「ERPコンサルタントって、実際いくらもらえるんですか」
カジュアル面談で、いちばん多く聞かれる質問です。
ERPコンサルタントとは、企業の基幹業務システム(ERP)の導入を、企画から定着まで支える専門職です。
年収の目安は、ジュニアで400〜600万円、コンサルタントで600〜900万円。
マネージャーになると1,000万円超です(出典:フリーコンサルタント.jp公式コラム、2026年9月確認)。
同じ肩書きでも、ここまで幅があります。
年数だけで上がるわけではありません。
では、同じ年数でも年収に差がつくのは、どんな仕事をしてきたかの違いなのか。
この記事で分かること
- ERPコンサルタントの年収の目安(経験の段階別)
- 年収が上流工程で伸びる理由と、上流工程で実際にする仕事
- SAP・NetSuite・国産ERPで、年収の傾向・働き方・AIとの関わりがどう違うか
- 向いている人・向いていない人
- 転職でよくある失敗3つと、面談で聞くこと
ERPコンサルタントとは|年収が高い理由
ERP(Enterprise Resource Planning)は、会計・販売・在庫・人事などのデータを一元管理する仕組みです。
ERPコンサルタントは、システムの設定だけでなく、企業の業務そのものを見直します。
年収が高いのは、需要に対して人が足りないからです。
- 多くの企業がDX(デジタル化)を進め、ERPの刷新を急いでいる
- 業務の知識とITの両方が分かる人は少ない
- 特に、上流工程を担える人は多くない
上流工程は、要件定義や業務設計など、何をどう作るかを決める段階のことです。
年収の目安|経験の段階別
| 段階 | 年収の目安 |
|---|---|
| 未経験・ジュニア | 400〜600万円 |
| コンサルタント | 600〜900万円 |
| マネージャー | 1,000万円超 |
(出典:フリーコンサルタント.jp公式コラム、2026年9月確認)
段階と、年収を伸ばす鍵を図にすると、次のとおりです。
市場全体では、ERPコンサルタントの平均年収は約997万円というデータもあります。
ボリュームゾーンは800万〜1,300万円です。
JAC Recruitmentの2023年1月〜2025年8月の実績(想定年収)です(出典:JAC Recruitment公式、2026年9月確認)。
2つの数字は、別々の調査の結果です。
自分の年収と比べるときは、目安として見てください。
上流工程で年収が伸びる理由
上流やマネジメントに関わるほど、年収は伸びます。
理由は、担う判断の重さにあります。
設定やテストは、決まった仕様を形にする仕事です。
上流工程では、何を作り、何を作らないかを、経営者と一緒に決めます。
その判断が外れれば、プロジェクトの費用と期間が大きく変わる。
責任が重い分、報酬にも差がつくのです。
求人票を見るときは、年収の幅だけでなく、担当する工程も見てください。
上流工程で、実際に何をするのか
「上流」と一口に言っても、中身は会社によって違います。
NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットの仕事を例に、3つの場面で描きます。
場面1:要件は、コンサルタントが直接聞く
要件を確かめるのは、営業ではなく導入コンサルタントです。
営業が聞いた話を開発に伝える、という伝言ゲームにしません。
お客様の業務を直接聞き、その場で「標準の機能で足りるか」を考えます。
聞いたあとは、次の順で進めます。
- 業務の見える化:いまの業務の流れを、現場に聞いて描く
- 整理整頓:やめる・まとめる・そろえる業務を決める
- Fit&Gap:残った業務を、NetSuiteの標準機能と照らし合わせる
- 3つの選択:合わない業務を、標準に合わせる/開発する/残す、に分ける
この4段を自分で回せることが、上流を担えるということです。
年収の表で「コンサルタント」から「マネージャー」へ上がる境目も、ここにあります。
場面2:ゼロからより、引き継ぎと連携が多い
ベンチャーネットの仕事は、ゼロからの導入より、他社のあとの引き継ぎ・立て直しと、他システムとの連携が多くを占めます。
途中まで進んだ設定を読み解き、何が問題だったのかを見つける。
既存のシステムとNetSuiteを、どうつなぐかを決める。
決まった手順をなぞるだけでは、務まらない仕事です。
場面3:提案からカットオーバーまで、一人で通す
役割分担は、はっきりしています。
日本オラクルは、ライセンス・トレーニング・製品サポートを担います。
ベンチャーネットは、要件定義・設定・カスタマイズ・アドオン開発・保守・PMを担います。
お客様側のPM業務や、Oracleとの調整を引き受けることもあります。
PMを兼ねるコンサルタントが、提案からカットオーバー(本番の稼働開始)まで一貫して担当します。
週次の定例と課題管理表で、文書をお客様と共有する。
情報が来るのを待たず、自分から取りに行く。
この動き方が、年収の段階を上げていく力になります。
案件はプライム中心で、請負契約に対応しています(準委任も相談可)。
常駐はなく、リモートの国内チームで進めます。
製品別比較|SAP・NetSuite・国産ERP
どれが上・下ではありません。
何を大事にするかで、合う選択が変わります。
| 軸 | SAP | NetSuite | 国産ERP(OBIC7・奉行など) |
|---|---|---|---|
| 年収の傾向 | 高い水準の求人が多い(大手・グローバル案件) | 高水準で上昇傾向(クラウドの需要) | 中程度(国内中心) |
| 案件の規模・市場 | 大企業・大規模プロジェクト | 中堅〜成長企業・海外展開 | 国内の中堅・中小 |
| 入りやすさ・働き方 | 専門性が高く難度も高い。大規模・多層の体制も | 未経験からの育成もある。リモート可 | 業務の知識が活きる。国内中心 |
| AIとの関わり | AIのコパイロット「Joule」を提供 | 組込型AI+外部AI連携 | AIを組み込む製品もある(例:オービック、OBC) |
(各製品の機能の比較ではなく、キャリアの観点での傾向です。AIの行は各社公式、2026年9月確認)
SAPの製品の全体像は、SAPとはで扱っています。
国産ERPからNetSuiteへ移る道は、OBIC7・奉行シリーズ経験者がNetSuiteコンサルタントへで扱っています。
NetSuiteコンサルタントという選択肢
NetSuiteは、Oracleが提供するクラウドERPです。
世界220地域・44,000社以上で使われ、190通貨・27言語に対応しています(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月時点)。
最初からクラウド前提で作られ、成長企業や海外展開の案件に関われます。
経営層に近いところでプロジェクトを動かせるのも、特徴の一つです。
仕事の中身とキャリアパスは、NetSuiteコンサルタントとはで扱っています。
AIで、仕事の中身はどう変わるか
AIが広がっても、コンサルタントの仕事はなくなりません。
変わるのは、中身です。
| 仕事の場面 | AIとの関わり | 人に残る役割 |
|---|---|---|
| 業務の聞き取り・課題の設定 | 議事録の要約などを助ける | 経営者と課題を決める |
| 要件定義・業務設計 | 資料の下書きを助ける | 何をやらないかを決める |
| 開発・設定 | コードやテストの生成を助ける | 生成物を確かめ、承認する |
| データ分析・定着 | 自然言語でデータを聞ける | 数字を経営の判断につなぐ |
表は、ベンチャーネットが仕事の場面ごとに整理したものです。
NetSuiteでは、たとえば次のAIの仕組みが公式に用意されています。
- AI Connector Service:ClaudeやChatGPTなどのAIとNetSuiteをつなぐ連携サービス
(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月確認) - SuiteCloud Developer Assistant:開発用のエディタで、SuiteScriptのコードを作るAI
(出典:Oracle NetSuiteのヘルプ、2026年9月確認)
SuiteScriptは、NetSuiteの開発言語です。
AIを使いこなし、生成物の良し悪しを判断できる人の価値は、これから高まっていきます。
向いている人・向いていない人
製品ごとに向いている人
- SAPが向く人:大手・グローバルの大規模案件で、専門を深く極めたい人
- NetSuiteが向く人:成長企業で、上流・経営層と組みたい人。リモートで働きたい人
- 国産ERPが向く人:日本の会計や商習慣の知識を活かしたい人
ERPコンサルタント自体が向いている人
- 業務の「なぜ」を聞くのが好きな人
- 会計・販売・在庫など、会社の仕組みに興味がある人
- 経営者と対等に話し、提案することにやりがいを感じる人
向いていない人・いまは転職しなくてよい人
- 決められた仕様どおりに、作ることに集中したい人 → 開発の専門職のほうが合うことがある
- 一つの業界の業務を、事業会社の中で深めたい人 → 事業会社の情報システム部門や経理が合うことがある
- いまの職場で、上流工程やPMの経験を積める見込みがある人 → 経験を積んでからの転職でも遅くない
向き・不向きを逆引きにすると、次のとおりです。
PM(プロジェクトマネージャー)は、品質・費用・納期を管理してプロジェクトを進める役割です。
これから目指す人と、いまERPに携わる人
これから目指す人へ。
未経験からでも道はあります。
業務の知識とITは、入社後の育成で身につけられる職種です。
具体的な道筋は、未経験からERPコンサルタントになるにはで扱っています。
経理や情報システム部門の経験がある方は、経理・情シスからITコンサルタントへもご覧ください。
いまERPに携わっている人へ。
上流工程に関われているかを、まず振り返ってください。
関われていないなら、製品を変えるか、会社を変えるか、働き方を変えるかです。
SAP・国産ERPの経験は、NetSuiteでも業務の知識として活きます。
業務委託の働き方は、NetSuite業務委託・フリーランスとはで扱っています。
転職でよくある失敗3つ
失敗1:年収・単価の数字だけで選ぶ
起きること:数年後、その製品の案件が細り、スキルも広がらない。
原因:求人票の年収や案件の月単価だけを比べた。
5年後・10年後の姿を考えていなかった。
避け方:「いくら稼げるか」に加え、「長く伸びられるか」で見ます。
その製品の将来の需要と、身につくスキルの広がりを調べてから選びましょう。
失敗2:育成の中身を聞かずに、未経験で飛び込む
起きること:断片的な作業だけを任され、市場での価値が育たない。
原因:「未経験歓迎」の言葉だけで決めた。
「未経験歓迎」と「育てる仕組みがある」は、別の話です。
避け方:入社後の研修やOJTの中身を、面談で具体的に聞きます。
資格の取得の支援があるかも、あわせて聞いておきます。
資格の種類は、NetSuite資格ガイドで扱っています。
失敗3:作業者のまま、年数だけを重ねる
起きること:年収が頭打ちになり、変化の速い製品の知識も古くなる。
原因:下請けの決められた作業の繰り返しで、上流や経営層に関わる機会がなかった。
学びを会社任せにしていた。
たとえばNetSuiteは、年2回の大きなリリースで機能が更新されます(出典:Oracle NetSuiteヘルプ、2026年9月確認)。
避け方:上流から関われる、元請けの案件が多い環境を選びます。
そのうえで、自分から手を挙げ、学び続けることが欠かせません。
ベンチャーネットならこう見る|面談で聞きたい3つ
どの会社に応募する場合でも、面談では次の3つを聞いてみてください。
- 入社1年目に、どの工程まで担当するか
- 要件を聞くのは、営業か、コンサルタントか
- ゼロからの導入と、引き継ぎ・連携の案件は、どちらが多いか
1つ目で、年収の段階をどこまで早く上がれるかが見えます。
2つ目と3つ目で、上流の判断をどれだけ自分でするかが分かります。
答えが具体的な会社ほど、入社後の姿を描きやすくなります。
ベンチャーネットは、NetSuite・Odoo・AIスクラッチ開発を扱い、SAPからのリプレイスにも対応しています。
未経験から体系的に育てる仕組みもあります。
育成の中身は、入社6か月でNetSuiteコンサルタントになるまでで紹介しています。
今日できること|自分のキャリアの表を作る
次の表を埋めてみてください。
| 項目 | いまの自分 | 3年後になりたい姿 |
|---|---|---|
| 担当している工程 | (例)設定・テスト | (例)要件定義・PM |
| 経験した製品・業種 | (例)国産ERP・製造業 | (例)+クラウドERP |
| 関わる相手 | (例)現場の担当者 | (例)経営層 |
左と右の差が大きい項目が、次の職場で身につけたい経験です。
その経験を積めるかを、面談で聞いてください。
よくある質問
Q1. 未経験・文系でもERPコンサルタントになれますか
なれます。
業務の知識とITは、入社後の育成で身につけられる職種です。
文系出身のコンサルタントも珍しくありません。
育成の中身は、必ず面談で聞いてください。
Q2. NetSuiteコンサルタントは食べていけますか
クラウドERPの広がりが追い風です。
NetSuiteは、世界220地域・44,000社以上で使われています(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月時点)。
成長企業や海外展開の案件に関われるのも特徴です。
SAPを深く極めたい人には、SAPの道もあります。
Q3. SAPとNetSuite、どちらのキャリアが有利ですか
有利・不利ではなく何を大事にするかで変わります。
大規模案件で専門を極めるならSAP、成長企業で上流・リモートならNetSuiteが向きます(第4章)。
Q4. ERPコンサルタントで年収1,000万円は現実的ですか
管理職や上流の役割なら現実的です。
マネージャーの段階で1,000万円超が目安です(第2章)。
作業者のままでは頭打ちになりがちです。
Q5. 未経験だと、一人前になるまで何年かかりますか
体系的な育成があるかどうかで大きく変わります。
育成の仕組みがある環境なら、比較的早く戦力になる人もいます。
研修の期間と、1年目に担当する工程を面談で聞いてください。
Q6. AIが広がると、ERPコンサルタントの仕事はなくなりますか
なくならず中身が変わると考えています。
資料の下書きやコードの生成はAIが助けます。
経営者と課題を決め、AIの生成物を確かめる役割は、人に残ります(第4章4-2)。
まとめ
- 年収の目安は、ジュニア400〜600万円、コンサルタント600〜900万円、マネージャー1,000万円超
- 年収を伸ばす鍵は、上流工程・PM・複数の製品の経験
- 上流工程とは、要件を直接聞き、見える化からFit&Gapまでを自分で回すこと
- SAP・NetSuite・国産ERPは、優劣ではなく合う条件で選ぶ
- AIで仕事の中身は変わる。生成物を確かめて経営につなぐ力が問われる
同じ年数でも年収に差がつくのは、どの工程を自分で担ってきたかの差です。
まずは、今日の表の「担当している工程」の欄を埋めてみてください。
次に選ぶ職場が、その欄を右に動かせる場所かどうか。
年収は、その答えについてきます。
もう少し詳しく知りたい方へ
NetSuiteコンサルタントという働き方に興味がわいたら、次の一歩をどうぞ。
募集の中身は、NetSuiteコンサルタント求人で紹介しています。
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