NetSuiteは、業務効率化やデータの可視化などができる複数のツールがオールインワンになっているクラウド型ERPです。ERPは、「Enterprise Resource Planning」の略称で、企業資源計画を指します。日本では、基幹システムや統合基幹業務システムなどと呼ばれ、さまざまなシステムが普及しています。
今回は、ERPの中でも多機能で導入しやすく、さまざまなメリットがあるNetSuiteについて、NetSuite認定パートナーのベンチャーネットが詳しく解説していきます。

NetSuite(ネットスイート)とは
NetSuiteは、ERPやCRM、Eコマースなど、企業の収益性や業務効率性に深く関わるシステムを単一のシステムで提供できるクラウド型ERPです。
例えば、これまで販売管理や在庫購買管理、生産管理、会計管理などを別のシステムで運用していた場合、NetSuiteを導入することで、すべて単一で管理できるようになります。
管理部門によって異なるシステムを利用している場合、うまく連携できなくて業務効率が低下したり、データの紐付けや相関の調査などができなかったりします。それぞれのシステムの質が高くても、連携や相関関係の調査ができなければ業務効率や収益に良い影響は与えられません。NetSuiteを導入すれば、システムを超えたデータ集計が可能になり、業務効率化や収益性の向上に繋がります。
NetSuiteは、アメリカの大手ITベンダーOracleに買収され、現在ではオラクルの子会社となっています。2021年現在、多くの日本企業がNetSuiteを導入し、高い成果を挙げています。
運営元
NetSuiteは、1998年にEvan Goldberg氏を中心とした4人によって設立された世界で最初のクラウドERP企業です。なお、Salesforce.comが設立されたのはその翌年のため、SalesForceよりも歴史のある企業と言えます。2017年12月にオラクル社が買収し、ネットスイート事業部が運営しています。
評判
NetSuiteは、世界31,000社以上で導入されており、高い評価を得ています。実際にシステムを導入したユーザーが評価する「G2 Crowd Grid」のERP部門では「Leader」の称号しました。

NetSuite(ネットスイート)の特徴
それでは、NetSuiteの特徴を詳しくみていきましょう。
クラウド用に設計された「真のクラウドERP」
近年、「クラウド」の注目が高まりつつある中で、ERP市場も「クラウドERP」と銘打った製品が数多く登場しています。
しかしながら、クラウドERPとはいっても、実態はオンプレミス型ERPをクラウドに乗せただけのケースや、顧客ごとにテナントを立ち上げるといったものまであり、「名ばかりクラウド」のサービスは少なくありません。これらの製品では、バージョンアップ作業が個別に実施され、管理コストもかさむため、クラウドの恩恵を受けていません。
Oracle NetSuiteはクラウド用に設計されたマルチテナント型ERPとして、すべての顧客が1つのサービスを利用します。バージョンアップは自動的に行われ、これまでの管理コストが研究開発費に転換できるため、クラウドの恩恵を充分に受けることができます。
このクラウドの種類の違いは、アップグレードや拡張時に大きなコストの差となって表れてきます。導入時には見えないコストですが、将来的な運用を想定した場合、導入段階でクラウドの種類の違いについても認識しておく必要があります。

CRMやERPなどのオールインワンシステム
NetSuiteには、CRMやERP、Eコマースなど経営に必要な機能が全て含まれています。ここで注意したいのは、全ての機能がNetSuiteの中で独立しているのではなく、それぞれを統合していることです。
仮に、NetSuiteの中で複数の機能が独立しているのであれば、それはオールインワンシステムとは言えません。NetSuiteは、複数の機能を統合したオールインワンシステムのため、各機能の活用によって得たデータを紐付けしたり、相関関係を探ったり、さまざまな使い方ができます。
例えば、CRMとEコマースをERPと連動させれば、売上データや顧客情報、商品の在庫状況などが更新されて、各部署に最適な形で分析結果が表示されます。しかも、リアルタイムで分析結果を表示できるため、迅速な判断に繋がるのです。
各部署の負担を最小限に抑えながら、迅速な経営判断ができるようになります。

海外でも問題なく利用できる
「NetSuite OneWorld」は、海外の法制度や税制度、言語、商習慣などに対応できることが特徴です。海外進出を予定している、またはすでに海外で活動している企業に向いています。対応できる通貨は190種類以上、そして27言語に対応しているため、複数の国に拠点がある企業でも問題ありません。現在、導入国及び地域数は217か国に上ります。税務処理は50か国に対応しております。
国単位でデータをリアルタイム集計・分析できるため、より大きな決断をスピーディーに下せるようになります。
業種を問わず導入できる
NetSuiteの提供開始は、1997年です。これまで20年以上にわたりクラウド型ERPシステムを提供してきた歴史があり、多数のフィードバックに基づき改良が繰り返されてきました。そのため、業種や国籍、業務プロセスを問わずに導入できます。もともと機能は充実していますが、自社の状況に応じてカスタマイズすることで、さらに利便性や機能性、効率性を高められます。

NetSuite(ネットスイート)の機能一覧
それでは、NetSuiteに搭載されている機能について詳しくみていきましょう。
統合基幹業務システム(ERP)
在庫管理や人事管理、財務会計、サプライチェーン、BI機能、請求管理、受注管理、分析・レポートなどの機能がすべて統合されています。1つのデータベース上にあらゆる取引データや顧客データなどが集約されているため、必要なデータを即座に取得できます。
各データを分析することで、キャッシュフローの見直しやビジネスモデルの転換など、重要な決断をスピーディーに下せるようになるのです。
顧客管理システム(CRM)
顧客管理システムでは、顧客情報を商談状況、購買履歴などのデータを管理できます。リアルタイムで顧客情報を更新し、データを可視化できることで、顧客に合った的確な営業方針をスピーディーに立てられます。
また、顧客満足度を高めることに繋がる「カスタマーポータル」も利用可能です。24時間365日体制で顧客をサポートできます。顧客管理システムがあれば、営業後に自社へ戻って顧客情報を打ち込む必要がありません。
顧客情報をチームで共有することで、急遽代打が必要になっても問題なく対応できます。
eコマース
eコマース機能によって作成したECサイトは、ERPやCRMとの連携が可能です。リアルタイムで在庫管理や販売管理ができるため、より動的にECサイトを活用できます。また、ECサイトの顧客に対して適切なタイミングで適切なアプローチも可能になります。
そのほか、アクセス状況に応じて顧客の動向を分析できるため、収益性の向上にも繋がるでしょう。
また、近年ではShopifyといった既存ECサービスと連携する動きも出ています。自社のニーズと規模に合わせてNetSuiteでの構築あるいは連携を選択することができます。
日本でNetSuiteとShopifyを連携する場合、弊社が提供するABM-AUTOMATION for ECを活用することで、受注・在庫情報の連携を行い、ECとERPをシームレスに連動させることができます。詳細は下記記事をご覧ください。

ビジネスインテリジェンス
経営状況や進捗状況を可視化し、情報分析を効率化する機能です。市場変化をいち早く察知できるようになるため、より迅速かつ的確な判断へと繋がります。また、各部署に対応した形でダッシュボードに分析結果が表示されるため、従業員に浸透しやすいことも特徴です。

NetSuite(ネットスイート)の活用方法
それでは、NetSuiteは具体的にどのように活用できるのか詳しくご紹介します。
迅速な経営判断に役立てる
経営層に求められるのは、市場の変化をいち早く察知して、的確な判断を下すことです。どれだけ敏腕な経営者でも、環境が整っていなければ本来の能力を発揮できません。NetSuiteを導入すれば、あらゆるデータをリアルタイムで管理できるため、ビジネスチャンスを逃さない形で経営判断を下せるのです。
経営者にとって欠かせないのがビジネスインテリジェンス(BI)機能です。このBI機能によって最新の売上や財務状況をダッシュボードで確認できます。

的確で効率的な営業活動
的確かつ効率的な営業活動は、顧客のニーズをつかむことから始まります。NetSuiteの統合受注や注文管理、インセンティブ管理などを活用すれば、顧客のニーズを読み取ることが可能です。また、営業の進捗状況を踏まえ、チームリーダーがメンバーに的確な指示を出すことが求められます。
CRMによってニーズを可視化し、営業状況をリアルタイムでチームリーダーが確認できることで、迅速かつ的確な指示出しが可能になります。また、迅速かつ的確な営業活動は顧客満足度の向上にも繋がるでしょう。
Webマーケティングのリードから商談まで一連の流れをフォロー
NetSuiteでは、Webフォームを経由してリードを登録し、そこからマーケティングキャンペーンを設定しリードに対して商品やサービスへの興味を持ってもらうマーケティングオートメーション(MA)の機能があります。
この機能を活用することで、広告やSEOから自社ホームページにアクセスしたユーザーに対してリストを獲得し、商談までの継続的なメール配信やウェビナー開催といったインバウンドマーケティングを展開し、さらにそこから商談の設定を行うことができます。そうすることで、顧客に対してどのような接点から認知を得たか、どのような情報を案内したかといった情報が管理しやすくなります。

シームレスな顧客管理を実現する
企業が顧客と継続的な関係を維持できれば、持続的に利益を得られます。これを顧客関係管理といい、関係継続のためのコミュニケーションやアフターサポート、お役立ち情報の提供、セミナーの案内など、さまざまな方法があります。 この顧客管理にもNetSuiteが役立ちます。NetSuiteは自社のあらゆる場所に点在するデータを集約できるため、経営戦略や顧客のエンゲージメントなどを踏まえた的確なアプローチやコミュニケーションを取りやすくなります。 NetSuiteによるシームレスな顧客管理については、こちらの記事をご覧ください。

プロジェクト管理を行う
NetSuiteは、プロジェクト管理に関わるマーケティングや営業、会計、顧客管理などの情報を一元化します。プロジェクトの管理画面から、さまざまなデータにアクセスできます。
NetSuiteによるプロジェクト管理について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

集客を自動化する
集客から見込み顧客のリスト化、コミュニケーションによる見込み顧客の育成までを自動で行うツールを「マーケティング・オートメーション(MA)」といいます。見込み顧客の属性や現状などに応じて最適なキャンペーンやメール配信を実施することで、顧客獲得を自動化できます。
NetSuiteを用いたマーケティング・オートメーションについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

運用支援・保守・サポートを活用する
NetSuiteの運用には、自社の業務フローに応じて適切な形へ構築しなければなりません。そして、データを適切にアップデートしていくことで、NetSuiteのメリットを活かすことができます。NetSuiteの導入支援・保守・サポートを受けることが大切です。
その際は、導入支援会社の信頼性や実績などに注目しましょう。NetSuite公式のサポートや導入支援会社のサポートなどについて詳しくは、こちらの記事で解説しています。

収益性分析に役立てる
収益性分析とは、利益を生み出す力「収益性」を分析することです。少ない資本で大きな利益を生み出す企業は、収益性が高いと言えます。また、経費を抑えて大きな利益を得られた場合も同じです。この収益性分析にNetSuiteが役立ちます。
NetSuiteで収益性分析をする際にチェックするポイントや方法などについては、こちらの記事をご覧ください。

スピーディーな会計業務
財務会計や在庫管理、注文管理などが一体化しているため、在庫や注文状況に応じて会計システムに数字を打ち直す手間がかかりません。さらに、BI機能でデータを分析できるため、会計資料の作成の手間を大幅に削減できます。さらに、財務諸表を日本の会計システムに準拠した形で作成できることもメリットです。
また、弊社ツールであるPayment Automationを活用することで、NetSuiteと決済代行会社を連動させ、カード決済における請求~カード登録~決済~入金データ作成を自動化することも可能です。

動的なECサイトの作成
eコマース機能では、在庫管理と顧客情報が連動しているECサイトを作成できます。また、外観をカスタマイズしたり既存のHTMLファイルを反映したりと、さまざまな形でカスタマイズできることもメリットです。
さらに、検索エンジンKWやリファラルレポートなどのマーケティング機能も搭載されています。
NetSuiteの各機能を下記にまとめました。
| 営業支援 | ・商談 ・見積もり ・営業情報管理 ・営業活動管理 |
|---|---|
| プロジェクト管理 | ・プロジェクト予算
・プロジェクト実績 ・プロジェクト進捗 ・リソーススキル管理 ・リソース稼働率管理 ・プロジェクト収益性 |
| 販売・債権管理 | ・得意先管理
・受注 ・請求 ・入金 ・出荷 ・売掛金管理 ・売掛帳 ・各種レポート ・返品、払い戻し |
| 購買・債務管理 | ・仕入先管理
・支払請求書 ・購買発注 ・出金 ・入庫 ・買掛金管理 ・買掛帳、各種レポート ・返品 |
| 財務会計 | ・勘定科目表
・総勘定元帳 ・仕訳入力 ・配賦処理 ・セグメント会計 ・決算、締処理 ・消費税管理 ・財務諸表出力 |
| 在庫管理 | ・アイテム管理
・入荷、検品管理 ・原価管理 ・棚卸管理 ・引当、出荷管理 ・在庫移動指示 ・ロットシリアル管理 ・在庫回転率 |
| Eコマース | ・サイトホスティング
・ショッピングカート ・クロスアップセル ・ページ分析、SEO |
| 共通管理 | ・カスタマイズ基盤 ・業務上の役割別ダッシュボード ・部門、クラス、場所管理 ・監査証跡の自動記録 ・データのCSVインポート、エクスポート ・レポート定義、出力、カスタマイズ ・従業員管理 ・多言語、多通貨管理 ・会社、アイテム、科目管理 |

NetSuite(ネットスイート)を導入するメリット
NetSuiteの導入を検討する際は、「できること」を理解したうえでメリットを知ることが大切です。
NetSuiteを導入するメリットについて詳しくご紹介します。
業務効率化による収益性の向上
必要なデータがNetSuiteに全て登録されているため、各システムからデータを抜き出して分析する手間がかかりません。必要なデータを必要なときに取得できるため、業務効率が向上します。また、CRMにおいても顧客情報を瞬時に取得できて、許可を得た人物だけが顧客情報を更新できます。
1,000種類以上の定型レポートを搭載しており、自由にアレンジを加えることもできるため、データの取得や更新はもちろん、作成にも専門知識は必要ありません。
チームメンバー間での連携もスムーズなうえに、経営者としても経営判断をスピーディー下せることで組織全体の負担を減らせます。業務効率化によって1日の営業件数が増えれば、収益の向上にも繋がるでしょう。

従業員の負担軽減によるモチベーションの向上
NetSuiteの導入によって従業員の業務負担が軽減することで、モチベーションの向上が期待できます。例えば、3アクションが必要な業務が1アクションで終わるため、1日で1~2時間以上の時間を削減できるでしょう。
無駄な残業を減らすことでコストを必要最低限に抑えられるため、キャッシュフローも改善します。また、昨今では働き方改革が叫ばれる中、従業員としても職場環境や作業負担に対しる考え方がシビアになってきています。
NetSuiteを導入して従業員の負担を軽減できれば、優秀な人材の流出を防ぐことに繋がるでしょう。
業務コストを削減できる
NetSuiteの導入により、売上や在庫、発注などを1つのシステム上で管理できるようになるため、業務コストを大きく削減できます。また、ランニングコストを抑えられることもメリットです。システム単位で定期的なメンテナンスが必要になったり月額料金がかかったりすると、金銭的にも人材的にも大きな負担になります。
NetSuiteを導入すれば、1つのシステムのメンテナンスとコストだけで済むのです。最低限のコストで業務効率と収益性を最大限に高められるため、立ち上げ初期の企業でも導入を前向きに検討しやすいでしょう。
二重入力や整合性のメンテナンスの負担が軽減される
複数のツールを使用する場合、データの二重入力が発生しがちです。また、複数のツールに登録されているデータの整合性が取れておらず、適切な分析ができなくなるケースもあります。そのため、定期的に二重入力のチェックや整合性のメンテナンスが必要です。
NetSuiteを導入すれば、CRM/SFA、ERP、プロジェクト管理などをNetSuiteで実行されるため、二重入力や整合性の不備などが起きる心配がなくなります。結果的にメンテナンスコストと人件費を削減し、利益を生むための業務にコストと人的リソースを投入できるようになります。
あらゆるデバイスから使用できる
NetSuiteはクラウド上でデータを管理するため、スマホやタブレット、ノートパソコンなど、さまざまなデバイスからアクセスできます。社内、社外のどこからでも簡単にアクセスできるため、営業先で急遽データが必要になっても問題なく対応できるでしょう。また、商談後に会社に戻って顧客データを更新する必要もありません。
商談で得た顧客の情報を商談後にすぐNetSuite上に登録できます。

設定をカスタマイズできる
通常のシステムでカスタマイズを行うには、プログラミングを必要とするため、コストと手間が発生していましたが、ネットスイートでは豊富に用意されたテンプレートをもとに、簡単な設定作業でカスタマイズすることができます。
業務プロセスに合わせたワークフロー設計が可能
NetSuiteは、業務プロセスに合わせてワークフローを設計できるため、どのような企業でも導入できます。カスタマイズできないシステムでは、業務プロセスの変更に対応できず、かえって業務効率が低下する場合があります。NetSuiteであれば、そのような心配もなく、継続的に使用できるでしょう。
災害が起きてもデータトラブルの心配がない
NetSuiteは、クラウド上にデータを管理するうえに、サーバーは提供元が管理しています。そのため、仮に災害で自社のパソコンやサーバーが故障しても、データが消失する心配がないのです。自社でのサーバー管理はランニングコストが高いうえに災害時のデータ消失などのリスクも高いため、クラウド型ERPの導入を前向きに検討してみてください。
事業を引き継ぐときもスムーズ
NetSuiteでデータを管理すれば、M&Aで事業を引き継ぐときもスムーズです。自社サーバー上で管理していると、データの移動に手間がかかります。紙で管理している場合に至っては、さらに引き継ぎに大きなコストがかかるでしょう。
経営状況を可視化できる
NetSuiteの分析機能では、データをグラフとして可視化できます。数字を目で追うではスピーディーに判断できません。しかし、グラフを作成するのにも手間がかかるでしょう。NetSuiteであれば速やかにグラフを作成できるため、業務効率が格段に上がります。
また、NetSuiteではさまざまなデータを統合したり連携したりして、経営状況が一目でわかるように表示できます。
経営状況を可視化できれば、問題点に早い段階で気づくことができて、被害を最小限に食い止めることが可能です。また、複数のデータを参照しなければ気づきにくいことにも気づけて、キャッシュフローの改善や業務コストの削減など、さまざまな対策に繋がります。
ソフトを自動アップデートできる
NetSuiteは、1年に2回の自動アップデートが可能です。1回につき100項目前後の機能を追加・更新できて、常にベストな状態で使用できます。サーバーが不要なため、メンテナンスの必要もありません。
面倒な更新作業とメンテナンスが不要なため、導入後は業務に集中できます。更新作業でトラブルが起きてデータが消失したり、利用できなくなったりする心配もありません。

NetSuiteを導入する際の注意点
NetSuiteの導入にデメリットはありませんが、パフォーマンスを最大限に発揮させるために注意すべきポイントがあります。次の2点を押さえたうえでNetSuiteを導入しましょう。
信頼できる導入支援会社に相談する
NetSuiteの導入に特化したパートナーに相談しましょう。NetSuiteは、導入すれば即座に効果が現れるものではありません。自社に適した形で導入するためには、信頼できる導入支援会社に相談し、自社に最適な形でNetSuiteを導入する必要があります。導入時の説明は丁寧であるのに、アフターサポートが不十分なケースも少なくありません。
NetSuiteの効果を発揮し続けるにはアフターサポートが欠かせない点に注意が必要です。
定期的なカスタマイズを検討する必要がある
NetSuiteは、カスタマイズせずにいったん導入し、自社の状況に応じて定期的にカスタマイズすることでパフォーマンスを最大限に発揮できます。定期的なカスタマイズを検討せずに運用すると、社内の状況の変化とともにパフォーマンスが低下する恐れがあります。
定期的なカスタマイズを前提としたうえで、NetSuiteの導入を検討しましょう。なお、カスタマイズ不要で最高のパフォーマンスを発揮し続けることができるツールは存在しません。
NetSuite(ネットスイート)の開発言語
NetSuiteはUI上で様々なカスタマイズや連携作業を行うことができますが、より高度な連携が必要な場合、SuiteScript(スイートスクリプト)を活用することで機能を拡張することができます。
SuiteScriptはJavaScriptベースのAPIであり、NetSuiteのフォームやレコード、オブジェクトやイベントの大半はSuiteScript経由でアクセスすることができます。例えば、以下のような作業を行いたい場合は、SuiteScriptを使った開発が選択肢として挙がってきます。
- 他サービスとAPI経由で定期的に情報を取得し、連携したい
- ファイル作成やアップロードなどの処理を自動化したい
- 自社のニーズに合わせた形で画面上のポートレットを作成したい


NetSuite SuiteSuccess(ネットスイート スイートサクセス)とは
NetSuite SuiteSuccessは、NetSuiteの導入手法・パッケージの1つです。ERPの導入にあたり、現場の社員が対応しきれない、課題をシステムに落とし込めないなど、さまざまな課題が挙げられます。このような課題を解決せずにNetSuiteを導入しても、メリットを十分に得ることはできません。そこで利用したいのがNetSuite SuiteSuccessです。
従来の導入方法との違い
| 導入の流れ | 期間 | |
| 従来の導入方法 | 1.業務・課題に合わせた仕様を策定 2.他社製品との比較およびデモンストレーション 3.ベンダー側で要件を検出する 4.要件に合わせて実装する | 約1年 |
| NetSuite SuiteSuccess | 1.製品のデモンストレーション 2.予め設計および設定が済んでいる製品を導入する 3.要件に合わせて実装する | 最短5週間程度 |
このように、NetSuite SuiteSuccessであれば、予め必要な設計・設定ができている製品を導入できるため、従来の導入方法と比べて早く導入できるのです。ERPは、導入後すぐに使いこなせるわけではないため、導入に時間がかかりすぎると費用対効果を実感しづらくなります。
そのため、基本的にNetSuite SuiteSuccessを選択することが大切です。
NetSuite SuiteSuccess(ネットスイート スイートサクセス)の強み
NetSuite Suitesuccessは、業界をリードする統合業務システムで、企業の成長や変化への迅速な対応を支援する強力なソリューションです。最新の顧客エンゲージメントモデルやビジネス最適化手法を活用し、クラウド環境での運用を前提として設計されています。
その結果、企業は従来のシステム導入プロセスよりも大幅に効率的かつコスト効果の高い形で、業務全体のデジタル変革を実現することが可能です。
NetSuite Suitesuccessの特筆すべき点は、導入期間の短縮です。従来のERP導入では、計画から運用開始までに数ヶ月から数年を要することが一般的でしたが、Suitesuccessは標準化された業務プロセスとテンプレートを活用することで、短期間での導入が可能です。
さらに、導入期間の短縮により、プロジェクトにかかるコストが削減される点も大きな魅力です。初期投資を抑えつつ、高機能なシステムを迅速に運用開始できるため、総コストを最小限に抑えながら最大の効果を引き出すことができます。
NetSuite Suitesuccessは、業界トップクラスの技術とノウハウを凝縮したソリューションであり、迅速かつコスト効果の高い導入を目指す企業に最適な選択肢です。
NetSuite SuiteSuccess(ネットスイート スイートサクセス)の価格
NetSuiteの価格につきまして、NetSuite SuiteSuccessを10ユーザーで利用した場合の目安の価格は月額20万円~になります。価格についての最新情報などの詳細はお問い合わせください。
Oracle NetSuite導入・運用支援サービスのお問い合わせ
NetSuiteはさまざまな機能を持つ統合プラットフォームとして提供されています。様々な製品を組み合わせた場合や既存のオンプレミス型ERP、そして競合他社のクラウドERPに対しても費用対効果のある製品といえます。
現在、NetSuiteの導入で展開されている「SuiteSuccess」は、Oracleの長年のERP知識を活用したベストプラクティスをパッケージ化し、予めプリインストールしたバージョンです。そのため、従来のERPプロジェクトに比べてクイックスタートで運用を開始できます。現在、NetSuiteのプロジェクトの約7割がSuiteSuccessでの導入となっており、営業の説明に対する満足度や構築に対する満足度がSuiteSuccess以前よりも上昇しています。

NetSuiteと従来のERPパッケージとの違い
NetSuiteと従来のERPパッケージには、次のような違いがあります。
データ一元化と優れた連携性
NetSuiteは、全てのモジュールを統合してデータやアプリケーションを一元管理する設計が特徴です。従来の国産ERPでは、CRM、販売管理、会計などの業務領域ごとに個別にモジュールを開発・統合してきたケースが多く、これがシステムの複雑化やデータの断片化につながることもありました。一方、NetSuiteでは、統一されたプラットフォーム上でデータの分析や検索、レポート生成を簡単に行うことができます。この統合設計により、業務プロセスの効率化と迅速な意思決定を支援します。
多言語・他通貨に対応
NetSuiteは、グローバル展開を前提としたクラウドERPとして設計されており、多言語・他通貨対応に優れています。従来の国産ERPでは、多言語対応が画面表示言語の変更程度に限られたり、一部の少数言語・通貨に対応しているのみであったりと、制約がある場合が多く見受けられました。NetSuiteはこれらの制約を排除し、世界中のどの地域でも柔軟に対応可能です。この特性により、国際市場への進出を目指す企業や多国籍企業にとって強力なソリューションとなっています。
バージョンアップが簡便
NetSuiteはクラウド専用に設計されているため、アプリケーションとカスタマイズ領域が明確に分離されています。このアプローチにより、システムのバージョンアップがスムーズに行えるのが特徴です。従来の国産ERPでは、アプリケーション領域に直接変更を加えるケースが多く、バージョンアップ時に多くの検証作業や長時間のシステムダウンタイムが必要となる場合がありました。NetSuiteでは、こうした手間を省き、最新バージョンへの移行が簡単に実現します。
総コストを抑えられる
NetSuiteはSaaS(Software as a Service)モデルに基づき提供されるため、サブスクリプションコストのみが発生します。これにより、以下のような追加コストを抑えることが可能です。
- インフラ環境変更に伴うコスト
- バージョンアップの検証コスト
- サーバー運用や保守のコスト
従来型の国産ERPでは、これらのコストが追加で発生し、総コストが増大することが一般的でした。NetSuiteではこれらの負担が不要なため、ERPシステム全体の運用コストを大幅に削減できます。特に、中小企業やコスト効率を重視する企業にとっては大きな利点となります。
NetSuite(ネットスイート)の運用・設定代行会社の料金
NetSuite運用・設定代行会社の料金は、会社によって異なります。株式会社ベンチャーネットでは、以下の3パターンから料金形態を選ぶことができます。
- チケット制サービス
- 月額制サービス
- 都度お見積り
チケット制サービスは、あらかじめチケットをご購入いただき、作業のご依頼に応じてチケットが消化される形態のサービスです。月額制サービスは、月額定額制で各種運用や設定を承ります。都度見積もりは、ご依頼に応じて都度お見積りさせていただき、ご発注いただく形です。
お客様のニーズに応じて、最適な契約形態を提案させていただきます。

NetSuite導入を行う際のベンチャーネットの7ステップ
このような考えのもと、お客様の伴走を行うことで、NetSuiteを組織に定着させ、本来のITの力を発揮し、組織のDXに貢献できると考えています。弊社の考え方と価値観が合うお客様に貢献できるよう、弊社は技術を磨き続けます。
ただし、すべてのお客様に通用するとも考えておりません。このような考え方ではとても導入できない、大規模のお客様ももちろん多くいらっしゃいます。そのようなケースは、弊社でなく、大きいSIerと一緒にやるべきと考えます。
NetSuite(ネットスイート)の導入事例
NetSuiteの導入事例を参考に、自社が導入するメリットを確認することが大切です。NetSuiteの導入事例を3つ紹介します。
株式会社タナベコンサルティンググループ:リード獲得数を約30%増加
株式会社タナベコンサルティンググループは、幅広い業界の企業戦略の立案やデジタル変革を実現してきた日本の経営コンサルティング会社です。
課題
販売管理システムをオンプレミスのオフィスコンピューターで利用していましたが、管理には専門スタッフが必要なうえに、会計ソフトやクラウドCRMなどとのシステムが統合されていませんでした。そのため、システムの管理・維持に全国10拠点50名規模のサポート担当の配置が必要でした。
結果
9つに分散していたシステムをNetSuiteで一元化。その結果、全国10拠点においてNetSuiteとCRM、SFAの利用により約30%のコストダウンに成功しました。さらに、サポート部門の従業員20名をCRM部門に配置転換したことでコア業務が増加し、リード獲得数の約30%の増加にも成功しました。
出典:ORACLE NETSUITE「タナベコンサルティンググループが9つに分散していた基幹系システムをNetSuiteで一本化 業務効率性の向上とコスト削減を実現」
ベッコフオートメーション株式会社:経営指標の可視化により成長が加速
ベッコフオートメーション株式会社は、PCベースのオープンなFA制御システムを開発・提供している会社です。ドイツ政府が主導するモノづくりの戦略的プロジェクト「インダストリー4.0」に参画しています。
課題
日本法人はドイツ製の製品販売業務が中心となるため、会計システムと営業支援システムの導入を検討していました。しかし、複数のサービスを使い分けるにはコストと労力がかかります。また、データ連係にもコストや労力がかかることを懸念していました。そこで同社が注目したのがNetSuiteによる業務システムの一元化です。
結果
NetSuiteで経営の可視化に取り組んだ結果、企業の成長に繋がったと述べています。また、営業活動の可視化により、マーケティング関連数値と組み合わせたパイプライン分析を実施。展示会や広告などの予算に対して得られたセールスリード数や営業実績をチャートにして分析した結果、とても興味深い数値が得られたと語っています。
出典:ORACLE NETSUITE「産業革命「インダストリー 4.0」を牽引する先進企業が選んだNetSuite」
株式会社ディー・エヌ・エー:約2,000名の社員をリアルタイムで把握
株式会社ディー・エヌ・エーは、eコマースやスマートフォン用ゲームなどを中心に幅広く事業を展開する会社です。
課題
グローバルNo.1企業を目指す同社は、スピード感を持って経営や業務を推進できる環境の構築を目指していました。従業員ごとのアクセス権やグローバルでの人事異動については個別のツールで管理していましたが、迅速な把握が困難でした。
結果
同社はNetSuite OneWorldの人事管理システムを導入したことで、約2,000名のグローバル従業員をリアルタイムで把握できるようになりました。さらに、人事異動に伴うアクセス権の変更も迅速に行えるようになり、セキュリティ体制やコンプライアンスの強化に繋がったと述べています。
さらに、人事データをもとにした原価計算、自社開発ソフトウェアの原価の自動算出なども可能になり、経営に非常に大きな助けとなったそうです。
出典:ORACLE NETSUITE「グローバルNo.1のモバイルインターネットカンパニーを目指す DeNAグループが選んだクラウドベースの業務基盤」
株式会社キュリエ:新規事業と既存事業を横断した“攻めの経営基盤”を構築
株式会社キュリエは、プリンター用の互換インク・トナーなどのオフィスサプライの輸入・卸売を主軸に、ECを中心とした販売チャネルを拡大してきた企業です。
近年は楽天市場やAmazonなどのモール出店でも実績を重ね、楽天ショップ・オブ・ザ・イヤーを複数回受賞するなど、高い評価を得ています。
同社はさらなる成長を見据え、2024年より新規事業「スマラピ」を立ち上げ、新たな市場開拓と顧客獲得を本格化させています。
課題
新規事業の立ち上げと事業拡大が進む一方で、社内の業務データは販売管理、在庫管理、経理、Excelなど複数のシステムやツールに分散していました。
そのため、経営数値の把握に時間がかかり、リアルタイムでの意思決定が難しい状況にありました。
特に、既存事業と新規事業で管理方法が異なり、事業別の利益構造や在庫状況を横断的に把握できない点が課題となっていました。
将来的なIPOも視野に入れる中で、属人的な管理から脱却し、全社で統一された経営基盤の整備が求められていました。
結果
同社はクラウドERPである NetSuite を導入し、販売・在庫・会計といった基幹業務データを一元管理する体制を構築しました。
これにより、経営数値をリアルタイムで可視化できるようになり、迅速な意思決定が可能となりました。
在庫管理の自動化によって適正在庫を維持できるようになったほか、SKU単位での分析も実現し、売れ筋商品の把握や販売戦略の精度向上につながっています。
また、NetSuiteを営業・マーケティング領域にも活用することで、リード管理や商談管理を効率化。
展示会などで発生していた多くの手作業を削減し、業務負担の大幅な軽減を実現しました。
新規事業「スマラピ」においても、売上予測や在庫管理の精度が向上し、市場動向に応じた柔軟な戦略変更が可能となっています。
同社は今後、NetSuiteを基盤とした管理会計やKPI分析をさらに強化し、持続的な成長とIPOの実現を目指しています。

株式会社アペックス:27年間利用してきたSAP R/3から脱却し、基幹システムをOracle NetSuiteで全面刷新
株式会社アペックスは、1963年の創業以来、コーヒーをはじめとするカップ式自動販売機オペレーターの先駆者として事業を展開してきた企業です。
飲料の商品開発から原料選定、自動販売機の開発・管理運営までを一貫して手がけ、長年にわたり高い支持を得てきました。
同社は1998年より基幹システムとしてSAP R/3を利用してきましたが、SAP社による保守サポート終了(いわゆる「2025年問題」)を契機に、基幹システムの全面刷新を決断しました。
課題
SAP R/3は日々の業務を支える基幹システムとして機能していた一方で、長年の運用によって紙帳票を前提とした複雑な業務プロセスが定着していました。
その結果、業務の属人化や非効率な手作業が多く残り、将来的なデジタル活用やAI活用を見据えた拡張が難しい状況にありました。
また、SAP S/4 HANAへの移行も検討しましたが、過剰な機能や高額なコスト負担に加え、既存の複雑なアドオンや業務プロセスをそのまま引き継いでしまう懸念がありました。
そこで同社は、既存環境に縛られないゼロベースでのERP選定に踏み切りました。
結果
複数のERP製品を比較検討した結果、同社はクラウドネイティブERPである Oracle NetSuite を採用しました。
NetSuiteの導入により、販売・購買・在庫・会計といった基幹業務を一元管理できる体制を構築しています。
帳票業務では電子化と自動化を進め、請求書や支払明細書の送付にかかる外部コストを約73%、内部作業コストを約80%削減しました。
また、月次決算における分析時間も大幅に短縮され、ドリルダウン機能を活用した迅速な財務分析が可能になっています。
さらに、統合マスター管理によって、仕入先・在庫・価格情報を1画面で把握できるようになり、業務効率とデータ精度が大きく向上しました。
同社は今後、NetSuiteに蓄積されたデータをAIと連携させ、データドリブン経営をさらに加速させていく方針です。

株式会社南海エクスプレス:クラウドERP NetSuiteで受発注・在庫管理を刷新し、物流業務の大幅効率化を実現
株式会社南海エクスプレスは、1950年に前身会社が創業して以来、南海電鉄グループの国際物流事業を担ってきた企業です。
現在では物流オペレーションにとどまらず、顧客荷主企業に対して物流関連の情報システム提案や運営支援までを行っています。
同社は、輸入食品の販売事業を手掛ける顧客企業の業務改革を支援するため、クラウドERPである Oracle NetSuite を活用し、受発注業務および在庫管理業務の刷新に取り組みました。
課題
顧客企業では、従来オンプレミス型の販売・在庫管理システムを利用していましたが、以下のような課題を抱えていました。
まず本部では、各店舗から寄せられる出荷依頼や欠品連絡を人手で取りまとめ、納期調整や配送依頼を行っており、業務の多くが属人的かつ非効率な状態でした。
店舗側では、物流センターや他店舗の在庫状況がシステム上で確認できず、電話やメールによる在庫確認、Excelでの個別管理が常態化していました。売れ筋商品の発注が集中すると、店舗間での在庫融通や調整作業が頻発し、現場負担が大きくなっていました。
また、南海エクスプレス側でも、顧客企業からの配送依頼に対し、物流管理システムでの在庫引当やデータ登録を手作業で行っており、取扱商品やトランザクションの増加に伴い、将来的な運用限界が見えていました。
結果
既存の物流管理システムを NetSuite に移行したことで、受発注・在庫・配送に関わる情報が一元管理され、本部・店舗・物流センター間でリアルタイムに共有できる体制が構築されました。
顧客企業の本部では、店舗からの注文を直接システムで受け付ける運用に切り替えたことで、従来行っていた取りまとめ業務が不要となり、大幅な業務削減を実現しています。
店舗側では、自店舗だけでなく他店舗や物流センターの在庫状況をNetSuite上で確認できるようになり、欠品や在庫調整のための電話・メール対応が解消されました。その結果、現場の負担軽減と販売機会損失の抑制につながっています。
南海エクスプレスにおいても、発注データや在庫移動情報をAPI連携によって自動化したことで、手作業による引当処理やデータ登録が不要となり、業務効率と正確性が大きく向上しました。
さらに、海外からの仕入れや賞味期限管理にも対応できる在庫管理体制が整い、将来的な取引量増加にも耐えうる基盤が構築されています。

2025年10月8日「NetSuite Next」を発表
Oracle NetSuiteは2025年10月8日、AIクラウドERPの新世代モデル「NetSuite Next」を正式に発表しました。NetSuite Nextは、コラボレーションを重視し、インサイトをもたらし、柔軟かつ信頼性の高い設計で構築された次世代プラットフォームです。対話型AIやエージェント型ワークフロー、自然言語による検索機能など、実用的なAI機能が組み込まれており、反復的・複雑な業務を自動的に処理することで、企業がより直感的かつ迅速に成果を上げられるよう支援します。
NetSuite Nextは今後12か月以内に北米市場で提供開始予定です。NetSuiteは今後も、AIを活用した統合ビジネスシステムとして、企業の迅速で効率的な成長を支援していくとしています。
AIによる業務支援とエバン・ゴールドバーグ氏のコメント
Oracle NetSuite創業者兼EVPのエバン・ゴールドバーグ氏は、「NetSuite NextはAIを企業の業務に自然に統合し、AIの力をビジネスへ活用できるようにするものです」と述べています。ユーザーは自社の業務パターンを明らかにし、自分の言葉でNetSuiteと対話しながら、即座に価値ある回答やアクションを得ることができます。
自然言語アシスタント「Ask Oracle」の導入
NetSuite Nextの中核となるのは、自然言語アシスタント「Ask Oracle」です。ユーザーは自分の言葉でERP全体のデータを検索・分析・操作でき、背景や理由までを含めた説明や可視化を通じて、より深い理解と意思決定を可能にします。また、SuiteCloud PlatformやSuiteCloud Developer Networkとの連携により、シームレスでコンテキストに沿ったインサイトが得られる点も特徴です。
NetSuite Nextの中心には「Ask Oracle」と呼ばれる自然言語アシスタントが搭載されています。これにより、ユーザーはERP全体のデータを「自分の言葉」で検索・分析・操作できます。
主な特長
- データの探索、実行、分析を自然言語で操作可能
- コンテキストに応じた可視化と対話型コンテンツを提供
- SuiteCloud Platformやパートナーアプリとも連携し、カスタマイズにも対応
- “なぜ(Why)”“どのように(How)”まで説明する透明性の高い回答を提示
既存環境からのスムーズな移行と信頼性の高い基盤
既存のカスタマイズやデータ移行を中断することなく、ワンクリックでNetSuite Nextへ切り替えることが可能です。Oracle Cloud Infrastructure(OCI)を基盤とし、統合データモデルや監査可能なAI、最新のRedwood Design Systemを組み合わせることで、業務の信頼性と透明性を確保しています。さらに、問題発生前に機会やリスクを特定し、ユーザーの役割や状況を理解したうえで自動的に業務を処理し、最終判断は人が行うというバランスを維持します。
従来のNetSuite AIとの機能比較
以下の表は、従来のNetSuite AIと新しいNetSuite Nextの主な違いを示したものです。
| 主な機能 | 従来のNetSuite AI | NetSuite Next |
|---|---|---|
| 予測・異常検出 | 統計分析やパターン認識による機械学習 | 生成AI・エージェント型、LLM(大規模言語モデル)活用 |
| 操作インターフェース | データ分析結果を表示して提案 | 自然言語での対話が可能、検索・分析も対話形式で対応 |
| 実行プロセス | 最終判断や実行は人間が対応 | AIが複雑なタスクを自律的に実行 |
主な新機能
主な機能として、チームでデータを分析・活用できる「AI Canvas」、自動で関連情報や傾向を提示する「ナラティブ・サマリーとインサイト」、AIが複雑な業務を実行する「エージェント型ワークフロー」、請求書や契約書など多様な情報を統合的に処理する「ドキュメント・ナレッジ統合」が挙げられます。
| 機能名 | 概要 |
|---|---|
| AI Canvas | コラボレーション・ワークスペース。データ分析、アイデア出し、エージェント型ワークフローの実行を視覚的に行うことができます。 |
| ナラティブ・サマリーとインサイト | 各種レコードやレポートから相関関係や傾向を自動抽出し、ユーザーにとって意味のある気づきを提供します。 |
| エージェント型ワークフロー | 支払提案、ベンダー選定、照合、サプライチェーン運用などの複雑な業務をAIが主導で自動化し、承認プロセスとの連携も可能です。 |
| ドキュメント・ナレッジ統合 | 契約書・請求書・マニュアル・PDFなどの多様な情報からAIが必要な知識を抽出・検証し、業務プロセスの精度と効率を向上させます。 |
NetSuite(ネットスイート)に関するよくある質問
NetSuiteの利用に必要な環境は?
NetSuiteはクラウドで提供されているサービスですので、従来のERPで不可欠であった専用ソフトやサーバーなどは不要です。インターネット接続環境とWebブラウザだけで利用できます。また、利用できるデバイスは、PCやスマホ、タブレットで利用できますので、取引先との商談前後に顧客情報を確認したり、登録・更新することも可能です。
導入は難しいですか?
NetSuiteはSuiteSuccessと呼ばれる導入パッケージを提供しているため、従来型のERPに比べて少ない負荷で導入を進めることが可能です。
ただ、NetSuiteは非常に多くの機能を提供しており、その中から自社に合った形で導入計画を立て、構築し運用していくことで真価を発揮することができます。そのため、NetSuiteの導入支援の経験がある、信頼できる企業に任せることがおすすめです。

NetSuiteは使いにくいと聞きますが、本当でしょうか?
これはNetSuiteに限ったことではありませんが、ERPを始めとする大規模基幹システムの使用感は、導入パートナーによって大きく変わってきます。特に、営業やデモは丁寧であるのに契約後のサポートが不十分な場合、どうしてもサービスに対して敷居を高く感じてしまいます。そのため、NetSuiteの導入・運用にあたっては、信頼できるパートナーを探すことも重要になります。
また、「お客様の業務要件をそのままNetSuiteで実現する」という考えだと、従来のオンプレミス型であればある程度は実現可能ですが、SaaS型の場合は本来の強みを発揮できません。そのため、「世界標準で設計されたNetSuiteの業務フローに自社を合わせていく」という考えにある程度基づいて、まずはスモールスタートで定着させていき、標準機能、標準バンドル+最小限のアジャイル開発によってNetSuiteをカスタマイズしていきながら、業務範囲を広げていくことをおすすめしています。
特に会計の機能については、日々の入力業務はNetSuiteではなく、会計特化のサービスを利用していただき、月次などでNetSuiteにデータを投入してもらうことをおすすめしています。
また、AI技術を活用することで使いやすくすることが可能です。たとえば、ChatGPT、Power Automate Desktop、PowerApps、Slackなどを用いることで、UIをより人間のコミュニケーションに近い形にし、現場に負荷をかけずにデータを基幹に集めることができます。ベンチャーネットでは、このようなアプローチを推奨しております。
以下は、具体的な活用方法の例です。
| ツール | 活用方法 | 具体例 | 効果 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | 質問応答サポート | ユーザーが「新しい顧客を追加する方法を教えて」と質問すると、具体的な手順を提供 | 操作の簡素化 |
| ワークフローのガイド | 日常業務のワークフローをガイドし、迷わずに操作できるようにする | 操作の簡素化 | |
| Power Automate Desktop | 業務プロセスの自動化 | 顧客の注文確定時に自動で請求書を生成し、担当者に通知 | 自動化による効率化 |
| 通知とアラートの自動化 | 特定の条件で通知やアラートを自動発生 | 自動化による効率化 | |
| PowerApps | カスタムダッシュボードの作成 | 営業チーム向けの訪問先顧客情報アクセス用モバイルアプリ | カスタマイズによる使いやすさの向上 |
| モバイルアプリの導入 | フィールドワーカー向けにリアルタイムでデータ利用可能なアプリを構築 | カスタマイズによる使いやすさの向上 | |
| Slack | リアルタイム通知 | 新しい顧客が追加された際に営業チームに自動通知 | 効率的な通知 |
| コラボレーションの強化 | Slack上での承認フローや情報共有をNetSuiteと連携 | 効率的な通知 |
AIとの組み合わせに強いとのことですが、具体的にどのようなサポートができますか?
ベンチャーネットは、NetSuiteにおいてAIの活用を推進しております。具体的な取り組み内容の例は下記のとおりです。
| 活用例 | 説明 | 例 | 効果 |
|---|---|---|---|
| GPT-4を使った入金消込の自動化 | 入金消込業務をGPT-4を活用して自動化し、手作業の手間を削減 | 入金情報をGPT-4が自動で照合し、消込処理を行う | 作業効率の向上、ヒューマンエラーの減少 |
| GPT-4のDeep Searchを使った社内マニュアルの検索 | 複雑な検索クエリに対して、より関連性が高く包括的な回答を提供する仕組み | 社員が質問すると、GPT-4が関連するマニュアル内容を即座に提示 | 情報検索の効率化、業務の迅速化 |
| Microsoft DataverseとMicrosoft Copilot Studioでの生産性向上 | 組織全体の生産性を向上させるための仕組みを構築 | データ管理と分析を統合し、業務プロセスを最適化 | 生産性の向上、データの有効活用 |
| Microsoft Copilotによる日常業務の効率化と自動化 | CopilotとPAD、PAを組み合わせて繰り返し行われる作業を自動化 | 日常的な報告書作成をCopilotが自動で行う | 日常業務の効率化、作業時間の短縮 |
| SlackとAzure OpenAI Serviceの連携 | UIを変えずにAIを定着させる仕組みの提供 | Slack上で質問すると、Azure OpenAI Serviceが回答を提供 | 既存のUIを維持しつつ、AIの導入効果を享受 |
お客様のご状況やご要望を踏まえ、ベストな提案をいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
自社や、自社のお客様にNetSuiteを導入するにあたってサポートをお願いできますか?
もちろん可能です。SuiteSuccessを用いた初期導入パッケージや、タイマテ形式での伴走サービス、都度見積もりによる個別開発など、お客様のニーズに応じて最適な形式でサポートさせていただきます。

NetSuiteのログイン方法を教えてください
①公式サイトにアクセスした後、右上の「Log in」をクリックします。

②メールアドレスとパスワードを入力し、「Log in」をクリックします。

③NetSuiteの初回ログイン時に、3つの質問と答えを設定します。(答えを必ず覚えておいてください)次回以降、新規環境でログインする際には追加認証として質問のうちの一つが表示されるので、回答します。

もし、パスワードや質問を忘れてしまった場合は、管理者権限でパスワードをリセットする必要がありますので、NetSuiteの管理者にお問い合わせください。管理者自身がパスワードを忘れた場合や、何らかの理由で管理者権限でもパスワードを解除できない場合は、サポートに問い合わせる必要があります。

中堅中小企業にNetSuiteは向いていますか
はい、向いています。NetSuiteは、中堅中小企業の経営のDXを一気通貫で実現することができます。あらゆる業種や業態に対応するNetSuiteは、業務効率化を飛躍的に改善できます。会社の売上や経費、在庫、顧客情報などの情報を簡単かつリアルタイムに可視化できます。NetSuiteを基盤とすることで、DX時代のデジタル技術を活用した新規ビジネスを推進することが可能になります。

まとめ
NetSuiteは、顧客管理や会計データの管理、在庫管理など、企業の経営に必要なあらゆる情報を一元管理できるクラウド型ERPです。ただ導入するだけではメリットを十分に活かすことができないため、導入会社のサポートを受けて、自社に合った形で構築する必要があります。 株式会社ベンチャーネットのNetSuiteの導入支援・保守については、以下をご覧ください。

