コーポレートトランスフォーメーションとは

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システムを入れたのに、何も変わらない

新しいシステムを導入した。ツールも増やした。それなのに、現場の手間はあまり減らない。判断が早くなった実感もない。

そんな経験はないでしょうか。

多くの中堅・中小企業の経営者が、似た手応えのなさを口にします。お金も時間もかけた。なのに、会社そのものは前と同じに見える。

ベンチャーネットも、同じ場面に何度も立ち会ってきました。ツールを入れること自体が目的になり、肝心の会社が変わらないままになる。これは、めずらしいことではありません。

なぜ、道具を入れても会社は変わらないのか

ここで一度、立ち止まって考えてみます。

ツールの導入は、いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション=デジタル技術で業務や事業を変えること)の一部です。DXは大切です。けれど、デジタルツールを入れさえすれば会社が変わる、という単純な話ではありません。

道具だけを新しくして、会社の形は古いまま。これでは、変化は起きにくいのです。

経営学者の冨山和彦氏に、『コーポレート・トランスフォーメーション 日本の会社をつくり変える』(2020年、文藝春秋)という著書があります。冨山氏はその中で、いま必要なのは小手先のデジタル化ではなく、会社の形そのものを描き直すことだと指摘しています。

道具の話ではなく、形の話。ここに、変わらなさの正体があります。

変えるべきは、会社の「形」そのもの

コーポレートトランスフォーメーションとは、会社の一部の業務を改善することではありません。会社の形そのものを、根本から作り変えるという考え方です。

冨山氏は、これを「革命」と呼べるほど大きな変革だと表現しています。一つの部署、一つのツールではなく、会社の構造そのものを問い直す。それがコーポレートトランスフォーメーションです。

ベンチャーネットは、これを自分たちの使命の中心に置いています。革新によって価値を生み出し、利益率の高い、知をつくり出せる会社を増やす。そのために、組織を強くする仕組みを整え、新しい事業を生み出し続ける場を持つこと。これが、ベンチャーネットの考えるコーポレートトランスフォーメーションです。

ツールを入れることは、その手段の一つにすぎません。目的は、あくまで会社の形を変えることにあります。

道具だけを替える 新しいシステム・ツールを導入 でも、会社の形は古いまま 変わらない 会社の形を変える 構造そのものを問い直し 根本から作り変える 変わっていく

図:道具だけを替えても会社は変わらない。変えるべきは、会社の形そのもの。

2本の柱——道具を変えるDXと、組織を変えるVX

では、会社の形は、どうやって変えるのか。

ベンチャーネットは、コーポレートトランスフォーメーションを2本の柱で支えると考えています。

  • DX(デジタルトランスフォーメーション):デジタルの道具を活かし、業務をつなぎ、自動化して、新しい価値を生み出す
  • VX(バーチャルトランスフォーメーション):「本質」を重視して、組織のあり方そのものを変える

VXの「バーチャル」は、ふつう「仮想」と訳されます。けれど辞書を引くと、その前に「実質上の/事実上の」、つまり「本質」という意味が載っています。

DXが「ごっこ」で終わってしまう会社には、共通点があります。道具を入れただけで、組織が前のままなのです。だからベンチャーネットは、道具(DX)と本質(VX)の両輪が要ると考えています。

コーポレートトランスフォーメーション(CX) = 変わり続けられる会社 DX デジタルトランスフォーメーション 道具を変える 業務をつなぐ/自動化 新しい価値を生む VX バーチャルトランスフォーメーション 本質を変える 組織のあり方そのものを 作り変える 道具(DX)と本質(VX)の両輪で、会社の形が変わる

図:コーポレートトランスフォーメーションは、道具を変えるDXと、組織を変えるVXの2本柱で支える。

具体的に何から手をつけるかは、この先の各章でお話しします。たとえば、ばらばらの数字を一つにまとめ、経営を「見える化」するところから始める道があります。〔→ 第2章 経営を「見える化」する〕

大切なのは、道具の導入で満足せず、形を変える方向へ進むことです。

変わり続けられる会社か、と問う

最後に、一つだけ問いを置かせてください。

あなたの会社は、これから先、変わり続けられるでしょうか。

産業の境目は、年々あいまいになっています。これまで縁のなかった会社が、突然、同じ市場に現れる。そんな時代に、大きな資本を持たない中小企業が生き残る道は、ほぼ一つだとベンチャーネットは考えています。

それは、常に変わり続けられる力を持つことです。

ここで誤解しないでいただきたいことがあります。これは、AIやツールで人を置き換える話ではありません。慢性的な人手不足の中で、デジタルやAIは、人を減らす道具ではなく、人を支え、会社が変わり続けることを助ける味方です。

コーポレートトランスフォーメーションの本当のゴールは、一度きりの改革ではありません。変わり続ける力を、会社が手に入れることです。

はじめの一歩は、どこからでも

冒頭の「入れたのに、何も変わらない」を、もう一度思い出してください。あれは、あなたの会社が変われない、という意味ではありません。まだ道具を替えただけで、形に手をつけていない。ただ、それだけのことです。

形を変える方へ一歩踏み出せば、会社は少しずつ変わっていけます。そして一度変われた会社は、次も自分の力で変わっていける。「変わらない会社」から「変わり続けられる会社」へ。その入口は、もう目の前にあります。

「会社の形を変える」と聞くと、大ごとに思えるかもしれません。けれど、はじめの一歩は、どこからでも踏み出せます。

ここまで読んで、「少し変わってみたいな」と思えたなら、その気持ちのまま、次の扉を開いてみてください。

  • 自分たちが何のために変わるのか、その軸を確かめたい方へ〔→ 終-2 バーチャル経営のビジョン・ミッション〕
  • 変革の先にある景色を見てみたい方へ〔→ 終-3 バーチャルトランスフォーメーションへ〕
  • 変わり続ける旅に、伴走者がほしい方へ〔→ 終-4 ベンチャーネットエンジンという伴走〕

今日すぐに変わらなくても、かまいません。けれど「変わりたい」と思えたなら、その一歩は、思うより近くにあります。その続きを、ベンチャーネットは一緒に歩きます。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

株式会社ベンチャーネット 代表取締役
2005年に株式会社ベンチャーネットを設立後、SEOをはじめとするデジタルマーケティング領域のコンサルティングサービスを展開
広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で支援を行っています
著書に『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業 「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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