NetSuiteの評判は本当のところどうか|良い口コミ・気になる口コミとその背景を正直に解説【2026年版】

世界220地域・44,000社以上。

NetSuiteを使う会社の数です(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月時点)。

それでも日本では、「NetSuite 使いにくい」と検索する人が少なくありません。

NetSuite(ネットスイート)とは、Oracleが提供するクラウドERP(統合基幹業務システム)です。

会計・販売・在庫・購買・顧客管理などを、1つの基盤で管理します。

評判には、良い声にも気になる声にも、それぞれ理由があります。

その理由は、製品そのものだけにあるとは限りません。

評判は「製品」「導入の進め方」「パートナー」の3つに分けて読むと、自社にとっての意味が見えてきます。

では、同じ製品の評判が、なぜここまで分かれるのか。

NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットは、導入を支援する立場です。

そのうえで、合わない会社には合わないとお伝えします。

自社に合うかを決める材料として、お読みください。

目次

この記事で分かること

  • NetSuiteの基本と、立場ごとの評判の違い
  • 「良い」と言われる5つの点と、効く条件
  • 「使いにくい」「高い」など、気になる評判の背景
  • 評判が分かれる理由と、3つに分けて読む方法
  • 向いている会社と、他の選択肢が合う会社

言葉の整理:ERPは、会計・販売・在庫などのデータを1つにまとめる基幹システムです。

パートナーは、Oracleに認定され、NetSuiteの導入や運用を支援する会社です。

NetSuiteの基本と、評判の全体像

NetSuiteの基本

NetSuiteは、1998年にNetLedgerとして始まり、2003年にNetSuiteになりました。

2007年にニューヨーク証券取引所に上場し、2016年にOracleの一員になっています。

公式サイトでは、自らを「世界初のクラウドカンパニー」と表現しています(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月確認)。

項目内容
提供元Oracle
利用社数世界220地域・44,000社以上(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月時点)
対応通貨・言語190以上の通貨・27言語(OneWorld。出典:Oracle NetSuite公式、2026年9月確認)
提供の形クラウド(自社でサーバーを持たない)
更新大きなリリースは年2回(出典:Oracle NetSuite公式ヘルプ、2026年9月確認)
価格の出発点ミニマム構成で月額20万円〜。構成で変わり、数百万円規模になることもある

公式サイトでは「#1 AI Cloud ERP」と表現されています。

クラウドなので、自社でサーバーを買ったり、版の更新を担ったりする必要はありません。

一方で、提供元が決めた更新の予定に合わせて、自社も確認の作業をします。

「任せられる部分」と「合わせる部分」。この両方を知っておくと、評判を読みやすくなります。

基本の機能はNetSuiteとは?クラウドERP入門をご覧ください。

日本での評判の全体像

日本でのNetSuiteの認知は、欧米と比べるとまだ高くありません。

一方で、導入する会社は増え、評判の発信も増えています。

日本での評判には、次の3つの傾向があります。

  • 良い評判:データの一元化、成長への対応、海外への対応、自動の更新
  • 気になる評判:「使いにくい」「日本の商習慣に合わない」「費用が高い」
  • 評判が分かれる点:同じNetSuiteでも、導入の進め方とパートナーで結果が変わる

立場によっても、評判は変わります。

立場評価しやすい点不満が出やすい点
経営者数字がそろう速さ、会社全体の見える化導入の費用と期間
経理月次の突き合わせの減少日々の入力の操作の多さ
営業・現場在庫や受注の状況がすぐ分かる入力の項目が増えたと感じる
情シスサーバーや版の更新の手間がない年2回の更新の確認、開発の管理

同じ会社の中でも、誰に聞くかで評判は変わります。

自社で検討するときも、経営者・経理・現場・情シスが何を重く見るかを、先に話し合っておきます。

立場ごとの不満を先に知っておけば、導入の設計で手を打てます。

「良い」と言われる5つの点

データが1つにまとまり、経営が見える

最も多い肯定的な声は、経営の見える化に関するものです。

会計・販売・在庫・顧客の情報が別々のシステムにあると、数字の突き合わせに時間がかかります。

NetSuiteでは、これらを1つのデータベースで扱います。

  • 売上・在庫・資金・原価を、月次の締めを待たずに見られる
  • 部門の間で、同じ数字を見て話せる
  • 月次決算の突き合わせの手間が減る

効く条件は、部門ごとにデータが散らばり判断が遅れていることです。

すでに1つのシステムで回っている会社には、この効果は小さくなります。

当てはまるかどうかは、月次の数字がそろうまでの日数と、突き合わせに使う表の数で分かります。

成長に合わせて広げられる

事業の成長に合わせて、次のように広げられる点も評価されています。

  • ユーザー数を段階的に増やす
  • 会計から始め、販売・在庫・顧客管理を後から足す
  • 国内の1拠点から、複数の拠点・海外の拠点へ
  • 単体の会社から、子会社を含めた連結の経営へ

最小の構成で始め必要な機能を後から足す進め方ができます。

初期の投資を抑えつつ、将来の拡大にも備えられます。

ただし、後から足す機能も、最初の設計で想定しておくほうが手戻りは少なく済みます。

3〜5年の事業の計画は、導入の前にパートナーと共有しておきましょう。

海外展開・多通貨・多言語に強い

OneWorldは、複数の子会社・拠点を1つの基盤で管理する版です。

190以上の通貨と27言語に対応しています(出典:Oracle NetSuite公式、2026年9月確認)。

海外の子会社の会計を本社とまとめたい会社には、現実的な選択肢です。

逆に、国内だけで事業を続ける会社には、効かない長所です。

評判を読む前に、自社の3〜5年の計画に海外が入っているかを見てください。

入っていないなら、この長所は比較の重みを下げて考えます。

海外の管理の比べ方はmultibookとNetSuiteの違いも参考になります。

自動の更新で、IT人材の負担を抑えられる

NetSuiteはクラウドで提供され、自動で新しい版に更新されます。

大きなリリースは年2回で、数か月かけて段階的に更新されます。

更新の前には、Release Previewの環境で新しい機能を試せます。

自社のデータと業務の流れで試せる点が、評価されています(出典:Oracle NetSuite公式ヘルプ、2026年9月確認)。

  • 版を上げる作業の追加の費用が要らない
  • セキュリティの修正が自動で入る
  • AIなどの新しい機能が順に加わる

情シスの担当者を置きにくい中堅・中小企業では、この点の価値が大きくなります。

古いシステムの保守の終了や、後任の技術者の採用に悩む会社にとっても、選択肢になります。

一方で、作り込みが多いほど、更新のたびに試す範囲は広がります。

年2回の更新への備え方はNetSuiteのバージョンアップへの備え方で扱っています。

顧客管理・EC・分析まで1つで

NetSuiteは、基幹の業務に加えて、顧客管理・EC・分析の機能を持ちます。

領域主な中身
基幹の業務会計・販売・在庫・購買・製造
顧客管理(CRM)営業・案件・サポート
ECオンラインの店舗の構築と運営
分析ダッシュボード・レポート・指標の管理
AIAI Connector Service、組み込みのAIの機能

AI Connector Serviceは、ClaudeやChatGPTなどのAIをNetSuiteにつなぐ仕組みです。

ロールにもとづく権限の範囲で動くと説明されています(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月確認)。

詳しくはNetSuite AI Connector Service(MCP)とはをご覧ください。

ただし、すべての業務をNetSuiteの中で行う必要はありません。

経費の精算や電子契約など、日本の専用のサービスとつないで使う会社も多くあります。

どこまでをNetSuiteに持ち、どこを外とつなぐかは、NetSuite×日系SaaS連携マップも参考にしてください。

良い評判の整理

良い評判主に評価している人効く条件
データの一元化・経営の見える化経営者部門ごとにデータが散らばっている
成長に合わせた拡張経営者・CFO3〜5年で事業や拠点を広げる計画がある
海外・多通貨・多言語海外展開する会社の経営者海外の子会社・拠点がある、またはつくる
自動の更新・IT人材の負担の軽減経営者・情シス自社でサーバーや版の更新を担いたくない
顧客管理・EC・分析まで1つで経営者・現場複数のシステムの連携に手間がかかっている

良い評判も、すべての会社に同じように効くわけではありません。

自社の課題と成長の段階に合うかで、評判の意味は変わります。

「気になる」と言われる点と、その背景

気になる評判と、その背景を図にすると、次のとおりです。

気になる評判と、その背景 「使いにくい」は目的の違い、「日本の商習慣に合わない」は標準のままでは追加の対応が要ること、「費用が高い」は範囲と開発の差、「パートナーで変わる」は導入の進め方と運用の支援の差が背景にある。 気になる評判と、その背景「使いにくい」目的が違う経理の入力だけを見ると操作が増えることがある「日本の商習慣に合わない」追加の対応が要る標準のままでは、設定や運用の工夫が要る場面「費用が高い」範囲と開発で開く機能範囲・開発・体制・ユーザー数の4つで差「パートナーで変わる」進め方と支援の差製品より、導入の進め方や運用の支援に課題が多いどの声も、準備と進め方で小さくできる
気になる評判と、その背景

「使いにくい」と言われる背景

「NetSuite 使いにくい」と検索する方は、少なくありません。

ベンチャーネットの見方では、「使いにくい」より「目的が違う」が実態に近いと考えています。

日々の経理の処理だけを切り出すと、国内のクラウド会計ソフトより操作が増える可能性は高いです。

これは、事実として受け止めるべき点です。

比べる軸国内のクラウド会計ソフトNetSuite
主な目的日々の経理の手間を減らす経営全体をまとめて見える化する
強み入力のしやすさ、銀行の連携、税理士との連携販売・在庫・会計・顧客管理の一元管理
主な利用者経理の担当者経営者・経理・営業・現場

経理の担当者が、仕訳の入力だけを見て「使いにくい」と感じるのは自然なことです。

一方で、販売・在庫・会計を連動させ、経営の判断を早めたいなら、NetSuiteは強い道具になります。

「使いにくい」という声を聞いたら、誰がどの業務を見てそう感じたのかを聞いてください。

使いにくさは、導入の設計でも減らせます。

  • ロールごとに、使う画面と項目を絞る
  • よく使う入力は、入力の画面を業務に合わせて整える
  • 経営者や管理職には、見るべき数字だけを並べたダッシュボードを用意する

画面の新しいデザイン(Redwood)への移行も進んでいます。

影響と備え方はNetSuite Redwood UI(新画面)とはで扱っています。

導入した後の使いにくさへの対処はNetSuiteが「使いにくい」と感じる本当の原因とは?をご覧ください。

「日本の商習慣に合わない」と言われる背景

これは、半分は事実、半分は誤解です。

NetSuiteは、世界で使われる製品です。

そのため、日本に固有の要件には、追加の設定や運用の工夫が要る場面があります。

「日本に対応していない」のではなく、標準のままでは追加の対応が要るということです。

日本固有の要件導入の前に聞いておくこと
消費税・インボイス税の区分の持ち方と、適格請求書の出し方
源泉徴収対象の取引と、計算・納付の流れ
帳票請求書・納品書などの形と、出す方法
会計基準日本の基準とIFRSの両方で帳簿を持つ必要があるか
商習慣締め日・支払日のルール、手形などの扱い

設計の段階で洗い出しておけば、計画的に対応できます。

日本の税への対応はNetSuite SuiteTaxとJapan Localizationで扱っています。

「費用が高い」と言われる背景

NetSuiteの費用は、大きく3つで構成されます。

  1. ライセンス費用:NetSuiteの利用料
  2. 導入費用:要件の整理・設定・開発・テスト・研修などの費用
  3. 保守費用:稼働した後のサポートと改善

ライセンスは、ミニマム構成で月額20万円〜が出発点です。

モジュール・ユーザー数・オプションで変わり、数百万円規模になることもあります。

導入費用の幅は、ライセンスよりずっと大きく開きます。

ベンチャーネットが支援したNetSuite導入の費用では、3名程度・購買と販売だけ・期間1.5か月の例が150万円程度でした。

100名程度・外部システム連携の開発ありで期間1.5年の例は、2億円程度(うち開発約7割)です。

差を生むのは、機能範囲・開発(特に外部連携)・社内の体制・ユーザー数の4つです。

「高い」という評判を読むときは、その会社がどの程度の範囲と開発で入れたのかを見てください。

4つの事例の詳細は、NetSuiteの料金・ライセンス体系にまとめています。

「高い・安い」は、同じ業務の範囲をカバーする選択肢と、5年の総額で比べます。

費用の項目1年目2〜3年目4〜5年目
ライセンス
導入・開発
保守・支援
社内の工数
いまのシステムを続けた場合

最後の行と並べると、「高い」かどうかの判断が具体的になります。

「パートナーで評判が変わる」という論点

見落とされやすいのが、NetSuiteの評判は導入を任せたパートナーでも変わるという点です。

パートナーの変更の相談では、次のような声を聞くことがあります。

  • 現場が使いこなせず、表計算に戻っている
  • データは入っているが、経営の判断に使われていない
  • 業務の改善の提案が、パートナーからない
  • 「動いているからよい」で止まり、効果が見えない

これらは製品の問題というより、導入の進め方や運用の支援に課題があることが多いと考えています。

ベンチャーネットの仕事は、ゼロからの導入より、他社のあとの引き継ぎ・立て直しが多くを占めます。

同じNetSuiteでも、進め方を変えると現場の声が変わる場面を見てきました。

パートナーを選ぶときは、次の点を聞くと、評判の差を小さくできます。

  • 自社と近い業種・規模の導入を、どう進めたか説明できるか
  • 標準に合わせる部分と、作り込む部分を、理由とともに示せるか
  • 稼働した後の支援の範囲と、担当の体制が文書になっているか
  • NetSuiteが合わない場合に、そう言ってくれるか

パートナーの見直しはERP導入失敗の原因はパートナーにあり?で扱っています。

ほかによく聞く声と、その読み方

よく聞く声考えられる背景導入の前に決めておくこと
導入に時間がかかった範囲が広い、作り込みが多い、社内の準備が遅れた最初の稼働の範囲と、社内の担当者の時間
作り込んだら、更新が怖くなった年2回のリリースのたびに、開発の部分の確認が要るRelease Previewで何を試すか、誰が見るか
サポートにつながりにくい契約したサポートの区分と、問い合わせの窓口の違いOracleのサポートの区分と、パートナーの窓口の役割分担
レポートが思うように出ない必要な数字の定義と、検索・レポートの設計が詰められていない経営の会議で使う数字の一覧を先に渡す
現場の入力が増えた以前は別の人や表計算で補っていた入力が表に出た誰が、どの時点で、何を入力するかの分担

レポートの作り方はNetSuite保存検索の作り方でも扱っています。

どの声も、製品だけでなく、準備と進め方で小さくできる余地があります。

評判は3つの要素に分けて読む

冒頭の問いに戻ります。

同じ製品の評判が分かれるのは、評判が次の3つの要素で決まるからです。

  1. 製品そのものの特性:NetSuiteの作りと機能
  2. 導入の進め方:標準に合わせるか作り込むか、小さく始めるか一度に入れるか
  3. パートナーの質:業務の理解、技術、稼働した後の支援
NetSuiteの評判を3つに分けて読む 評判を、製品の特性、導入の進め方、パートナーの質の3つに分ける。使いにくい・効果が出ないという声の多くは、進め方とパートナーに原因があることが少なくない。 評判を3つに分けて読む その声は、何についての話か 1 製品の特性 経理の入力は操作が増えやすい 日本固有の要件は追加の対応が要る 2 導入の進め方 標準に合わせたか、作り込んだか 小さく始めたか、一度に入れたか 3 パートナーの質 業務の理解と技術 稼働した後の支援と改善の提案 「使いにくい」「効果が出ない」の多くは 2と3に原因があることが少なくない
NetSuiteの評判を3つに分けて読む

「使いにくい」「効果が出ない」という声の多くは、2と3に原因があることが少なくありません。

逆に「経営が変わった」という声も、製品の力だけでは生まれません。

2と3がそろって、はじめて出てくる声です。

評価の軸良い評判の中身気になる評判の中身評判を左右するもの
経営の判断データの一元化、月次の早期化日々の経理の操作が増える可能性経理だけで使うか、経営全体で使うか
業務への合い方拡張しやすい、海外に強い日本固有の要件への工夫が要る標準に合わせるか、作り込むか
費用と効果小さく始めて広げられる構成で高額になる範囲と段階の設計
導入と運用自動の更新、IT人材の負担の軽減パートナーで結果が変わるパートナーの選び方

導入の進め方が評判を分ける

進め方長所評判が悪くなりやすい場面
標準に業務を合わせる(Fit to Standard)費用と期間を抑えやすい。更新の影響も小さい変えられない業務まで無理に合わせたとき
旧システムの業務を再現する現場の抵抗が小さい作り込みが増え、費用と更新の負担が重くなる
小さく始めて広げる早く効果を見られる後の拡大を想定せずに作ったとき
一度に全業務を入れる全体がそろうまでの期間が短い準備が足りず、稼働の直後に混乱したとき

NetSuiteは、標準の流れに業務を合わせる考え方を前提に作られたクラウドのERPです。

標準に合わせられる範囲が広い会社ほど、良い評判に近づきやすいと考えています。

では、どこまでを標準に合わせ、どこを作り込むのか。

ベンチャーネットは、次の順番で決めます。

ベンチャーネットの進め方:見える化→整理整頓→Fit&Gap→3つの選択 業務の見える化、整理整頓、NetSuite標準機能とのFit&Gap、そして標準に合わせる・開発する・残すの3択で決める。 ベンチャーネットの進め方業務の見える化いまの業務フローを現場に聞いて描く整理整頓やめる・まとめる・そろえる業務を決めるFit&GapNetSuiteの標準機能と照らし合わせる3つの選択標準に合わせる/開発する/残す製品が決まっていても、見える化から始める
ベンチャーネットの進め方:見える化→整理整頓→Fit&Gap→3つの選択

まず、いまの業務の流れを現場に聞いて描きます(業務の見える化)。

次に、やめる・まとめる・そろえる業務を決めます(整理整頓)。

そのうえで、残った業務をNetSuiteの標準機能と照らし合わせます(Fit&Gap)。

合わなかった業務は、標準に合わせる・開発する・残すの3つのどれかに決めます。

「旧システムの再現」で評判を落とす会社の多くは、2段目を飛ばしています。

評判の出どころと時期で読み方を変える

出どころ分かること気をつけること
口コミ・レビューのサイト使っている人の率直な感想投稿した人の役職や業務が分からないことが多い
SNS・個人のブログ現場の具体的な困りごと1社・1人の経験で、条件が偏りやすい
製品の比較の記事製品の間の違いの全体像書き手が特定の製品を扱っていることがある
パートナーの記事(この記事を含む)導入の現場で起きること扱う製品に好意的になりやすい
提供元の導入事例導入した会社の目的と効果うまくいった例が中心になる
同業の知人の話自社に近い条件での実感その会社の導入の進め方の影響も大きい

1つの出どころで決めず複数を突き合わせるのが基本です。

この記事も、NetSuiteを扱うパートナーが書いたものです。

その前提で、他の情報と比べながら読んでください。

時期も見ます。大きなリリースが年2回あるため、数年前の評判はいまの製品に当てはまらないことがあります。

画面や機能の不満はデモで、AIの機能は公式の最新の情報で見直します。

AIの機能は、日本での提供の状況が機能ごとに違います。Oracleの担当やパートナーに聞いてください。

評判が良い会社と悪い会社の違い

観点評判が良くなりやすい会社評判が悪くなりやすい会社
導入の目的経営の課題から決めている「古いシステムを替える」だけが目的
業務への合わせ方標準の流れに業務を寄せている旧システムの画面と操作を再現しようとした
経営者の関わり経営者が目的と優先順位を示している情シスやパートナーに任せきり
稼働した後使い方を見直し続けている稼働した時点で止まっている
データの使い方経営の会議でNetSuiteの数字を使う数字は表計算で作り直している

右の列の多くは、製品を替えても同じことが起きやすい要因です。

次の製品を選ぶ前に、進め方を見直す価値があります。

判断の物差し|向いている会社・他の選択肢が合う会社

相性の目安

会社の特徴NetSuiteとの相性主な理由
成長中で、3〜5年で拠点や事業を広げる◎拡張と段階的な導入が活きる
海外の拠点・子会社がある◎OneWorldで複数の会社をまとめて管理
上場の準備中・内部統制を整えている◎会計の統合と監査への対応を1つの基盤で進めやすい
データを1つにまとめ、経営を見える化したい◎統合型のERPの本領
情シスの担当者を置きにくい◯自動の更新で負担を抑えられる
日々の経理の手間を減らすことだけが目的△国内のクラウド会計が合う可能性
業務がごく独特で、標準に合わせにくい△作り込みが前提になり費用が増える
会計の処理がシンプルで、範囲も広げない△機能が余りやすい

年商の規模は、目安として20〜400億円程度の中堅企業で、この相性が活きやすいと考えています。

ただし規模より、上の表のどの条件に当てはまるかが効きます。

◎が1つもなく、△が2つ以上ある会社は、他の選択肢を先に比べてください。

他の選択肢との比べ方

選択肢合う会社注意
国内のクラウド会計(freee・マネーフォワードなど)経理の手間を減らしたい。取引が比較的シンプル販売・在庫まで広げると別のシステムとの連携が要る
国産ERP日本の商習慣に深く合わせたい海外の拠点の管理は製品による
Odoo費用を抑え、必要な業務から広げたい設計と運用の力が要る
NetSuite複数の会社・拠点・通貨をまとめたい標準に合わせる姿勢が要る
AIスクラッチ開発業務がごく独特で、パッケージが合わない作り手に依存しやすい。保守の体制が要る
いまは入れない課題がまだ言葉になっていない見直す期限を決めておく

「独特だ」と思っている業務の多くが、標準の流れで置き換えられることもあります。

業務と標準の差を洗い出す作業(Fit&Gap)で、慎重に見極める領域です。

比べ方の詳細は、次の記事で扱っています。

これから選ぶ会社と、いま使っている会社

これから選ぶ会社|評判を判断に使う3つの手順

手順1:自社の課題を先に書く

「評判が良いから入れたい」から始めると、目的があいまいなまま進みがちです。

次の問いに、先に答えてください。

  • いま、どんな経営の課題があるか
  • システムの面の詰まりは、どこにあるか
  • 3年後、5年後に、どんな会社にしたいか

この答えがないと、評判の意味も、デモの見方も、パートナーとの会話もぶれます。

ERPは管理の道具である前に、経営の判断を支える基盤だからです。

手順2:実機のデモで試す

評判の真偽は、自社の業務に当てはめて初めて分かります。

気になる評判は、導入の前に多くを潰せます。

気になる評判導入の前にすること誰と
使いにくい毎日使う人の業務を1つ選び、デモで同じ操作をしてもらう現場の担当者と一緒に
日本の商習慣に合わない消費税・源泉徴収・帳票など、日本固有の要件の一覧と対応の方法を聞くパートナー
費用が高いライセンス・導入・保守・社内の工数を、5年の総額で並べるOracleの担当とパートナー
効果が出ない稼働した後の支援の範囲と、改善の提案の頻度を聞くパートナー
更新で画面が変わる年2回のリリースの前に、何を試すかを決めるパートナーと社内の担当

デモでは、次のことも聞いておくと判断に役立ちます。

  1. この業務は、標準の機能でできますか。できない部分はどう補いますか
  2. 毎月の締めの作業は、どの画面で、何回の操作で終わりますか
  3. 年2回の更新のとき、作った開発の部分はどう扱いますか
  4. 稼働した後、誰が、どの範囲で支援しますか

答えがあいまいな項目が、導入の後に「評判どおり」の不満になりやすい場所です。

デモには、経営者だけでなく、毎日使う担当者にも出てもらってください。

手順3:「合うかどうか」を一緒に整理できる相手と話す

最初から導入を前提にした提案ではなく、合うかどうかの整理から始めます。

パートナーの選び方はNetSuiteパートナー一覧と選び方も参考にしてください。

ERPの選定の進め方はERP選定ガイドで扱っています。

いま使っていて、評判どおりの効果が出ていない会社

製品を替える前に、原因を3つの要素に分けて見ます。

次の表の上から順に、当てはまるかを見てください。

見ること当てはまるなら次の一手
現場が表計算に戻っていないか使い方の設計の問題画面と入力の流れの見直し
経営の数字がNetSuiteから出ているか分析の設計の問題レポートとダッシュボードの作り直し
改善の提案が止まっていないか支援の体制の問題保守の範囲の見直し、パートナーの変更の検討
業務に対して機能が合っていないか製品の選択の問題契約の更新の前に、他の選択肢と比べ直す

契約の更新の前は、見直しの好機です。

年2回のリリースで加わった機能を、使っていないだけのこともあります。

活用の見直しはNetSuiteが使いにくい・活用できていないと感じたらで扱っています。

サポートの窓口も見直します。

Oracleのサポートには、BasicとPremiumの区分があります。

Premiumには、24時間365日の電話、優先のケース対応、ライブチャットが含まれます(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月確認)。

業務に沿った改善の提案は、パートナーが担う領域です。

保守の選び方はNetSuiteのサポート・保守はどう選ぶ?をご覧ください。

次のうち2つ以上が当てはまるなら、パートナーの変更も選択肢に入ります。

  • 改善の提案が、半年以上ない
  • 質問への回答に、何週間もかかる
  • 作った開発の中身を、パートナー以外に説明できる資料がない
  • 経営の課題を相談しても、機能の説明しか返ってこない

変える前に、いまのパートナーに期待することを文書で伝えるのが先です。

設定と開発の中身を引き継げる資料がないと、新しいパートナーは中身を調べるところから始めます。

変更の進め方はNetSuiteパートナーの選び方も参考にしてください。

よくある3つの失敗

3つの失敗と避け方を図にすると、次のとおりです。

よくある3つの失敗と避け方 評判をすべて製品の評価と読む、条件の違う会社の評判を当てはめる、評判だけで決めデモを省く、の3つ。いちばん大事なのは3つに分けて読むこと。 よくある3つの失敗と避け方1評判をすべて製品の評価と読む避け方:製品・導入の進め方・パートナーの3つに分けて読む2条件の違う会社の評判を当てはめる避け方:規模・業種・成長の段階などで自社との近さを見る3評判だけで決め、デモを省く避け方:自社の業務を1つ選び、実機のデモで試す
よくある3つの失敗と避け方

失敗1:評判を、すべて製品の評価として読む

起きること:「効果が出なかった」という声を聞き、製品が悪いと判断して候補から外す。

あるいは逆に、良い評判だけで決めてしまう。

原因:評判の原因が、製品・導入の進め方・パートナー・自社の準備のどれかを分けていない。

避け方:第4章の図のとおり、3つに分けて読みます。

44,000社以上が使う製品で「使えない」という結果になっているなら、製品以外の要因も疑ってみます。

失敗2:条件の違う会社の評判を、そのまま当てはめる

起きること:売上3億円の会社の「高すぎる」という声を、売上100億円の会社が読んで判断する。

製造業の「合わない」という声を、ITサービスの会社が読む。

原因:評判を出している会社の規模・業種・成長の段階を見ていない。

避け方:次の5つで、自社との近さを見ます。

近い会社の評判は重く、遠い会社の評判は参考程度に読みます。

  • 年商の規模
  • 業種・業態
  • 成長の段階(拡大期・安定期・再編期)
  • 海外の拠点の有無
  • IT人材の状況

失敗3:評判だけで決め、デモを省く

起きること:導入した後に、「思っていた操作と違う」「業務に合わない」と分かる。

原因:評判は、他社の文脈での主観的な評価だった。

仕様の比較の表だけでは、使いやすさや業務への合い方は見えません。

避け方:候補に残った製品は、必ず実機のデモで試します。

自社の実際の業務を1つ選び、その流れで画面を見せてもらいます。

業務と標準の機能の差(Fit&Gap)も、このときに洗い出します。

ベンチャーネットならこう見る|評判を「3つに分けて、変わることを先に言う」

ベンチャーネットは、NetSuite・Odoo・AIスクラッチ開発を扱い、SAPからのリプレイスにも対応しています。

評判についての相談では、製品を勧める前に、次の3つを伺います。

  1. システムを変えたい理由は何か:経理の手間か、経営の見える化か、成長への備えか
  2. 気になっている評判は3つのどれの話か:製品・導入の進め方・パートナー
  3. 稼働した後に誰が改善を担うか:社内の体制とパートナーの役割

理由が「経理の手間」だけなら、国内のクラウド会計を勧めることもあります。

理由が「成長と複数の会社の管理」なら、NetSuiteが有力な候補です。

どちらとも言えない場合は、いまは入れず、課題を言葉にするところから始めることを勧めます。

「変わること・注意が必要なこと」を先に伝える

評判の中の不満には、導入の前に聞いていれば驚かずに済んだものが少なくありません。

ベンチャーネットは、次の点を見積もりと同じ場でお伝えします。

  • ライセンス費用:ユーザーやモジュールの追加、更新の条件で上がることがある
  • 帳票:いまの帳票をどこまで作るかで、導入費用が変わる
  • 締め処理:締めの考え方が、いまのシステムと違うことがある
  • 画面の操作感:いまのシステムとは変わる。経理の入力は操作が増えることもある
  • 給与・人事:導入の対象外。いまの仕組みを残す前提で考える

「使いにくい」「高い」という評判の一部は、この5つを後から知った会社の声だと考えています。

先に知っていれば、設計と予算で手を打てます。

いま使っている会社には、替える前に立て直しを

すでにNetSuiteを使っている会社の相談では、製品を替える前に、使い方と支援の体制を見直します。

製品を替える費用と時間は、見直しの費用より大きいことが多いからです。

他社のあとの引き継ぎ・立て直しは、ベンチャーネットの仕事の多くを占めます。

合わないとお伝えするのは、たとえば次のような場合です。

  • 取引がシンプルで、会計ソフトと表計算で十分に回っている
  • 業務の大半が独特で、標準に合わせる意思が社内にない
  • 導入の後に使い方を見直す担当者を、社内に置けない

今日できること|評判の仕分け表を作る

気になった評判を3つ選び、次の表に書き込んでください。

良い評判も1つ入れておくと、偏らずに比べられます。

評判の中身発信した会社の規模・業種3つのどれの話か自社に当てはまるか
(例)操作が多く使いにくい年商10億円・小売製品(経理の入力の話)経理だけ見れば当てはまる。経営の見える化が目的なら影響は小さい

3つとも「自社に当てはまらない」なら、評判に振り回されずに次の段階へ進めます。

「当てはまる」がある場合は、それをデモで試す項目にします。

時間が余れば、自社の「システムを変えたい理由」を3行で書いてみてください。

第8章の1つ目の問いへの答えになります。

よくある質問

Q1. NetSuiteは使いやすいですか

目的しだいです。

経営全体の統合やデータの一元化が目的なら、強い選択肢です。

日々の経理の処理だけを効率化したいなら、国内のクラウド会計ソフトのほうが操作が少なく済む可能性があります(第3章)。

Q2. 日本企業でも問題なく使えますか

標準のままでは追加の対応が要る場面があります。

消費税の細かな計算や源泉徴収、日本独自の帳票などです。

設計の段階で洗い出しておけば、計画的に対応できます。

聞いておく項目の一覧は、第3章の表を使ってください。

Q3. 中小企業でも導入できますか。費用はどのくらいですか

導入できます。

ライセンスは、ミニマム構成で月額20万円〜が出発点です。

導入費用は、ベンチャーネットの支援例で、3名程度・1.5か月の150万円程度から、100名程度・1.5年の2億円程度まで開きがあります(第3章)。

費用や期間の質問はNetSuite導入でよく受ける質問30問と回答もご覧ください。

Q4. 導入した後のサポートはどうですか

Oracleのサポートとパートナーの支援の2つがあります。

Oracleのサポートには、BasicとPremiumの区分があります。

業務に沿った改善やカスタマイズは、パートナーが担う領域で、差が出やすい部分です。

契約の前に、Oracleとパートナーのどちらに何を問い合わせるかを決めておくと、困ったときに迷いません(第6章)。

Q5. どんな会社に向いていますか

成長中で拠点や会社をまとめて管理したい会社です。

海外の拠点がある、上場を準備している、データを1つにまとめたい会社に向きます。

経理の手間の削減だけが目的なら、他の選択肢も比べてください(第5章)。

Q6. 評判はパートナーで本当に変わりますか

変わることがあります。

同じNetSuiteでも、導入の進め方と稼働した後の支援で成果は違ってきます。

標準に合わせたのか、作り込んだのかでも、結果は大きく変わります(第3章・第4章)。

Q7. いまのNetSuiteで効果が出ていません

原因を製品・進め方・支援の3つに分けて見ます。

表計算に戻っていないか、経営の数字がNetSuiteから出ているかを見ます。

契約の更新の前が、見直しの好機です(第6章)。

まとめ

  • NetSuiteは、Oracleが提供するクラウドERP。世界220地域・44,000社以上が利用
  • 良い評判は、データの一元化・拡張・海外対応・自動の更新・1つで広く使えること
  • 「使いにくい」「日本の商習慣」「費用」には、それぞれ背景がある
  • 評判は、製品・導入の進め方・パートナーの3つに分けて読む
  • 「変わること・注意が必要なこと」を先に知れば、不満の多くは設計と予算で防げる
  • 最後は、自社の業務でデモを見て決める

44,000社以上が使う製品に、なぜ「使いにくい」という声があるのか。

答えの多くは、製品の外にあります。

気になる評判を3つ書き出し、どれの話かを仕分けるところから始めてください。

もう少し詳しく知りたい方へ

NetSuiteが自社に合うかどうか。課題の整理から、ご相談をお受けしています。

合わない場合は、その理由と、他の選択肢をお伝えします。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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