの機能だけではありません。

連携の成否を分けるのは、「どの業務を、どうつなぐか」という設計です。ツールを入れただけでは、連携は完成しません。

そして、その設計は一人で抱え込む必要はありません。

ベンチャーネットは、NetSuiteの導入から、その先の外部システム連携まで、業務全体を見渡して伴走します。「何から手をつければいいか分からない」段階でも構いません。

システム連携でお悩みなら、まずはお気軽にご相談ください。一緒に、つながる業務の形を考えていきましょう。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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