NetSuite最新アップデートまとめ|SuiteConnect/SuiteWorld 2025-2026の新機能を総覧【2026年版】

「発表が多すぎて、結局なにが変わったのか。日本でいつ使えるのか」

NetSuiteを使う会社からも、検討中の会社からも、よく聞く声です。

SuiteWorldとは、Oracle NetSuiteがラスベガスで開く大きな催しです。

SuiteConnectは、世界の都市を巡って開く催しです。

新しい機能の多くは、この2つの場で発表されます。

2025〜2026年の中心は、AIでした。

ただし、機能ごとに提供される国と言語が違います。

北米で発表された機能が、日本で同じ時期に使えるとは限りません。

では、発表の山から、自社はどれを、どの順で取り入れればよいのか。

年表と中身を追ったうえで、第8章で答えます。

目次

この記事で分かること

  • 2025〜2026年の主な発表の年表
  • NetSuite Nextと、SuiteConnect 2026のAI機能の中身
  • 日本向けに発表された機能と、提供状況の確かめ方
  • 発表を「守り→攻め→次へ」の3段に振り分けて、取り入れる順番を決める方法

言葉の整理:MCP(Model Context Protocol)は、外部のAIと業務システムをつなぐための共通の約束事です。

2025〜2026年を一言でいうと

この2年のNetSuiteでは、AIが「便利な追加機能」から「業務の中心」に移りました。

NetSuiteは、世界220地域・44,000社以上で使われるクラウドERPです(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月時点)。

Oracleの公式発表では、自らを「#1 AI Cloud ERP」と位置づけています。

(出典:Oracle公式発表「NetSuite Next」2025年10月7日、2026年9月確認)

費用について、2024年9月の公式記事では、AI機能は追加費用なしで提供すると説明していました。

(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月確認)

2025年以降の各機能の扱いは、今回の確認で公式の明記を見つけられませんでした。

契約の中身は、アカウントの担当に聞いてください。

年表|主な催しと発表

時期催し・リリース主な発表
2025年7月23日SuiteConnect Tokyo日本向けのAI機能、Redwood、SuiteSuccessの新しいEdition
2025年10月7日SuiteWorld 2025(ラスベガス)NetSuite Next
2026年2月11日SuiteConnect New York8つのAI機能
2026年3月31日SuiteConnect LondonAI Connector Serviceの拡張
2026年7月NetSuite 2026.2Ask Oracleを今の画面でも利用可能に(米国・カナダ)
2026年10月25〜28日SuiteWorld 2026(ラスベガス)開催予定

(出典:Oracle・Oracle NetSuiteの各公式発表、2026年9月確認)

SuiteConnect Tokyo 2025|日本向けの発表

SuiteConnect Tokyo 2025は、2025年7月23日に東京で開かれ、500名以上が来場しました。

(出典:NetSuite日本公式サイト、2026年9月確認)

同じ日に日本オラクルが発表した主な中身は、次のとおりです。

分野発表された機能
生成AIPrompt Studio(AIの文の形やトーンを管理者が設定)、Text Enhance(カスタムの項目の入力を支援)
財務Financial Exception Management(財務の例外をAIで見つけて管理)
開発SuiteScriptから使える生成AIのAPI
請求E-InvoicingのJP PINT対応、SuiteBillingの前払いの統合
画面Redwoodのデザイン
業種・ライセンスSuiteSuccessの新しいEdition、倉庫とCRM向けのタスク専用ライセンス

(出典:日本オラクル公式発表、2026年9月確認)

日本の会社にとっては、北米の発表より先に、この一覧を見るのが近道です。

生成AIの使い方は、Text Enhance・Prompt Studioとはで扱っています。

発表を見たときに確かめることを図にすると、次のとおりです。

発表を見たら確かめる3つ:提供国・言語・自社のアカウント 北米で発表された機能は、提供国、日本語での提供、自社のアカウントで有効にできるかの3つを確かめる。「世界に提供」と「日本語で使える」は同じ意味ではない。 日本で使えるかを確かめる3つ 発表を見たら、機能ごとに確かめる 提供国 日本の顧客も対象になっているか 言語 日本語で提供されているか 自社のアカウント 有効にできるかを担当に聞く 「世界に提供」と「日本語で使える」は別
発表を見たら確かめる3つ:提供国・言語・自社のアカウント

SuiteWorld 2025の中心「NetSuite Next」

Oracleは2025年10月7日、ラスベガスのSuiteWorldでNetSuite Nextを発表しました。

中身は次の4つです。

  • Ask Oracle:自然な言葉で質問し、データを探す・分析する・操作するAIの助手
  • AI Canvas:データを使って計画やシナリオを考える共同の作業場
  • エージェント型のワークフロー:AIが複数の手順を順に進める仕組み
  • Redwood:新しい画面のデザイン

公式発表では、AIの動きは既存のロール・権限・方針の範囲で管理されると説明しています。

提供は、まず北米の顧客からとされました(出典:Oracle公式発表、2026年9月確認)。

2026年7月の公式記事によると、NetSuite 2026.2でAsk Oracleを今の画面でも使えるようになりました。

対象は米国とカナダの顧客で、ほかの国は今後とされています(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月確認)。

詳しくは、NetSuite Nextとは、Ask Oracleとは、AI Canvasとはで扱っています。

SuiteConnect New York 2026|8つのAI機能

2026年2月11日のSuiteConnect New Yorkでは、業務に直結する8つのAI機能が発表されました。

機能何をするか詳しく
Intelligent Close Manager決算の作業・傾向・差異をAIで見張り、締めを早める解説
銀行取引のAIによる照合銀行の明細を読み取って分け、自動の照合の割合を上げる解説
レポートのAIによる説明文財務や業務のレポートに、要点の文章を付ける解説
顧客の要約役割に合わせて、案件と取引の要約を出す—
Advanced Pricing(AIの支援つき)複雑な価格のルールを1か所で管理し、AIが要約する—
SuiteCloud Developer AssistantSuiteScriptの開発をAIが支える解説
EPMの計画のエージェント自然な言葉で傾向の分析や「もしも」の試算をする解説
EPMの照合のエージェント過去のデータから学んだ照合で、消込を自動化する解説

(出典:Oracle NetSuite公式発表〔PR Newswire〕、2026年9月確認)

公式発表では、これらの機能は世界の顧客に提供中とされています。

例外は2つです。

  • 複数の子会社にまたがる仕入先への支払の機能は、米国の顧客だけ
  • レポートの説明文は、まず英語で提供し、ほかの言語は今後

「世界に提供」と「日本語で業務に使える」は、同じ意味ではありません。

日本の子会社や日本語の画面での動きは、自社のアカウントで試して見極めます。

同じ時期のリリース(2026.1)

2026年2月10日の公式記事では、2026.1のリリースの中身も紹介されています。

上の機能のほかに、日々の経理に関わる改善が含まれます。

  • 仕訳の承認の流れを整える機能(Suite Approvals)
  • 銀行明細の取込を、予約して自動で行う設定
  • 仕入先の情報が変わったときの、支払のリスクの検知

(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月確認)

大きな発表の陰にある、こうした小さな改善のほうが、すぐに効くこともあります。

リリースノートは、見出しだけでも毎回目を通す価値があります。

財務のAIをどこから入れるかは、次にNetSuiteの財務・経理をAIで自動化するを読むと判断の材料がそろいます。

SuiteConnect London 2026|外部のAIとつなぐ

2026年3月31日のSuiteConnect Londonでは、AI Connector Serviceの拡張が発表されました。

AI Connector Serviceは、MCPを使って、外部のAIからNetSuiteのデータを扱う仕組みです。

発表された拡張は次の3つです。

  • 財務向けの100を超える質問の型をそろえた「Companion」
  • AIの画面の中で、絞り込みや入力の欄を使ってNetSuiteを操作できる「MCP Apps」
  • 分析用のデータ基盤(NetSuite Analytics Warehouse)への接続

Companionと分析基盤への接続は、英語で世界に提供中とされています。

(出典:Oracle NetSuite公式発表〔PR Newswire〕、2026年9月確認)

組込型のAIは、決算・消込・予測など、NetSuiteの中の業務を速くします(例:Ask Oracle、Intelligent Close Manager)。

外部のAIは、手持ちのAIから経営のデータを照会・分析するときに向きます。

使い分けは、NetSuite純正AIと外部AIの違いとAI Connector Service(MCP)で扱っています。

やりたいことから選ぶ:組込型のAIと外部のAI NetSuiteの中の業務(決算・消込・予測など)を速くしたいなら組込型のAI(例:Ask Oracle、Intelligent Close Manager)。手持ちのAIから経営のデータを照会・分析したいなら、AI Connector Service(MCP)で外部のAIとつなぐ。 やりたいことから選ぶAI NetSuiteの中の業務を速くしたい (決算・消込・予測など) 組込型のAI 例:Ask Oracle、Intelligent Close Manager 手持ちのAIから 経営のデータを照会・分析したい 外部のAI AI Connector Service(MCP)でつなぐ
やりたいことから選ぶ:組込型のAIと外部のAI

年2回のリリースと備え方

新しい機能は、年2回の大きなリリースで届きます。

公式ヘルプでは、各社のアカウントは数か月かけて順にアップグレードされると説明しています。

事前に、リリースプレビューのアカウントを申し込み、自社のデータで試せます(出典:Oracle NetSuite公式ヘルプ、2026年9月確認)。

カスタマイズや連携が多い会社ほど、この試す期間の重みが増します。

具体的な進め方は、NetSuiteのバージョンアップへの備え方で扱っています。

ベンチャーネットならこう見る|発表を3段に振り分け、90日で1つ試す

発表の一覧を前に、「どれから入れるか」で迷う会社は少なくありません。

NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットは、発表を機能の新しさでは並べません。

自社がいまどの段にいるかで、取り入れる順番を決めます。

型1:守り→攻め→次へ

ベンチャーネットは、NetSuiteが定着した先を3つの段で見ています。

この2年の発表を、その3段に振り分けると次のようになります。

段自社の状態効きやすい発表の例
守り|業務が回る決算・照合・承認を安定させたい2026.1の承認・銀行明細の自動取込・支払のリスクの検知、銀行取引のAI照合、Intelligent Close Manager
攻め|データで打つそろったデータで売上や顧客に手を打ちたいText Enhance、顧客の要約、レポートの説明文、Ask Oracle、AI Connector Service
次へ|経営が変わるKPIや計画の立て方を変えたいEPMの計画のエージェント、AI Canvas
2025〜2026年の発表を守り→攻め→次へに振り分ける 守りには承認・銀行明細の自動取込・支払のリスクの検知・Intelligent Close Manager、攻めにはText Enhance・顧客の要約・Ask Oracle・AI Connector Service、次へにはEPMの計画のエージェントとAI Canvas。守りから順に取り入れる。 発表を3段に振り分ける 守り|業務が回る 承認・銀行明細の自動取込 支払のリスクの検知・締めのAI 攻め|データで打つ Text Enhance・顧客の要約 Ask Oracle・外部AIとの接続 次へ|経営が変わる EPMの計画・AI Canvas いまいる段の発表から試す
2025〜2026年の発表を守り→攻め→次へに振り分ける

振り分けは、ベンチャーネットの見立てです。

稼働から間もなく、締めや照合がまだ安定していない会社は、守りの段の改善から入ります。

華やかな攻めや次への発表は、守りが固まってからのほうが効きます。

型2:1業務・1KPIで回す「90日の1周目」

段が決まったら、そこから1つだけ試します。

業務を1つ、見る数字を1つに絞り、最短90日で1周目を回す型です。

  1. 動かしたい数字を1つ決める:月次決算の日数、照合の手間など
  2. その数字に効く発表を1つ選ぶ:いまいる段の中から
  3. いま日本で使えるかを見極める:提供国・言語・自社のアカウントで有効にできるか
  4. 前と同じ条件で比べる:試す前と後の数字を、同じ月の締めで並べる

3で使えないと分かったら、打つ手は3つです。

開発で補う(アドオン開発の「NetSuiteリブート」や外部のAIとの連携)。

日本での提供を待ち、時期が見えたら計画に入れる。

あるいは、同じ段の別の発表に切り替える。

「その機能は、いまの自社には要らない」と言える判断も、同じくらい大事だと考えています。

これから選ぶ会社と、いま使っている会社

これから選ぶ会社は、デモで見たAI機能が日本で提供されているかを1つずつ聞きます。

提案書に載っている機能に、提供国と言語を書き足してもらうと、あとで食い違いません。

いま使っている会社は、リリースのたびに次の3つを見ます。

  1. 自社のアカウントで、新しい機能が有効にできるか
  2. カスタマイズと連携が、新しい版で動くか
  3. 試す価値のある機能を、誰が選ぶか

担当者が1人だけだと、この作業が負担になりがちです。

リリースごとの確認を、外部と分担する方法もあります。

よくある失敗3つ

失敗1:新しい機能の導入そのものが目的になる

起きること:発表のたびに検討に追われ、使われない機能が増える。

原因:その機能で、自社のどの数字を動かすかを決めていなかった。

避け方:「月次決算を何日早めるか」のように、動かしたい数字を先に1つ決めます。

失敗2:北米の発表を、日本でもすぐ使えると思い込む

起きること:海外の記事を前提に計画を立て、実際には使えずに計画が止まる。

原因:提供国・言語・自社のアカウントでの可否を見ていなかった。

避け方:発表を見たら、提供国と言語を表に書き、アカウントの担当に問い合わせます。

失敗3:発表された機能を全部入れようとする

起きること:現場が慣れる前に次の機能が入り、「前のやり方のほうが早い」と元に戻る。

原因:機能を入れる速さが、現場の定着の速さを超えていた。

避け方:標準の機能に業務を合わせる考え方(Fit to Standard)で、いまいる段の機能から順に入れます。

今日できること|発表を1枚の表にする

気になった機能を3つ選び、次の表を埋めてみてください。

機能守り・攻め・次へ動かしたい数字日本・自社で使えるか
(例)Intelligent Close Manager守り月次決算の日数世界に提供(公式発表)、自社は担当に確認

最後の列が「分からない」の機能が、最初に問い合わせる対象です。

あわせて、次のリリースの時期と、リリースプレビューを申し込む担当を決めておきます。

よくある質問

Q1. 2025〜2026年の主な発表は何ですか

NetSuite NextとSuiteConnect 2026のAI機能です。

NetSuite Nextは2025年10月、8つのAI機能は2026年2月に発表されました。

日本向けには、2025年7月のSuiteConnect Tokyoでの発表もあります。

Q2. 北米で発表された機能は、日本で使えますか

機能ごとに違います。

2026年2月の8つのAI機能は、一部を除き世界の顧客に提供中とされています。

Ask Oracleは米国とカナダが対象です。

自社のアカウントで使えるかは、担当に聞いてください。

Q3. NetSuite Nextはいま使えますか

北米から提供が始まっています。

2026.2でAsk Oracleを今の画面でも使えるようになり、対象は米国とカナダです。

ほかの国は今後とされています。

Q4. 新しいAI機能に追加の費用はかかりますか

2025年以降の機能は契約の中身を見てください。

2024年9月の公式記事では、AI機能は追加費用なしと説明していました。

それ以降の機能の扱いは、今回の確認で公式の明記を見つけられませんでした。

Q5. 年2回のリリースは見送れますか

見送る前提では計画しないのが安全です。

公式ヘルプでは、各社のアカウントが数か月かけて順にアップグレードされると説明しています。

リリースプレビューで事前に試せます。

Q6. 何から始めればよいですか

自社がいる段と動かしたい数字を1つ決めることです。

守り・攻め・次へのどの段にいるかで、見るべき発表が絞れます。

そのうえで数字を1つ決め、90日で1つだけ試します。

まとめ

  • 2025〜2026年の中心はAI。NetSuite NextとSuiteConnect 2026の8つの機能が柱
  • 日本向けには、SuiteConnect Tokyo 2025で生成AIやJP PINTなどが発表された
  • 提供は機能ごとに国と言語が違う。Ask Oracleは米国とカナダから
  • 外部のAIとは、AI Connector Service(MCP)でつなげる
  • 取り入れる順番は、守り→攻め→次への段で決め、1業務・1KPIで90日試す

「どれを、どの順で」への答えは、発表の新しさではなく、自社がいまいる段にあります。

まず、気になった3つの機能を、今日の表に書き込んでみてください。

もう少し詳しく知りたい方へ

どの機能を、どの順番で取り入れるか。

日本での提供状況の確かめ方から、ご相談をお受けしています。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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