「ERPの導入を検討しはじめたが、何から手をつければよいか分からない」
そんな経営者・一人情シスの方に向けて、本記事ではクラウドERP「NetSuite」の基礎知識を整理してお届けします。
この記事を読むと、次のことが分かります。
- NetSuiteとは何か(基本定義と特徴)
- NetSuiteで何ができるか(主要機能とメリット)
- 自社に向いているかどうかの見極め方
- 導入で失敗しないための注意点
ベンチャーネットは、Oracle NetSuiteの導入支援パートナーとして、中堅・中小企業のERP導入を支援しています。本記事は、私たちが現場で見てきた実例と、Oracle・NetSuiteの公式情報をもとに構成しました。

NetSuiteとは(基本定義)
NetSuiteは、Oracle社が提供するクラウド型ERPです。会計・販売・在庫・人事など、企業のあらゆる業務を1つのシステムに統合できます。
世界初の本格的なクラウドERPとして1998年にサービスを開始し、現在は世界217地域・41,000社以上で利用されています。

ERP(基幹業務システム)とは
ERPとは「Enterprise Resource Planning(企業資源計画)」の略です。
会計・販売・在庫・人事といった、企業の基幹業務を1つのシステムにまとめて管理する仕組みのことを指します。
部門ごとにバラバラのシステムを使っている場合、データの突合に時間がかかります。月次決算が遅れる、在庫情報がリアルタイムに見えない、といった問題が起きやすくなります。
ERPはこれらを統合し、全社のデータを一元管理することで、経営判断のスピードを上げます。
NetSuiteの3つの特徴
NetSuiteには、他のERPにはない3つの特徴があります。
特徴①:真のクラウドERP
NetSuiteは設計思想からクラウドネイティブで作られています。サーバーの構築や保守は不要で、ブラウザがあればどこからでも利用できます。

特徴②:統合型のオールインワン
会計・ERP・CRM・EC・人事など、企業活動に必要な機能を1つのプラットフォームで提供します。複数のシステムを連携させる手間がかかりません。

特徴③:グローバル対応
190通貨・27言語・217地域に対応しており、海外展開を視野に入れる企業にも適しています。Oracle社が2016年にNetSuiteを買収して以降、機能拡張も継続的に行われており、近年は生成AIを活用した経営革新への取り組みも進んでいます。

なぜいま中堅・中小企業にNetSuiteが選ばれるのか
近年、中堅・中小企業の経営者からNetSuiteへの問い合わせが急増しています。背景には、レガシーシステムの限界とDX推進の必要性があります。
「2025年の崖」とレガシーシステムの限界
経済産業省は数年前から「2025年の崖」という言葉で、レガシーシステムの問題を警告してきました。
老朽化したシステムを使い続けることで、データ活用の機会を失い、競争力を落としてしまうという問題です。
実際、ベンチャーネットへのご相談でも、20年以上前のシステムを使い続けて、保守ベンダーが撤退した、後任のエンジニアが採用できない、という悩みをよく耳にします。
中堅・中小企業がDXに取り組むべき理由
DXは、大企業だけの課題ではありません。
中堅・中小企業こそ、限られた人員でいかに業務を回すかが経営課題に直結します。データの一元化と業務の自動化は、今後の人材不足時代に備える必須の取り組みです。
NetSuiteは、初期投資を抑えながらERPを導入できるため、中堅・中小企業の選択肢として現実的です。具体的な業務改善の進め方については、別記事でも詳しく解説しています。
「真のクラウドERP」と「名ばかりクラウド」の違い
「クラウドERP」と一口に言っても、その中身は大きく2種類に分かれます。
| 観点 | 真のクラウドERP(NetSuite等) | 名ばかりクラウド(オンプレ製品のホスティング) |
|---|---|---|
| 設計思想 | クラウドネイティブ | オンプレ前提を後からクラウドに載せ替え |
| アップデート | 自動・無償・年2回 | 個別対応・有償・任意 |
| マルチテナント | 対応(共通基盤を多くの企業で利用) | 専用環境を構築 |
| 拡張性 | 標準機能の継続的な追加 | カスタマイズに依存 |
NetSuiteは前者の「真のクラウドERP」に該当します。導入後もアップデートが自動で行われ、常に最新機能が使える点が大きなメリットです。
NetSuiteの主要機能
NetSuiteは、企業活動に必要な機能を1つのプラットフォームで提供する統合型ERPです。
主要機能は次の通りです。
| 機能領域 | 主な内容 |
|---|---|
| 会計・財務管理 | 仕訳・元帳・債権債務・財務レポート |
| ERP | 調達・在庫・生産・サプライチェーン |
| CRM | 顧客管理・営業支援・マーケティング |
| EC(SuiteCommerce) | 自社ECサイト構築・運営 |
| プロジェクト管理 | プロジェクト原価管理・工数管理 |
| 人事(SuitePeople) | 人事情報・給与・タレント管理 |
会計・財務管理
NetSuiteの中核機能は、会計・財務管理です。
仕訳から月次・年次決算、財務レポートまで、財務に関するすべての業務をカバーします。
複数拠点・複数通貨にも対応しているため、グローバル展開している企業でも統一された会計基盤を構築できます。
ERP(調達・在庫・生産)
調達から在庫管理、生産計画まで、モノの流れを統合管理します。
リアルタイムの在庫状況を把握できるため、欠品や過剰在庫のリスクを抑えられます。
NetSuiteで販売管理・在庫管理・購買管理を行うためのポイントについて、別記事でも詳しく解説しています。
CRM(顧客管理・営業支援)
顧客情報・案件情報・営業活動を一元管理します。
ERPとの連携により、見積もり〜受注〜納品〜請求の一連のフローをシームレスにつなぐことができます。
NetSuiteのCRM機能については、別記事で詳しく解説しています。
EC・プロジェクト管理・人事
NetSuiteには、SuiteCommerce(EC)、プロジェクト管理、SuitePeople(人事)など、企業活動に必要な機能が幅広く揃っています。
業種や業態に応じて、必要な機能を組み合わせて利用できます。

「最初から全機能を使う必要はない」というメッセージ
これだけ多くの機能があると、「全部使いこなせるだろうか」と不安に思うかもしれません。
ご安心ください。NetSuiteは、必要な機能から段階的に導入できます。
ベンチャーネットでも、まずは会計または販売管理から始めて、半年〜1年単位で機能を追加していくスモールスタートをおすすめしています。

NetSuite導入のメリット
NetSuiteを導入することで、経営にどのようなメリットがあるのか。代表的なものを3つご紹介します。
リアルタイムでの経営状況把握
NetSuiteは、すべての業務データを1つのデータベースで管理します。
そのため、売上・在庫・キャッシュフロー・原価などの経営情報を、リアルタイムで把握できます。
月次決算を待たずに経営判断ができるため、変化の速い市場環境でも素早く意思決定できます。

業務プロセスの自動化と効率化
承認フロー・帳票発行・データ連携など、定型業務を自動化できます。
人手作業によるミスを削減し、現場の負担も軽くなります。
浮いた時間を、より付加価値の高い業務に振り向けることができます。
グローバル展開への対応力
NetSuiteは190通貨・27言語・217地域に対応しています。
海外子会社の会計・業務管理も同じシステムで統一できるため、グローバル経営の見える化が一気に進みます。
将来的に海外展開を検討している企業にとって、長期的な投資価値が高いと言えます。
NetSuite導入のデメリット・注意点
メリットだけでなく、デメリットも正直にお伝えします。
NetSuiteは強力なツールですが、すべての企業に最適とは限りません。事前に知っておくべき注意点を3つご紹介します。
日本特有の会計要件への対応
NetSuiteはグローバル製品のため、日本特有の会計要件(消費税の特殊計算、源泉徴収、IFRSと日本基準の違いなど)には、追加の設定や運用上の工夫が必要です。
ベンチャーネットでも、日本企業向けの導入では、こうした要件への対応をプロジェクト初期に必ず検討事項として組み込んでいます。詳細はNetSuiteで財務会計を行う前に確認すべきことで解説しています。
「世界標準」を採用する覚悟が必要
NetSuiteは世界標準の業務プロセスを前提に設計されたSaaSです。
「現行の業務フローをそのまま再現したい」という発想で導入すると、過剰なカスタマイズが必要になり、コストもリスクも跳ね上がります。
「世界標準に自社を合わせる」という覚悟が、導入成功のカギになります。
ライセンスコストと運用体制
NetSuiteのライセンスはミニマム月額20万円〜が目安です(構成・ユーザー数による)。
加えて、導入支援パートナーへの費用、社内の運用担当者の確保も必要です。
予算と体制が整わない段階で導入を決めると、運用フェーズで苦労する可能性があります。
ベンチャーネットでは、まずヒアリングを通じて「いま導入すべきか」「もう少し準備期間を置くべきか」を一緒に考えるようにしています。合わないと判断したら、その旨を正直にお伝えします。
NetSuiteが向いている企業・慎重に検討すべき企業
NetSuiteは万能ツールではありません。相性の良い企業とそうでない企業があります。
ここでは、ベンチャーネットの支援経験から見えてきた適合度をお伝えします。
NetSuiteが向いている企業の特徴
NetSuiteと特に相性が良いのは、次の2タイプの企業です。
①「モノの管理」が中心課題の企業
販売管理・在庫管理が経営課題の中心にある企業。
例えば、複数拠点で在庫を抱える商社、生産計画と在庫の連動が複雑な製造業など。NetSuiteの統合管理機能が真価を発揮します。
②「ヒトの管理」が中心課題の企業
プロジェクト型のビジネスモデルで、工数・原価管理が経営課題の中心にある企業。
ITサービス業、コンサルティング業、建設業などが該当します。プロジェクト原価管理の機能が強力です。
慎重に検討すべき企業の特徴
一方で、次のような企業は慎重な検討が必要です。
「まずは財務会計を完璧にしたい」企業
日本特有の会計要件への対応にハードルがあるため、財務会計の完璧さを最優先するなら、別のアプローチが現実的なこともあります。
ベンチャーネットでは、こうした企業には財務会計はフェーズ2以降に回すことをおすすめしています。最初は「モノ」または「ヒト」の管理から導入し、運用が安定してから財務に手を広げていくのが王道です。
現行業務を一切変えたくない企業
NetSuiteは標準機能を前提に設計されたSaaSです。「既存の業務フローを完全再現したい」というニーズが強い場合、過剰なカスタマイズが必要となり、SaaSの強みを失ってしまいます。
適合度マトリクス
| 企業タイプ | NetSuite適合度 | 推奨アプローチ |
|---|---|---|
| 商社・卸売業(在庫管理が課題) | ◎ | 販売・在庫管理から導入 |
| 製造業(生産・在庫連動が課題) | ◎ | ERPモジュールを中心に導入 |
| ITサービス・コンサル業 | ◎ | プロジェクト管理から導入 |
| EC事業者 | ○ | SuiteCommerce含めた統合運用 |
| 海外展開中の企業 | ◎ | OneWorldで統一運用 |
| 財務会計の完璧さを最優先 | △ | フェーズ2以降に財務を回す設計 |
| 現行業務を一切変えたくない | △ | 業務見直しの覚悟が前提 |

導入の落とし穴 — ベンチャーネットが現場で見てきた失敗パターン
NetSuiteは強力なツールですが、導入アプローチを誤ると本来の価値を発揮できません。
ここでは、ベンチャーネットがこれまで多くの導入現場で見てきた失敗パターンを、4つの根本原因と1つの心構えに整理してお伝えします。
これは、NetSuiteを売り込みたいから書くのではなく、お客様に「失敗してほしくない」という思いから書くものです。私たちは、お客様との対等な関係を大切にしています。失敗のリスクを正直にお伝えし、一緒に乗り越える伴走者でありたい。そんな思いで、現場の知見を共有させていただきます。
原因①:目的が曖昧なまま進めてしまう
症状
「業務効率化のため」「DX推進のため」といった漠然とした目的だけで、ERP導入を進めてしまうケースです。
なぜ失敗するか
目的に具体性が欠けていると、本当に必要な機能を見極められません。
ベンダーの提案を丸ごと受け入れてしまい、使わない機能に多額の投資をしてしまう結果になります。
どう回避するか
「在庫回転率を1.5倍にする」「月次決算を5営業日短縮する」のような、具体的で測定可能な目標を最初に決めましょう。
ERP導入はあくまでも「手段」です。経営や事業にどんなインパクトを与えたいのかを、最初の段階で言語化することが何より大切です。
原因②:「現行踏襲」でブラックボックスをそのまま移植してしまう
症状
「今の業務を変えたくない」「現状の業務フローをNetSuiteで再現したい」という要望が強いケースです。
なぜ失敗するか
非効率なロジックや属人的な運用を、そのまま新システムに持ち込んでしまいます。
さらに深刻なのは、現行システムの仕様書やドキュメントが残っていないケースです。「なぜこの機能が必要なのか」を誰も説明できないまま、「とにかく今と同じ動きを」とカスタマイズを重ねていく。結果、新システムは前よりも複雑で使いにくいものになります。
これは「ブラックボックスの再生産」です。真の業務課題はそのまま残り、どこかで成長は止まってしまいます。
どう回避するか
このタイミングで「本当に必要な業務」と「惰性で続けている業務」を仕分けることが重要です。
実データと現場ヒアリングの突合によって、業務に必要なロジックを導き出します。「業務の廃棄」を進めるという発想が、リプレイスを成功に導きます。
原因③:アドオン開発で独自機能を作りすぎてしまう
症状
「うちは特殊だから」を理由に、標準機能を使わずカスタマイズを重ねてしまうケースです。
なぜ失敗するか
日本企業には伝統的に「業務にシステムを合わせる」考え方が根強くあります。
確かに業務への適合度は上がりますが、拡張性や柔軟性は失われます。年月を経るごとに、不具合が頻発し、改修も困難になります。
どう回避するか
近年は 「Fit to Standard」「クリーンコア」 という考え方が注目されています。
- Fit to Standard:業務をパッケージの標準機能に合わせる発想
- クリーンコア:ERP本体のカスタマイズや追加開発を最小限に抑える設計思想
業界標準の業務プロセスと自社業務を比較し、「本当に特殊な部分」と「変えられる部分」を切り分けてください。標準機能でカバーできる範囲を先に確定させ、カスタマイズは最小限に絞る。この順序を守ることで、最小のコストで使いやすいERPが構築できます。
この切り分け作業については、NetSuite導入時に必ず行うべき「Fit&Gap分析」の重要性でも詳しく解説しています。
原因④:導入後の「定着」を軽視してしまう
症状
「本番稼働日」をゴールとして設定し、その後の定着フェーズに予算もリソースも割かないケースです。
なぜ失敗するか
ERPの真のゴールは「本番稼働日」ではなく、「システムが現場に定着し、正常に業務が回り始めた日」です。
社員教育や業務効率化、組織の見直しといった「定着化」を行わないまま強引にカットオーバーを迎えると、ERP自体が「浮いた存在」になります。
「新システムは使いにくい」「前のやり方のほうが早い」という声が上がり、Excel併用などのアナログな手法に逆戻りするケースが後を絶ちません。
どう回避するか
本番稼働後3〜6ヶ月の計画を、プロジェクト開始時点から組み込んでおきましょう。
具体的には、操作研修の実施、マニュアル・FAQの整備、運用ルールの明文化、定着度のモニタリング。これらを「定着フェーズ」として明確に位置づけます。
定着フェーズの具体的な進め方については、NetSuiteの運用支援・保守・サポートのポイントで詳しく解説しています。
心構え:ERPは「ITプロジェクト」ではなく「経営プロジェクト」
ここまでお伝えした4つの原因に共通するのは、ある一つの認識のズレです。
それは、ERP導入を「ITプロジェクト」として扱ってしまうことです。
NetSuite導入は、単なるシステム入れ替えではありません。業務プロセスを見直し、部門間の壁を取り払い、会社の情報を一本につなぐ取り組みです。
だからこそ、経営層の関与は欠かせません。
- プロジェクトマネージャーの設置
- 経営層がプロジェクトオーナーとして関与
- 社内リソースの確保
これらは「コスト」ではなく「投資」です。
経営者自身が「なぜ導入するのか」を語れる状態であること。それが、成功への近道です。
ベンチャーネットからの提案:「完璧より、まず回す」
最後に、私たちが大切にしている考え方をお伝えします。
それは、「完璧を目指すより、まず回す。動かしながら磨いていく」 という姿勢です。
NetSuiteを導入する企業の中で、特に相性が良いのは次の2タイプの企業です。
- 「モノの管理」が中心課題の企業(販売・在庫管理)
- 「ヒトの管理」が中心課題の企業(プロジェクト管理)
一方で、「まずは財務会計を完璧にしたい」という場合は、慎重な検討が必要です。日本特有の会計要件にはハードルがあり、私たちは多くのプロジェクトで 財務はフェーズ2以降に回す ことをおすすめしています。
焦らなくていいのです。
まずは、自社の経営課題が「モノ」なのか「ヒト」なのか、それとも別のボトルネックなのか。そこを整理することから一緒に始めましょう。
導入を成功させるパートナー選びの3視点
NetSuite導入は、パートナー選びでほぼ決まると言っても過言ではありません。
ベンチャーネットも数多くの導入現場で、「パートナー選定を誤ったために再構築になった」という相談を受けてきました。
パートナーを選ぶ際の3つの視点をご紹介します。なお、業界内のパートナー企業を比較したい場合は、NetSuiteおすすめパートナー一覧も参考になります。
NetSuite認定資格を持っているか
Oracleが認定する資格を、コンサルタント本人が保有しているかは重要なチェックポイントです。
「会社として認定されている」だけでなく、「実際に担当するコンサルタントが資格保有者か」を確認してください。
同業界での実装経験があるか
業界によって、業務の特性は大きく異なります。
商社・製造業・ITサービス業など、自社と同業界での実装経験を持つパートナーを選ぶと、業界特有の論点を最初から踏まえた設計が可能です。
導入後も伴走してくれるか
ERPは導入して終わりではありません。法改正、業務変化、組織変更に応じて、継続的な調整が必要です。
「導入後のサポート体制があるか」「困ったときに相談できる関係を作れるか」を、パートナー選定の最終チェックポイントにしてください。
ベンチャーネットは、お客様との対等な関係を大切にしています。NetSuiteを売り込むのではなく、御社の経営課題に本当に役立つ形で導入できるよう、伴走者として支援することを大切にしています。詳細はOracle NetSuite伴走サービスのページをご覧ください。
NetSuite(ネットスイート)の導入事例
NetSuiteの導入事例を参考に、自社が導入するメリットを確認することが大切です。NetSuiteの導入事例を3つ紹介します。
株式会社タナベコンサルティンググループ:リード獲得数を約30%増加
株式会社タナベコンサルティンググループは、幅広い業界の企業戦略の立案やデジタル変革を実現してきた日本の経営コンサルティング会社です。
課題
販売管理システムをオンプレミスのオフィスコンピューターで利用していましたが、管理には専門スタッフが必要なうえに、会計ソフトやクラウドCRMなどとのシステムが統合されていませんでした。そのため、システムの管理・維持に全国10拠点50名規模のサポート担当の配置が必要でした。
結果
9つに分散していたシステムをNetSuiteで一元化。その結果、全国10拠点においてNetSuiteとCRM、SFAの利用により約30%のコストダウンに成功しました。さらに、サポート部門の従業員20名をCRM部門に配置転換したことでコア業務が増加し、リード獲得数の約30%の増加にも成功しました。
出典:ORACLE NETSUITE「タナベコンサルティンググループが9つに分散していた基幹系システムをNetSuiteで一本化 業務効率性の向上とコスト削減を実現」
ベッコフオートメーション株式会社:経営指標の可視化により成長が加速
ベッコフオートメーション株式会社は、PCベースのオープンなFA制御システムを開発・提供している会社です。ドイツ政府が主導するモノづくりの戦略的プロジェクト「インダストリー4.0」に参画しています。
課題
日本法人はドイツ製の製品販売業務が中心となるため、会計システムと営業支援システムの導入を検討していました。しかし、複数のサービスを使い分けるにはコストと労力がかかります。また、データ連係にもコストや労力がかかることを懸念していました。そこで同社が注目したのがNetSuiteによる業務システムの一元化です。
結果
NetSuiteで経営の可視化に取り組んだ結果、企業の成長に繋がったと述べています。また、営業活動の可視化により、マーケティング関連数値と組み合わせたパイプライン分析を実施。展示会や広告などの予算に対して得られたセールスリード数や営業実績をチャートにして分析した結果、とても興味深い数値が得られたと語っています。
出典:ORACLE NETSUITE「産業革命「インダストリー 4.0」を牽引する先進企業が選んだNetSuite」
株式会社ディー・エヌ・エー:約2,000名の社員をリアルタイムで把握
株式会社ディー・エヌ・エーは、eコマースやスマートフォン用ゲームなどを中心に幅広く事業を展開する会社です。
課題
グローバルNo.1企業を目指す同社は、スピード感を持って経営や業務を推進できる環境の構築を目指していました。従業員ごとのアクセス権やグローバルでの人事異動については個別のツールで管理していましたが、迅速な把握が困難でした。
結果
同社はNetSuite OneWorldの人事管理システムを導入したことで、約2,000名のグローバル従業員をリアルタイムで把握できるようになりました。さらに、人事異動に伴うアクセス権の変更も迅速に行えるようになり、セキュリティ体制やコンプライアンスの強化に繋がったと述べています。
さらに、人事データをもとにした原価計算、自社開発ソフトウェアの原価の自動算出なども可能になり、経営に非常に大きな助けとなったそうです。
出典:ORACLE NETSUITE「グローバルNo.1のモバイルインターネットカンパニーを目指す DeNAグループが選んだクラウドベースの業務基盤」
株式会社キュリエ:新規事業と既存事業を横断した“攻めの経営基盤”を構築
株式会社キュリエは、プリンター用の互換インク・トナーなどのオフィスサプライの輸入・卸売を主軸に、ECを中心とした販売チャネルを拡大してきた企業です。
近年は楽天市場やAmazonなどのモール出店でも実績を重ね、楽天ショップ・オブ・ザ・イヤーを複数回受賞するなど、高い評価を得ています。
同社はさらなる成長を見据え、2024年より新規事業「スマラピ」を立ち上げ、新たな市場開拓と顧客獲得を本格化させています。
課題
新規事業の立ち上げと事業拡大が進む一方で、社内の業務データは販売管理、在庫管理、経理、Excelなど複数のシステムやツールに分散していました。
そのため、経営数値の把握に時間がかかり、リアルタイムでの意思決定が難しい状況にありました。
特に、既存事業と新規事業で管理方法が異なり、事業別の利益構造や在庫状況を横断的に把握できない点が課題となっていました。
将来的なIPOも視野に入れる中で、属人的な管理から脱却し、全社で統一された経営基盤の整備が求められていました。
結果
同社はクラウドERPである NetSuite を導入し、販売・在庫・会計といった基幹業務データを一元管理する体制を構築しました。
これにより、経営数値をリアルタイムで可視化できるようになり、迅速な意思決定が可能となりました。
在庫管理の自動化によって適正在庫を維持できるようになったほか、SKU単位での分析も実現し、売れ筋商品の把握や販売戦略の精度向上につながっています。
また、NetSuiteを営業・マーケティング領域にも活用することで、リード管理や商談管理を効率化。
展示会などで発生していた多くの手作業を削減し、業務負担の大幅な軽減を実現しました。
新規事業「スマラピ」においても、売上予測や在庫管理の精度が向上し、市場動向に応じた柔軟な戦略変更が可能となっています。
同社は今後、NetSuiteを基盤とした管理会計やKPI分析をさらに強化し、持続的な成長とIPOの実現を目指しています。

株式会社アペックス:27年間利用してきたSAP R/3から脱却し、基幹システムをOracle NetSuiteで全面刷新
株式会社アペックスは、1963年の創業以来、コーヒーをはじめとするカップ式自動販売機オペレーターの先駆者として事業を展開してきた企業です。
飲料の商品開発から原料選定、自動販売機の開発・管理運営までを一貫して手がけ、長年にわたり高い支持を得てきました。
同社は1998年より基幹システムとしてSAP R/3を利用してきましたが、SAP社による保守サポート終了(いわゆる「2025年問題」)を契機に、基幹システムの全面刷新を決断しました。
課題
SAP R/3は日々の業務を支える基幹システムとして機能していた一方で、長年の運用によって紙帳票を前提とした複雑な業務プロセスが定着していました。
その結果、業務の属人化や非効率な手作業が多く残り、将来的なデジタル活用やAI活用を見据えた拡張が難しい状況にありました。
また、SAP S/4 HANAへの移行も検討しましたが、過剰な機能や高額なコスト負担に加え、既存の複雑なアドオンや業務プロセスをそのまま引き継いでしまう懸念がありました。
そこで同社は、既存環境に縛られないゼロベースでのERP選定に踏み切りました。
結果
複数のERP製品を比較検討した結果、同社はクラウドネイティブERPである Oracle NetSuite を採用しました。
NetSuiteの導入により、販売・購買・在庫・会計といった基幹業務を一元管理できる体制を構築しています。
帳票業務では電子化と自動化を進め、請求書や支払明細書の送付にかかる外部コストを約73%、内部作業コストを約80%削減しました。
また、月次決算における分析時間も大幅に短縮され、ドリルダウン機能を活用した迅速な財務分析が可能になっています。
さらに、統合マスター管理によって、仕入先・在庫・価格情報を1画面で把握できるようになり、業務効率とデータ精度が大きく向上しました。
同社は今後、NetSuiteに蓄積されたデータをAIと連携させ、データドリブン経営をさらに加速させていく方針です。

株式会社南海エクスプレス:クラウドERP NetSuiteで受発注・在庫管理を刷新し、物流業務の大幅効率化を実現
株式会社南海エクスプレスは、1950年に前身会社が創業して以来、南海電鉄グループの国際物流事業を担ってきた企業です。
現在では物流オペレーションにとどまらず、顧客荷主企業に対して物流関連の情報システム提案や運営支援までを行っています。
同社は、輸入食品の販売事業を手掛ける顧客企業の業務改革を支援するため、クラウドERPである Oracle NetSuite を活用し、受発注業務および在庫管理業務の刷新に取り組みました。
課題
顧客企業では、従来オンプレミス型の販売・在庫管理システムを利用していましたが、以下のような課題を抱えていました。
まず本部では、各店舗から寄せられる出荷依頼や欠品連絡を人手で取りまとめ、納期調整や配送依頼を行っており、業務の多くが属人的かつ非効率な状態でした。
店舗側では、物流センターや他店舗の在庫状況がシステム上で確認できず、電話やメールによる在庫確認、Excelでの個別管理が常態化していました。売れ筋商品の発注が集中すると、店舗間での在庫融通や調整作業が頻発し、現場負担が大きくなっていました。
また、南海エクスプレス側でも、顧客企業からの配送依頼に対し、物流管理システムでの在庫引当やデータ登録を手作業で行っており、取扱商品やトランザクションの増加に伴い、将来的な運用限界が見えていました。
結果
既存の物流管理システムを NetSuite に移行したことで、受発注・在庫・配送に関わる情報が一元管理され、本部・店舗・物流センター間でリアルタイムに共有できる体制が構築されました。
顧客企業の本部では、店舗からの注文を直接システムで受け付ける運用に切り替えたことで、従来行っていた取りまとめ業務が不要となり、大幅な業務削減を実現しています。
店舗側では、自店舗だけでなく他店舗や物流センターの在庫状況をNetSuite上で確認できるようになり、欠品や在庫調整のための電話・メール対応が解消されました。その結果、現場の負担軽減と販売機会損失の抑制につながっています。
南海エクスプレスにおいても、発注データや在庫移動情報をAPI連携によって自動化したことで、手作業による引当処理やデータ登録が不要となり、業務効率と正確性が大きく向上しました。
さらに、海外からの仕入れや賞味期限管理にも対応できる在庫管理体制が整い、将来的な取引量増加にも耐えうる基盤が構築されています。

よくある質問(FAQ)
NetSuiteと国産ERPの違いは何ですか?
NetSuiteは世界標準の業務プロセスを前提とした、グローバル対応のクラウドERPです。
国産ERPは日本の商習慣や会計要件への対応に強みがある一方、グローバル展開や継続的な機能拡張ではNetSuiteに分があります。
選択のポイントは、自社の事業展開と業務の特性です。国内中心で日本特有の業務が多いなら国産ERPを、グローバル展開を視野に入れているならNetSuiteを、というのが一つの目安です。
導入期間と費用の目安は?
導入期間は、企業規模・対象業務範囲によって3ヶ月〜1年が目安です。
費用は、ライセンスがミニマム月額20万円〜(構成による)、加えて導入支援パートナーへの費用が必要です。
NetSuiteには「SuiteSuccess」という業種別の導入パッケージがあり、これを利用すると導入期間を短縮できます。NetSuite案件の約7割がSuiteSuccessを活用しています。
既存システムからの移行は可能?
可能です。会計・販売・在庫など、現行システムからのデータ移行は、多くの導入現場で行われています。
ただし、現行システムのデータが整理されていない場合、移行作業に時間がかかります。
移行を機会に、不要なデータを整理する「業務の棚卸し」を一緒に進めることをおすすめします。
NetSuiteは「使いにくい」と聞きますが?
「使いにくい」という声の多くは、自社の業務フローに合わないカスタマイズを試みた結果、UIが複雑になってしまったケースです。
NetSuiteは世界標準の業務プロセスを前提に設計されています。「自社に合わせる」のではなく、「世界標準に自社を合わせる」発想に切り替えることで、本来の使いやすさが発揮されます。
業務フローの見直しを、NetSuite導入と同時に進めるプロジェクトとして捉えることが、結果として「使いやすいERP」につながります。
導入事例を見たいのですが?
ベンチャーネットではお客様の声ページにて、NetSuite導入の実例をご紹介しています。
業種・規模・課題別にご覧いただけますので、自社に近い事例があるかぜひご確認ください。
まとめ:NetSuiteは「経営プロジェクト」として進めましょう
本記事では、NetSuiteの基本定義から失敗パターン、向いている企業まで、入門知識を整理してお届けしました。
最後に、お伝えしたいことを3つにまとめます。
①NetSuiteは「真のクラウドERP」
世界標準の業務プロセスを前提とした、グローバル対応のクラウド型ERPです。中堅・中小企業の経営インフラとして、現実的な選択肢になります。
②導入は「経営プロジェクト」として
ERP導入は、ITプロジェクトではなく経営プロジェクトです。経営層の関与と「完璧より、まず回す」姿勢が、成功への近道です。
③パートナー選びが運命を分ける
NetSuite認定資格、同業界での実装経験、導入後の伴走姿勢。この3つの視点でパートナーを選んでください。
ベンチャーネットは、お客様との対等な関係を大切にする、NetSuite導入支援パートナーです。
「うちにNetSuiteは合っているのか」「導入を検討すべきタイミングなのか」。そんな段階のご相談こそ、ぜひお寄せください。一緒に、御社にとって最適な進め方を考えさせてください。

もう少し詳しく知りたい方へ
30分の無料相談・体験デモを予約する → Oracle NetSuite 導入支援/運用支援に関する事前無料相談
NetSuite導入支援サービスについて詳しく見る → SaaS型クラウドERP – NetSuite導入支援サービス
NetSuiteの伴走サービスを確認する → Oracle NetSuite伴走サービス
