NetSuite Redwood UI(新画面)とは?移行の影響と、現場が戸惑わない切替のコツ

「NetSuiteの画面が新しくなるらしい」。

最近、そんな話を耳にした方が増えています。これが、Oracleの新しい画面デザイン「Redwood(レッドウッド)」です。Redwoodとは、Oracleが全製品で進めている新しい画面デザインの共通ルールのことです。

でも、いざ切り替えるとなると、不安も出てきます。

「何が、いつ変わるの?」「現場が戸惑わない?」「元に戻せる?」

この記事は、すでにNetSuiteを使っている方に向けて、新画面の正体と移行の進め方を、やさしく整理したものです。

この記事で分かること

  • Redwoodとは何か/なぜ今、画面が変わるのか
  • 従来画面(Classic)と何が違うのか(比較表つき)
  • いつ・どう自社に切り替わるのか、元に戻せるのか
  • 現場が戸惑わない移行の進め方

読了目安:約7分

なお、ベンチャーネットはNetSuite認定パートナー(Solution Provider)として、導入から運用までを支援しています。本記事は、その現場で得た知見をもとに、できるだけ実務目線でお伝えします。

目次

Redwood(レッドウッド)とは?──NetSuiteの新しい画面デザイン

Redwoodは、Oracleが全製品で進めている次世代の画面デザインです。NetSuiteの見た目や操作の流れが、従来画面からこの新デザインへ順次切り替わっていきます。

単なる「色替え」ではありません。Oracleは、より見やすく、より直感的に使える体験をめざして設計したとしています(出典:NetSuite公式「ユーザーエクスペリエンス」)。

なぜ今、画面が変わるのか

理由はシンプルです。従来の業務システムは「人がツールの使い方を覚える」のが前提でした。Redwoodは、その逆をめざしています。

つまり、テクノロジーのほうが人に合わせて適応する、という考え方です(出典:NetSuite公式「ユーザーエクスペリエンス」)。

新しく入った社員でも迷いにくく、学習の負担を下げる。そうした狙いが、新画面の背景にあります。

従来画面(Classic)と何が変わるのか

ここでは、従来画面(Classic)と新画面(Redwood)の違いを整理します。結論から言うと、「機能が増える」より「同じ機能の見え方・触り方が変わる」のが中心です。

観点Classic(従来画面)Redwood(新画面)
見た目情報密度が高め・タブ中心余白が広く、視覚的に整理された印象
ナビゲーション従来のメニュー構造検索や「新規作成」に常時アクセスしやすい構成 ※1
操作感習熟者には効率的直感的に操作しやすい
新しい社員の学習負担高めになりがち軽減をめざした設計 ※2
切替現行・既定任意で有効化(強制ではない)
今後・AI機能との関係今後のNetSuiteの土台。ただしAI機能の扱いは別(後述)
向いている組織操作に習熟し、当面は変えたくない新しい社員が多い/教育コストを下げたい/今後を見据えたい

※1・※2 は公式・各種情報に基づく記述です。表現の細部は入稿前に最新情報で再確認します。

大切なのは、Classicが「悪い」わけではない点です。操作に慣れている組織にとっては、従来画面のほうが速い場面もあります。だからこそ、いつ切り替えるかは各社の判断になります。

いつ・どう切り替わる?──有効化と移行の基本

新画面は、いきなり全員に強制適用されるものではありません。ここでは切替の基本を押さえます。

有効化のしかた(基本)

既存のアカウントでは、Redwoodは任意で有効化する方式です(出典:NetSuiteコミュニティ/公式情報)。

具体的には「Home(ホーム)> Set Preferences(環境設定)」から、Redwoodのテーマを選んで切り替えます。元の従来画面(Classic)に戻すこともできます。

段階的に進む点に注意

Redwoodは、よく使う画面から段階的に広がっていきます。ダッシュボード、リスト、フォームなどが対象です(出典:NetSuite公式「ユーザーエクスペリエンス」)。

適用される範囲は、NetSuiteのリリースごとに変わります。そのため「今どこまで新画面になっているか」は、その時点の最新情報で確認するのが安全です。

つまり、移行は「一夜にして全部切り替わる」ものではなく、少しずつ進む取り組みです。だからこそ、自社のペースで計画を立てられます。

【重要】画面デザインとAI機能は別物です

ここは誤解が生まれやすいポイントなので、はっきり分けてお伝えします。

Redwoodと一緒に「AIで何でも聞ける」「自然な言葉で操作できる」といった話題を目にすることがあります。これらは、Redwoodの上で動くAI機能であり、画面デザインそのものとは別の話です。

代表的なものに、次の機能群があります。

  • NetSuite Next:新しい画面とAIを組み合わせた次世代の体験
  • Ask Oracle:自然な言葉で検索・分析・操作を助けるAIアシスタント
  • AI Canvas:データを使って計画づくりを行う作業スペース

ここで重要な注意点です。

これらのAI機能は、日本での提供時期・範囲が現時点では要確認です(英語先行の可能性があります)。

一方で、Redwoodの「画面デザイン」自体は、日本でも案内されています。日本オラクルは2025年7月のプレスリリースで、これを日本の組織向けの施策の一つに挙げました(出典:Oracle日本、2025年7月23日)。

つまり、整理するとこうなります。

  • 画面デザイン(Redwood) → 日本でも使える前提で考えてよい
  • AI機能(NetSuite Next・Ask Oracleなど) → 日本での提供状況は要確認

AI機能の詳細は、別記事(「NetSuite Next」解説/※公開後にリンク)でくわしく扱います。

移行の落とし穴──新画面で現場が戸惑わないために

新画面(Redwood)への移行は、進め方を誤ると現場が混乱します。ここでは、ベンチャーネットが現場で見てきた、つまずきやすい4つのパターンと回避策をお伝えします。

これは、切り替えを急かすために書くものではありません。現場が戸惑わず、移行をムダにしないためです。私たちは、御社のタイミングに合わせて一緒に進める伴走者でありたいと考えています。

パターン①:移行の教育・定着を「現場任せ」にしてしまう

よくある現象

  • 「テーマを切り替えれば終わり」と考え、操作研修や説明をしない
  • 現場から「ボタンはどこ?」「前のほうが早い」という声が続出する
  • 一部の人だけ従来画面(Classic)に戻し、社内で画面がバラバラになる

なぜ失敗するか

画面の使いやすさは、慣れの比重が大きいものです。新しい配置に慣れる前に「使いにくい」という印象が固定される。すると新画面が定着せず、元の画面と運用に逆戻りします。

どう回避するか

切替の前に、主要画面の変化を一覧にし、短い操作ガイドを用意しましょう。一斉ではなく、一部から始めるのが安全です。

ベンチャーネットは「画面が変わる=現場の業務が変わる」と捉えています。教育や定着の設計まで含めて、一緒に伴走します。

パターン②:いきなり全社・全画面を一斉に切り替える

よくある現象

  • 「どうせなら一度に」と、全社・全ユーザーを同時に切り替える
  • 繁忙期や決算期に移行を重ねてしまう
  • 操作の戸惑いが一気に噴出し、問い合わせが殺到する

なぜ失敗するか

UIの変更は、全員の日常操作に同時に影響します。一斉に変えると混乱の総量が大きくなり、サポートが追いつきません。悪い第一印象が全社に広がってしまいます。

どう回避するか

主要な部門や画面から、段階的に進めましょう。完璧を最初から目指すより、まず動かして、慣れながら磨いていく。この発想が現場にやさしい移行につながります。

切り替える順番の設計も、ベンチャーネットが一緒に考えます。

パターン③:「画面が変わるだけ」と軽視し、今後の前提を見落とす

よくある現象

  • 「見た目が変わるだけ」と考え、情報収集をしないまま放置する
  • Redwoodと、その上で動くAI機能を混同している
  • 「日本でもうAIが全部使える」と誤解する、または「関係ない」と切り捨てる

なぜ失敗するか

Redwoodは、これからのNetSuite(AI機能を含む)の土台にあたります。前提を理解しないと、いざ機能が来たときに乗れなかったり、誤った期待で計画を立ててしまいます。日本での提供範囲は、機能ごとに異なる点にも注意が必要です。

どう回避するか

「画面デザイン(いま使える)」と「AI機能(日本では提供状況を要確認)」を切り分けて把握しましょう。最新の提供状況を踏まえ、自社がいま進めることと、待つことを整理します。

パターン④:切替の判断を先送りし続ける

よくある現象

  • 「今は忙しいから」と、毎回Classicのままにする
  • 判断する人が決まっておらず、誰も動かない
  • 気づけば周囲は新画面で、自社だけ取り残された感覚になる

なぜ失敗するか

Redwoodは、段階的に標準へと向かっていきます。先送りを続けると、準備が不十分なまま切り替わるリスクが生まれます。新機能や改善に乗り遅れるコストも無視できません。

どう回避するか

「いつ・どの範囲で切り替えるか」を、経営として決めてロードマップにしましょう。「今すぐ全部」でも「ずっと先送り」でもなく、自社に合うタイミングを見極める。その判断を、ベンチャーネットが伴走者として一緒に考えます。

新画面への移行は、単なる見た目の変更ではありません。画面が変わるとは、現場の業務が変わるということ。つまり、経営の話です。

「うちもこのパターンに当てはまるかも」と感じた方は、お気軽にご相談ください。一緒に、御社に合った進め方を考えさせてください。

自社はいつ・どう移行すべきか──進め方の考え方

最後に、移行の進め方の基本をまとめます。難しく考える必要はありません。

スモールスタートで、まず回す

一度に全部を変えようとせず、主要なユーザーや画面から始めましょう。新画面に触れて、慣れて、少しずつ広げていく。

「完璧を目指すより、まず回す」。この発想は、画面移行でもそのまま当てはまります。

教育と定着を計画に入れる

切替そのものより、その後の「定着」が成否を分けます。

  • 変化点をまとめた短いガイドを用意する
  • 操作に困ったときの相談先を決めておく
  • しばらくは「慣れの期間」と割り切る

こうした準備があるだけで、現場の戸惑いは大きく減ります。

「いつ切り替えるか」は経営の判断

新画面は段階的に標準へ向かいます。だからこそ、「自社はいつ・どこから切り替えるか」を、現場任せにせず経営として決めることが大切です。

これは「ITの話」ではなく「経営の話」です。ベンチャーネットは、その判断とロードマップづくりを、伴走者として一緒に考えます。

よくある質問(FAQ)

Q1. Redwood(新画面)はいつ自社に切り替わる?元に戻せる?

既存のアカウントでは任意で、自分で有効化する方式です。元の従来画面(Classic)に戻すこともできます。

有効化は「Home > Set Preferences」から行います。新画面は段階的に広がっており、適用範囲はリリースごとに変わります。そのため、最新の状況を確認しながら進めるのが安全です。

Q2. 現場が戸惑わない移行のコツは?

一斉ではなく、主要な画面・一部のユーザーから段階的に始めるのが安全です。

あわせて、変化点を一覧にした短い操作ガイドを用意し、教育と定着の計画をセットにしましょう。「まず動かして、慣れながら磨く」進め方が、現場にやさしい移行につながります。

Q3. 日本でAI機能(Ask Oracleなど)は使える?

Redwoodの「画面デザイン」は日本でも案内されていますが、その上で動くAI機能は別物で、日本での提供は要確認です。

NetSuite Next・Ask Oracle・AI Canvasといった機能は、提供時期・範囲が現時点では未確定です(英語先行の可能性があります)。「画面」と「AI機能」を分けて考えるのが、誤解を避けるコツです。

Q4. 何から始めればいい?

まず、新画面で何が変わるのかを把握し、自社の切替タイミングを経営として決めることです。

実際の画面をデモで確認し、移行計画と社内教育の設計を相談すると、スムーズに進められます。

まとめ──新UIは「これからのNetSuite」への入口

新画面(Redwood)は、見た目の変化にとどまりません。これからのNetSuite(AI機能を含む)に乗っていくための、入口にあたります。

ポイントを振り返ります。

  • Redwoodは任意で有効化でき、段階的に広がる
  • 画面デザインは日本でも使える前提。AI機能は提供状況を要確認
  • 成否を分けるのは「定着」。一斉導入より、まず一部から
  • 「いつ・どう切り替えるか」は、現場任せにしない経営の判断

焦る必要はありません。けれど、放置するのも得策ではありません。自社に合うタイミングを見極めることが大切です。

ベンチャーネットは、切替を急かす立場ではありません。御社の現場の習熟に合わせて、一緒に進める伴走者でありたいと考えています。「うちはどう進めるべき?」と感じたら、その問いから一緒に整理させてください。

もう少し詳しく知りたい方へ

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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